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記憶喪失でスタートだが…




プチ説明

2



光さえ届かない高い樹に囲まれた森。



ここに飛ばされてどのくらいたったか。

恐らく、二日。


俺は死闘を繰り広げていた。


上から前から二匹火を身体に纏いながら犬が襲ってくる。


「ふんっ」

上から樹を蹴って俺を噛もうとしたをジャンプして火を纏う犬に回転をかけて蹴る。

そして、着陸するタイミングでもう一匹が俺を噛む。

「んぐつ!!!」

俺のHPバーが二割までに減った。


「おらぁぁ」

俺の腹を噛むフレイムドックに上から肘打ち下から膝打ちをして頭を潰す。



ポリゴン化しない死体が二つ。


「ふぅー、これで何匹目なんだよぉ」


独り語が深い森に響く。

最後の回復薬を飲む。

傷もみるみる引いていき最初の体の状態になる。


飯を食わず、フレイムドックを何十匹殺し、ずっと歩いてるが一向に森の出口が見えない。

最初はフレイムドックを殺せなかった。

けど血を出さずに殺せば大丈夫になった。





「きゃあー」

それは悲鳴だった。女性の声。



「やっと人に会えるぅ」

僕は風の所為で涙目になりながら声の方へと走った。

またもや、フレイムドックを発見。

しかも10匹。囲まれた青い髪の女性。


「こりゃやばい。不意打ちでごめん」


走りながら僕は右手に石を出るように頭で唱え出た石を投げる。


一匹に当たり、そのまま石がフレイムドックの頭を貫く。


と、同時にフレイムドックが一斉に俺に向かい火を放つ。


「やばいなっ」

「きゃっ」

俺は女性を押す。女性は転がり悲鳴を上げた。


「ぐわっ」

身体が熱い。防具の麻布が燃えている。

急いで麻布を脱ぎ捨てる。


HPバーは1割りに減っていた。


もう体力も気力もない…。

頭の中もぐちゃぐちゃだよ。

ミカちゃんとセイはどうしてるのかなぁ?

無事だといいな。



「ふう、間に合った」

俺の目の前に1人の大きな男性が現れた。


助かった?


俺は脚元から崩れ、意識をなくした。









気づくと金色の眼の青い髪の女性がこちらを覗き込んでいた。


「あわわっ、ごめんなさい」

「あれ?なんで俺は寝てんだ?なんかあったか?」

ベットに横たわる自分の姿が不思議に思い聞いてみた。

そして、あれ?自分だれだ?


「私を助けに来てくれて、その後フレイムウルフにやられちゃって倒れたんですよ。覚えてませんか?」

女性は顔を自分で叩きながら、俺の質問を返し質問をする。


「あぁ…そうですか。あのすいません…僕、誰ですか?」

森に何も食わず、火を纏ってる犬と何十回も戦った記憶しかない。

あの森で何日たったか分からないが恐らく二日以上だろう。


「覚えてないんですか?」

女性は不安そうに首を傾げる。

メイド服を来ていて気品のある美人な女性だ。


「はい…」

何だか申し訳なくなって来た。

「うん〜、とりあえずカンドラさんに【鑑定】でみてもらいましょうか。ではお腹が空いたでしょう。さぁ食事にしましょうか」

首を傾げるのが癖か、前にいる女性はそう言った。

「ぎゅるるる~」

そう言われたら、腹から音がなった。


「やっぱりお腹空いてたんですね、ふふ」

またもや首を傾げながら笑う女性。


恥ずかしくて、僕はが赤くなる。


「あっ!私の名前はシャリルよ」

ドアを開けながら女性は微笑んだ。


僕もシャリルさんについて行く。

長い廊下だ。

ベルの鐘が優雅に鳴り響いた。

「因みにここはマーチス教会よ。あっ神官のカンドラさんー」


1人の大人の男性が廊下の先に居た。


「まず、先にお礼を言おう」

目の前にグリーンの短髪に茶色の眼のゴツイ体の男性が俺に対して腰を曲げ、手を合わせている。上はカッターシャツ、ズボンは動きやすそうな、忍び装束みたいなモノ。

「ありがとうございます」

カンドラという男性の声は芯に響く感じだ。






「ふむ、名前しか見えない」

カンドラさんは眉に皺を寄せて言った。


俺は朝食の中にあるパンを置きカンドラさんの発見を聞いている。


食べながら喋るのは行儀が悪いからシャリルさんは一旦食事をやめてカンドラさんに質問する。


「ということはこの子はカンドラさんの【鑑定】でも見れないんですか?」

またまた、首を傾げるシャリルさん。


「そうだな…。名前はタク。だがステータスやスキルが見えん。つまりBランクの力があるか、情報をばれない様にするスキルがあるかだな」

「タクか…可愛らしい名前ですね、貴方は」

シャリルさんが頭を撫でて来た。


「タクか…確かに聞いた事あるようなないような」

腹一杯になったた俺は自分の名前を頭の中で連呼してみる。


「しかし、まぁ。どちらにせよ、このまま放置はできんしな。しばらくは教会で面倒を見よう」


「それは大賛成ですね」

シャリルさんはカンドラさんに小さく拍手した。


「シャリル、とりあえず皆に会わせてこい。短い間かもしれんが同年代の子と触れ合えるだから為になるはずだ」




「かの昔、この世界にはアルゴ大陸とオラクル大陸がありました。二つの大陸はまるで光と闇の様に争っていました。アルゴ大陸の大種族ヒューマン、オラクル大陸の大種族魔族。争いの絶えない日々にヒューマンは種族として消滅しようという所までになりました。けれど、アルゴ大陸の守護神アルゴ様により、ヒューマンには『スキル』と言う能力を与えました。しかし、オラクル大陸の守護神オラクルも魔族に『魔法』という力を与えた。その『魔法』は強く、結局、ヒューマンは更に追い込まれたわ。そこで、現れたのが黒髪黒眼の勇者。彼は異世界人でたった一年でヒューマンの領土を広げ、アルゴ大陸を完全に支配したわ。そしてその勇者の名前はー?」



「「「カイトサマー」」」

ちびっ子達もといアル、ベルモンド、ミーシャ、ティファがシャリルさんの質問に元気よく答える。


ボサボサとした赤い短髪にクリクリとした目の一番年下の活発小僧アル。


金色より黄色と表現しやすい短髪の泣きぼくろのベルモンド。


薄い紫の様な長い髪に水色の眼のミーシャ。



猫耳が特徴的な肩にかかるくらいの金髪に碧色の眼のティファ。


最初から順に7歳、8歳、8歳、11歳。




こうして、僕の教会の孤児院生活が始まった。



因みに名前を連呼してたら自分の事を思い出したが言いにくいし異世界らしいので教会に居ることにした。






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