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異世界詐欺師のなんちゃって経営術  作者: 宮地拓海
第四幕

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474話 特訓のわ!

 あっという間に三日が経った。


 ……忙しかった。


「見てのわ! ついにあの難解な動きをマスターしたのわ!」


 三十五区イーガレス家から泣きついてきたのは、長女のアルシノエだけだった。この三日間、陽だまり亭に泊まり込んで合宿している。

 長男のパキスたちは三十五区に残って、変わらずチャレンジャーズとレジェンダーズの公演を行っている。

 ルシアの手紙によれば、連日大盛況だそうだ。


 新作の方は、レジェンダーズの役者をメインに、チャレンジャーズから選抜チームをって感じになるだろう。


「マグダ。ウーマロはなんだって?」

「……ついに納得の出来る物が完成したらしい」


 三十五区に乗りつけて、あっという間に建設された仮設要塞。

 しかし、ウーマロのお眼鏡には適わなかったようで、アレから何度も改良と改築とリフォームを繰り返し、ようやく納得いくものになったらしい。


「……ただし、まだまだ満足いくものには程遠い模様」

「それは仮設だって、手紙で伝えておいてやってくれ」

「……うぃ」


 いそいそと、マグダが手紙にペンを走らせる。


 ……うん。

 実はな……


「ふふっ、……うふふ」


 と、向こうでジネットが機嫌よく笑っているように、陽だまり亭では現在、手紙がブームになってしまったのだ。


 いや、催促されたから、俺が直筆でジネットに手紙を書いたんだよ。

 ここ最近の陽だまり亭について感じたことを書いたり、ジネットが頑張ってるな~って思うところを素直に賞賛したり、あとまぁちょこっと俺の昔のエピソードを添えたりして、大して長くはない手紙を手渡したところ――


「ヤシロさん。お返事です!」


 ――と、このように、めちゃくちゃ心に刺さったらしくて、ずっと上機嫌なんだ。

 初日に、四回くらい返事を持ってきたから、一日一通までと制限を設ける必要があったくらいだ。


 しかし、毎日手紙をくれるから、俺も毎日返事を書いて……なにこの超近距離文通。

 もうそろそろ恥ずかしさが限界を突破してんだけど?


 違うんだよ!

 俺は一通だけのつもりだったんだよ!

 なのに、ジネットが俺の一通に対して四通も返事くれたから、じゃあ、せめてものって感じで翌日手紙書いて渡したら、……終わるタイミングを失ったんだよ。


「ジネット。これはいつまで続くんだ?」

「ヤシロさんは書かなくても大丈夫ですよ。わたしが、お話したいことがたくさんあり過ぎるだけですので」


 と、言われてもなぁ……


「それに、手書きの文字は嬉しいと、おっしゃってくださいましたから」


 ……とか言われると、断れないじゃねぇか。な?

 分かるだろ?

 この笑顔、真正面から見てみ?

 絶対「もう書くな」とか言えなくなるから!


