あとがき
デゼルがまだ自覚できないことがいろいろあって、
幼女の一人称、書きにくかったです!(笑)
デゼルは身近に子供が全然いなくて、
世話役はいるけど両親もいなくて、
みんなが助けて下さいって闇巫女であるデゼルを訪ねてくるけど、
デゼルが病気になった時には誰が助けてくれるんだろう、自分でヒールするの?
幼心に、それってなんだか寂しかったりして。
だけど、他人のオーラに感応してしまうデゼルは人が多い場所は苦手で、学校も敬遠してしまい。
理由のわからない孤独感から神殿を抜け出して公園に息抜きに行ってみたら、可愛らしい天使が落ちていました…✨(笑)
デゼルの方が可愛らしいですが、そんなこと、デゼルは知らないので!
デゼルがこれまでに会ったどんな人より、サイファのオーラは澄んでいて、優しかったのです。
ガゼルのオーラになると美しすぎて、デゼルには実は眩しかったりして。
輝いています! 目が、目がぁああ!(笑)
他人のオーラに感応する力のない一般人でさえ、輝きを感じるレベルですから✨
サイファのオーラの透明感とか涼やかな優しさとかを表現するのに、まだ、「すき」しか言葉を知らないデゼル。
彼女にとって、それにどれほどの価値があるかを伝えるのに、まだ、「すき」しか言葉を知らないデゼル。
サイファの笑った顔が見たくて、何度でも見たくて、もっかい、もっかいと、デゼルが一生懸命に野草を探していたことも。
繰り返される「すき」の意味も。
知らないまま、ただデゼルが可愛らしくて、初めてもらった好意にときめいて、身分違いとは知りながら、切ない恋に落ちてしまうサイファ。
最初から両片思いだった二人の、
わかりあえていないのにすれ違わない恋物語は続いてゆきます。
愛に世界が救われてしまう、その時さえ越えてどこまでも。
――いつか、死が二人を分かつまで。