このよで1番輝いてるのは?
おっきく欠けたお月さま
細くて小さなお月さま
真っ黒な雲に白色塗りつけて
私が1番輝いてるよ、と笑ってる
真っ黒キャンバス 灰色の雲
隠れているの?
隠されてるの?
小さく真っ白なお星さま
出来損ないの電飾みたいね
ぴっかりぴかぴか 瞬いて
私のほうが綺麗でしょって
一所懸命アピールしてる
私はそんな彼女たちを
上から見下ろし笑ってる
綺麗に輝く彼女たち
上から見下ろし笑ってる
歪んで見えるのお月さま
白蛇のようねお月さま
月光と雲が白黒混ざって
輝く笑顔も泣いて見えるよ
乳白色のキャンバスに
見つけようにも
見つからないの
浮かんでるはずのお星さま
床下を照らす間接照明
ぼんやりぼやぼや揺らめいて
あなたも私も同じでしょって
足掻いたところで変わらないから
私はそんな彼女たちを
上から見下ろし笑ってる
風に吹かれた彼女たち
上から見下ろし嘲笑ってる
小さい小さい世界の中で
競い合っててお笑い草ね
あなた達のいう輝きなんて
照らしてもらった紛い物に
時の過ぎ去った時代物
今この瞬間に輝いている
本当の光はどこにもないのに
そんな風に見下ろしている
私が1番醜いから
映し出された私の顔ごと
靴でぴしゃんと踏み荒らす
空の光には届かなくても
あの綺麗さには届かなくても
水に映るだけのこの綺麗さは
私の気持ちでかき消せるから
靴で荒らされた水たまりなら
誰もが濁った光のままで
それを嘲笑った私の心も
きっと紛れてかき消せるから
かがみよ かがみ
なんて聞くまでもない
この夜で1番醜く輝いているのは誰なんて
わたしよ わたし
なんて言うまでもない
この世で1番濁り汚れているのは誰なんて
だからごめんね 水たまり
魔法の鏡なんていらないの
全部知ってることだから
身代わりにしたあなたの姿が
せめて綺麗に映りますように
各務よ 各務
ねえ おまえ
月夜にうかぶ
水面のたくみ
この世で1番輝くように
この子を綺麗に磨いてね
この子に映る誰もがみんな
きれいに輝いて見えるよう