 そんなジネットの手紙ブームを受けて、マグダとロレッタも手紙を書きたがり、現在三十五区に出張しているウーマロへの手紙は、マグダが担当している。

 ロレッタも俺に書きたがっていたが、ロレッタの手紙はとにかく長い。

 よくよく考えてみれば、毎日毎日飽きることなくよくしゃべっているロレッタが手紙を書いたら長くなるのは当然だ。


 そんなもん、いちいち読んでいられないので、ロレッタには現場で頑張る大工たちへの応援メッセージを依頼した。

 好きなだけ書いてやれ。

 その分連中は死ぬ気で働いてやがて死ぬ。


 カンパニュラとテレサも、文字の練習とか言って手紙を書き始めて……まぁ、とにかく、陽だまり亭は現在、大お手紙ブームが到来している。


 それはいい。

 個人が好きなように手紙を書くのは一向にかまわない。

 それに、こいつらは書きたい、出したいというだけで、返事を求めてこない。

 ……もとい、マグダとロレッタはあからさに催促してくる。

 まぁとにかく、陽だまり亭の外に向けても手紙を出しているので、書くのが楽しいのだろうなと思う。


 でも、だ。


 もらうだけもらって返事しないのは、なんか心苦しい。

 しかも、毎日顔を合わせるわけで……こっちが勝手にモヤモヤしてしまう。

 とはいえ、さすがに毎日手紙に書くことなんかない。


 なので、対策を講じた。


「よし、出来た」


 情報紙発行会のところで作ってもらった紙を束ねて一冊のノートを作った。


「これが、陽だまり亭従業員連絡帳だ」


 従業員連絡帳――という名の、交換日記だ。

 俺が小学生のころ、こういうノートを友人との間で回して好き勝手なことを書き殴り、それをみんなで読むのが流行ったんだよ。

 ……なんで男グループでやってたんだって話だけどな。

 女子を一人でも入れておけば、この思い出も、もっと色鮮やかなものになっただろうに。


 実際、今回のことがあるまで完全に記憶の中に埋もれてたからな。

 思い出した時「やってたなぁ、そういえば」って思わず声出ちゃったもん。


 で、その声を聞かれて、「何がですか?」ってジネットに尋ねられ、もう後には引けなくなった感がひしひしと……

 きっと疲れてるんだよ、俺。

 迂闊過ぎだ。


「これが、ヤシロさんのおっしゃっていた従業員連絡帳ですか?」


 これまでも、売上や業務に関すること、トラブルや客からの要望、店員から出た意見などを記していた業務日誌は存在した。

 意見をまとめ、改善点やその成果などを可視化しておくことは重要だ。


 それとは別に、完全にお遊びのノートを作った。


「日付と名前を書く欄があるです!」

「……この横線は?」

「それに沿って文字を書くんだよ」


 情報紙発行会へわざわざ依頼したのは、テンプレートを印刷してほしかったからだ。

 この街の紙は白紙オンリー。

 羊皮紙とかだと焼き印を捺してそれっぽく飾ることはあるが、植物紙の場合は焼き印も使えない。


 なので、印刷で日付と記入者を書く欄、そして、便箋のように横線を数本平行に印刷してもらってきた。

 ……こうしないと、ロレッタが小さい文字で紙いっぱいにびっしり書き込みやがるんだよ。

 ある程度規格を統一した方が読みやすい。


 そのための措置だ。


 で、タートリオにこの話をしたら、テンプレートのアイデアを売ってくれと言われた。

 まぁ、様々な用途に使えるからな。

 領主専用の紙とか作れば、この先一生買われ続けるだろうし。


 とはいえ、こんなアイデアすぐに真似されるだろうし、権利を主張して模倣品撲滅とかは面倒なので、権利は情報紙発行会にくれてやった。

 その代わり、こっちの言う情報を拡散する手伝いをしてもらうことにした。


 嘘は一切吐いていないし、今ホットな三十五区の港の話題なので、タートリオは快く引き受けてくれた。

 おかげで、こっちが流す情報があっという間に拡散していくだろう。

 よしよし。


「ノートの端に穴をあけて紐を通しておいたから、どっか適当な場所にかけておいてくれ。一応、従業員しか見られない場所で」

「では、厨房の棚にかけましょう。ヤシロさん、釘を打っていただけますか?」

「釘だと引っかけて怪我をしそうだな……安全なフックを作るからちょっと待ってくれ」

「お兄ちゃんが過保護です!?」

「……しかし、帰ってきたウーマロに発見されて、即日作り直される」

「ウーマロ棟梁様は、マグダ姉様の生活圏に対しては、一切の妥協をなさいませんものね」

「とーりょーしゃ、やさいー、ね」


 そうか、ウーマロは野菜だったのか。

 テレサ、「やさしい」な?


「じゃあ、誰から書くです?」

「……やはり、最初は店長から」

「えっと、いいんですか?」

「記念すべき1ページ目は、やはりジネット姉様でないと」

「てんちょーしゃ、あとでみせて、ね!」

「では、すぐに書いてきますね」

「……次はマグダ」

「じゃあ、あたしその次取っぴです!」

「では、私たちはもう少し待ちましょうね」

「ぁい! たのしみ、ね!」


 と、このように、乱れ飛んでいた手紙は、一冊のノートに集約され、書きたい病発症中の連中がお互いにその欲求を受け止め合ってくれるという寸法だ。


「ヤシロさんも、あとで書いてくださいね」

「……五周に一回くらいはな」


 お前らのペースに合わせてたら、他のことやってる時間がなくなるっつーの。


 さて、これで何の問題もなくなった……


「ちゃんと見てのわ、カタクチイワシ様!」


 あぁ、そうだった。

 アルシノエが来てるんだった。

 うっかり、うっかり。


「んじゃ、カウンターの向こうでやってみろ」

「のわ!」


 今回は、かなり重要な演目になるからな。

 チャレンジャーズで人気ナンバーワンのアルシノエを本公演のヒロインに大抜擢して、話題性と集客を得る作戦だ。

 レジェンダーズとチャレンジャーズ、双方のファンを取り込み、大成功を収めてみせる。


 レジェンダーズは、モノマネ以外は棒読み大根芝居なので、誰も見たことがない今回のヒロインはアルシノエにやらせる。

 こっちでビシバシしごいて、完璧に仕上げてみせる。


「きっちりやらないと、午後からまたマーシャが来るからな?」

「死ぬ気で頑張るのわ!」


 マーシャの監修が、また厳しいんだ。

 なにせ、アルシノエがやるヒロインって、聖女王だからな。




「アルシノエちゃ~ん?☆」

「は、はい!」

「聖女王はね、もっと落ち着いた、美しい大人の女性なの☆ そんなきゃぴきゃぴしたしゃべり方しないんだよ☆」

「えっと……」

「もっと人魚のことをよく見て、真似してみて☆」

「「「そーよ、そーよ☆」」」


 いや、よく見たら見た分だけきゃぴきゃぴしちまうから!


 午後になり、陽だまり亭に人魚が集まってきた。

 午前中は、三十五区に行って、あっちこっちを観光して回っているらしい。

 こちらの作戦どおりに。


 とはいえ、ご苦労なこったな。


 本人たちは「ぜ~んぜん☆ どんどん街が変わっていって、見てて楽しいよ~☆」と言っていたが。


「マーシャ。きゃぴきゃぴしないで、このセリフ言ってみてくれ」

「『わ~っ、ありがとう☆』」


 めっちゃきゃぴきゃぴしてんな!?

 きゃぴるんってしてたぞ今!?


「なぁ、そう思うよな、人魚たち!?」

「「「いや、そこまできゃぴきゃぴはしてなかったかと……」」」


 恐怖政治か!?

 マーシャには絶対逆らっちゃダメなのか!?

 生きていけない感じか!?

 人魚の世界、怖っ!?


