花ノ如ク舞ウ命 序
立花覇月ーーーーそれが私の名前だ。
その時私はパソコンに向かってたと思う。
詳しくは覚えてない。
ただ、頭とお腹に鈍痛がある。
喧嘩でもしたっけかな…...。
「...月、覇月!!!」
誰かの声がする。
少し目を開く。...ッ、クッソ、眩しい。
「覇月〜!!!!」
「んだよ…。まだ...眠...いーーーー、いてぇ!!」
喋ってる途中で肩をガンガン揺らされる。
反射的に目を開ける。と、そこにいたのは…。
「覇月〜!!!!良かった〜生きてた〜!!!!」
「おい勝手に私を殺すな」
「もーもー酷いなー生徒会長」
「ミルティも日本語が達者なようで......」
ミルティーーーうちのクラスの転校生ーーーだった。
否、ミルティだけじゃない。
数えてみたら32...つまりクラスのメンバーが揃っていた。
「ーーーな...んで?どーなってんのよコレ…」
「なんでもなにも…は?まさか覇月覚えてない?」
「覚えてないってなにが...あ」
よく見るとみんな何かしら傷を負っている。ああ...だからか!
思い出した。気絶する前の事を。鈍痛のワケを。
**********
確かに私はパソコンに向かっていた。
そしらたら、unknownからメールが届いた。
あぁ、やっぱり訂正しよう...。大変巫山戯たメールが届いた。
『差出人:unknown
件名 :日を間違えた☆ぜ!
本文 :ごっめ〜ん、明日掻っ攫う予定だったんだけど…んまぁいっか〜www
家の外で待ってるか、鍵開けといてね♪ 』
「なんだよこれ......」
まあ当然意味不明だった。
そんで、とりあえずチェーンをかけようと思ってパソコンとケータイをしまった。...ら。
ガチャッ。
「あー居るー?ん?女子の部屋にしては殺風景だねぇ…。おーい」
...おかしい。こいつぜーーーったいにおかしい。
誘拐犯ってこんなにフレンドリー...言い方を変える、陽気な様なヤツだろうか。
断じてありえない。
そんな話聞いたことも無い。
というか、声的にこいつは...。
「不法侵入ご苦労様です。...月見里先生」
これは賭けだった。
ま、あってると思うけど。
「おー正体をばらす手間が減ったよ☆感謝してあげよう!」
「あー...うっぜー...なんなんですか?わざわざこんなやつを掻っ攫うワケは」
「うーん着いてからのお楽しみでいいかな。ネタバレは嫌いなんだよ」
「あっそう...ですか。でも拒否します。帰ってください。私はまともな育ちをしてないので...どうなっても知らないですよ」
「そっか…。じゃぁあまりやりたくなかったけど、力ずくでいかしてもらうよ」
「やれるもんなら殺ってみな!」
ーーーキレた。まだご飯を食べてなかった私は、空腹というイライラでリミッターが外れかけてたのだ...。
こいつめ...。そして私の限界値を越した...。
折りたたみナイフを月見里が抜いた。
私も通販で買ったやつを構える。もちろん折りたたみ式だ。
「ほあァッ!!!!!!!」
カンッ!!!!!
軽い金属音が響く。一瞬出た火花が熱い。
「んりゃぁああー!!!」
「おー意外と動けるんだね〜」
「だぁかぁらぁ!まともな育ちをしてないって言いましたよねっ!!!」
「うん、聞いたよ。でもすごいね。木葉ちゃんこれでダウンしたよ?」
「そんなこと知りませんッ!!!!!」
カーーーンッ!!!!!バンッ!
