【鑑定】
「ここが今日から俺が通う学校か…」
神様に送られた俺は、この世界の舞台であるまるっと学校に来ていた………いや、まるっと学校って…
神様が言うにはこの世界は一人の男主人公と同年代の3人のヒロイン候補がいる《まるっと学校ー恋しちゃえよお前ー》と言う聞いたことも見たこともないギャルゲーの世界らしい。
一応俺は、その主人公の親友と言う設定である。
(まさかギャルゲーの世界に実際に行くとは…
ってか学校名もそうだがなんちゅうタイトルしてんだ。
しかも………………
なんで人物全部棒人間なんだよ!!
気持ち悪!!
体の部分は線だし顔なんて円で中央にモブって書いてあるだけじゃん!
男か女か性別すらわかんねぇーよ!
神様はゲームをもとにした世界って言っていたけど実際のゲームの方もこうなってんのかよ!
手抜き感半端ないんだけど!
そのくせ風景だけ精巧なのが腹立つわ!
おい、まさか主人公やヒロインまでこうじゃないだろーな……)
(はぁ……とりあえず【鑑定】の能力を使ってみるか。
自分にも使えるって神様も言ってたしまずは自分の見てみるか。)
主人公の親友
名前 山田一香 ヤマダイチカ
性別 男
生年月日 5月4日
年齢 18
職業 学生(www)
(…いや!ちょっとまて、なんで学生(www)になってんだ!
俺が学生だと可笑しいってか!確かに俺の状況を考えると正確な学生じゃないかもしれないがいくらなんでも(www)はないだろう!!)
地団駄を踏みながら思っていた。
「えーなにあの人」
「可笑しくない~」
「ヤバそう~」
「おっ!いい男」
俺の様子を見て周りがヒソヒソ話したりしだした。
……ってまて!最後の誰だ!明らかに男の声だったぞ!!
まさかあのおっさんみたいのがいるんじゃねぇだろうなー!
周りを見渡したが全て棒人間なので見つけられず
さらに周りからはヒソヒソ言われ避けられだした。
これ以上目立ちすぎるのは嫌なので俺は、とりあえず誤魔化すように咳払いをし【鑑定】を見なおした。
名前 山田一香 ヤマダイチカ
性別 男
生年月日 5月4日
年齢 18
職業 学生(www)
好きな食べ物 カレー
嫌いな食べ物 ピーマン
好きな人 神様
能力【鑑定】
称号
(好きな人神様ってなんか照れるな…
へぇー称号なんてあるのか、えーと称号は)
称号 神様に選ばれた男 検証人 神様ラブ男
神様に選ばれた男なんてなんか格好いいな…
それと検証人…能力検証しているから検証人か、それに神様ラブ男って本当のことだけどこれ称号なのか?
ダメ男 失禁男 ヘタレ よく死ぬ男
スライムマン ゾンビ(www) 永遠の初級冒険者 子供以下 覗き魔 男受け
髪フェチ 脇フェチ うなじフェチ
足フェチ
「いや!
後半のやつ悪口と性癖だけじゃん!!
なんで称号になってんだ!
ってか誰がゾンビ(www)だ!
あれか2回目の世界で生き返りしたからか!」
さすがに耐えきれなくなり思わず声にだして叫んだ。
さらに周りからヒソヒソ言われ俺の周りに人がいなくなった。
(ああ!もう、続きだ続き、次は詳細なんだこれ?)
詳細
山田一香18歳人生=彼女なし《童貞》は
ホラーゲーム中母親の顔に驚き頭を打って死亡した。(www)
神様に選ばれた山田一香は転生特典の能力検証のため様々な異世界に向かい能力の検証をおこなっている。(www)
3つの世界にて【経験値増加】
【リスポーン】【転移】の検証を終えている。(www)
(なるほど俺の人生の履歴が見えるってことか……ってか誰が年齢=彼女なし《童貞》だ!!
余計なお世話だわ!
しかも所々の(www)が腹立つわ!)
