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異世界詐欺師のなんちゃって経営術  作者: 宮地拓海
第四幕

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801/809

484話 新たなデートスポットへ

 場所を移して、花園の方へと向かう。


「あれ、こんなところに道なんかあったか?」

「作ったのだ。ノスタルジック街道へ向かう度に花園を経由していたのでは、花園が騒がしくなってしまうから――と、貴様が言っておっただろうが」


 そうだっけ?

 まぁ、当然のことだから、どっかで言ったかもな。


 花園へ向かう途中の道に、奥へと続くそこそこ大きな道が出来ていた。

 中央に深い溝が掘ってあるから、ここも水路になるのだろう。


「カワヤ」

「はいはい!」


 呼べば、どこからともなく駆けてくるカワヤ。

 やっぱ、いたな。

 顔は見てなかったけど、いることは分かっていた。こういうイベントだしな。


「折角こういう道を作ったんだから、両サイドの家は入口の向きをこっちに向けとけよ。そしたら、間口が広がって、ゆっくりと見られる店に出来るだろ」

「あぁ、なるほど。ノスタルジック街道に入る前からもうお店置いとくんですね」

「ここがメインの通りになるならかなり騒がしくなる。ただの住宅にしとくのはもったいないぞ」


 大通りそばに店を置けば儲かるが、住宅を置けばただうるさくて住みにくくなるだけだ。

 建物も、その種類によって価値が上がったり下がったりする。

 最大限価値が大きくなるように作っておかないと。


「今ここに住んでるヤツと話をしといてくれ」

「それには及ばぬ。もとよりこの辺にいた者には新たな家に移ってもらった。貴様があとからどのような奇想天外な意見を持ち出しても対応できるようにな」

「そんな無茶振りはしてねぇだろうが」

「住宅の向きを変えて店舗にせよというのは、相当無茶だと思うがな」


 まぁ……そりゃそうかもしれんが。


「この辺りの完成形が見えた後、戻りたい者には戻ってもらう予定だ。新しい家が気に入ったのならそちらで暮らしてもらって構わない。住んでいた場所に手を入れさせてもらう見返りとして、その程度のことしか出来ぬが、精一杯の誠意を見せるつもりだ」


 それで十分だと思うぞ。

 何より、ここに来るまでに見かけた虫人族は、みんな楽しそうな顔してたし。



 で、新しい大通りを通り抜けてノスタルジック街道へ出る。

 おぉ、この辺に出るのか。

 なんか、知らない細い道を抜けて知ってる場所に出た時みたいな、地味な感動があるな。

 思わずきょろきょろしてしまった。


「あ、ヤシロ。ベッコの石板が飾ってあるよ」

「なにそれ、縁起悪い」

「違うよ。ベッコが彫ったこの付近の昔の風景だよ。ベッコの肖像とかじゃないから縁起悪くないよ」

「失敬でござるぞ、ご両人!? ヤシロ氏はもとより、エステラ氏まで!?」


「あはは、ごめんごめん」と軽く謝るエステラ。

 絶対悪いと思ってない口調だな。


 ベッコの石板は、大きな川のほとりに立つ石柱の中に埋め込まれていた。

 胸くらいの高さの石柱の上部を斜めに切り落とし、そこにかつてのこの付近の風景が彫刻された石板が埋め込まれている。

 石板を見て顔を上げれば、すっかり様変わりした今の風景が同じ画角で眺められる。


 なかなか面白い試みだ。


「すっかりと様変わりしたんですね」


 と、ジネットが呟く。

 こいつも、以前のこの場所の風景を知っている一人だ。

 じっと見つめる先には、今の風景と、そしてきっと以前の風景が映っているのだろう。


「大分広くなったな」

「はい」


 と、カワヤが嬉しそうに頷く。


「虫人族さんたちの協力もあって、かなり大掛かりな工事をしたんですよ」


 狭く閉鎖的だった田舎道は、両側の家を移動させたのか削ったのか、とにかく道幅がかなり広がっていた。

 広い街道の真ん中には大きな川が流れ、川のほとりには等間隔で灯篭のようなオブジェが並んでいる。

 上部に設置されているのはおそらく光るレンガだろうから、夜になるとあの光が川に反射されて、かなり美しい光景になるだろう。


「オマール」


 と、ウーマロがカワヤを呼ぶ。


 あ、たぶん忘れてると思うけど、オマール・カワヤ、な?

 ウーマロは仲がいいんで名前で呼んでるんだよな。

 俺は、距離感を大切にカワヤってちょっと他人行儀に呼ぶけども。


「あの灯篭の位置なんッスけど、もっとこう――」


 おぉっと、ウーマロ皇帝のダメ出しが入ったぞ。


「皇帝じゃないッスよ!?」

「細かいことをいちいち気にするな」

「細かくないッスから! いちいち否定しないと、いつの間にか定着しちゃうって、オイラ知ってるッスからね!?」


 とか言って騒ぐウーマロだが、空間把握能力はずば抜けて高いので、ウーマロに任せておくといいだろう。

 ハロウィンでシャドーアートを設置した時に、光と反射の角度とかめっちゃ聞いてきてたから、きっとその辺ももう独自で勉強して習得済みだろうし。


「カワヤさん、ちょっとこちらへ」


 イメルダが、川のほとりに立ってカワヤを呼ぶ。

 いや、呼びつける。


「ここから見た時のバランスが美しくありませんわ」

「いや、それはさすがに、家を動かすわけにもいかないですし……」

「お黙りなさいまし! この場所が、一番この風景を美しく見られる場所になりますのよ!? ここで妥協するということは、このノスタルジック街道全体のレベルを下げるということになりますわ! なんとかなさいまし!」

「いや、でも木こりのお嬢さん……」

「オマール、あの家の設計を少し変えて建て直すッス」

「マジか、ウーマロ!?」

「イメルダさんの感覚は信じて間違いないッスよ。アドバイスもらえただけでもラッキーと思うッス」

「あ、ありがとうございます」

「よろしくってよ!」


 なんで一番偉そうなんだろうなぁ、あのお嬢様は。

 で、群がって拍手してんじゃねぇよ、木こりども。

 あとハビエル。

 反論したカワヤを、お前、「ぽきっ」ってしようとしてたろ?

