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第18話 絶対ダメです。

 

 プラクティカの手によって、帝都から連れこられたのは王都ローレシア。


 王都からクルクマまでの道のりは、遠くは無いが近くもないといったところ。

 ローレシアから北に2日ほど馬を走らせることで、ようやくクルクマつく事ができる塩梅だ。


 炭と魔力鉱石を産出する、ローレシアの重要な資源産業にして、動きつづける魔の森「侵食樹海ドレッディナ」にもっとも近いことで知られている。


「ほら、見てみんべ。あれが冒険だギルドっつう、最近この町にもできた、大事なお役所だっぺ」


 森でたすけた老齢の男ーーイチゾウに連れられ、やっとたどり着いたクルクマの中央区をあるいていく。


 昨晩は雨が降ったのか、土の地面がぬかるんでいたが、町の中心にむかうにつれて、

 だんだんとゴロゴロした丸石が敷き詰められた道へと変わっていった。

 

 白金ローブを汚す心配はなさそうである。


「イチゾウさん、侵食樹海はどちらにありますか?」

「ああ、ドレッディナなら、あっぢ。あっぢだべ」


 イチゾウの指差すほうへ視線を向ける。


 見えるのはモクモクと黒煙をはきだす鍛冶場の煙突たち。


 流石に炭と鉱石の町だけあって、武具の加工産業もとても盛んだ。


「そんじゃ、頑張るでよ」

「親切にありがとうございました」

「ばいばーい、イチゾウー!」


 手をふるイチゾウへ、ぺこりとお辞儀をしてわかれる。


「ふむ、それにしてもなんて、イチゾウはあんなところをひとりで歩いてたんだろうか」

「あー、レティスも思ったー!」

「あぁ、言われてみれば確かにそうですね」


 ふり返り、まっすぐ遠ざかるイチゾウの背中を見るが、そこに答えは見いだせなかった。



 ⌛︎⌛︎⌛︎



 冒険者ギルドへとやってきた。


「侵食樹海ドレッディナで、ポルタが出ていると聞いたのですが」

「見ない顔……あっ、もしかして、いま侵食樹海へ入ろうというのですかっ!?」


 ボーッとしていて、暇そうだった受付嬢が、血相をかえてきゅうに立ちあがった。


「え、ダメなんですか?」

「だめだめだめだめだめぇえーっ! ポルタ狩りですね!? だめです! その顔はポルタが目当てなんですねっ!? はい、絶対だめぇえーッ!」


 興奮して、目を見開き、肩で息をする受付嬢。


 ギルド内の酒場でたむろしていた冒険者たちが、何事かと注目してくる。


「レティスなら余裕っ! わたしが『列強種(れっきょうしゅ)』なんてやっつけちゃう!

「っ、ま、まさか、あなた、このちいちゃな女の子を連れて行く気じゃ……」

「……」


 おぞましい物を見る、受付嬢の眼差し。

 俺はこめかみを掻きながら、視線をそらし、沈黙をもって答えとする。


「っっつ、ゼェェェッタイにだめですぅうーッ!」


 耳をつんざく大声。

 森に入るのはやや手こずりそうだ。



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