今は4つ目の世界《まるっと学校ー恋しちゃえよお前ー》の世界で【鑑定】の能力を検証中である。
(ふむ。まぁ、とりあえずとして情報が分かるのは助かるな……これ周り棒人間【鑑定】したらどうなるだ)
名前 モブ6 称号 髪フェチ
名前 モブ12 称号 うなじフェチ
名前 モブ14 称号 足フェチ
名前 モブ18 称号 腰フェチ
名前 モブ22 称号 耳フェチ
名前 モブ24 称号 くびれフェチ
名前 モブ25 称号 胸フェチ
名前 モブ29 称号 尻フェチ
名前 モブ32 称号 筋肉フェチ
(おいいーーー!
だからなんで性癖が称号になってんだ!
名前も全員モブになってるしもっと設定するの色々あっただろう!
モブの性癖なんかどうでもいいわ!
ああ…もうなんか嫌になってきたわ…)
その時、項垂れていた俺に
「一香大丈夫か?」
主人公
名前 相澤当麻
性別 男
生年月日 11月5日
年齢 18
職業 学生
好きな食べ物 ハンバーグ
嫌いな食べ物 なし
好きな人 なし
能力 なし
称号 鈍感男
詳細
まるっと学校ー恋しちゃえよお前ーの主人公で小学校からの幼馴染み三人の女性に好意をもたれているが気づかず最近親友の山田一香にどうしたら彼女ができるのかと相談している。
(こ…これは!まだ足元しか見えてないが棒じゃない確かにある足そしてこの【鑑定】に表示されてる主人公と言う文字、ギャルゲー主人公にあるべき鈍感男と言う称号、そして決定的なこの詳細間違いないこ…こいつは…)
顔を上げると俺と同じまるっと学校の黒い学ランをきた顔が円で中央に主人公と書かれた奴がいた。
(なんでだーーーーーーーーーーーーー!!)
「ハッハハ、相変わらず一香は元気だな!」
朗らかな声でそいつは言った。
(いい加減にしろーー!
なんで主人公まで顔が円なんだよ!!
なんで体だけ精巧に書かれてんだよ!!
顔までちゃんと作ってやれよ!!
ってかそこまでするならせめて他と同じく主人公にも称号で性癖設定しろや!
逆にないのがもやっとするわ!)
俺が頭を抱えてたら後ろから
「あんたらこんな道の真ん中でなにしてんのよ。」
「そうだぞ!他の人の邪魔になるだろ。」
「まったくですわ。」
3人の女性の声がした。
すると主人公が手を上げ
「おう。あやか・みこと・ますみ、おはよう。
一香のいつもの発作…つまりいつも通りだ。」
(いやまて!こいつ今いつもの発作って言ったか!今の状態がいつも通りって俺ってどんな設定になってんだよ!)
「ああ…いつものやつね」
「ああ…いつもの」
「ああ…いつものですか」
(周りからもそうゆう認識されてんのかい!
ってかいつも通りでヒソヒソ話されたり避けられてんなら俺相当ヤバイ奴じゃん!
ってか誰だよこいつら)
振り返って見たら
まるっと学校の黒い女性制服をきた顔が円で
中央にヒロインと書かれた3人が立っていた。
ヒロイン
名前 佐々木彩花
性別 女
生年月日 1月4日
年齢 18
職業 学生
好きな食べ物 シチュー
嫌いな食べ物 辛い物
好きな人 相澤当麻
能力 なし
称号 ツンデレ 当麻の目
詳細
小学校からの幼馴染みである相澤当麻に好意をよせているが持ち前のツンデレな性格により素直に馴れずやきもきしている。
最近相澤当麻が親友である山田一香にどうしたら彼女ができるのかと相談しているのを見てしまい山田一香に自分を売り込んでもらおうか他の女性を売り込まないよう暗殺しようか迷っている。
ヒロイン
名前 田崎美琴
性別 女
生年月日 8月14日
年齢 18
職業 学生
好きな食べ物 唐揚げ
嫌いな食べ物 人参
好きな人 相澤当麻
能力 なし
称号 ボーイシュ 当麻の手
詳細
小学校からの幼馴染みである相澤当麻に好意をよせているが持ち前の男まさりな性格のため相澤当麻からは男友達みたいな態度をされやきもきしている。
最近相澤当麻が親友である山田一香にどうしたら彼女ができるのかと相談しているのを見てしまい山田一香に自分を売り込んでもらおうか他の女性を売り込まないよう暗殺しようか迷っている。
ヒロイン
名前 秋真澄
性別 女
生年月日 6月22日
年齢 18
好きな食べ物 メロン
嫌いな食べ物 なす
好きな人 相澤当麻
能力 なし
称号 お嬢様 当麻の心臓
詳細
小学校からの幼馴染みである相澤当麻に好意をよせているがお嬢様として育てられたので自分から好きだと言うのははしたなく相澤当麻からの告白をまっているがその気配がなくやきもきしている。
最近相澤当麻が親友である山田一香にどうしたら彼女ができるのかと相談しているのを見てしまい山田一香に自分を売り込んでもらおうか他の女性を売り込まないよう暗殺しようか迷っている。
(だと思ったわーーーーーーーーーー!!