 マーシャが止めてなかったら、してたよな、お前?

「カワヤ君は、まだ、いる子☆」ってマーシャが止めてなかったら!


 ……つーか、カワヤ。「まだ」だから、今のうちにしっかり腕前アピールしとけよ。

 ここが完成したら、守ってもらえなくなるかもしれないぞ。


「カワヤさ~ん!」


 と、ロレッタが向こうの方で大きく手を振ってカワヤを呼んでいる。


「あたし、いいこと思いついたです! ここにどーんと大きな塔を建てて、その天辺から川に飛び込める飛び込み台を作ると、きっと観光客が押し寄せてきて、この街道が大盛り上がりするですよ!」

「……ウーマロ。あれは?」

「ロレッタさんは、『面白そうッスね~』くらいの返しでいいッス」

「ちょーい! 聞こえたですよ、ウーマロさん!?」

「や、やはは」


 ウーマロに詰め寄るロレッタと、顔を逸らすウーマロ。


 でもまぁ、的確な判断だな。

 こんな、のんびり歩くための街道に、そんな過激なアトラクションいらねぇんだよ。

 場所を考えろ。

 飛び込んだ後、びしょ濡れでまたこの辺歩けってのか?


 川を見る度に飛び込みたくなってんじゃねぇよ。


「え~、でもでも、楽しそうだよ、それ~☆」


 人魚用の施設なら、海に作ってもらえ。

 ほら見てみ?

 賛同者、お前とロレッタしかいないから。

 だから膨れないの、マーシャ!

 ダメ!

 め!


「それよりもカワヤ」

「なんですか、ヤシロさん?」

「女子風呂見学プレミアムシートの設計図はどうなってる?」

「作ってないですけど!?」

「ウーマロに却下されたからって、お前に依頼しといたろ!?」

「却下しましたけども!?」

「何やってんだよ!? お前、それでもプロか!?」

「プロだからこその却下ですよ!?」


 こいつもウーマロ派か!?

 くっそぅ、もっと不真面目なヤツは……こっち派になびきそうな――


「グーズーヤ! グーズーヤはどこだ!?」

「あいつには、なんの権限もないッスよ、ヤシロさん」

「私の区で不埒なことを目論むな、ヨコシマイワシ」

「もう、懺悔してください」

「残念だが、ジネット。ここには懺悔室がないんだ」

「あ、ありますよ」

「作ってんじゃねぇよ、カワヤ!?」


 壊せ壊せ、そんな物騒なもん!


「それにしても」


 と、ジネットが懺悔のことを一瞬で忘れて街道の奥を見つめる。


「立派な建物ですね」

「まだ、建築途中なんですけどね」


 街道の奥には、元シラハの館で、これから旅館に生まれ変わろうとしている建物があった。

 まだ建設途中なようで、足場の木組みが高く組まれている。

 隣に建設予定の大衆浴場はまだまだ、まったくの手付かずだ。


 それが出来たら、ここからの景色はもっと壮観になるぞ。


「ちょっと楽しみだな」

「はい。完成したら、またみんなで見学に来ましょうね」

「そうだな」


 ジネットたちは旅館を。

 俺は女湯を。


「……ノートンを潜り込ませれば、もしくは」

「無駄だから、くだらないことを企てないように」


 エステラが、後頭部にチョップを落としてくる。

 くっ、まだだ……まだ諦める段階ではない。

 誰かいるはずだ……誰か!



