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第27話 集中特訓

 


 レトレシア魔術大学は、世にも珍しい単位制という修学システムを導入しているようで、卒業するにはこの単位というものを必要な数、集める必要があるらしい。


 春と秋、年間通して2つの学期が設けられていて、それぞれの学期間、一定の成績をおさめることで単位は取得できる。


 必修科目と呼ばれるものも少なからずあるようで、注意して受ける授業は選ばないといけない。


「わかった、これが学校というものよ、サリィ!」

「ふーむ、なるほど。成績表見るかぎりレティスお嬢様は春学期の成績は悪くないですね。むしろとてもいい。けれど秋学期は1単位もとられていない」

「やァーッ! 見ちゃだめえー!」


 レティスに成績表をとりあげられ、ぺちんっ、と柔らかい手のひらで頬をたたかれる。


「ありがとうございます」

「なんでお礼いうの!?」

「まぁまぁ、それは置いておいて。レティス、今日から特訓をしませんか? 思うにレティスお嬢様には、プラクティカ様ゆずりのセンスがあります。

 エレアラントでは魔法で人を助けましたし、練習したらきっと素晴らしい魔術師になれます」

「ほんとー? 秋までに瞬間移動するやつつかえるかなー?」

「それは流石に厳しいかも……でも、レティスお嬢様ならば、あるいは可能なのかもしれませんよ」


 対面のイスで嬉しそうににへら笑いするレティスへ、一冊の魔導書をわたす。


「レティスお嬢様は魔法決闘が苦手と、いってましたよね?」

「ぎくっ……よ、よゆうだもん、決闘なんて、よゆう……」


 ああ、これは苦手な子の反応だ。完全に決闘アレルギーを起こしている。


「レティスお嬢様、安心してください。この魔導書はゲオニエス魔法省にかえし忘れた禁書です。

 中身をサラッと見たかんじ、興味深い魔法が記されていたので、これを覚えれば学生同士の決闘なら絶対にまけません!」

「ほんとーッ! きんしょ、ってなんか凄そー! レティス頑張るねーっ!」


 禁書を勝手につかうなんて、バレたら普通に暗殺者くらい送り込まれそうではある……が、

 俺はもう帝国などに愛想はつかしたし、なによりレティスのためなら、俺はなんだってできるんだ。


 ああ、そうだ。

 魔法省の禁書庫の結界暗号が変わるまえに、いくつか役に立つものを持ち出しに、帝国へ戻ってみるのもいいかもしれないな。


「わぁー! サリィ、まずはこの魔力属性式魔術っていうのを覚えたいわー!」

「いいですよ〜。これはですねーー」


 この日より、俺とレティスの魔法学校へむけての集中特訓がはしまった。



 ⌛︎⌛︎⌛︎



 ーー半年後


「ねぇ見て、サリィ! これがレトレシアの制服ローブなのよ、似合ってるー?」

「ええ、とっても似合ってますよ」


 今日はレティスの復学という祝うべき日。

 12歳なり、ちょっぴり大人になった彼女は相変わらずかわいい……かわいいが、人とは必ずしも変わり成長するものだということをよく教えてもくれた。


「さぁ、行きましょうか、レティスお嬢様」

「行ってらっしゃいませ、お嬢様、先生」

「わたくしめも陰ながら応援しております、お嬢様」


 玄関ホールでエゴス、アヤノ、その他大勢の使用人から見送られて、俺とレティスは魔術大学へとむかった。


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