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第32話 代理決闘 前編

 


 ーー放課後


 円形のおおきなドームの中央、その地面に描かれるのは決闘用の安全術式を組みこんだ特別な魔法陣。


「決闘魔法陣。この中でならどれだけ危険な魔法を使おうと、死人がでることはない……と。よく考えたなこれ。普通こんな魔術式は思いつかないですよ」

「ねぇ……サリィ、大丈夫かな……?」

「レティスお嬢様、安心してください。必ず勝てますから」

 

 レティスはこの半年で見違えるほど強くなった。


 それに彼女にかけた絶対防御魔法と、わけておいた魔力もある。いまのレティスには攻撃は効かないし、魔法だっていくらでも撃てるのだ。


 さらに、うちのレティスには()()()()()もあるのさ。


「逃げださずに来たことだけは褒めてあげますわ。ただし、それは残酷な運命に身を投じたのと、同じ意味だということを思いしるがいいですわ!」


 床に描かれた魔法陣をはさんで立つ貴族令嬢ペルシャは、ぱんぱんっ、と華奢な手を打ち合わせた。


 決闘場の観客席からワラワラと黒いローブを着た生徒たちがあらわれる。

  

 どうやらペルシャの方は準備万端らしい。

 おおかた自分の派閥の貴族たちでも連れてきたのだろう。


「ギャラリーは多いほうがいいですわよね」

「やっぱり、いやな子だ……」


「見てみて、ペルシャ様と七光りのパールトンが戦うみたいだぞ!」

「親に見捨てられたくせに、ペルシャ様に勝てるわけないね!」

「そーだ、そーだ! 返ってくるなー!」


 観客席から容赦ない悪意たちが、ヤイバとなってレティスへ襲いかかる。


 醜悪な貴族たちの演出に吐き気がする。


 暴言吐いてるのがおさない少女ならまだしも、平気で年上のクソガキが調子に乗ってるものだから、顔面に風穴あけたくてしかたなくなるのだ。


「レティスちゃーん! あんな高飛車貴族に負けちゃだめだよ!」

「レティスちゃんのほうが可愛いー!」


 我が主人へむけられる黄色い声援。

 

 振り返ると、バリストン派閥の学生たち陣取る観客席の反対側、そこに数人の生徒たちがいるではないか。みんなちっこくて可愛いぞ。


「れ、レティスお嬢様、あれは?」

「あれはレティスの仲間! 何も言ってないのに来てくれたんだわー!」


「っ、バリストンに領地を削られた三流貴族どもだ! ペルシャ様にたてついてると今度は家までなくしちゃわよ!」

「うるさい! ペルシャちゃんのパパとママのせいで私の家は大変なんだからー!」


 ペルシャ団とレティス団のちみっこどうしが、可愛く言い合いしはじめたが、内容を聞くかぎり、全然可愛らしいことではない気がする。


 ーーぱんぱんっ


 かわいた手打ちがしんと冷たい空気に響きわたる。


「さぁ、パールトンさん、はじめましょう。わたくしの家への復讐もかねてかかってくるといいですわ」

「いや、レティスはそんなつもり無いけど……」

 

 気後れしながらも魔法陣へ入陣するレティス。

 むかえに立つは大貴族の令嬢ペルシャ・バリストン。


 俺を筆頭にロリコン紳士たち見守られながらの、難癖すぎる決闘がはじまろうとしていた。



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