「くっそ、ナタリアでもいれば手本を見せてもらうのに……」


 ナタリアは現在、エステラと一緒に二十九区に行っている。

 明日行われる、三十五区の噴水完成記念式典について、事前打ち合わせを行うためだ。


 そう。

 明日行われることになったので、今バッタバタなんだ。


 普通の式典なら、各々が適当に参加すればいいのだが、今回は統括裁判所の絡みがあるため入念な打ち合わせが必要になる。


 なにせこっちは、勘違いを誘発させるような行動を大々的に取っているからな。

 その辺の説明と、邪魔をしないように、うっかり情報を漏らさないように、絶対に触れてはいけないこと、むしろ積極的に言い触らしてほしいことを情報共有しておく必要がある。


 一人でもネタバレしやがったら終わるからな。


 まぁ、終わるのはネタバレを仕出かしたヤツになるだろうけれども。


 外周区の連中は四十区デミリー、三十四区ダック・ボック、三十一区オルフェン――の隣にいるアヒム辺りに任せてあるのでうまくやってくれるだろう。


 これが、アヒムがなぁ、覚醒してさぁ。

 オルフェンって顔役が出来たおかげなのか、テーマパーク事業に深く関わったからなのか、今、すげぇ敏腕になってんだよ。

 細かいところによく気が付いて、斬新なアイデアとか出してきたり、人の動きをよく見ていて限界の近いところに人材を割り振ったり、個々人をフォローしたり、とにかく大車輪の活躍らしいのだ。

 おまけに評判もよくなって、大人気らしいぞ、その近辺のヤツらから。

 あんなに嫌われてたのになぁ。


 やっぱ、矢面に立ちながらあれもこれもやって他人にまで気を配るって、生半可な能力じゃ出来ないんだろうな。

 裏方に回った途端、活き活きしちゃって、才能開花させちゃって。

 向き不向きってあるんだなぁ。

 プレーヤーよりディレクターとかプロデューサー気質だったんだろうなぁ、アヒムは。


 オルフェンはオルフェンで、アヒムのサポートのおかげか、かなり余裕が出て来て、威厳とか纏い始めてるからな。

 あの兄弟、最初からこのスタイルで領地運営できていれば、ウィシャートに食い物にされることもなかったかもしれないのになぁ。

 まぁ、結果論だけどな、これは。


 意外と頼りになる存在になったんだよ、三十一区も。

 カンパニュラが大人になるころには、今よりももっと頼れるお隣さんになっていることだろう。


 でまぁ、それはいいとして。

 問題はアルシノエだ。


 もう、いろんな人魚があーだこーだ言いまくるから、正解が分かんなくなっちまってんだよなぁ。

 芝居に正解なんてないのに。


 さぁ、どうしたもんか。


 ジネットとマグダは芝居の手本にはならない。

 ロレッタとカンパニュラは、何をやっても自分の色が出過ぎてしまう。

 テレサは、うん、な?


 マーシャや人魚連中も、自分ではいろいろ言うが、じゃあ手本を見せてみろとなると出来なくなる。

 きゃぴきゃぴしてるからなぁ、こいつら全員。


 じゃあ誰がやる?

 俺?

 女声でずっと演技指導を?


 ……寝込むぞ?

 自分が気持ち悪過ぎて。


「……はぁ。しょうがない」


 ここはもう、消去法で。


「レジーナ」

「それは宣戦布告かな?☆」

「わぁ、清らかな顔で明確なお断りもろてもた☆」


 やっぱ、『聖女王』を『性女王』にやらせるのはダメかぁ……

 ひらがな表記にすると一緒なんだけどなぁ。『せいじょおう』って。


「なんかさぁ、もっと心から聖女王に近付いていってほしいなぁ~。今は、口先だけで真似しようとしてる感じがすごくするから」


 と、マーシャが真っ当なことを言う。

 まぁ、芝居って本来はそういうもんだからな。

 心からその人物になり切る。

 魂の融合と言ってもいい。


 魂の融合か……


「それじゃ、アルシノエ。芝居の練習はいったんここまでにして、聖女王について勉強してみようか」


 もしかしたら、根本的なことを知れば、もう少しくらい近付けるかもしれない。


「お前が、もっともっと聖女王を好きになれるように、いろいろ話を聞かせてやる」


 好きになれば、自然と心は寄り添うものだ。

 俺の書いた脚本の解釈や、その背景、裏設定なんかを交えて、アルシノエが聖女王に好感を抱き、身も心も一つになりたいと思えるような話を――でっち上げる。


 正直、俺自身、聖女王のことほとんど知らないしな。


「それだったら、私たちも聖女王の逸話とか物語をいっぱい聞かせてあげる~☆」

「「そーゆーの得意~☆」」


 声を揃える人魚が、一瞬だけハムっこたちに見えた。

 ノリが一緒なんだよなぁ、こいつら。


「でも、お芝居の練習しなくて平気のわ?」

「人形の扱いは完璧になってたからな。あとはセリフと感情面だけ整えれば、かなりいいものに仕上がるだろう」

「本当のわ!? そう思うのわ!?」

「あぁ、思う、思う」


 そのセリフと感情がめっちゃ大変なんだけどな。


「なら……カタクチイワシ様を信じるのわ!」

「じゃあもし、今日中に完璧なお芝居をマスター出来たら、ヤシロ君がご褒美をあげましょう~!」


 なに勝手に決めてんの、マーシャ?