主人公が顔が円の事態でなんとなくそうだろうと……いや100%そうだと思ったわ!
ってかなんで体型が同じで三人とも書かれてるのがヒロインなんだよ声が違うにしても【鑑定】なかったら分からんだろ!
これがゲームでやってたなら誰が誰だか分からなくなるだろう、なんでこれで売れると思ってんだよ!
それにしてもだ………こいつら俺に対してなんちゅう考えもってやがる!?
なんで自分を売り込んでもらうか暗殺かが二択のわけ!
自分さえよければ俺の命はどうでもいいって言うわけか最悪だわこのヒロインども!
それに称号のとこの当麻の目・手・心臓ってなんだ!?
恥ずかし性癖とか言うレベルじゃないだろー!
なんでヒロイン全員猟奇的なんだよ!
ますみにいたっては心臓って一番やべぇーよ!
これ主人公自分以外と付き合ったらやられちまうだろー!)
俺が冷や汗をダラダラだしているのを見て
当麻が俺の額に手を当てて
「今日はいつもよりなんか可笑しそうだな大丈夫か熱でもあるんじゃねぇか?」
(やめてーーー!!
優しくしないで、表情は分からんけど何か3人から怖い雰囲気漂ってんだけど!!)
「…………」
「…………」
「…………」
「だ…大丈夫だ。」
「いやお前が可笑しいのはいつものことだけど(ブッ飛ばすぞ!誰のせいでこうなってると思ってやがる)さすがに今日はわにかけて可笑しい汗もかなり出てるみたいだし保健室に行くか」
「ま…待ってほんとお願いだから待って、お前の心配は分かった、保健室には行く、行くが保健室には一人で行けるから大丈夫だ」
「いや、でもそう言うわけ……」
「大丈夫よ当麻。私達が付き添いで行くから」
「そうだぞ当麻君!僕たちにまかせて」
「当麻さんは今日は日直ですからもう教室に行かなければならないですからここは私達にお任せください。」
当麻の言葉を遮り3人が俺と当麻の間に入りそう提案した。
(ふざけんなーー!この3人と一緒だとなにされるか分かったもんじゃねぇ。)
当麻は考えこむようなしぐさをした。
(分かってんだろうな当麻、お前は女子に行かせるような男じゃないはずだ…実際には知らんけど……断ってもうここはお前でいいから俺が付き添うと言え。
…頼む伝われこの思い)
当麻は俺の方を見て…顔が円だから分からんけど、頷いた。
(と…当麻!)
「任せた3人とも!」
(当麻ーーーーーーーーーーーーーー!!)