「くっ...!」
思いっきりナイフを弾かれた。
殺られる。真っ先にそう思った。
だから…切り札を使った。
「ん?え?そっち窓だよ?ここ3階だよ?ねーえー?!勝手に死なれると困るんだけどー?!」
知るかよ下衆が!!!!(怒)
そしてーーーーー。
「ぃよっと…...」
落下した。
「はぁ?ちょい待て!!...まさか」
たしかに落下したが...もちろん下まで行くわけが無い。
さてどう動くか…。
「ふっ...まさか、は当たったね」
冷や汗が背筋を滑る。
予備のナイフを構える。
上で音がした。
「女子中学生が訳アリでもこんな所に住むのは好かないな。せめて親の同伴がなきゃね」
がさ。バキバキ。ちっ、落ちて来たがった。
思わずナイフを握りしめる。
「予想のまさか、の通り、ほら此処にいた」
「...あんたナニモンなんだよ…!!!」
「敬語ーー。先生ですよー」
「チッ...先生はいったい何者なのですか?!?!」
「私だよ。(ドヤッ)私だ。わかるね?私だよ。そう私だ。いいね?私だよ」
っざけんじゃねぇ!!!!!!!
着地しながらキレた。
この時ばかりはこの治安の悪い路地裏を恨んだ。
なんで今日に限って誰もいないんだよ...。
「全く手こずらせやがってーーー。ったく大人しくしてりゃぁ海鮮丼食えるぞ?」
「ーーーッ!!だいたいあんたのせいでご飯食べられなかったんですよ?!?!」
なにが海鮮丼だ。
誘拐犯の癖に。
...誘拐犯?あ、私馬鹿だ...。なんで通報しなかったんだろう…。
「いいから...くたばれ」
「断...ります!!」
カーーンッ!!!!!
最後だった。受け止めた瞬間...。
「ぐっ...ごはぁっ......」
私は鳩尾に足を入れた。が、それを交わした月見里の左ストレートが私の腹に入った。
力が抜けた。仰向けに路上に倒れた。
「ふぁー疲れた…。まぁこれで回収ミッション達成かなー…...」
ミッション...(呆)
私もここまでだったか…。
「ありゃ、意識残ってたんだ」
「殺すなら…バレないように...殺して下さい...!」
「だーかーらー勝手に死なれると困るんだけどー?!」
「なんなんですかソレ[ゴンッ]くっ...」
言ってる途中で頭に鈍痛が走る。
「おー上田ー!別に手ぇ出さなくてもよかったのによ♪」
どうやら上田に殴られたようだ。
「はぁお前立花がもう1本ナイフ持ってんの気づいてなかったろ」
「え、嘘、マジ?」
「持ってましたけど出せなかったんですよ」
「ほぇぇ......まーじかー」
「まじだ。それと、俺も終わったんでな」
「そーかそ〜か」
俺も?終わった?こいつら何人捕まえる気だ...。
そこで。
「んじゃちょっと寝て貰うね」
ブツッーーーーーーーー、ーーー.....
............
......
...
**********
「くそっ...それでこうなったわけかよ...」
「なんなんだか...」
その時突如ノイズが響いた。
そしてーーー。
『あ、あー、テステス。きっこえる〜?』
ザワザワ...。
「てめぇ誰だよ!」
キレたのは蓮也だった。
あー...わかる。めっちゃわかる。
今すぐにでも殴ってやりたい。教育実習生殴り隊作りたい。
『てめぇ、は酷いなー。いちよ、先生なんだけど?教育実習生なんですけど〜?』
「いやお前先生には見えねぇ...。...って、つっきみんかよ!」
『はあー。んまぁ聞こえるね?じゃぁいいや。それでは…』
「...なんだよ…?」
麻里のこんな無表情な声を聞いたのは初めてかもしれない。
『ふふ...超〜〜〜〜〜重〜要〜な発表〜〜〜』
「だから...なんだよ。」
『今から皆様には…ころころ殺し合いをしてもらいまーっす。くはは』
「こ、ころ...?」
「は...ちょっと待って、どういうことよ!!」
『いや、だから、そのまんま殺し合いだって。3回言えばわかるかな。こ、ろ、し、あ、い、だよ』
「「「「なんだよ…それ...。」」」」
その時私たちは感じた事の無い絶望感を味わった。
それが序の口だともわからずに…。
おい、まだ序章かよ!!!とか思わないで下さい(笑)
大丈夫です。序章はこれで終わりです。
やっと序章から抜けた!!
私は妙に序章が長くなる人で...まぁ良かった✧٩(ˊωˋ*)و✧
次からは絶対本編なので、懲りずによろです(`・ω・)