 誰を抱き込むべきかを考えつつ、目的の場所へと移動した。




「それで、ここで何をするつもりなのだ?」


 街道から階段を使い、一段低くなった場所へと移動してきた俺たち。

 河川敷というか、川っぺりだな。

 レンガが敷き詰められており、等間隔に灯篭が並んでいる。まぁ、光源は光るレンガなんだけど。


 これ、上の道にも光るレンガの灯篭置いてあるから結構明るくなりそうだな、夜でも。


「ここは、一応『遊歩帯ゆうほたい』と呼んでます」


 遊歩帯は、こういう川沿いをのんびりと歩くのに適した遊歩道のようなものだ。

 都市計画とかに携わっていると、ちょいちょい耳にする言葉で、もうちょっと都会的な遊歩道になってくるとプロムナードとか呼んだりもする。

 のんびりとしたこの道は、遊歩帯の方がしっくりくるだろう。


「ヤシロさ~ん!」


 対岸には、ジネットたちがいる。

 俺たちから見てそれなりに川下だ。


 手を上げて返事をしておく。

 向こうも結構な人数になったな。


「ベッコ、頼んどいたもの、出来てるか?」

「これこのとおり、此方にご用意しているでござるよ」


 式典の途中でベッコに頼んでおいたのだが、歩きながらやったのか、どっかでぱぱっと仕上げてきたのか、注文通りの物が仕上がっていた。


「ヤシロさん、それは何ッスか?」

「船だ」


 見たまんま、手のひらサイズの木造船だ。

 ただし、ベッコに造船の知識はないので、丸太をくり抜いて作ってもらった木の彫刻だけどな。


「ヤシロさん、造船なら大工の仕事ッスよ!」

「そうですよ! カワヤ工務店は、造船も得意なんですから! こっちに言ってくれないと!」

「でも、お前らじゃこの短時間では作れないじゃん」

「「ぐぬぬ……ベッコのくせに……ッス」丸メガネめぇ……!」

「拙者を睨まれても困るでござる!?」


 すごい顔してんな、ウーマロ&カワヤ。

 そんなに作りたきゃ、腐るほど作ればいい。

 きっとこれは大当たりするから。


「でだ。ここと、向こうのジネットがいる辺りに桟橋みたいなものを作ってもらって、ここでちょっとした戯れをしようってわけだ」


 領主たちはこちらに来て、陽だまり亭一同や四十二区のメンバーは向こう側で待っている。

 領主連中は説明を聞きたいらしい。

 ジネットたちは、実際体験すれば、それで満足するだろう。


「ここに、小さなカードか、便箋を置いて、で、着脱式の帆も一緒に置いておく」


 それぞれに違う値段を付けておいて、必要な物を買ってもらおうって算段だ。

 船は、使ったら返してもらうから無料。

 壊したら弁償。


「試しにやってみるぞ」


 と、紙を取り出して――そうだな、今ちょうど川下にいるから、ジネット宛にしておくか――



 ジネット

 いつも、ありがとう


 ヤシロ



 ――という短いメッセージを書いた。


「これを船に乗せて、川に流すんだ」

「随分と簡潔な文章だね」

「デモンストレーションだからな。思いを込めたいヤツは好きなだけ込めればいい。パキス、今川下にロリーネがいるぞ」

「なるほど! では、この溢れんばかりの思いの丈をしたためねば! ぬゎああああ、机がない!」


 やかましいな。

 そこらの平らなとこで書けよ。

 うわ~、地べたに這いつくばったぞ、この貴族。

 見栄とか外聞とかお構いなしか。

 レンガの溝でペンが紙に「ブスッ」ってなって「あぁっ、穴が!?」とかいいから。大人しく書いてろ。


「ジネット~! 行くぞ~!」

「え? な、何が来るんですか!?」


 手を振って声をかけてから、船を川に浮かべる。


「慌ててるけど、いいのかい?」

「まぁ、流れてくりゃ分かるだろう」

「……落ちぬだろうな?」

「それは……まぁ、マグダもいるし、ノーマもいるし」

「マグダさんもノーマさんも、あまり水に入るのはお好きではなかったような?」


 ナタリア……そんな鋭いところついてこなくていいから。

 マグダは水に顔を浸けるのが嫌なだけで、水が怖いわけじゃないから。

 ノーマは、水が怖いみたいだけど。


「ロレッタ~! ジネットが落ちないように、頼むぞ~!」

「何する気ですか!? 店長さん落ちちゃうですか!?」


 だから、落ちないように頼むっつってんだよ。

 大したことしてないのに、落ちるのがジネットなんだから。


 とりあえず、そこまでの脅威はないと判断して、船を川に流す。


 緩やかな人工の川を、船がスルスルと渡っていく。


 ……ん、ちょっと計算ミスったか?

 この角度で流せばちょうどいい位置に行くと思ったんだが。


「ちょっと待っててね~☆」


 言って、マーシャが川へと飛び込む。

 船から離れた位置で、一度潜って、尾びれを振る。


 すると、川の流れが静かに変わって船がジネットの目の前へと移動していった。


「こういうのは、流れに任せないと風流じゃないもんね☆」

「さすがマーシャ。よく分かってるな」


 近くまで行って流れを変えたのでは野暮ったい。

 いい距離間で、こっそりと流れを変えてくれたマーシャに感謝だ。


「ここ、水流扉を使って、流れを一定に保っておくと、増水しても渇水しても楽しめそうだね☆」

「出来そうか?」

「任せて~☆ すっごい楽しいことになりそうだから張り切っちゃうね☆」


 とか言っている間に、俺の流した船がジネットの手に渡った。

 慌てて取りに向かったジネットに一瞬ヒヤッとしたが、ジネットは危なげなく足元まで流れてきた木製の船を拾い上げ、俺のメッセージを確認した。


 ……ん?

 なんか、口を手で押さえて、見悶えて……

 あれ、なんかマグダとロレッタが生ぬるい目でこっちを見てる。


 なんだよ?

 そんな変なことは書いてないだろうが。


 確かにジネットがちょっと大袈裟に喜び過ぎちゃってるけども。


 ん?

 何してんだ?

 テレサに紙とペンをもらって?

 なんか書き始めたけど!?

 いそいそと折りたたんで?

 船に乗せて?


 川に流したぁー!?

 こっち川上なんですけど!?


 そして当然のように船は川下へ!


 おぉーっと、ジネットが反対方向へ進む船を取りに川に飛び込みかけたところをマグダとロレッタががっちりキャッチしたー!

 でかしたぞ二人とも!


「……ヤシロ」

「俺のせいじゃなくね?」


 判定が辛いんだよ、エステラ。


 で、マーシャがジネットのところまで泳いでいって、なんか話しかけて、船を川に置いて、潜って――なんか川が逆流してきたんですけど!?

 ポロロッカ!?


「は~い、お届け物で~す☆」

「こっち向きは、情緒も何もあったもんじゃないな」


 ジネットの手紙には、慌てて描いたような丸っこい文字で『こちらこそ、いつも感謝しています』と書かれていた。

 律義に返事なんぞ寄越さんでもいいのに。


「おーい、もうちょっとデモンストレーションを続けるぞー!」

「「「はーい!」」」


 と、手紙を欲しがってそうな連中が大きな声で返事して手を上げている。

「ヘイ、パス! パース!」みたいになってるから!