当麻はそう言って教室に向かった。
残ったのは俺と3人のみ
(ヤバイここはなんとしても断らなければ)
「あっ!3人ともほんと俺一人で行けるからだいじょ……「行くわよ」「行くぞ」
「行きますわよ」…………はい」
俺は3人に連れられ保健室に向かった。
その後保健室に行った山田一香は消息をたった。
山田一香に付き添ったあやか・みこと・ますみの3人の証言によれば保健室に行き先生がいなかったのでベッドに寝かせた後は自分達は教室に戻ったのでわからないということ。
余談だがたまたまその時保健室を通りかかった生徒がいたが保健室から尋常ではない声が響いていたとか……
◆
◆
◆
◆
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神様のいる空間に戻った。
「おかえり。」
「……ただいまです。」
「いやー女の子の嫉妬ってすごいねぇー」
「いや!すごすぎませんかこれギャルゲーですよね、ヤンデレゲーじゃないですよね!?
俺最終的にやられちゃってるんですが!」
「うん。唯の純粋なギャルゲーとして売られてるみたい、実際のゲームを見てみたけどどこもヤンデレ要素が書いてないね。」
神様はまるっと学校ー恋しちゃえよお前ーのゲームを持ってそう答えた。
「どこが唯の純粋なギャルゲーですか!?
詐欺もいいとこですよこれ!?」
「でもこれ売ってある世界ではナンバー2の売上みたいだよ。」
「あの内容とグラフィックで!?」
「うん。しかも続編もでるみたい」
「嘘でしょ!?ってかこれがナンバー2ならこれより上のナンバー1ってなんですか!」
「えーと……これの続編まるっと学校ー恋しちゃえよお前ー10だね」
「10!?
いやどんだけ続いてんだこのクソゲー!
完全に2~9がこれ以下の時点で10もクソゲーに決まってますよ!」
神様は苦笑いし
「まぁ、こわなファンが多いんじゃないかな」
「多すぎですよ!?
……はぁー疲れた。」
神様は苦笑し
「あっはは、お疲れさま。
どうする休んでいく?」
「いえ、そこまでは大丈夫です。(ほんとは休んで神様とイチャイチャしたいが前に休んだばっかだしな)」
「分かった。じゃあ今回の能力【鑑定】の検証結果を言おうか。」
「今回のはそれほど欠点と言うのはなかったように感じられましたが、まぁ、しいて言うなら(www)がいらってくるぐらいでしたが」
すると神様は急に申し訳なさそうな顔をして
「実はね一香君は分からなかったかもしれないけどこっちで分かったことがあるんだ」
「えっ!なんですか?」
「実は【鑑定】を使っていってるごとに一香君の脳に情報が蓄積されていき後3日過ごしていたら一香君の脳が情報過多でパン!と弾けていたんだ。」
俺は驚き
「いやいやいやいや!待ってください脳が弾けるって唯【鑑定】してただけで3日でなんでそうなるんですか!」
「今の【鑑定】の能力は普通100倍の負荷がかかっているみたいなんだ。」
「ひゃっ……100倍!?」
「うん。」
「ちょっと待ってくださいと言うことは俺どっちみちあの3人にやられなくてもお陀仏だったってことですか!?」
「うん…そうなるね。」
「…………」
俺が落ち込んでるのを見て、
「そうだ!一香君頑張ってるし何か僕にしてほしいこととかないかな今なら一つだけ叶えてあげる。」
「な……なんですとーーー!」
「何がいい?」
(どうする俺、どうするよ!これはあれかあんなことやこんなことなんかも…)
神様は純粋な目でこちらを見ていた。
(く…くっーーそんな純粋な目で見られたら邪な願いはできない………ならば!!)
「神様!!」
「決まったかな?」
「はい。
神様……セーラー服を着た神様が見たいです!!」
「セーラー服を着た…そんなんでいいの?」
「はい。もちろんです!!」
「分かった、ちょっと待ってね。」
神様はそい言って指をならすとそこには紺のセーラー服を着た神様がいた。
「どうかな?」
スカートの裾をもち首を傾げる神様
「か…かん…感無量!!!!最高です!」
俺は、あまりの感動に涙を流しながら答えた。
神様は照れたように
「そんなに喜んでくれたなら良かった。」
(うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!)
◆
◆
俺は、スッキリした顔をして
「さぁ、神様次の能力検証をしましょうか」
「うん。じゃあ次の行き先だけどまたファンタジー世界になるよ。」
「はい。」
「検証する能力は【魔眼[石化]】だ」