僕
僕の話をしよう。
これは僕の話であって君のそれとは異なる。
だからこの話に意味など無いのかもしれない。
人はそれぞれがそれぞれの思いを抱き道をなす。
唯、そこに覚悟があるかどうかの違いだ。
その意思は磐石だろうか?その全てを君は受け入れられるだろうか?
つまりはその問に答えるモノがあるかどうかだ。
そういう意味ではこの物語の主人公たちには覚悟があった。
少女は一時の幸せのために一生の罪を背負う覚悟があった。
道化師は夢のために、その手段を問わない覚悟があった。
彼女には闇に囚われず、日溜まりだけを歩く覚悟があた。
その姿を君達はどう思うだろうか?
僕は人助けの旅をしている訳ではない。
ただ、旅を続けていれば多かれ少なかれそういう人達に出会う。
この物語はその一端。
その中でたくさんの声が聞こえてきた。
それは誹謗中傷の渦だった。誰ひとりとして彼らを理解せず嘲笑う。
『嘘つき』『可哀想』『偽善』『罪人』『自己満足』・・・
それは彼女と歩いた日溜まりの道とは似ても似つかないもの
個人の否定。幸せの否定。覚悟の否定。
僕はその声に背を向け続けた。
何度も何度も背を向けて旅を続けてきた。
自由というのは残酷だ。
誰かが誰かを否定する事さえ許容してしまう。
この感情をなんと呼べばいいのだろうか
そこには幸せな結末しかなかった筈なのに・・・
この物語を終わりにしよう
この話は僕の話であって、君たちのそれとは異なる。
僕は人助けの旅をしている訳ではない。
ただ、旅を続けていれば多かれ少なかれそういう人達に出会う。
その人達の結末の全てを塗り潰してきた。
少女も
道化師も
恋人も
幸せな結末を迎えたと思い込んで自己を保った。
全ては自己満足、自己愉悦、自己陶酔。
その在り方が、とてもつもなく憎くて、悔しくて、それでも繰り返した。
人はそれぞれがそれぞれの思いを抱き道をなす。
唯、そこに覚悟があるかどうかの違いだ。
唯、覚悟したからには受け入れなければならない結末もある。
その結末を、その覚悟の代償を、僕は捻じ曲げようとした。
罰せられるなら、それは許される事のない罪になるだろう。
でも、誹謗中傷の中、こぼれ落ちるものを見てしまった。
でも、誹謗中傷の中、溢れ出るものが抑えられなかった。
これは正義でも何でもない、ただの我儘だ。
『彼らは幸せでなければならない』と思ってしまった。
そうならないなら、こんな世界など滅びてしまえば良いとさえ思った。
この物語は僕の罪だ。
自由を盾に、僕は捻じ曲げた解釈で物語を語ってきた。
だから、この物語に意味等ない。
ただ、僕は見たかっただけだ。
彼等が幸せな結末を迎える未来を・・・




