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第27話(最終章):聖女の歩み

夜の街は静かに眠り、街灯の光が温かく揺れていた。

瓦は整えられ、井戸の水は清らかに澄み、商店も日常の活気を取り戻す。

人々の足取りは軽く、笑顔は自然に戻り、子供たちの笑い声が小さな広場に響く。

街全体が、平穏と希望に包まれていた。


城内ではカインが窓の外を見つめ、深く息をつく。

「……すべて、聖女のおかげだ」

怒りも苛立ちも、後悔も、すべては静かな畏敬に変わっていた。

己の力だけでは守れなかった世界を、リリエルは守り抜いたのだ。

そして二人は、これからは聖女と共に歩む決意を胸に刻む。


リリエルは街角で立ち止まり、夜空を見上げる。

微笑むことはない。しかし目には確かな安堵と覚悟が宿っていた。

「世界は守った。でも、まだ終わらない……」

静かに、しかし揺るがぬ意志を胸に、聖女は歩き出す。


街の広場では、子供たちが笑い、老人は杖を支えながら微笑む。

人々の声は温かく響き、街は再び活気に満ちる。

誰も気づかない。しかし、この平穏は聖女リリエルがもたらした奇跡だった。


カインとレオンハルトは静かに街を見つめる。

「聖女……本当に、ありがとう」

互いに無言で頷く。言葉は不要だった。

全ては目の前の聖女が、静かに、確実に守ってくれた証であった。


リリエルは街を後にし、新たな旅路へと歩き出す。

この世界にはまだ救うべき人々がいる。

この手で、未来を繋ぐ――

その背中に、世界は深い感謝と希望を抱き、静かに息を吹き返していた。


街の光景は、永遠の安寧を約束するかのように穏やかだった。

瓦の上に残る光、井戸に映る月、笑い声が反響する石畳――

すべてが、聖女の静かなる奇跡の証だった。


夜風が柔らかく街を通り抜け、街の人々は安らぎの夢に包まれる。

その街の片隅で、聖女リリエルの歩みは続く――

静かで、確実で、永遠に希望を紡ぐために。


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