466話 お泊まり会明けの朝
「ヤシロさん。……ふふ、ヤシロさん」
まどろみの中でジネットの声が聞こえてくる。
ん……朝か?
「起きてください。それとも、その特等席でもう少し眠っていますか?」
特等席?
こんなフロアのど真ん中の雑魚寝布団のどこが特等席だって言うんだ……?
「……なんだこれは?」
まぶたを開けると、俺の布団にガキどもがみっちりと詰まっていた。
人の布団に潜り込んできてんじゃねぇよ、ガキども。
つーか、お前ら、先に寝てたろう。
いつ潜り込んできた?
「子供たちは、自然と安心できる場所へ移動するそうですよ?」
ほほぅ?
この天才詐欺師の俺のそばが信頼できると?
こいつら全員、年取ってから振り込め詐欺に遭いまくるんだろうな。
貯め込んだ貯金、根こそぎ奪われて、しょーもないホストとかに貢がされたり、ギャンブルに消えたりするんだ。
「気の毒なガキどもだ」
「そうですか? みんな、とっても幸せそうですよ」
くすくす笑いながら、折り重なるようにして眠るガキどもをそれぞれの布団へと移動させてやるジネット。
……手伝うか。
「……マグダも加勢する」
「あたしも手伝うですよ」
静かにドアが開き、マグダとロレッタがフロアに入ってくる。
「どうしたロレッタ。騒ぎ過ぎてノド潰したのか?」
「みんなが寝てるから、声のトーン抑えてるだけですよ(!?)」
小声で叫ぶロレッタ。
器用なスキルを身に付けるなよ。
「子供たちは、まだもう少し寝かせてあげましょうね」
「俺なら、こうして動かされたら絶対目を覚ますけどな」
「このくらいの年齢の子供たちにとって、夢の中は大冒険ですから、なかなか目を覚まさないんですよ」
ろくでもない夢しか見てないと思うけどなぁ。
ジネットは、子供のころにどんな夢を見ていたのやら。
大冒険とは無縁な人生だろうに。
マグダとロレッタの手によって、俺の布団から次々引っ張り出されていくガキども。
……どんだけ潜り込んでたんだよ、俺の布団に。
四次元布団か。
「おい、女子まで潜り込んできてるじゃねぇか」
体を起こせば、ヤギ耳少女が俺の腰にしがみついて寝てやがった。
このマセガキ。
「……すやぁ。すぴすぴ」
人の脇腹に顔を埋めて、鼻をすぴすぴ言わせてんじゃねぇよ。
「エステラ2号だな」
「失敬な発言は謹んでくれるかい?」
珍しく早起きをしてきたエステラが、文句を垂れながらフロアに入ってくる。
「よぅ、元祖嗅ぎっこ」
「誰が元祖さ。そもそも、ボクは嗅ぎっこじゃない」
「……エステラ。これを?」
「え? なにこれ?」
「……ヤシロの枕」
「いらないよ!?」
「……これで、どうか一つ、便宜の程を……」
「こんな袖の下聞いたことないよ!?」
ほほぅ。じゃあどんな袖の下なら馴染みがあるんだ、この悪徳領主め。
「エステラさん。まだみんな寝てるですから、しーですよ」
「うっ……ごめんって。でも、マグダがさぁ」
「慣れてです」
「……君たちは、とことんまでマグダを甘やかすよね。たまには叱らなきゃダメだよ?」
「……叱られるところがないもので」
「自分で言うかな、……まったく」
肩をすくめて、でもそれ以上は何も言わないエステラ。
お前も十分甘いっつーの。
「俺は、ガツンと言う時は言うけどな」
「見たことないよ」
鼻で笑いながら、ガキどもに布団をかけてやる領主。
どんな貴族だよ、お前は。
まぁ、今さらだけども。
「あれ? ハム摩呂がいないな?」
「……ヤシロ。それはギャグで言ってるのかい?」
と、エステラが俺の背中を指差す。
腕を背中に回してみると、服がもっこりと膨らんでいた。
「どこに潜り込んでんだ、ハム摩呂!?」
「はむま……すやぁ」
「いや、途中で寝るなよ!?」
「ハム摩呂は、この程度じゃ起きないですよ」
ロレッタが、慣れた手つきで俺の背中からハム摩呂を引っ張り出す
……っていうか、ロレッタ?
お前、なにを普通に俺の服の中に腕突っ込んできてんの?