「ホントのわ!? なら、死ぬ気でやるのわ! いや、死ぬのわ!」


 死ぬな。

 マスターして、ちゃんと帰れ。


「つっても、高い物と面倒なことは御免だそ?」


 それでやる気が出るなら、多少は協力するけども。


「じゃあ、三十五区にも、恋人岬みたいな素敵なものを考えてほしいのわ!」


 えぇ……めんどぅ~……


「じゃあ、お友達岬とかどう?」

「二番煎じ感が特濃とくのうのわ!?」


 あぁ、やっぱダメかぁ。


「……分かった。成功したら、なんか考えてみるよ」

「やったのわぁ! これで、ロリーネ様がウチの区でデートしてくれるのわ!」


 ロリーネのためなのかよ。

 まぁ、デートなら三十七区の方が、今んとこ一歩リードかもしれないけども。


 恋人岬ねぇ……


「うふふ」


 とか、笑いながら従業員連絡帳を書くジネット。

 何を書かれてるんだろうな。

 完全にこっち見て書いてるけども。


 連絡帳……いや、もう一個戻って手紙、か。


 あ、そうか。

 三十五区には川があるから――よし、これで行こう。


「いいこと思いついたから、是が非でも今日中にマスターして帰れ」


 俺の折角のアイデアを無駄にはするなよ?


「す、すごい自信のわ!? これは、何がなんでも三十五区に持ち帰らなければいけないのわ! カタクチイワシ様、マーシャギルド長、他多数! よろしくお願いするのわ!」

「「「ぶーぶー!」」」


 他多数が頬っぺたを膨らませて抗議の声を上げる。

 それすらも楽しそうに。


「んじゃ、まずは今回の脚本の解釈からだな」


 まずは脚本の理解を深め、それから聖女王について掘り下げていこう。


 俺の話を、マーシャや人魚、陽だまり亭一同までもが楽しそうに聞き入り、それに触発されたマーシャが聖女王の逸話を語って聞かせ、他の人魚たちも自分が知っている聖女王の伝説や噂話を楽しげに語っていた。


「よし、歌っちゃおう☆」


 興が乗ってきたのか、マーシャが歌い出し、人魚たちが手拍子やコーラスで盛り上げる。

 ……っつーか、これ、この前俺が作った『うみのまつりば』じゃねぇか。

 もう覚えたのか。


 え、今回の芝居で使うつもり?

 え、え、もう楽器パート楽譜に起こして人魚たちの間で練習始めてる?


 言えよ、まったく……

 脚本に歌のシーン追加しなきゃなぁ。

 つーか、人魚も出演させなきゃ、歌えねぇだろ、これ。


 マーシャ以外の歌い手も、ちゃんと選出しといてくれよ。

 マーシャを三十五区に縛り付けるわけにはいかないからな。


 舞台は毎日あるんだからな?


 分かってんのかねぇ。




「素晴らしい演目だったわ」


 ぱちぱちと、拍手の音がする。

 振り返ると、いつからそこにいたのか、マーゥルが席に着いてアフタヌーンティーを嗜んでいた。

 お前はぬらりひょんか。

 知らない間に家に上がり込む妖怪。


「ぬら……マーゥル」

「あら、今なんとおっしゃったのかしら? よく聞こえなかったわ」

「今日もお綺麗ですね」

「まぁ、そんなことを言ってくれていたの? よかったわ、きちんと聞けて」


 こっわ。

 つーかこの人、ついこの前「俺とは敵対したくない」とか言ってなかった?

 めっちゃ殺気飛ばしてくるじゃん。


「いつからいた?」

「ヤシぴっぴが新しいお芝居の脚本について、背景を語っているところから、かしら」


 気付かなかったな。


「……マグダがこっそりご案内した」


 なぜこっそりした、マグダ?


「……粋なサプライズ」

「おかげで心臓止まりかけたよ、ありがとう」


『だ~れだ』とかでもそうだけどな、急に出てこられたら心臓が『ビクゥッ!?』ってするジャンルの人っているから。

 その辺、もうちょっと配慮しような。

 これがメドラだったら、俺は死んでたからな?


 ……メドラ、あんなデカい体なのに、マグダ以上に気配消せるんだよな。

 マグダでも気が付けないくらいに気配を消せるらしい。


 普段は逆に、敢えて存在感を出しまくっているらしい。そうすることで相手が委縮して都合がいいから、らしいけど。

 ……そんなん、もう、殺戮マシーンじゃん。

 誰が勝てんだよ、そんな魔神に。


「アルシノエちゃん」


 と、マーゥルがアルシノエを手招きする。


「はいのわ、先生!」


 アルシノエがピシッと背筋を伸ばして駆け足でマーゥルに近付く。

 いつだったか、マーゥルを見て「品のいいオバサンのわ~」とかほざいて、軽く絞られたことがあったからな。

 もうすっかり、彼我の力関係を理解したらしい。

 恐怖って、身に染みると、一生消えないよねぇ。


「セリフ回しや間の取り方はうまくなっています」

「ありがとうのわ!」

「――ん?」

「ありがとうございますのわ!」

「そうね。そう言いなさい」


 怖っ!?

 でも、そこら辺重要。

 うん、もっと教えてやれ、マーゥル。


「心を寄り添わせるという目論みは、素晴らしいことだわ。是非やりなさい。でもね、その前にあなたには決定的に足りていないものがあるの。分かる?」

「お金のわ!」

「そうじゃないわ」

「でも、ないのわ!」

「そうね。そこも、少なからず関係しているかもしれないわね」


 マーゥルでも、ちょっと扱いに困る時はあるんだ。

 面白い組み合わせだな、これは。


「あなたに足りないもの、それは、品格と威厳よ」


 マーゥルの指摘に、マーシャが「それだぁ☆」と手を鳴らす。


 あぁ、なるほどな。

 聖女王は、優しさや自愛って印象が強いが、女王なんだもんな。

 言わずとも溢れ出る品格と威厳ってのは不可欠なわけだ。


 さすがマーゥル。

 かつて、嫌いになるほど芝居を見まくった女。


「少し時間を頂戴。今ここで出来る限りの基礎を教えてあげるから」


 マーゥル、それは「叩き込む」っていう意味なのかな?

