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ゆうしゃのつるぎを嫁にした  作者: ねこのひと
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【プロローグ】 任命状と転生

「ただいまぁ」

玄関のドアを開けながらくたびれた声で半ば呻くような声を出す。

当然、部屋からは返事は来ない。それもそのはず、一人暮らしだからだ。

そこそこ名前の通ったシステム会社に就職したは良いものの、理不尽な上司、とても良好とはいえない職場の人間関係、彼女はおろか同性の友達すらも段々と連絡が取れなくなっていく。それもこれも慢性的な人手不足から来る殺人的な仕事量、そして劣悪な環境に耐えられなくなった人間が辞めることで更に仕事が増えるといった悪循環が諸悪の根源だった。俺はよく耐えられている方らしい。まあ、耐えてもいいことなんて一つも無いが。

「こんなに疲れた時くらい、可愛い女の子が家で待っててくれたっていいじゃないか」

そんな、どうにもならないこと口にする。要は、それくらい疲れているのだ。明日も早いし、遅い夕食でも食べながら動画サイト巡回でもしようかな。などと考えていたら。


ぴんぽーん


間の抜けた音が部屋に響き渡った。

こんな時間に誰だ?泥棒か?まあいいや。どうせワープアな俺の家にある高価なものといえば白物家電とデスクトップPCくらいさ。とれるものなら取ってみろってんだ。半ば開き直りに近い気持ちでドアを開けてみる。

「ちわーす、郵便でーす。ハネムラ ユヅキさんですね、印鑑かサインくださーい」

羽村 優月。俺の名前だ。郵便物なんて心当たりがないけれど。ひょっとしたらな何か怪しい勧誘の類かもしれないそうだとしたら即刻ごみ箱行きだ。ひとまず封筒を受け取り、サインする。

「ありあとやっしたー」

配達員が帰った後、改めて件の封筒を見る。羽村優月様と書いてある以外には何も書かれておらず、差出人の名前すらない。うん?待て、住所もないのにあの配達員はどうやってここだと分かったんだ?くそう、強盗じゃなくて詐欺の類なのか?こうしている間にあのサインがあらぬ使われ方をされているに違いない。俺が何をやったっていうんだ。

なんて悲観的な思考が頭の中を駆け巡る。やっぱり、疲れで思考もネガティブになってる気がする。過ぎたる労働はロクな結果をもたらさない。断固として週休8日を希望する!

まあ、そんなことはひとまず置いといて、だ。

とりあえずこの封筒の中身を確認するのが先決だ。やけに固い封をはがし中身を取り出す。するとそこには


「ゆうしゃ にんめいじょー


あなたはゆうしゃにえらばれました  おめでとー

きょうの 24じまでに このてがみを だれかに わたさないと

あなたは ゆうしゃになります

ゆうしゃになったら まおう を たおしに いってください


ついしん

わたしは めんどくさいので ひとりで いってくれると うれしいな いえーい」


この時代に不幸の手紙かよ。子供のおふざけでももうちょっとマシな文章になると思う。下に無駄に綺麗に作られた魔法陣があるが、こんな物を作るなんてよっぽどヒマか、人を苛立てることに喜びを感じるやつだ。あるいはその両方か。

もういいや、こんな事に少しでも時間を取られたことがバカバカしい。ささ、早く動画サイトの巡回をしないと、俺の睡眠時間がなくなってしまう。今日はノラワンコ先生の新作動画と―――。


日付が変わるころには、俺は手紙のことなんてすっかり忘れ、PCの前で寝落ちしていた。


箱にカップ麺の容器と一緒に入った手紙が、誰にも知られず輝きはじめる。その光がやがて部屋を満たし、羽村ユヅキの体を包む。


こうして一人の勇者が任命されたのだった。

初投稿デウス。

まだプロローグなので何も始まってませんが、近いうちに続きをあげます。

今のとこ、二次創作でなくオリジナルでやっていこうと思ってます

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