これ、攻守交代制だったら、次俺の番だからな?
「ジネット。ロレッタに辱められた」
「はぅっ!? ご、ごめんですお兄ちゃん! つい、いつものクセで!」
「……ほほぅ。ロレッタはいつも男性の服に腕を突っ込んで回っていると」
「拡大解釈が過ぎるですよ、マグダっちょ!? 弟たちが、寒くなると互いのシャツの中に潜り込んでるですから、それを引っ張り出してるだけです」
「どんな家庭だよ、お前ん家……」
シャツに潜り込み合ってるって……
「あぅう……なんか、急に恥ずかしくなってきたです。ごめんです、お兄ちゃん……」
「まぁ、気にすんな」
「……はいです」
「俺もやり返せばイーブンだから☆」
「それはさせないですけども!?」
「ふふ。ロレッタさんも、こうして懺悔されていますので、そこら辺で。……ね?」
えぇ……ロレッタの場合、自動で懺悔が終わるシステムなの?
なら、俺もそれがいい。
「……ここは、全員で順番にヤシロの服に腕を突っ込んで、みんな一緒だから恥ずかしくないの原理を適用するべき場面」
「しないよ、そんなはしたないこと」
エステラがマグダの首根っこを掴んで、俺から引き離す。
チラッと視線が合うと、「しないからね」と、頬を赤く染めて釘を刺してくる。
期待なんぞしとらんわ。
「しかし、服に腕を突っ込んだだけでこの大騒ぎか」
「乙女としては、それくらい大変なことですよ!」
と、自分がしでかしたことなのに俺に説教を垂れてくるロレッタ。
「だとしたら、この中で何人かお嫁にいけなくなったガキんちょがいるんじゃないか?」
何人か俺の布団に潜り込んできてたぞ?
ヤギ耳少女に至っては腰にしがみついて寝てたし。
「じゃあ、君が責任をとってあげればいいんじゃないのかい?」
「この国、重婚禁止だろうに」
「禁止ではないよ。世間から白い目で見られはするだろうけれど、君だったら周りも納得するんじゃないのかい?」
「エロスが迸っとるさかいなぁ」
「起きてきたのかレジーナ。永遠の眠りに堕ちていけばいいのに」
ぬっと顔を出すレジーナ。
その顔は……寝てねぇな、こいつ?
「ちょうど布団が一つ空いたから、寝とけ」
「イヤやわ、こんな人が仰山おるところ。よぅ寝られへんわ。……それに、自分の残り香まみれの布団なんか、ムラムラ……もとい、恥ずかしゅうて使われへんし」
「恥ずかしいのは『もとい』の前にポロリしてたお前の本性の方だよ」
「ウチ、領主はんみたいな嗅ぎっことちゃうし」
「ボクにそのイメージ植え付けるのやめてくれるかい!?」
いやぁ、もう手遅れですよ、領主様。
「で、出来たみたいだな?」
「御名答やね。起きてはったら、点眼薬で殺菌して~て、思ぅたんやけど、まだみたいやね」
「渡しといてやろうか?」
「いや、使用感とかいろいろ聞きたいさかいに」
なら、直接渡してやる方がいいな。
「たぶん、この後ガキどもが起きてきたら騒がしくなって、ゆっくり投薬とかしてられないから、ちょっと寝てこい。まだ出発まで数時間あるから」
「せやね……ほな、そうさせてもらうわ」
「あとで、カンパニュラがテレサを起こしに行くと思うけど、お前は寝てていいからな」
「分かったわ。ほな、人には見せられへんようなエッロい寝間着でセクスィ~に寝とくわ」
「何も分かってないですね、レジーナさん!?」
「……いや、分かった上での、アレ」
「度し難いね、まったく」
「領主はんのため息が一番辛辣やわぁ、冗談やのに」
お前の冗談、胃が重くなるんだよ。
「レジーナさん、お腹は空いていませんか?」
「せやね……ほな、起きたらなんか呼ばれるわ。出発前のバタバタする時で申し訳ないけど」
「いいえ。あっさりとして腹持ちのするものを用意しておきますね」
「あと、可能やったら起こしに来てんか?」
「よし、任せろ☆」
「あっちのおっぱい魔神が動き出す前に、起こしてくれると助かるわ」
「大丈夫です。動き出させませんので」
ジネットが店長権限を使ってくる可能性!?
