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いーすぽっ!  作者: ともP
♠ 現代転生(高校生編❶)
63/151

051. ブロック代表決定戦(4)

 全国への切符は意外とあっさりと手に入った。残りの二戦も危なげなく勝ち、なんと一度も負けることなく全国出場を決めてしまった。


「いや、意外となんとかなるもんだね」


 部室で参加していた俺たちは互いにハイタッチをしてから芽依は「守月君のおかげだよ」と言ってくる。俺のエイムが活躍したのもあるが、試合運びが完全にこちらに傾いていたのは明らかだった。


 それはやはりIGLのおかげで、芽依が完璧に立ち回りを考えてくれたからこその勝利だと思う。全国大会の組み合わせはまだ決まっていないが、対戦相手は同じブロックを勝ち抜いたチームだ。レベル感的には記念に出てみようかなレベルのチームもあればガチでeスポーツ競技に力を入れているようなチームもあった。


 参加者のチーム名を検索すると配信などやっている高校もあったのでそこで調べればある程度は対戦相手の情報が手に入る。


 個人的な感想を言えば……、実力の乖離が激しいと思った。龍馬ゲーミングは的確なIGLとそれに合わせられる二人が技量でほとんど押し切ったような試合運びで危なげなく勝利を捥ぎ取った。


 これは練習の賜物と言える。


 まあ、他のチームもそういう連携に関してはそんなに重要視していないように見えた。初回の大会だしこんなもんなのだろうか……。


(まあ、それでも全国で当たるのはそれより強いグループだろうな)


 そして、芽依のオーダーがあそこまで仕上がったのはかなりの好材料だった。練習の成果をしっかり発揮できたのは大きい。全国大会でもしっかりと連携を発揮して優勝を狙う。そう意気込んでいると、芽依が何かを思い出したように俺を見る。


「今回は私がちゃんとリードできたと思ってるんだけどさ、それはあくまで守月君のおかげなんだよね」

「いや、今回は芽依がしっかりと指示出してくれたから……」

「ううん。そうじゃなくてさ……。私はあの決勝ブロックの試合展開を完璧にリードしきれてたかなって不安だったんだよね」


 いや、半分暴走しかけてた俺のことをしっかり制御して、完璧な指示をしてくれたのは芽依だ。俺はそれに従っただけに過ぎない。


 決勝ブロックのあの動きを見て、芽依が何を思ったのかは分からない。だが、守月裕樹の戦闘スタイル……、いや、前世である柳町俊吾の特徴は圧倒的なエイム力とリボルバーの命中率だ。


 その2つを決勝ブロックの大舞台で俺は思い出した。


 転生した時の体で初めてマウスを握った時、俺は少しだけ違和感を感じていた。マウスが手の感覚に馴染まないようなそんな少しの"違和感"だ。


 だが、さっきの決勝ブロックは競技をやっていた感覚が蘇り、完全に俺の中に眠っていたものが違和感を払拭した。マウスを握った時の感触もあの当時の感覚だった。


 これは精神的な問題なのだろうか……。


 競技に近い雰囲気になればなるほど、俺は柳町俊吾だった時を思い出す。そして、そんな感覚は決勝ブロックで芽依の完璧な指示を受けて完全にスイッチが入った。


 でも、それは芽依の指示がなければ成り立たなかったのだから、やはり彼女という存在の功績は計り知れない。牧野が見込むだけの人材なだけある。


「決勝ブロックは完璧だったと思うぞ」

「ありがと、でもさ、あれは守月君がいたからできたんだよ。守月君がいなかったら多分あの試合展開には持っていけなかった」

「いや、そんなこと……」

「あるって、でも、まだ私が完璧にリードできてたわけじゃない。私思ったんだ。守月君の本当の実力はあんなものじゃないんじゃないかって」


(いや、それは買いかぶり過ぎだろう……)


 ただ、決勝ブロックで見せたあのエイムは前世となんら遜色がない。芽依があそこまで成長してくれたんだ。俺だって負けてられないよな……。


「じゃあ、今度は全国レベルの強豪校を相手にして一泡吹かせてやろうぜ」


 俺がそう言うと彼女は微笑んでこう言った。菜希はどこか不満そうにこちらを睨んでくる。


「菜希も凄く良かった。自分の実力を理解して、それを上手く生かせるように立ち回れてたよ」

「でもさ……」


 菜希は下を向いてそう呟いている。言いたいことがあるのに中々言い出せないそんな感じだ。


「言いたいことがあれば言ってくれ、菜希」


 そう言って俺は彼女の方を見て言葉を待つ。すると、彼女は顔を上げて俺の方をじっと見てきた。そして俺を睨みつけながらこう言った。


「絶対に負けないから……」


 その宣言は負けず嫌いの彼女だからこそ、言える言葉だった。彼女の瞳に映ったさっきの俺のプレイは鮮明に焼き付いただろう。


 どういう意味で、どういう感情を抱いたかは分からない……。


(絶対に負けない、か……)


 向上心があるうちは大丈夫だ。彼女にはまだまだ伸びしろがある。彼女の成長を楽しみにしつつ、『龍馬ゲーミング』は八月の全国大会へ向けた練習に励んでいく。

【コラム】

秋を通り越して冬の寒さすら感じるような季節になりましたね。今年も残り僅かですが、私生活でかなりの変化が生じ正直なところ戸惑っております。ただ、引き続きのんびりと執筆頑張りますのでブックマークや広告の下にある評価の欄で★×5を頂けると嬉しいです!

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