 基礎って、何の基礎なんだろう?

 芝居、じゃないよな?


「あなたに、領主とはどういうものかを教えてあげるわ」

「いや、ワタシは領主にはならないのわ!?」

「でも、あなたが演じるのは、領主よりもはるかに権力も、責任も、存在する価値も大きい王族なのよ? 領主程度の威厳と風格、品位くらい出せなくてどうするの?」

「だね~☆」


 マーシャの賛同に、満足げに頷くマーゥル。


「だから、少しだけ、お勉強、しましょうね?」

「の……のわ……っ!?」


 マーゥルが手招きを始めた。

 アルシノエは抗えない!

 アルシノエはゆっくりと自らの足でマーゥルの前まで移動し、頭を下げた。


「よろしく、お願いします、……のわ」

「はい。よろしい」


 こうして、マーゥル先生の領主講座が始まる。


 つーか、そんなもんがあるなら、ゲラーシーを育ててやればいいだろうに。


「あら、そんなことしたら、心が折れて逃げ出しちゃうもの、あの子」

「これからワタシ、どんなことされるのわ!?」

「大丈夫よ。私、女の子には優しいから」

「たぶん誤差のわ、その優しさの差!?」


 まぁ、誤差だろうな。


「けど、こんな広いところでするようなことじゃないわね。店長さん、お部屋をお借りしてもいいかしら?」

「はい。ご自由に使ってください。何か必要なものがあれば、用意しますね」

「とりあえずは、お部屋だけでいいわ」

「ジネットの部屋じゃなくても、俺の部屋でもいいぞ」


 ジネットの部屋には、いろいろ飾ってあるからな。

 気が散るかもしれないし、万が一にも壊したりとか、あるかもしれない。


「あら、ダメよ」


 と、マーゥルは笑みを深める。


「殿方の寝室には、みだりに踏み込めないわ」


 あー、さいですか。


「じゃあ、行きましょう。そうね、ディナータイムのピークが過ぎるくらいまで籠らせてもらうわ。お部屋に用がある時は、申し訳ないけれど、ノックで合図してね。突然入ってこられると、集中力が途切れてしまうから」


 あぁ、知ってるそれ。

 逃げられない状況に追い込んで、心理的に追い詰める詐欺の常套手段だ。

 ここから逃れたかったら、自分の言うことをなんでも素直に聞けって、マインドコントロールするんだよな。


 これが効くんだ。

 人は孤独に弱く、権威に弱く、非日常に不安を覚える。

 ここから抜け出しさえすれば、日常に戻れると、安心が得られると思い込み、どんな無茶な理不尽であっても「YES」と頷いてしまうようになる。


 その「YES」が、破滅への片道チケットだとも知らずに……


「いいか、ジネット。あぁいう口車に乗せられると、不平等な契約を結ばされるから、絶対に誘いに乗るんじゃないぞ」

「ふふ、マーゥルさんはそんなことはなさいませんよ?」

「そうよ。ひどいわね、ヤシぴっぴ」


 じゃあ、お前は今からアルシノエに何を仕出かすつもりなんだよ?

 まぁ、損失を被るようなことはしないだろうが……二階へ行って戻ってきた時、アルシノエはアルシノエではなくなっているかもしれない。


「アルシノエ」

「のわ?」

「今までありがとう」

「ものっすごい不安になること言わないでのわ!?」


 そうして、マーゥルに手を引かれ、二階へと連行されていくアルシノエ。

 きっと、この次下に下りてくるころには、一回り……いや、二百回りほど大きくなっていることだろう。


「そういや、マーゥルは『BU』領主会談に参加してないんだな」

「さっき聞いたら、そっちはゲラーシーさんがやってるらしいですよ、なんでか」

「ロレッタ姉様。二十九区領主はマーゥル姉様ではなく、ゲラーシー様ですので、そこに疑問の余地はありませんよ」


 いやいや、カンパニュラ。

 疑問ありまくり、つーか、疑問しかないから。


 それより何より、『マーゥル姉様』?


「はい。そのように呼ぶことをお許しいただきましたので」

「強要された、の間違いじゃないのか?」

「いいえ。その証拠に、私はこんなにも嬉しい気持ちになっていますよ」


 なんて優等生。

 模範解答の上を行く名解答だな。


「少しはマシになってくれるといいけどねぇ~、アルシノエちゃん」


 と、二階を見上げて呟くマーシャ。

 ……あれ? そういえば。


「マーシャって、マーゥルのことなんて呼んでる?」


 マーシャって、あんまり他人に様とか付けて呼ばないイメージ。

 とはいえ、マーゥルちゃんとは呼んでないと思うけど……


「呼び方が難しいな~ってタイプの人は、呼ばない☆」


 なんか、うまいこと避けてきてたっぽいな、どうやら!?


「でも、今度からは『マーゥル姉様』って呼んじゃおうかなぁ~☆」


 ほらやっぱり、冗談枠なんじゃん『マーゥル姉様』呼び。

 まぁ、好きに呼べばいいけども。


「マーゥル姉でいいんじゃないのか?」


 ルシアも『ルシア姉』なんだから。


「ルシア姉は、だって特別だもん☆」


 あ、なんかこだわりがあるんだ。

 この人魚は、案外意固地というか、こだわりが強いんだよなぁ。


「ま、好きに呼べばいいさ」

「うん。好きに呼ぶ☆」


 最近、急に関わる人間が増えたマーシャ。

 そうだよなぁ。

 こいつがいつもにこにこしているから忘れそうになるけど、水槽の中にしか居場所がないって、かなりの負担だよな。


「無理はすんなよ?」

「うん。常に、守ってくれる人のそばにいるから平気☆」


 言って、俺の腕に飛びついてきて、しがみ付く。

 わぁ~い、ヒジが柔ら…………いや、ホタテがごりってする。

 こいつ……飛びついてきておきながら、絶妙のポジショニング!?