「あふ……っ」とあくびを噛み殺して、レジーナが「ほな」と寝に向かう。
ホント、マメというか律儀というか……
「どうしても、間に合わせたかったんだね、レジーナ」
「残りの視察を、もっと楽しんでほしいと、そう思われたのでしょうね。レジーナさんらしい優しさです」
ティムの目に寄生するウィルスを撃退する薬。
きっとティムは大袈裟なくらいに感激して、大喜びするだろう。
そして、同じ症状で苦しんでいる者たちと、この先同じ病を患うであろう者たちも救うことになる。
「いつか、レジーナが救世主として祀られる日が来るかもな」
「あはは。功績だけを見れば十分それに値するからね」
「卑猥で帳消しになるけどな」
「君もね」
俺は別に、奉られたいわけじゃないからいーんだよ、それで。
トントントン――と、厨房に包丁のリズミカルな音が響く。
その横で、トントンストトンと軽快なリズムを刻む俺。
「あのね、あのね、昨日の紙芝居を見て思ったんだけど、やっぱりお芝居に人魚の歌は必要だと思うの。それも、出来ればオリジナルの曲が。『人間と人魚はこんなに仲良しなんだよ』って曲を作って披露すると、もっと仲良くしようっていうメッセージにもなるし、人魚も人間ももっとお互いを知ることが出来ると思うんだ~☆」
「だから、何か作れと」
「うん☆ ヤシロ君だったらちょちょいのえいで作れちゃうでしょ?」
おかしいな。
俺はいろいろ貢献して、マーシャからご褒美がもらえる側だったと思うんだが、なんかめっちゃご褒美を催促されている気分だ。
「人魚流の楽譜の書き方なんか知らないぞ、俺は」
「そこは大丈夫。私、一回聞いた曲は絶対忘れないから」
オウムやインコも顔負けの記憶力だな、それは。
一回聞いただけで耳コピ出来るのか。
というわけで、マーシャからの依頼で一曲作ることになった。
まぁ、作曲くらい、単純なものだったらすぐ出来るからいいけどさ……
マーシャのヤツ、もう気持ちが次のイベントに向かってやがるな?
こっちはまだ半日、シスター連中の視察の同行が残ってるんだっつーの。
……その後のカニパーティーに関しては、俺はもう一切関与しない。
ジネットが約束して、ジネットが張り切る会だ、それはもう。
「素敵な曲が出来るといいですね」
と、ジネットも「こちらのお手伝いは大丈夫ですから、マーシャさんのお願いを聞いてあげてください」とか言ってる。
曲を作るって、そんな簡単なことじゃないんだぞ?
まぁ、俺は天才だから簡単にやってのけちゃうけども。
なにせ、天才なんで。
「とりあえず、『海は楽しいから遊びに来てね』みたいな歌詞でいいか?」
「うん☆ そういう感じがいいな☆」
日本で有名な人魚の物語の、おそらく一番有名であろう「海の下は素ン晴らし~♪」みたいなテイストの歌にしておけば間違いはないだろう。
……著作権に引っかからない範囲で。
とはいえ、この街の連中は海の底には行けないからなぁ……
「岩礁とか、比較的浅い場所に小魚とか貝とか、小さいカニとかが集まってることあるじゃん?」
「うんうん。あぁいうとこは、小魚たちのエサが豊富だからね☆」
「あぁいう賑やかな場所なら、陸の人間も想像しやすいと思うんだ」
この街には、海底を見たことがあるヤツはいない。
マグダが、俺の作ったカラーサンドアートを見てはしゃいでいたくらいだ。
海底を想像するのは、まだまだこの街の人間には難しいだろう。
なので、目に見えるもので想像力に訴える。
「浅瀬にたくさんいる海の生き物に誘われて、その向こうの大海原に思いを馳せる――的なニュアンスにしておくか」
「いいねぇ、それ☆ そしてそのまま海の底へ~☆」
「はしゃぎ過ぎだよ、マーシャ」
ぺきょりと、エステラがマーシャの頭を押さえる。
あ、ちなみに、今俺たちは厨房にいる。
フロアにガキどもが寝っ転がっているので、水槽では中に入れず、マーシャはナタリアに抱えられてここまで来たんだ。
で、今は大人しく椅子に座っている。
エステラにかまってもらって、さらにテンションが上がっているように見える。
ダメじゃん、エステラ。効果ゼロじゃん。
「あのね、私たちは、そういう、海の生き物がいっぱい集まっている場所を『祭り場』って呼んでるんだよ☆」
「祭り場、か」
賑やかな感じがして、いい言葉だな。
「そこへ突撃していって、収穫祭を開催するの★」
「狩ってるな、それ!?」
ブラッディー・カーニバルだな、絶対。
「テメェら、祭りの時間だ!」
「「ひゃっはー!」」
――の、ノリだな、絶対!?
