嘘でしょ……?
注意! かなり過激な下ネタあり!
そう言うのが無理な人は、気をつけて!
(そう言うの好きな人は是非ニヤニヤ
しながらお楽しみください)
あと、投稿するの遅くなってすみません。
私は自分のベッドに突っ伏しながら、思わず泣いてしまった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ! 」
布団で声がこもる。
この家は全部屋防音されてるから、
おそらくこの叫び声は母にも、藍翔のお父さん、裕翔さんにも聞こえてない。
だけど、なにか、無性に恥ずかしくなる。
だけどなんで……。
なんで好きって気持ちが……伝わらないの……!
吾嬬と仲良く?
なんで? ちょっと話してただけなのに……。
これが嫉妬?
そんな呑気なこと考えてられない。
気づいたら涙は引っ込んでた。
泣きすぎたのか。
藍翔にとって私はなんなんだろう。
ただの義理の妹でしかないのかな。
ダメだ。もう考えるのはやめよう。
つらい。辛くて仕方がない。
果菻に今日のこの出来事をメールで送る。
コンコンッ!
ちょうどメールを送り終わった直後に、誰かが私の部屋をノックしてきた。
だ、誰?
「羽璢沙、吾嬬君が遊びに来たわよ。
出なさい。なにに泣いてんのか知らないけど」
吾嬬……。
嫌なタイミングで来たなぁ。
私は目の下にたまった涙を拭き取ると、ドアを開ける。
そして一階までエレベーターで行く。
「はいはい? なに、吾嬬」
吾嬬は一階の一番広い部屋の真ん中にあるテーブルでココアを飲んでいた。
勝手にくつろぎやがって。
つっても私もこの家を借りてる……というか、居候……でもないけど、まぁ、なんかそんな感じだけどね。
「なに? なんか用?
今私、最高にテンションが低いから、
話があるなら手短にして」
吾嬬はオドオドしながら申し訳なさそうに口を開いた。
「あのね、覗き見するつもりはなかったんだけど、その……お兄さんとのやり取りを聞いてしまい……あの……わ、悪気があった訳じゃないんですけど、その……ゴメンなさい」
っ!……。
最悪!
よりにもよってなんでこいつに聞かれてんの。
ウッザ! ウッザ! ウッザ!
「そんなことなら帰って。
今それにイラついてんだから。
なんで私じゃダメなんだろ……。
……。
折角来たんだし、私の部屋で愚痴聞いてよ」
半分冗談、半分本気でいう。
吾嬬は果菻の家にも行ったことないらしいし、女子とキスしたこともない。
エッチ? ある訳ないだろ。
一生童貞だよ、こいつは。
だから女子の部屋ってのにかなり抵抗があるらしい。
急に焦りだす。
吾嬬なら多分、女子に壁ドンしながら
「俺と一緒に、S◯Xしよ? 」
とかって言えば絶対女子からオッケーもらえるわ。
だってメチャイケメンだもん。吾嬬。
「あ、えっと……。イイっすよ」
なんなん、さっきから。
めっちゃ敬語やん。
コイツマジで童貞卒業できないんじゃね? 女子のこと苦手なの?
まぁ後で聞いてみよ。
**
「でさ、なんで私はダメなの?
私ってそんなにブスなん? 」
「いや、そんなことないっすよ。
十分可愛いっす。
いやでも果菻には劣る……」
「ウルセェ、果菻信者」
「うへぇ」
吾嬬のせい(? )だけど、吾嬬と話してたら多少はマシになった。
気分が楽。
たけど時々藍翔の顔が頭を横切る。
藍翔……。もう話せないのかな。
あいつと。
「ねぇ吾嬬。私の何がダメなの?
認めてもらうまで自分を変えてみるわ! 」
吾嬬は女子苦手でも、エッチ下手でも(というか童貞でも)、女子力高くても、一応男子だから。
男子の意見を聞いとかないとね。
「えっとねぇ。まず、もう少し女子らしくしな。それは果菻にも言えることだけどね」
「う〜。分かった」
で……?
吾嬬君は女子が苦手なのかな?
全然女子と(果菻と私以外と)話してないから、本当に思う。
「女子? 別に苦手じゃないっすよ」
「ふーん」
へぇ……。
女子と話さないし、キスも手を繋いだことも、S◯Xもしたことないのに、
苦手ではないんだー。
ふーん。
でもさ……。
「とか言って、実は苦手なんだろ」
私はツーッと、人差し指を吾嬬の下半身に持っていく。
吾嬬のモノに当たる寸前に、吾嬬が私の手を掴む。
「別に苦手とかじゃねぇし。
そんなに疑うならさ……」
吾嬬が妙に真剣な顔になる。
そして私のことをベッドに押し倒す。
「あっ……」
吾嬬は顔を赤らめることもなく、
私の首にキスを……。
「バッカじゃねぇの。
彼女持ちの俺が他人に手を出すわけねぇじゃん。ビビんなくていいから」
“他人”……。
その言葉が変に私の心に響いて、
何か少し悲しくて。
変なの。嫉妬ですか?
なわけ……ないじゃん。
彼女がいる吾嬬と彼氏がいる果菻に
嫉妬なんて、そんなの今更……。
「ウザァァ……」
吾嬬の肩に手をかけながら、半分泣き目で言う。
吾嬬は軽く私の頭にキスのようなものをしながら、「アホ」と言う。
ダメだよ、私。
まだ藍翔のことが好きだぁ……。
吾嬬と果菻に嫉妬してるんじゃなくて、藍翔の彼女たちに嫉妬してんじゃん……。
ズルイよ、って。
「ありがとう。
吾嬬、もう帰っていいよ」
「うっす」
吾嬬は私の頭をポンポンとした後、私の部屋から出て行った。
私の脳内に、あの時の
『『お前って重い女だよな』とかって言われね? 』という言葉が出てくる。
「なんでよぉ……。
ゔ、ゔぅぅぅぅぅぅ……。
バカ藍翔……」
「バカで悪かったな」
「えっ……? 」
ドアに手をかけた藍翔が私を見つめる。
「あ、藍翔っ……?
なんでここに? 」
突然私の部屋に入ってきた藍翔に、私は動揺を隠せなかった。
更にあんなに叫んでたから、余計動揺してしまう。
「だってここ俺の家だし。
それに、さっき病院帰りっぽかった本谷さんに
『お前なに羽璢沙の事いじめてんの。
さっさと謝ってこい、ハゲ』
って言われたから」
な、なんなのさ……。
果菻、ナイス!
けれど私は、自分がすねていたことを悟られたくなかった。だから私は少し乱暴な言い方で藍翔に
「自分の部屋に戻って! 」
と言った。
「ふーん。じゃあ戻るわ」
藍翔が部屋を出たのを確認すると、再び叫ぶ。
「なんで私じゃダメなの?
藍翔は私がそんなに嫌い?
もう、嫌になる! 」
再び涙が出そうになる。
やだなぁっ……。
「別にそんなんじゃねえって」
藍翔が頭をぐしゃりとしながら私を見る。
まだいたの!?
私の発言、全部聞いてた!?
嘘っ……最悪!
「なんなの……」
「俺はお前のことは一番好きだって! 」
「え? 」
私には藍翔の言ってることが理解できなかった。
“一番好き”の意味が理解できない私は、只々涙を流すことしかできなかった。
多分次回で最終回です。
兄恋は短めでしたけど、楽しんでね!