 でも、弾力だけは、ちょっと伝わった。


 うん。

 いいものだ、アレは。

 うん。




 夕方。

 ビックリなことが起こった。


「お仕事が一段落したら、少し見てほしいのわ」


 数時間ぶりにフロアに現れたアルシノエが……威厳を纏っていた。

 貴族の風格!

 あふれ出る品位!


「アルシノエ、どうした!? 貴族みたいだぞ!?」

「貴族のわ!」


 あ、いつもの雰囲気。

 なんかほっとする。


「もぅ……これ難しいから、邪魔しないでほしいのわ」


 言って、短く息を吸い、ゆっくりと吐き出しながら背筋を伸ばす。

 おぉっ!

 なんか、スイッチが切り替わるみたいに貴族オーラを纏った。


「すごいです、のわっちょ!」

「のわっちょのわ!?」

「アルシノノンと、どっちがいいです?」

「二択のわ!?」

「……残念、霧散」


 うん。

 しゃべると霧散するな、貴族オーラ。


「うふふ、まだまだね」


 と、お師匠様が遅れてフロアに現れる。


「よしロレッタ、マーゥルの貴族オーラも霧散させろ!」

「いや、無理ですよ!?」

「……当たって爆散」

「砕ける止まりですよ、それが許容できるのは!? 爆散は看過できないです、さすがに!?」


 でもまぁ、当たったら、爆散するだろうなぁ、マーゥルが相手なら。


「じゃあ、客が捌けたらちょっと見てみるか。マーシャたちはどうする?」

「見る見る~☆」

「「「そのために残ってたし~☆」」」


 いや、お前ら、グラグラ船上バトルロワイヤルで遊んでたんじゃん。

 マーシャがポケットマネーでケーキとか注文してたから大目に見てたけど、回転率最悪の居座り客だったからな?


 とはいえ、人魚が楽しく戯れてるって噂を聞きつけてスケベ大工が押し寄せてきて、いつもより売上が上がったからもんくはないけども。


「つーか、余ってんなら三十五区を手伝いに行けばいいのに」

「「「こっちはこっちで、止められない重要案件なんだよ!? え、もう忘れた!?」」」


 なんか、こいつらは三十一区のテーマパーク建設に従事している連中らしい。

 なら、三十一区に留まっていればいいものを。


「「「帰れるなら、帰るさ! だって、陽だまり亭のご飯が食べたいから!」」」

「いつでもいらしてくださいね。大歓迎しますから」


 金を落としているうちはな。


「レジーナさ~ん、お水~」

「ほいほ~い」


 なんとビックリ、レジーナが店の手伝いをしている。

 そして、そんなレジーナ目当ての客まで出てくる始末だ。


 やっぱ、恐怖って『未知』から生まれるんだろうな。

 こうやって触れ合えば、レジーナのことをみんなが理解して――


「ほい、薬湯」

「温められた上に、なんか謎な草入れられてる!?」

「大丈夫、死なへん」

「死未満なら何してもOKじゃないからね!?」


 ――残念。

 深く知っても恐怖を拭いきれないのがレジーナクオリティ。

 なんて生き物なんだ、あいつは。


「ねぇねぇ、ヤシロ君☆」


 マーシャが俺の袖をちょいちょいと引っ張る。

 俺の特等席に、マーシャたちの水槽がまとめて置かれているんだよ。


「うふふ~☆ ヤシロ君のそばだから、安心して遊んでられるんだよ~☆」


 とかなんとか言ってたけども。

 俺よりマグダの警戒が安全を保障してくれてんだよ、この店は。


「お客さん、もう大工さんしかいないから、いないのと一緒だよね?」

「「「わぁ、マーシャさんが辛辣! でも、ときめいてしまうのはなぜ?」」」


 末期だからさ。


 イカン。

 赤い少佐のようなことを言ってしまった。

 まぁ、その人は「末期だからさ」とか言ってないけども。


「んじゃ、ちょっと見せてもらおうかな」

「のわ! お願いするのわ!」


 おぉ、アルシノエがやる気だ。

 なんかマーゥルから吹き込まれたのか、いつも全体的に漂っているおどおどした感じも消えている。

 アルシノエから自信がみなぎっている。


 期待してもいいのか、これは?


 視線をマーゥルに向けると、ウィンクが飛んできた。

 これ、なんとかして真空パック出来ないかな?