「物騒だなぁ。折角、祭り場って言葉で歌詞が浮かんだのに」
「え~、どれどれ、見せて~☆」
海の祭り場 ようこそ!
踊って 歌って 笑ってみよう
深海のリズムに 耳をすませば
心も体も 跳ねるよ!
「わぁ~☆ これいいねぇ~、いい感じ~☆」
「本当だ。なんだかすごく楽しげだね。メロディに載せるとどんな感じなの?」
と、さらっと「歌え」と強要してくる権力者。
こいつ、領主としては権力振りかざさないのに、ちょいちょいわがまま抜かしやがる。
……まったく。
「こんな感じだ」
指で作業台を叩きながら、軽くリズムに乗って歌ってやれば、マーシャとエステラは体を揺らし、マグダとロレッタも小さく踊り出した。
「いいね! これはすごくいい! お気に入りに登録です☆」
マーシャがすごく食いついた。
お気に召したようだ。
「お気に入りに登録」は、『強制翻訳魔法』のおふざけだとは思うけども!
「ふふ、楽しそうな歌が出来ましたね」
「……あっという間に」
「お兄ちゃんに出来ないことなんて、実はないんじゃないですかねぇ?」
んなわけないだろう。
「俺は、体力の限界までこき使ってきたヤツと、その翌日に笑顔で会話するとか、絶対不可能だし」
「おはようッス! フロアに子供たちがいるかと思って、裏から失礼したッス」
「拙者、一晩寝て完全復活でござる! 今日も今日とて、精一杯頑張るでござるよ!」
「……このように」
俺には、絶対ムリなことを平気でやってのけるイジられ~ズの二人が元気にやって来た。
お前らの体力、どうなってんだ?
布団がいいのか?
一晩で完全回復するなんて、RPGの中くらいだろう。
「あ、ベッコさん。お腹は空いていませんか? 昨夜は何か召し上がる前に帰られましたので、少し心配していたんです」
「ご心配、痛み入るでござる、ジネット氏。一応、母がパンをくれたらしいのでござるが、食べた記憶がないのでござる。願わくは、ジネット氏の朝ご飯がいただきたいでござる」
「その願い――、阻止してしんぜよう~」
「なぜ阻止するでござるか、ヤシロ氏!?」
いや、なんかさ、昨日は「ちょっとくらい労ってやらなきゃな」って思ってたんだけど、今朝見たら超元気そうだし、別にもういっかな~って。
「って☆」
「思わないでくだされ!」
「……眠る子供たちに配慮して静かなウーマロは、何か食べる?」
「(むっはぁ~、オイラの静かな気配りに気付いてくれるマグダたん、マジ天使ッス! もちろんいただくッスよ、マグダたんの真心を!)」
「静かに騒ぐな、気味の悪い」
ものっすごい静かなのに、顔と動きがやかましい。
どうなってるんだ、こいつの体は。
「今日の朝食は、マーシャさんのご協力で手巻き寿司なんです」
「やったッス! オイラ、手巻き寿司大好きッス!」
「……マグダが100だとした場合、手巻き寿司は?」
「2ッス!」
マグダよ。
なぜ好感度をわざわざ矮小化した?
いいじゃん、大好きのままで。
どこと張り合ってるんだ、お前は?
「ちなみに、俺を100だとしたら?」
「2ッス」
「マグダと同じ熱量の好きを俺に注ぐんじゃねぇよ、気持ち悪い」
「ベクトルはまったく違うッスけど、思いの強さは同じくらいッス!」
「……ヤシロ、勝負」
「いや、じゃあ俺、不戦敗でいいわ」
賞品はウーマロか?
