第6話「襲撃!サメ男〜その1〜」
○市。レイニーシャインがまだ事件を起こしていないこの街では、さほどここ最近の奇怪な事件に対する危機感を抱いていない。住民の意識としてはニュースでは聞くが自分たちには関係のない隣国で起こっていた事件などと同じくらいのものだった。しかしこの街は株式会社レイニーシャインの所有する土地が近くにあるのだが、そもそも最近の事件にレイニーシャインの関与を疑っている一般人などとても少数で政府のしわざだとする陰謀論者の方が多いほどである。当然近くにレイニーシャインの土地があろうがなんだろうが住民たちにとっては遠い話なのだ。
「さあサメ男よ。元気な子供を男女一人ずつと元気な大人を男女一人ずつを誘拐してくるのです。できるだけ元気な子をですよ。ちゃーんと選んで取ってくるのです。いいですね?」
レイニーシャインの研究員No.4はパンツをはいた二足歩行するサメにそう言った。サメ男はうなずくとその暗い研究室を出ていった。
「行かせてから思いましたが選別して誘拐という難しい仕事を思考力の乏しいサメ男に頼んでしまったのはよくよく考えると失敗ですね。うーんあまり目立ったことをするとボスに怒られてしまう。・・・まあ私の信用はそれなりのものなのでこれくらいでクビとかは無いでしょうし割り切って大暴れ観戦でも楽しむとしましょうか。」
ニヤニヤとしながらサメ男につけたカメラから送られてくる映像を見ながらNo.4は呟いた。どこにぶつけたのか肩につけたカメラは少し傾いていたので彼は体を傾けながらモニターを眺めている。
場所は変わってUMBRELLAの基地。なんだか仲良くなった警察の人を見送った彼らは張り詰めた空気から解き放たれた反動からかぐで〜っとしていた。
「サポートって何するのよ結局」
静かな空間にラソルが呟いた。
「一応連絡先は交換したから情報共有とかだろうね。」
シャフトが答えながらスマホの画面を向けて来たので3人はその小さな画面を覗き込んだ。
「アイコンが猫だ」
「アイコンが猫だわ」
「というかSNSの交換をしたのかよ」
ラソル、No.39、ロクロがそれぞれ感想を残した。
と、その直後「ピコン」と音を立ててメッセージの到着を知らせた。
『○市のレイニーシャイン工場跡地で怪しい動きがあったと連絡が入った。すぐに向かって欲しい。』
と猫のアイコンが喋っている。
「めっちゃサポートじゃん。」
とシャフトが呟いた。そしてみな出発の準備を始めた。
5分後
「それじゃあ行くよ〜。」
とNo.39の声に合わせて四人を乗せたヘリコプターが音を立てて開いた倉庫の天井から出てきた。
ヘリコプターの中で横川から追加の連絡を受け取った。
『やつは○小学校に向かったようだ。』
と。
ラソルがその小学校の住所を調べ、画面を操縦するNo.39に向けた。
「小学校は広いからヘリで下ろしやすいわ。」
とNo.39が呟くと同時にヘリコプターの速度が少し上がった。
お久しぶりです。夏が暑すぎてお久しぶりになってしまいました。お久しぶりです。