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大阪FANTASISTs  作者: あるきめです。
過去編
2/8

プロローグ2

今回は少なめ〜

 私立佐竹台高校に編入して早3日が過ぎようとしていた。


 千里丘は未だに鬼との遭遇に至っていない。

 千里丘が久方ぶりに我が隊に顔を出すところから話を再開する。


 チカチカと蛍光灯が鬱陶しく、そして薄暗い廊下を闊歩する。

 千里丘は鉄格子を開け、その奥にあるドアノブに手をかけた。

 ギギギと錆びた音を鳴らしてドアは開いた。

 4つの視線がたいちょーに寄せられる。


「きゃー!たいちょーだぁ!」

 少女のように叫んだのは池田だ。


「煩いぞバカ。」

 島本は遮るように話を切った。


 ここで、千里丘はパンパンと手を叩く。

「んじゃあ会議を始めようか。」


 ***


「で、たいちょーは何か収穫あったんすか?」律儀に手を挙げて質問をする。


「俺の収穫を資料にまとめようと思ったんだが、A4が2枚以上になりそうだからやめた。

 ってな訳で、簡単に口頭で説明します。」

 キリッとしたキメ顔で言う。


「それはいつもの事なので 次、お願いします。」

 池田はメモ用紙を用意して続きを促す。


「今回の化け物は恐らく鬼じゃないな。」

 千里丘の発言に首を傾ける。


「というと?」


「まず、鬼の性質上、単体行動はあり得ない。2つ目、人が殺されている。」


 付け足すように池田が口を開く。

「鬼ならばただの一般人を殺しませんからね。」


「そうだ。」


 鬼は過去、数多の文献に登場する。


 鬼といえば高圧的な顔を持つ。そして残虐で人を殺すことにしか能が無い。


 と、思われがちだが、実はそうではない。


 実際、鬼は高い知能を有し、言葉を操り、酒を好み、組織を成し、計画的な略奪を行う、そして無意味な殺生を嫌う。


 それが鬼。それがただの一般人を殺す筈がない。


「じゃあ何すか?鬼っぽい見た目で知能の低いヤツってことっすか?」


「ああ、大方、オーガとかそんなトコだろうな。」


「でも、オーガなら両方殺すのではないですか?」


 的を射ている。


「では、自然発生ではなく、()()されたモノだとしたら?」


「しかし、オーガの召喚術式なんてどの文献にもありません。」

 目つき悪少女が食ってかかる。


 ここで千里丘、解答を知る。目線の先には蛍光灯の光。


「おい、池田。」


「はい!」


「三日後の夜は・・・」


「空いてますよ!」


「違う、晴れか?」

 アホの貝塚以外も答えを見出した。


 ***


「また会えなかったみたいだね、うん。」


 千里丘は理事長室を見渡す。

 ダンボールが開いている。


「人の目玉はそんなに良いモノなのか?」


 触れてしまう、奴の趣味を。


「勿論だとも。そこにある目は全て、それぞれの人生を見てきたんだよ。

 つまり、同じ球体でも()が大きく異なるんだよね、うん。それが僕にはわかる。」


「お前は世界が退屈だと言ったな、しかし、俺にはお前が退屈しているようには見えない。

 お前にとっての退屈とはなんなんだ?」


「退屈なのは僕じゃないよ。」


「は?」


「それは君だ。そうだろ?」


「・・・」


「君はイかれている、」


「・・・もういい。」


「たかが雑魚1匹の為に《オーバー・10》を動かしたのはコレが理由さ。」


 一瞬の静寂の後、千里丘は核心に迫る。


「では、エンターテイナー、次はどこに()()()()んだ?」


「はて、何のことやら」

 白々しい笑みを作る。


「というか、僕が何かしなくても退屈は無くなっていたようだけどね。」


「なに?」


「まぁ、そのうち分かるさ」


 ***


 傾陽に彩られた広い廊下を歩く。

 取り付けられたステンドグラスの赤が射し込み、廊下全体が温かみを帯びる。


 千里丘が廊下の曲がり角に到達する頃には陽は沈み、振り返ると寒色が廊下を彩る。

 月光がステンドグラスを通り光の道を作った。


 千里丘はステンドグラスを観察すると、確信したので曲がり角を曲がった。


 ***

 ーーー千里丘隊の会議から三日後


「おはようございます!先輩!」


「・・・あぁ。」


 相変わらず天王寺のペースには着いていけない。


「また聞かせてくださいよ、情報。」


 コイツとの情報交換が毎日、朝の日課となっている。まぁ、一方的に嘘を話しているだけなんだがな。


「ーーーーという事で、南の林が怪しいから今日の0時に集合だ。」


「いやぁたよってくれて嬉しいです。では、また後ほど!」


 屋上の扉を開け、天王寺が校内に戻っていく。姿が見えなくなったところで、携帯を取り出した。


「池田か?予定通り、0時にカタをつける。」


 ***


 おわり

読破ありがとうございます!

次回、急展開!

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