 そんな何回もやんねぇよ。


「メドラ、悪いけど川下で連中を見ててやってくれないか? あんだけ前のめりになってたら、何人か落ちかねん」

「あはは。まったくしょうがないお嬢ちゃんたちだねぇ」


 豪快に笑って、メドラが川下の対岸へと向かう。


 まぁ、今回は世話になったからな。

 過去の嫌な思い出まで利用させてもらって、オットマンを追い詰める際も『精霊の審判』を受ける危険があると分かりつつ矢面に立ってパウラたちを守ってくれた。

 なので、これは感謝の気持ちだ。


「別売りの帆は、こういう使い方を想定している」


 言いながら、帆に『メドラへ』と書き込む。

 メッセージカードには、『今日はありがとう。いつも世話をかけるな』と書いておいた。


「で、流す」


 船がゆらゆらと流れていく。

 船の到着を待つ一同。


「こうやって、相手が誰か分からない状況で宛名を付けると分かりやすい」

「ふむ。しかし、そこまで必要なものとも思えんな」

「これがもし、仲良し男女グループだったとして、その中に秘かに思いを寄せている相手がいたと仮定してみろよ。旅先の、ちょっと浮かれたデートスポットで――」

「えっ!?」


 遠くから、メドラの驚いた声が聞こえてくる。

 視線を向けると――


「もぅ! 急にこういうサプライズはやめておくれよぉ~!」


 ――なんか、ちょっと泣いて、めっちゃ喜んでた。


「ダ~リ~ン! アタシも、大好きだよ~!」


 いや、『も』って。

 俺、そんなこと一言も言ってないから。


 言ってないから!

 ザワザワすんな、領主共!



「とまぁ、こういうサプライズにも使える」

「なるほど、これはウケるかもしれぬな」

「あはは。メドラさん、本当に嬉しかったんだね。見てよ、あの浮かれよう」


 と、エステラが轟雷のメドラを微笑ましそうに見つめている。

 初対面で泣かされたクセに。


「……ヤシぴっぴ」


 マーゥルが俺のそばで、小声で話しかけてくる。


「もう十分なんじゃない? 私、いる?」

「じゃあ、マーゥルもやってみるか?」


 と、デカい声で言うと、マーゥルは目を丸くして――


「……もぅ、悪い子ね」


 と、小声で叱ってきた。


「じゃあ、領主連中も、今度は受け取る側から見てみろよ。なんか必要そうなものがあったらリストアップでもしといてくれ」


 と言うと、いの一番にドニスが動いた。

 足早に川下へと向かう。


 ほ~んと、分かりやすいチョロリンだこと。




「困ったわ。何を書けばいいのかしら」


 と、マーゥルが俺を見てくる。

 なんて書いてほしい? ――っていう協力体制に見せつつ、今自分の言葉で何か書くことに照れてるんだろ?

 自分の言葉をそのまま送って、向こうて盛大に浮かれられたら恥ずかしいもんな?

 あとで「ヤシぴっぴにお願いされたんですよ」とか、言い訳の余地残しときたいもんな?


「ヤシぴっぴ?」


 へいへい。

 怖い顔で睨みなさんな。


「船旅の思い出でも書いてやればどうだ? 『今度乗ってみたら~?』とか」

「船旅…………今回の、かしら?」

「いや、教会のシスター連中と行ったクルージングの方でいいだろうが」


 なんで地獄のレポート送ろうとしてんだよ。

「死ぬかと思ったわ」なんて手紙が船に乗って流れてきたら、クルージングのイメージ終わっちまうだろうが。


「そうね。ここ最近の出来事で、ヤシぴっぴが求めている相手の方も、きっと興味を持たれていることでしょうからね。そうしておきましょう、ヤシぴっぴの思惑通りに」


 なんて言い訳をして、すまし顔で文をしたためるマーゥル。


「……あら」


 と、ペンが止まる。

 立って書いているからか、急かされたからか、少し文字が乱れたらしい。

 あ、紙をたたんで、書き直すんだ。

 へぇ~。


「さすが、貴族ともなると文字にもこだわるんだな」

「うるさいわよ。書いている途中で声をかけるのは、行儀のいいことではないわ」


 ぷぷっ。

 照れてやんの。

 そうかそうか。

 綺麗な文字だなって思われたいから、妥協は出来ないのか。


「油断したところを見せた方が、男は喜ぶのになぁ~」

「ヤシぴっぴ。二度は言わないわよ?」


 うるさいってさ。

 まったく。

 これで耳の先くらい赤くしてりゃ可愛げもあるのに。


 こいつに領主教育叩き込んだ先代は、鬼だな。

 どんな最強領主を望んだんだよ。


 ……その結果、置き土産があの有り様とか。


 これは、女だからって殊更厳しくされたからか、もしくは認めさせたくてマーゥルが必要以上に必死に食らいついたか……

 覚悟の差かな、マーゥルとゲラーシーの仕上がりは。


「出来たわ。じゃあ、これを封筒に入れてちょうだい」

「はい。主様」


 シンディが、書き上がった手紙を振って、インクを乾かしてから丁寧に折りたたむ。

 うまいもんだ。

 さすが、マーゥルが絶対の信頼を寄せる給仕長。


「……うふふ」

「読まなくていいのよ」


 折りたたんだ手紙をもう一度開いて中を確認したシンディを、ぺしっと叩くマーゥル。

 仲いいな、オバサンたち。


「封筒に宛名を書くわ」

「いや、それはいいから帆の方に書いといてくれ」

「でも、封筒にも必要よ?」

「水しぶきが飛んで滲むかもしれないからな」


 船に手紙を載せて川に流すのだ。

 最悪、転覆して手紙が台無しになる可能性もある。

 水しぶきが飛んで表面の文字が滲む可能性は十分に考えられる。


「何か対策が必要なのではないかしら? ……観光客の中には、大切な思いをしたためる人もいると思うわ」


 そんな、客観論っぽく言わなくても、「私の手紙が濡れないようにして」って言えばいいのに。


「客観論よ」


 へいへい。


「マーシャの言ったように、水流扉で船の流れる場所だけ隔離してしまえば、水しぶきは抑えられるが……そうだな、念のため、魔獣の革でも上に載せて水しぶきを防ぐフタにするか」

「魔獣の革って、なんかちょっと無骨じゃないかな?」


 ナイスアシストだ、エステラ!