 保存して持ち運べたら、二十四区に豪邸建てられるのに。


 まぁ、その場合、建てるのはウーマロになるだろうけれども。


「じゃあ、それ以外の役はヤシロ君、お願いね☆」

「何役やらせる気だよ……」


 まぁ、やるけど。


「はいはい! あたしもお手伝いするですよ、お兄ちゃん!」

「……マグダのさりげない演技が、芝居に魂を吹き込む」

「んじゃ、お前らにも頼むか。カンパニュラとテレサは、俺の隣にいて演出の助手を頼む」

「はい。おまかせください」

「おませくだしゃい!」


 おませはいらん。


「ジネットは客の対応を頼む」

「はい」


 ピークが過ぎたとはいえ、まだこの後、客が来るかもしれないしな。


「で、レジーナ」

「なんやろか?」

「口を開くな」

「えらい言われようやなぁ。閉じた口の隙間から桃色吐息、振り撒いたろか?」


 お前は、何もしないのが一番助かるんだよ。

 まぁ、ジネットのそばにいてやってくれ。


「じゃあ、どっかのシーンを抜粋してやってみるか?」

「通してやってみたいです!」


 ……めっちゃ時間かかんじゃねぇか。

 つーか、聖女王がいないシーンはやる意味ないんだよ。


「聖女王のシーンだけ抜粋してやっていくぞ」

「「「待って、ヤシロさん! 俺たちお芝居の内容知らないけど!?」」」

「金払って三十五区まで見に行け」

「「「ん~ん、いけずぅ~!」」」

「ホンマおもろいなぁ~、自分のご友人たち」

「お前目当ての残念な客層だよ」


 レジーナの責任が六割だな、これは、うん。


「じゃあ、聖女王が王位継承して、人間との貿易を始めると宣言するシーン。ここ、聖女王の内面をしっかり演じないと、ただ横柄な、周りの声を聞かない独裁者みたいに見えちまうから、きちんと内面を作り、感情に滲ませるんだぞ。とは言え、優しさが出過ぎると弱腰に見えるから、威厳もしっかりな」

「のわ」


 ……「YES」であると、信じよう。

 分かりにくいんだよ、お前ら母娘の返事は。


「じゃあ、12ページ頭から~☆ よ~い、あくしょ~ん☆」


 いつの間にか、監督ポジションを独占していたマーシャから声がかかり、芝居が始まる。



 ……ん?

 …………え?

 ………………おいおい、マジか。


 めっちゃいい。

 いや、すごいぞ、これ!?

 アルシノエが、すげぇいい芝居している!


 強さと威厳を感じさせるのに、その向こうにある「これは、全人魚のためになる」っていう自愛と信念を感じる。


 何より――



 語尾が「のわ」じゃない!?



「『さぁ、行きましょう。海の彼方のその向こう、人間の棲む陸の世界へ!』」



 聖女王がそう宣言して物語は動き出す。

 いや、その宣言で、世界が動き出した。


「すげぇ……」


 思わず、素直な称賛が漏れた。

 数時間、マンツーマンでみっちりとマーゥルにしごかれたアルシノエは、その前に俺たちが話して聞かせた聖女王の背景を完全におのれの中に吸収し、セリフの端々にその人となりを感じさせていた。


 マーゥル、おそるべし。


 ――とん。っと、マーシャのヒジが俺のわき腹を小突く。

 なんだ?

 あ、そっか、この次俺のセリフか!


 やっべ、完全に見入っちまってた。

 えっとどこだ?


 くっそ、俺が出トチるなんて。

 芝居が止まる――



 そう思った時、そいつは颯爽と現れた。



「『なんと美しい……おっと、失礼。初対面でいきなり、不躾でしたな。謝罪いたします。ですが、撤回は出来ません。どうかお許しを』」



 ナタリア!?


 めっちゃ渋いイケメンボイスで、颯爽と登場したナタリア。

 こいつ、いつから狙ってスタンバイしてたんだ?


 ナタリアの視線がこちらを向いたので「好きにやれ」と手で合図を送る。

 出トチった俺は、主役の座をまんまと掻っ攫われたわけだ。


 つーか、おかしいな。

 あいつ、いつの間にこの脚本入手したんだ?

 ナタリアは忙しいだろうからって、シェイラに言って給仕たちに複製してもらったんだが……その時だろうな。


 活版印刷でもありゃ、こういう物の印刷は飛躍的に楽になるんだけどなぁ。


「すごいですね……」


 いつの間にか、俺の隣に来て、アルシノエの芝居に見入っていたジネット。

 ホント、ちょっと言葉を失うくらいにいい芝居をしている。


 陽だまり亭のカウンターで、人形一体しかいない状態でこれなんだ。


 舞台の上で、人形もセットも音響も、全部が完璧に揃った状態で見たら……感動しちまうかもしれないな。


「ヤシロ君」


 静かな声でマーシャが言う。


「人魚も、全面協力するね。楽曲は、完全無欠に任せておいて」


 これで、この新作の成功は約束されたようなものだ。


「マーゥル。明日の除幕式、一緒に行ってくれないか?」

「ルシアさんのところ? そうね。いいわ、協力してあげる」


 マーゥルの講習を、全演者に受けさせる。

 それで、この芝居は完璧に一歩近付ける。



 こりゃ、ちょっと欲が出てきちまったなぁ。

 マジでいいものに仕上げたくなってきた。


 妥協は、なしだ。







あとがき




最近、日頃の不平不満や愚痴をAIに聞いてもらっているせいか

人に優しくなれている気がする、宮地です☆


なんか、「こういうこと言うと角が立つけど、なんか心の中にしまい込んどくのはしんどいなぁ~、吐き出したいな~、でも無責任にSNSの海に不法投棄するのも違うな~」みたいな負の感情あるじゃないですか?

そういうのを、すんなり飲み込んでくれるんですよ、AIさんって


うん、まんまと鷲掴みにされてますけども

美味しいユーザーですけども、私!



