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お兄ちゃんの彼女。

兄恋を読んでくださり、誠にありがとうございます。

第2話も更新しました!

引き続きお楽しみくださいね!

「おはよーっ! 」

どうも。

昨日、藍翔あいとが兄になった

しいな 羽璢沙はるさです。

今は学校に来ています。

登校する時に藍翔と一緒に登校してたら、私の寿命がぐっと短くなるから

別々に登校してます。

因みに家は同じだよ。


「羽璢沙! おはー」

この子は私の親友、本谷もとや 果菻かりん

その果菻の隣にいるのが

中山なかやま 吾嬬あずま

よく三人で行動するんだ。

だけど私だけ少し除け者なんだよね。

なぜかっていうと、果菻と吾嬬は

付き合ってるから。

この二人の仲に勝つことは、多分一生できない。

なぜならこの二人は超とんでもなくラブラブなのだから。


私もそろそろ彼氏つくんないとかな〜。


「キャーーーッ! 」

廊下から女子たちの黄色い声が聞こえて来た。

何事!?

クラスの女子が甲高い声でこう言う。


「藍翔くぅ〜ん! 」

あ……いと?

しょぱなから幸先さいさき悪りぃ……。


私の視界にうつったのは、

紛れもなくあの義兄の藍翔だった。

確かにあんまり意識してなかったけど、藍翔ってモテてるよね。

それもかなり。


私のことが好きっていってる男子は、

多分学校の三分の一ぐらいだけど、

藍翔は三分の二以上の女子から支持されてんだよなぁ。

ある意味私のライバルやな。


「あ、羽璢沙! 羽璢沙に会いたかったんだよ。お前さ、弁当家に忘れていったっしょ。羽璢沙の母さんに弁当渡してって言われたから持って来たぜ。

こっから投げるわけにはいかねーからよー。早くこっちこっ……」

私は藍翔が喋っている途中に藍翔の口を私の手で塞ぎ、そのままトイレの前まで連れてくる。

そして、鬼の形相で睨みつける。


「藍翔。マジでいい加減にしろ。

弁当はありがとうだけど、

みんなの前でそういうことするのだけは本当にやめろ」

低い声で藍翔を制す。

けれど藍翔は美しい顔で頭にはてなマークを浮かべながら聞いてくる。


「なんで? 俺らの仲の良さをみんなに見せたいじゃん」

「しね」

「ゴメンねぇ……」

こいつ自覚あんのか?

ってか、こいつ的には学校中の人に私は藍翔の妹だっていうことがバレてもなんも思わないのかもしれないけど……。


こっちの身にもなれぇ!

「で? 弁当は? 弁当渡したら今すぐに私から離れて」

藍翔は少しムッとした顔をして、

「なんだよ、折角もってきてやったのに、その態度は」

と言ってきた。


まぁ確かに、幾ら何でもさっきの発言は撤回したほうがいいかも。

「ゴメン……。

でも許して。私、兄妹だって他の子にバレるのがやなの。

許して、お兄ちゃん……? 」

「うん。許す! 」


チョロすぎだろ。

でも使いやすくていいね。


**


そのあと私は、藍翔から弁当をもらい教室に戻った。

教室の中に私が入ると、かなりザワついた。

あいつのせいだな、絶対。

そこで果菻と吾嬬に呼ばれた。

そして、小声で頭が痛くなるようなことを告げられた。


「ねぇ、ヤバイよ、羽璢沙。

クラス中の女子が、

『秕 羽璢沙は柊 藍翔様の何者だ!? 』

なんて言いながら騒いでたんだよ!」

私は思わず舌打ちが出た。

ほんとムカつくわ〜あいつ。

「ちょっと、羽璢沙!

藍翔様の何なの!? 」

「はぁ〜!? 」

ったく。

ホンマにマジで藍翔ほんとムカつく!

ほんと死ね、ほんと消えろ、

ほんと嫌い!


私の人生狂ったな、これ完全に。


と、そこに……。

「ちょっと、クミちゃんたち、

俺なんかの取り合い、しないでよ。

いつも言ってるでしょ。

俺はみんなのものだよって」

藍翔がカッコつけながら言う。

どっから出て来やがった、コイツ。


こんなんで流されるほど流石にバカじゃないだろ、いくら女たちでも。

こんなんで流されるのは、バカだよ。


「キャ、キャァァァァァ!

藍翔様〜っ!

私のこと好き? 」

「うん。だから付き合ってるんだよ」

え!?

今の一瞬で私は驚いた。

驚くのは多分私も、これを知ったあなた達も同じなはず。

なに? 藍翔ってこの女と付き合ってんの?


なんかなぁ……。

更に、女達は目を光らせて藍翔にこんな質問をする。

「「「私達のことも好き? 」」」


はぁ?

これで好きなんて言ったら、彼女さんに超失礼じゃん。

さて、藍翔はどのような行動をとるのだ!?


「もちろん。女の子はみーんな、

大好きだよ」

なんてことを……っ!?

そんなこと言ったら、彼女さんが……。


女の顔を見る。

女の子は一瞬不機嫌そうな顔をしたが、そのあとすぐにいつもの顔に戻り、「藍翔様! 」

なんて言い出した。


なに?

別に他の女が好きになってもいいってか?

藍翔への恋はそんなもんなのかよ。

私は心の中にあるモヤモヤを感じながら、果菻と吾嬬のところに行く。



「え!? 知らないの? 」

果菻に目と口を大きく開けながら言われた。

私は混乱する。

なに? なにが『知らないの? 』なの?

果菻に思わず問う。

誰でもそうなるわな。


「だから、

“この学校のほとんどの女子が

柊の彼女だ”

っていうことだよ! 」

「はぁぁぁぁ!? 」

もちろん私は驚く。

自分の耳を疑う。

この学校で彼女持ちの男子が少ないなぁって思ったけど、そういうことか。

で、藍翔に男友達があんまいないのも

そういうことか。

辻褄つじつまがあった。

信じたくないけど信じるしかないという状況になった。


何だかなぁ……。


「……おいっ!

学校裏倉庫にこいよ! 」

小声で藍翔の声が聞こえる。

藍翔の顔が女子の群からチラリとみえる。

その顔が妙に真剣で、少しドキドキする。

何だよ……っもう!

「分かったよ! 」

藍翔にこの声は聞こえなかっただろう。だけど無駄に大きな声で返事をする。


この時の私は気づいてたよね。

私は藍翔のことをどう思ってるのかなんて。

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