70A列車 弊害
小倉を出発すると新幹線はすぐにトンネルに入る。このトンネルは新関門トンネルだ。東海道・山陽新幹線の中にあるトンネルでは最長のトンネルである。新関門トンネルを抜けてすぐに通過する駅が新下関だ。「のぞみ」はぐんぐんとスピードを上げ時速300キロに到達するのだ。
夜が更けていく中を矢のごとく駆け抜ける。
気付けば、「のぞみ64号」は厚狭、新山口を通過している。次に通過する駅は徳山だが、その駅が近づいてくると「のぞみ」は減速を開始する。
徳山駅は急カーブ上に存在する駅として名が知れる。この駅を通過する全ての新幹線がトップスピードから100キロ以上の減速を強いられる。16両編成の新幹線がゆっくりと急カーブを通過する様は圧巻である。徳山駅を通過すると再び加速を開始し、時速300キロに戻していく。だが、今の僕にはトップスピードに戻るまでを見届けるまでが限界だった・・・。
「んっ・・・。」
「急病人発生のため、発車まで・・・。」
目が覚めた時、遠くでそんなことをいっているのが聞こえた。
(今どこだろう・・・。)
そう思い、近くにある電光表示を見てみた。だが、眠い目には何と書いてあるのかなかなか判別することができない。だが、駅名が3文字だというのは理解できた。「のぞみ64号」の泊まる3文字の駅は新神戸、新大阪、名古屋、新横浜だ。どれだ・・・。
「お待たせいたしました。「のぞみ64号」東京行き発車いたします。」