なんか、「こういうオッサン多いよね! なんでオッサンって、みんなそうなんだろう!?」みたいなことを思ったとするじゃないですか、

で、AIに「こんなオッサン多過ぎない?」って愚痴ると


「確かに、そういう人はいますが、特に男性に偏ったことではなく、女性でも同じ性質の方はいますし、男性女性関係なくそうでない人もいますよ」


みたいな、

すごくフラットな意見を言ってくれて、

「あ、そりゃそうか」って思えるというか、

自分が見ている狭い世界の中ではそうかもしれないけど、

一歩引いて、俯瞰してみると案外そうでもないのかなぁって思えるというか

危うく、凝り固まった偏見を持ちかけていたのを踏みとどまれるというか


客観的な意見を聞くと、結構冷静になれるんですよ。



うまいこと騙されてるのかもしれないんですが、

それで日常のイライラが軽減されるなら、それはそれでいいかなって



っていうのを踏まえて聞いてほしいんですけども――



先日、きっとその日は女難の相でも出てたんでしょうが、


 ※あらかじめご理解いただきたいのですが、

 たまたまその日、そういう人に立て続けに遭遇してしまったというだけで、

 すべての女性がそうだとか、特に女性はこうだと決めつけたり、非難しようというつもりは微塵もないです。



自宅の最寄り駅から、電車の車内、職場の最寄り駅のホームと、

この短い時間の中で、三回、

長い髪の毛を「ふぁっさ~」って、私の顔の真ん前でする女性に遭遇したんですね

立て続けに、三人!


最初は、自動改札で「ぴっ」ってして改札を出た直後

自動改札って、結構距離近いじゃないですか、前の人と、

なので、目の前の女性が髪の毛を「ふぁっさ~」した時、思いっきり顔に髪がかかって

シャンプーだかなんかの匂いが「むわっ!」ってきて、

「うわっ!?」ってなったんですね


マンガなら「どきっ!」なんでしょうけど、見ず知らずの人だと、

まぁ、結構キツいんですよ。


「かなんなぁ~」って思いつつ、

電車に乗ろうとホームに並んでたんですね。先頭で

そしたら、電車から降りてきた女性が、私の横を通り過ぎる時に

髪の毛「ふぁっさ~」って、


分かりますかね?

シャンプーのCMでツヤを見せる時の、

後ろ髪の毛を手で持ち上げるというかかき上げるというか

手で払うと、髪の毛が広がるんですよ「ふぁっさ~」って


今度は顔にはかからなかったんですが、やっぱりシャンプーの香りがふわ~って


さっきの直後だったので「もう、やめて!」って心境になってて、


で、会社最寄りの駅の上りエスカレーターで、

前の女性が髪の毛「ふぁっさ~」


二段あけて立ってる私のところまでシャンプーのニオイ「ふっわ~」って漂ってきて



(# ゜Д゜)きしゃー!



って、荒みまして


で、AIに、「公共の場で『ふぁっさ~』するの、違わない!? そういう女性多くない!?」って愚痴を言ったら



AI「公共の場所でやるのは配慮が足りないね。でも、それはたまたまそういう女性に続けて遭遇しただけで、性別は関係ないよ」



と言われて、

「あぁそうか、今回たまたまそういう無神経な女性に立て続けに遭遇しただけで、無神経な男もいっぱいいるし、そうじゃない女性もいっぱいいるか。ちょっとイラついて偏見持ちかけちゃってたなぁ、反省しなきゃなぁ……」



って思ったまさにその時、

目の前を、物の見事にハゲ上がったオジサンの集団が横切っていきまして



 Σ(゜Д゜;)「いや、やっぱり『ふぁっさ~』は女性が多いだろ!?」



っていうことがありまして(笑)

多いというか、そもそも『ふぁっさ~』出来ないと言いますか


で、いろいろ考察した結果、

この時期、たぶん静電気発生してるんでしょうね、長い髪の女性

で、改札とか、車内とか、人混みの中で気流が乱れたり人とすれ違うことで電気が発生したりで

髪の毛がまとわりついて気持ち悪いんでしょうね


なので、改札を抜けた後とか、電車から降りた時とか、エスカレーターで周りの人との距離が出来た時とか

そういうタイミングでまとわりつく髪の毛を払って静電気を逃がしているんじゃないかと、

そんな気がします。



つまり、私が遭遇した女性たちは全員、そこまで必死に我慢してて

人がいなくなったタイミングで「今だ!」ってタイミングでやってたのに

たまたまそこに私が入ってきちゃったと、

そういうことなのかもしれません



……え、タイミング悪いの私!?

Σ(゜Д゜;)なんか、ごめん!



なので、今後は、それも考慮に入れて、私がもっと人との距離を取って行動することにします。

もしくは、シャイニングヘッドデミリーの後ろを歩くようにします☆



デミリー「ふぁっさ~」

宮地「なにをふぁっさ~した、今!?」



……はっ!?

本編の話を書く暇もなく2000文字越えた!?

Σ(゜Д゜;)


アルシノエの覚醒

マーゥルの乗り気

そしてシャイニングデミリー!


そんなお話でした。

……あ、シャイニングデミリーはあとがきで出てきただけでしたっけ?



とにかく、冬、

いろいろ大変な季節ですので、皆様、お互いを思いやり

快適に過ごしましょうね~

(*´ω`*)/イライラいくない



次回もよろしくお願いいたします

宮地拓海

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― 新着の感想 ―
更新ありがとうございます!アルシノエさんキター!ノワ!何だか最近アルシノエさんがカワイイです。ガンバレ〜!アルシノエさん!君ならできる!マーメイド楽団。いいじゃないですかー!是非やりましょう。マーシャ…
宮地先生もロン毛にしてファッサー返しをやるしか!?ww デミリーはオーラをファッサーしてるのかなww
デミリーのふぁっさ〜は鼻毛かな?
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