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いーすぽっ!  作者: ともP
♠ 現代転生(高校生編❶)
62/151

050. ブロック代表決定戦(3)

 決勝ブロック進出を決めるまでは一瞬だった。残り1試合を残して龍馬ゲーミングは決勝への切符を手にしていた。


(こんなにも芽依がIGL役を仕上げてくるとは思わなかった……)


 正直言って予選は苦戦しながらも全国への切符は手にできる自信はあった。ただ、バトロワはチーム連携で勝敗が決まる。そこに絶対はほとんどない。


 だが、芽依の的確な指示と状況判断、菜希と俺の遠射撃……、これらが全て嚙み合ったからこそ勝てた。まあ、その中心は間違いなく芽依だ。


「いやぁ、決勝はどうなるだろうね」

「まあ、簡単には勝たせてくれないだろうな……」


 全国へ行く権利を獲得するために全員が本気でぶつかってくる。そんな本気の勝負に腕が震える。武者震いだ。


 さて、決勝ブロックが始まろうとしている。芽依、菜希とともにモニターの前に移動する。相手チームは第一、第二ブロックで上位だったチームが集められている。


 荒廃した都市「ネオクライシスシティ」に降り立つと、決勝ブロックの試合が始まった。各チームはデスゾーンの収縮に合わせて行動を起こすがやはりどうしても移動時間が長くなるため、移動時間が被り戦闘がおこる。戦闘が起これば移動時間が遅くなり、デスゾーンのダメージを喰らいながら移動することになる。


 デスゾーンが収縮しきるまでに、どれだけダメージを喰らわずに移動できるか、いかに安地に速く入るのかがこのゲームの鍵だ。


「やっぱり、早く移動するチームとそうでないチームで格差が出るな……」


 先程までの試合を見る限り、デスゾーンの収縮速度から逆算して早めに動き出すチームが半分、残りのチームはゆっくり漁って戦闘をしまくっているイメージがある。


 あくまでも午前中の3試合を見た感想だが……。


 移動速度が速いチームは自ずと戦闘回数が減るが、早めに有利ポジを抑えられるので高い順位を維持しやすい。強いチームは後者を選択する。


(さぁ、どうする……)


 心臓の高まりが抑えきれない。前世では感じることのなかった高揚感……、だが、この感覚は嫌いじゃない。俺はモニターに映る戦闘を見ながら必死に頭を働かせる。


(どこが一番有利な場所だ……。考えろ……)


 もし、相手チームが自ずと高所に上がろうとする傾向にあるなら俺たちも同様に高台を陣取るべきだ。


 まず一つ目に俺が考えるのは、安地に近いエリアで戦闘をすることだ。IGLは芽依だ。全ての決定権は彼女にあるが、俺も脳死で動くわけにはいかない。


 次に考慮するのは、相手チームがデスゾーンの収縮をどこを中心と捉えるかだ。一番理想的なのは中央寄りで戦闘をして中央の敵を殲滅、安地外から来た残りの敵を一気に倒すことだ。


 だが、この作戦には問題がある。それは中央での高所確保に時間がかかってしまうことだ。中央の敵と戦闘中に漁夫が来るケースも考えられる。その時に中央で戦闘をしていたチームは漁夫を処理できるのか?という疑問だ。


「中央の敵を潰そう」


 そんな俺の迷いを吹き飛ばすように芽依がそう高らかに宣言した。


「中央の敵は高所を取りたがる。デスゾーンの中心地の候補がまだ絞り切れてないけど目星はある。そこの敵をひたすら倒そう。守月君ならできるよね?」

「あぁ、任せろ」


 信頼……、そんな薄っぺらい言葉じゃない。これは確信だ。この戦いを完全に任せるという宣言。狂犬のリードをここで離すということである。


「中央に向かうと敵がいっぱいくるよ。大丈夫?」


 菜希が心配そうに芽依に問いかける。だが、その顔に不安の色はない。それは単なる確認に過ぎなかった。菜希も芽依を信じている。


「大丈夫。守月君ならできるよ」


 中央エリアにつくと既に安地の予測がついていた部隊が先に場所を固めていた。中央エリアは三つの建物と中央の高台によって構成されている。


「やっぱり、相手は中央の高台を中心を決めているみたい。私の予想と一緒だね」

「じゃあ、予定通り中央を取る」


 俺はそう高らかに宣言して、中央エリアに向かって走る。中央の高台には敵チームのメンバーがこちらに気づき標準を合わせる。


 ただ、その反応速度では遅い。俺は愛用しているリボルバーで敵の頭をぶち抜き、高台に上り詰める。遮蔽物がないため、敵とは完全にエイムの勝負になる。一発で相手のHPゲージは半分削れる。


 装弾数は9発。全部ヘッドで当てれば勝てる。


 第一ブロックで感じていた違和感がなくなった。マウスと手が一体になって滑らかに動くような感触。敵の次の位置を正確に追えるような鋭敏な感覚。


 競技をやってた前世でもリボルバーを愛していた。強くもないロマンだけの武器だったが俺はそのロマンにずっと魅入られていた。


(あぁ、この感覚だよ。すっかり忘れてた)


 ただ、ひたすらに敵の頭を狙い続ける。壊滅までわずか1分弱、3人を撃ち抜くと中央エリアは俺たちだけになった。そこからは完全に一方的な展開だった。


 俺は確実に敵を撃ち抜き、芽依は安地に入らないように敵の動きを制限する。菜希がタレットを指示通りに上手く使って検知していく。


 中央の高所で撃ちたい放題というバトロワで一番楽しいシチュエーション。


 リボルバーがあまり好かれないのには理由がある。当て続けるのが非常に難しいという点だ。理論値上最強の武器だとしても当たらなければただの音が出る玩具だ。


 だが、俺は当て続けられる。一発も外さずに撃ち抜く。


「よし、このままキープしよ!」


 決勝ブロック第一試合は圧倒的なキル数と一位のポイントを搔っ攫い「龍馬ゲーミング」が完全勝利をおさめた。芽依が嬉しそうにこちらを見ている。


「うん、やっぱり守月君がいるのといないのでは全然違うね」


 菜希は信じられないものを見るような瞳でこっちを見てくるが目線を逸らす。その瞳は「なんなのアンタのエイム」とでも言いたさげなものだった。


「いや、芽依の言葉で迷いがなくなったんだ。こっちこそ、ありがとうな」

「うん、じゃあ引き続きよろしくね」


 そう言って拳を突き出してきたので俺も拳をぶつける。芽依は微笑んでいた。菜希の方はまだ信じられないものを見るような視線をずっと向けている。


(そんな目で見られても困るんだよな……)


 ただ、彼女が少しだけ悔しそうにしているのを見て俺はまだこのチームに伸びしろがあると確信した。まだ、このチームは伸びていくだろう。

【コラム】

追及するのを忘れてましたが主人公が愛用している銃はリボルバーです。ロマン砲と言われがちで扱いが難しいような設定になっております。引き続き物語をお楽しみください。

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