「じゃあ、魔獣の革にイラストでも描いておけばいい。可愛いイラストと『大切なあなたへ』とかいう一文を添えて」

「あぁ、それなら拾い上げた時も嬉しいし、中を見るまでのわくわくもあって、いいね、それ」


 と、嬉しそうなエステラ。

 でもまぁ、そう言ってすぐに用意は出来ないからな~、仕方ないよな~。


「まぁ、今回は間に合わないから、追々な」

「そうね。……濡れないといいけれど」


 不安そう、というか不満そうに言って、マーゥルが船を川に浮かべる。

『親愛なるDDへ』と書かれた帆の付いた船を。


 で、マーゥルが手を離す瞬間――


「じゃあ、今手元にあるメンコを載せておくか。フタの代わりにな」


 と、ベッコに『複製』させたメンコをマーゥルの書いた手紙の上へ「ぽ~ん」と放り投げて載せる。


「えっ!?」


 そのメンコを見たマーゥルがばっとこちらを見る。

 まぁ、お目々が真ん丸。


 それもそのはず。

 俺が載せたメンコは、マーゥルが没収した、船で帽子が飛ばされそうになった、油断した表情のマーゥルのメンコだったからだ。


 複製してもらっちゃった☆


「ちょっ、待って! 待ちなさい、そこの船!」


 慌てて手を伸ばすが、こっちを向いている間に船はすっかり遠くの方へ。

 どんどんと流されていく。


「このように。普段なかなか思いきれないことでも、手を離す一瞬の勇気があれば、想いを相手へと運んでくれるのが、この『船手紙』のいいところだ」

「ヤシぴっぴが勝手に載せたんじゃない!?」


 マーゥルが、珍しく頬を真っ赤に染めて抗議してくる。


「あら、やだわ、もうあんなところにっ。あのっ、まって! DD! 拾ってはいけませんよ!」


 言いながら、マーゥルが駆け出す。

 船を追うように川下へ走り、対岸の船着き場を目指すが……まぁ、間に合わないだろうな。


「ふふふ。あとでたっぷりと叱られてくださいね」


 シンディが嬉しそうに俺の肩を叩く。

 喜んでんじゃん。

 主の可愛い姿を見られて。


「大それたことをする男だな、貴様は。私でさえ、マーゥルにはそれなりに気を遣っているというのに」

「こういう男なんですよ、ヤシロは」


 こっちに残った領主二人が嘆息する。

 いいじゃねぇか。本人も喜んでるし。


 まぁ、あとでめっちゃ叱られるんだろうけども。

 ……ダッシュでジネットの背中に隠れよう。そうしよう。


「ナタリア。悪いが、ジネットを呼んできてくれ。大至急」

「そうですね。それくらいの盾がないと、今度はヤシロ様がこの川を流れていくことになりますね」


 半笑いで言って、ナタリアが対岸へ向かう。

 間に合いますように。

 ジネットの足の遅さを考慮して、早めに呼んできてくれよ。


「あ、着いたみたいだよ」

「……ふっ。盛り上がっておるな」


 船が着き、ドニスが周りの者を押しのけるように船を拾い上げて、そのまま川に落ちた。

 おいおい、落ちたぞ!?


 ヴァルターが船を空中でキャッチして、積み荷を見て、こっちに視線を送ってくる。

 なに、その肩を竦めるジェスチャー?

 そして……あ、群がる領主から船を守ってる。

「見ない方が、みなさんの身の安全に繋がりますよ」とか言ってそうな雰囲気で領主連中を嗜めてる。


 まぁ、マーゥルが血相を変えて走ってきて、ドニスが川に落ちたんだから、内容なんか見なくても察しはつくだろう。


 そして、遅れてマーゥルが対岸の船着き場へと到着する。

 ほほぅ、結構頑張ったな。


 ヴァルターが船を持っているのを見つけて歩み寄るが、それよりも早くドニスが復帰して船を手に取る。

 わ~、背の高さを利用して船を頭上に掲げ、マーゥルに渡さいない構えだ。


「これは、私宛の船のはずです」

「違うの! 意図しない積み荷が増えてしまったのよ」

「いえ、これは私の積み荷です」


 とか、やってんのかね?

 背伸びするマーゥルがドニスに追いすがって、頑ななドニスの腹をぽかぽか叩いている。

 イチャイチャしてんじゃん。


 うわぁ~、ドニスのあの弛んだ嬉しそうな顔。


 領主連中も、もはや見慣れた光景に「いやいや、はっはっはっ」的な空気だ。

 あはは、ヴァルターだけが「えぇ……ドニスと二十九区のあのマーゥルが……」みたいなドン引きした顔をしている。


 ん?

 なに?

 デミリーがなんかジェスチャーを……なになに?

『全然、見慣れてないから! めっちゃ、心臓、バクバクしてるから! 予告なく見せないで、こんなの』?

 とか言ってる気がするけど、気のせいかもしれないし、気にしない☆


 わっ!

 マーゥルがこっち見た!

 目、逸らしとこ。


「ヤシロ。君へのメッセージが送られてきてるよ」

「しっかりと直視しておけ、自分の仕出かした状況がどんな結末を迎えるか」


 ヤダ、見たくない。

 ナタリア、早くジネットを。

 たぶん、ジネットをこっちに呼び戻してる理由とか、マーゥルなら勘付くから、その前に、早く!

 追い抜いてくるから、あの人!

 体力、案外すごいんだから! あっちこっち歩いてるから!

 元気なんだよなぁ、あのオバちゃん。


「わぁ、マーゥルさん、足速いなぁ」

「エステラ、ジネットは!? ジネットは今どの辺!?」

「あ、今抜かされた」

「ナタリアー! もう担いで持ってきてー! 大至急!」


 ナタリアのヤツが面白がってデッドヒートを演出し、結果、タッチの差でジネットを先に届けてくれた。

 ナタリアにお姫様抱っこされたジネットは、何がなんだか分かってない様子であわあわしていたが、とりあえず、その背中に身を隠した。


 ジネットお姉ちゃん、怖いオバサンが叱ってくるの。

 守って☆




「ヤシぴっぴ?」

「ジネットバリアー!」

「え、あの……もぅ、ヤシロさん」


 めっちゃ怖い顔で睨んでくるマーゥルの視線上にジネットを置く!

 そして、その背に身を隠す!

 回り込もうとしても、ジネットの肩を持って、ぐるーんだ!


「もう、困った子ね、あなたは」


 マーゥルが嘆息する。

 少しは怒りが収まったか?


「……複製を作っていたのね、丸メガネ?」

「ひぃっ!? ダイレクトな怒りがこっちに来たでござる!?」


 あ、そっちは別にどうでもいいんで、煮るなり焼くなり持ち帰るなり好きにしてくれ。


「はぁ……もう。こんなに全力で走ったのなんて久しぶり……いいえ、きっと生まれて初めてだわ」


「いやだわ、はしたない」と、マーゥルが自身の顔を手扇であおぐ。

 シンディがさっとハンカチを手渡し、隣でニヤニヤしている。


「笑わないで。いじわるね」


 渡されたハンカチでシンディを叩き、マーゥルが頬を膨らませる。

 いくつになっても、女子は女子だなぁ。


「しかし、おかげでこの渡し舟が大いに盛り上がるアトラクションであることは確信できた。感謝するぞ、マーゥル」

「まぁ、ルシアさんまで……。ヤシぴっぴの悪いところばかりを真似するのではありませんよ?」


 いやいや。

 そいつの性根が曲がってるのは元からだから。

 俺、関係ないから。


「手を離れてしまった瞬間、もうどうあがいても元には戻らない。まるで、時代に翻弄された私の人生を振り返らされたような気分だわ」


 やや不服そうに言って、川を見つめるマーゥル。


「なら、よかったんじゃないか?」

「……どういう意味かしら?」


 からかわれたとでも思ったのか、マーゥルが俺を睨む。


「翻弄された結果が、お前に笑顔を運んできてくれたんだろ? なら、お前の波乱に満ちた人生も、最終的にはハッピーエンドを迎えるってことじゃねぇか。いい顔してるそ、今。な?」

「はい。マーゥルさん、とってもキラキラしたお顔をされていますよ」

「…………」


 ジネットに言われては、反論は出来ない。

 それはマーゥルも例外ではないようで、困ったような、癪にさわったような、なんと言ったもんかと悩んでいそうな表情を浮かべて、結局俺を睨んだ。


「汗をかいただけだわ。それに、私の人生はこんな単純な一本道じゃなかったもの。そう簡単に何かに重ね合わせられるものじゃないわ」


 お前じゃねぇか、船と人生を重ねたの。


「けれど……」


 そうは言っても、心底嫌がっているわけでもなさそうで――


「こんなに大きな声を出して全力で走る経験はしたことがなかったから、気分は晴れやかね」


 ――そう言って、笑みを深めた。


「とはいえ、許したわけではありませんからね? 覚悟していなさいね、ヤシぴっぴ」

「ジネットバリアだけじゃ不足か。ドニスバリアで補強せねば……!」

「ヤシぴっぴっ」


 へいへい。

 ごめんなさいってば。


「で、あの川に落ちたデッカい爺さんは無事だったのか? もういい年齢だろうに」

「知りません。返してくださいとお願いしたのに、聞いてくださらなかったんですよ? とっても意地悪だったわ、あの方」


 ぷんっと、そっぽを向くマーゥル。

 そんな顔を見せたら、またドニスが倒れるぞ。

「萌えー!」とか吠えて。


「な? 楽しい場所になりそうだろ?」

「ふふ、そうですね」

「まぁ、店長さんまで……」

「いえ。あの、わたしは、お手紙をいただけて、とても嬉しかったですから」


 ちらりと、俺を見る。

 いいって、それはもう。蒸し返さなくても。


「きっと、ドニスさんも、嬉しかったと思いますよ」

「…………そうね。喜んでいただけたのなら、まぁ、……いいわ」


 そう言って俺たちに背を向けるマーゥル。

 後ろを向きながら、流れるようにシンディのお尻をぺしりと叩いてた。

 ずっと笑ってたもんな、シンディ。


「書けた! 大作だ!」


 と、こっちの騒動を丸ごと無視して一心不乱に手紙を書いていたパキス。

 いや、多いって。

 封筒ぱんぱんじゃねぇか。

 ポイントカードを入れ過ぎた二つ折り財布かってくらいぱんぱんじゃん。


「んじゃ、ルシア。デモンストレーションはこの辺にして、お客第一号ってことでいいか?」

「何か違いがあるのか?」

「箔が付くぞ。ここで恋文を流した最初のカップルが、その後ゴールインしたとか言うと」

「ふむ……それも一理あるか」

「結婚式にパレードを盛り込んで、ここも通ってもらって、もう一回恋文を流してもらうってデモンストレーションをすると、きっとすげぇ盛り上がる」

「うむ。パキスの結婚式は我が区の主導で行うことにすれば、その辺はいくらでもこちらで操作できるな」

「いや、いいんですか、そんなこと勝手に決めて?」


 と、エステラがパキスを見るが、いいんじゃねぇの?


「区を挙げての結婚式など、身に余る光栄だ! この区のためになるのであれば、断る理由などどこにもない!」


 パキスは、本当に三十五区とスアレス家が好きなんだな。

 鬱陶しいくらいにナルシストではあるが、どこまでもひたすらにまっすぐなこいつの性格は好感が持てる。

 ……操りやすいし。

 何かあっても後腐れなく断ち切れそうだし……ふっふっふっ。


「では、パキスよ。まだ設備は整ってはおらぬが、この渡し舟の第一号になってくれるか?」

「もちろんだとも!」


 意気込むパキス。

 その横で、俺はジネットに言っておく。


「俺たちのは、デモンストレーションってことで、な?」

「はい。この嬉しさは多くの方に共感していただけると思います。賑やかな場所になるといいですね」


 自分が最初とか、特別とか、そういうのにはこだわらないタイプだな。

 まぁ、『恋文』じゃなかったしな


「あれ、マーゥルの手紙って、恋文だった?」

「……ヤシぴっぴ?」

「じゃあ、正真正銘、恋文第一号はパキスだな」

「おぉっ、感激だ!」


 怖いオバサンの追求からは目を逸らし、この恋人どもの浮かれた聖域を盛り上げるための下準備を進める。

 記念すべき一組目のカップルがゴールインしたとか、そりゃあもう、国中のカップルが食いついてくることだろう。バカみたいに。バカ丸出しで。


「ばぁーか!」

「君の病も深刻だね。レジーナにも治せないとなると、いよいよ手の施しようが……」


 そんな重いため息を嬉しそうに吐いてんじゃねぇよ。

 俺の重篤化がそんなに嬉しいか。……重篤化してねぇわ!


「カワヤ、ここの水って、今特例で流してるだけか?」

「そうですねぇ……このあともう少し工事があるんで、水量は減らすかもしれませんが、一応もう流し始めちゃったんで堰き止めるようなことはしない予定です」


 多少は水量が減るが、この街道の川はもう営業開始らしい。


「じゃあ、マーシャに言って水流扉の設置をしてもらって、人魚連中にもこの場所のこと教えておいてもらおう」


 船の真ん前を横切って沈没させられちゃ堪ったもんじゃないからな。


「ちなみに、今は川下の対岸に向かって、斜めに船を流しているが、同じ方向の岸へまっすぐ流すことも出来る」


 そうすれば、船が川を横断することはなくなり、人魚の通行はスムーズになるわけだが――


「いいや、ここは断っ然横断だよ、ヤシロ君☆」

「「うん、うん」」


 と、マーシャと領主二人が力一杯横断を押してくる。


「この、対岸で、顔は見えるけれど会話は出来ないくらいの距離感がいいよね」

「うむ。見えるがはっきりとは分からぬ、そういうもどかしさがある」

「マーゥルお姉さんのダッシュも、素敵だったしね~☆」

「まぁっ!」


 マーシャにからかわれて、マーゥルが目を丸くする。

 一気に距離縮めたなぁ。


 マーゥルとはまだ微妙な距離感で、なんて呼ぼうか決めあぐねてたくせに。

 お姉さんでいいんだ?

 そんな気に入ったのか、さっきのダッシュ。


「人魚がここを通る時はどうする?」

「潜る☆ ――か、飛ぶ☆」


 まぁ、なんとでもなるらしい。


「ちなみに、水流扉をこう、アーチ状にして、川の上を泳いでいくとかは出来ないのか?」

「わぁ! なにそれ、素敵!? そんなこと出来るの!?」


 いや、出来るのかどうかを、こっちが聞いてるんだが……


「ウーマロ、なんかいい案ない?」

「絶対こっちに振られると思ったッスよ……」


 察しのいい子は、割と好きだぞ☆


「橋を架けるように水路を作ることは出来るとは思うッスけど、木製か金属製になるッスよ?」

「ガラスじゃ無理か?」

「耐久性が不安ッス。あと、万が一壊れたら大惨事ッス」


 まぁそりゃそうか。

 じゃあ、橋っぽい水路を作って、覗き込んでもらうような感じにしとくか。


「じゃ、カワヤ、よろしく」

「いやいやいや! ウーマロ、手伝ってくれな!? 俺まだちょっとヤシロさんの言ってること、理解追いついてないから! あんなシャワーとか考え付く人の思考回路とか、絶対理解できないから!」


 カワヤがウーマロに泣きついて、なんとなく、ここの全景が決まってきた気がしてきた。







あとがき




とっとこ宮地です( ̄▽ ̄)


皆様、ティッシュ、千切ってますか?


BOXティッシュって、真ん中に折り目が入ってるじゃないですか?

アレに関するお話をひとつ――


ハムスターを飼ったことがある方なら分かっていただけると思うんですが、

ティッシュを細長く割く時、

こうね、ティッシュをね、ぴ~って細く割いていく時

ティッシュで、あの半分の折り目に垂直に切れていくんですよね


繊維の向きで、切れやすい方向があって、細く切ろうとすると絶対折り目に垂直になるんですよ。

折り目に平行だと、綺麗に切れないんですね。


で、子供のころ、

「これ、折り目に平行に切れた方が絶対いいのに」って思ってたんですね

なんかこう、平行の方が気持ちいいといいますか

細く切ってるのに真ん中に折り目があって、ちょっと邪魔だなぁ~って

思ってたんです


そしたら、マツ〇トキヨシさんで、ついに、

折り目と平行に切れるティッシュが発売されたんです!

オリジナルブランドで!


これ、ついに革命来たか!

と思って使用してみたんですが……



ま~ぁ、ティッシュが綺麗に一枚引っ張り出せない、出せない(笑)


特に最初の方のパンパンに詰まってる時とか、

ティッシュの途中で「びっ!」って破れるんですよ!

折り目と平行に切れるようになってるので、強く引っ張ると簡単に切れちゃうんですね



子供のころ思っていた「なんで垂直なんだよ!」って、

企業が考えた結果の最適解だったんですねぇ

(*´▽`*)


たぶん、マ〇キヨのティッシュ作った人は、昔ハムスター飼ってた人なんでしょうね

折り目に平行で切れる方がいいって思う人の92%がハムスター飼育経験者ですからね!(※宮地調べ)



共感が出来ない人にはとことん共感できない話を長々とすみません!




というわけで、デートスポットでイチャイチャする回です


……けっ!

(# ゜Д゜)、ぺっ



ドニスが大はしゃぎでした

マーゥル、ドニス、イベールと『BU』内の権力強い順に攻略していくヤシロ

もう怖いものなしですね☆


……ところで、マーゥルさんの恋愛事情って需要あるんでしょうか

(・_・; どきどき

なんか、ついつい書いちゃうんですけども

あれ、私、マーゥルさん好きなのかな?ドキドキ



そういえば、ウチの地元にはデートスポットとかなかったですねぇ

オシャレなカフェとかなかったですし


喫茶店はあったんですよ

おしゃべりなババa……お姉様がオーナーの

なんでかランチメニューが充実している

ほとんど食堂だろっていう

家族でご飯食ってると会話にオーナーが混ざってくる

そんな喫茶店があったんですが


 (;゜Д゜) デートに向きゃしない!


あとは、もう……遺跡とか、神社とか


座って、飲み物が飲めて、雨風凌げる場所といえば……バス停?


中学生のころは、男友達とよくバス停行ってましたね

することがないと、「とりあえずバス停行くか」って


で、自販機でジュース買って、待合所で座ってダベって


「ちょっ、お前、ミルクセーキとか、おしゃれさんか!?」

とか


 (・_・; ロマンチックの欠片もない



ウチの地元で付き合ってたカップルはどこにデート行ってたんでしょうね

アレかな?

山の小川で沢蟹とかとってたのかな?

子供のころよく行ってましたけども


小川の水飲めたなぁ~

今じゃ危なくて子供たちにはやらせられませんけど

昔は生水平気で飲んでましたねぇ


目で見て、綺麗なら「うん、行ける!」って

(^^; いやいや……


危険なことしてましたね

幸い、お腹壊したことはありませんでしたけども


わんぱくにもほどがある。


なんであんなに元気だったんでしょうねぇ

無敵でしたものね


いまじゃ、『本場異国料理』っていうのを食べるだけでお腹の調子悪くなりますのに……

ホント、本場ものはダメなんですよ

特にアジア方面のは……


何なんでしょうね?

合わないんでしょうか?


胸が焼けるというか、お腹がぐるぐるいうというか

どこの国とか言うと反発ありそうなので伏せますが、

数ヶ国ありまして


私は「日本風アレンジのなんちゃって異国料理」が一番です☆


四川『風』麻婆豆腐とか

ロコモコ『風』ランチプレートとか

ピロシキ『風』パンとか

そういうのが一番です(*´▽`*)


口と胃が完全に日本食ナイズされているんでしょうね


海外旅行に行った知人が現地のお菓子とか袋ラーメンとかお土産にって買ってきてくれることも何度かあったんですが

出来たら羽田か成田で買ってきてほしいなと……(^^;

東京バナナとか、おたべとか、白い恋人とか、萩の月とか

そういうのが好き☆


なんというか、こう、

田舎のお母さんが作っているような、

温かい手料理みたいなのが、やっぱり好きなんでしょうねぇ

落ち着くといいますか

ほわ~ってした温もりを感じます


でも、地元の喫茶店! てめぇーはダメだ!

なぜなら会話に入ってきて主導権握って会話を回し始めるから!


(;゜Д゜) MCか!?



……おかしい

本編に合わせて、おしゃれなデートスポットのお話とかして

「わぉっ、宮地さんお勧めのデートスポッツ(←複数形)シャレオツじゃん! 今度マイハニーと行ってみよっと☆」みたいな有益な情報発信をしようと思っていたんですが……


あ、ウチの地元の山、飲める小川があってお勧めですよ!

沢蟹好きな彼女も大満足間違いなし!

是非一度行ってみてください!


あと、そこから山を下ってまっすぐ行った先にあるバス停!

ミルクセーキと甘酒がラインナップされてるマイナーな当たり付きの自販機があります!

レースゲームみたいになってて、6台の車からどれが一着になるかを予想してボタンを押すという

割と自由度の高い当たり付きでして

水曜日は3番しか一着にならないとか、

朝一から順番に2,4,1,6,5,3の順番だとか、

いろいろな噂が飛び交いましたが、真偽のほどは分かりません


私の経験則によると――2番が一番当たりやすいです!

是非お試しください!


ふむ、有益な情報を発信できて満足です

( ̄▽ ̄)



次回もよろしくお願いいたします!

宮地拓海

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― 新着の感想 ―
更新ありがとうございます!ウーマロ皇帝wあだ名広まるwしかも否定しても無駄!wカワヤさんも打ち解けてなによりです。机の足が壊れてデミリーさんに熱々の鍋直撃しかけた事件。マグダさんが回避して魅せた鮮やか…
どうも。イメルダさんの美的センスはさすがですね! やはり美しさではイメルダさんが一番ですね! それにしてもヤシロさん、まさかあのマーゥルさんをからかうとは…… ヤシロさん、あなたのことは忘れませ…
得てして本場物よりも日本人の舌に合うようにアレンジされた ○○風とかの方がやっぱり美味しく感じるんですよねぇ
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