別にいらんなぁ。
マグダが使ってない時にちょっと貸してくれればそれでいいや。
「拙者は、手巻き寿司と比べた時のヤシロ氏は――」
「お前、俺を手巻き寿司なんかと比較するのか?」
「話題に乗っかっただけで、この圧でござるか!?」
「俺なんか、磯臭いナマモノと一緒に酢飯に巻かれていればいいと、そう言うんだな!?」
「そんなことはござらぬよ!? ヤシロ氏は、手巻き寿司などとは比較にならない御人でござる!」
「手巻き寿司をディスるな!?」
「どうするのが正解でござるか!?」
うんうん。
ベッコは完全に元気になったようだ。
タフだなぁ、こいつ。
俺なら、アレだけ酷使されたら三日は寝込むな。
三日寝込んで、三日間イネスたちに呪詛の念を送り続けてただろうな。
「いや、あの……ヤシロの氏の方が明らかに、そして遥かに鬼畜な量の仕事を強要していたでござ――」
「あ゛?」
「なんでもないでござる!」
「ベッコ。そこは、思っても口に出さないのがルールッスよ」
いや、お前もよく口に出してるからな、俺への不平不満。
「じゃあ、ウーマロ、ベッコ。ガキどもを叩き起こして顔を洗わせて、布団を片付けて床の掃除をした後、ガキどものお出かけの準備をさせといてくれ」
「「いや、ムリッスよ!?」でござるよ!?」
なんかぁ、ガキどもの扱いには慣れてないとかぁ、よく分かんないこと言われたぁ。
ヤシロ、ちょっぴり、ご立腹ぅ~。
「では、そろそろ子供たちを起こしに行きましょうか」
「ジネットはカンパニュラだな」
「はい」
「……井戸が混雑するから、順番に起こすべき」
「子供たちは、たらいに水を汲んで、あたしが洗わせてあげるですよ」
「……ふむ、ではロレッタ案を採用」
「やったです! マグダっちょに認められたですよ、あたし!」
なんとも賑やかに、それぞれがそれぞれのやるべきことをやるために動き始めた。
あ、エステラとマーシャはそこで待機な。
……戦力外だから。
「「「おはよーございます」」」
「ほい、おはよーさん」
「「「おはよーさん」」」
「……真似せんでいい」
ガキどもがフロアに立ってにっこにこだ。
朝から元気だな、ガキども。
何がそんなに嬉しいんだ。
「……すごい。子供たちがあんなに素直に」
「ウチの小僧どもなんか、ぎりぎりまで布団にかじりついてるってのに、なんか、すんごいな、四十二区、マジで」
シスター&ブラザーがガキどもの元気にあてられてげんなりしている。
この辺のしつけはベルティーナの功績だから、帰る前にご利益にでもあずかっておくといいぞ。
「それじゃあ、よいこのみなさんはお手々をつないで教会へ向かいましょう~」
「「「はーい!」」」
ジネットお姉さんに言われて、隣の者と手をつなぐガキども。
いやいや、ちんまいガキ同士で手なんかつないだら危ないだろうが。
どっちかがこけたら100%道連れじゃねぇか。
「小さいガキどもは、デカいヤツと手をつないでもらえ」
と言うと、俺に群がってくるちんまいガキども。
俺じゃねぇよ。
デカいガキとつなぐの!
で、ヤギ耳少女。お前はデカい方のチームだから。
「ん!」じゃないんだ。
その差し出してる手、隣のちんまいガキとつないでやれ。
「あー! あー!」
「なんで赤ん坊までこっちに手を伸ばしてるかなぁ」
「ふふ。ヤシロさんが優しい人だと、きっと分かっているんでしょうね」
「ガキには、物事を冷静に、かつ客観的に判断する能力が欠如してるからなぁ。これだからガキは……」
「うふふ……そうですね」
ジネットお姉さん?
「そうですね」の顔じゃないから、それ。
面白がりやがって。
よぉ~し、お前がそういうつもりなら――可愛いヤシロ君モード発動!
きゃる~ん☆
「じゃあ、僕はジネットお姉さんと手をつないでいってもらおう~っと☆」
「えっ、え、いえ、わたしは……」
「や~だ~、お手々~!」
「はぅ……そんな可愛い顔をされましても……」
あわあわするジネットと、ざわざわするガキども。
おいこら、「え、今の、可愛いか?」じゃねぇんだよ、四十二区最年長のクソガキ。
ちゃんと聞こえてっからな?
可愛いやろがい!
ワシかて、可愛いやろがい!
「じゃあ、最年長同士、小さいガキどもにお手本を見せてやれ」
「えっ!?」
「私たちが手をつなぐんですか?」
「お兄ちゃん、お姉ちゃんが手をつないでくれたら、みんな分かりやすいよなぁ?」
「「「うんー!」」」
ふっふっふっ、ガキなんてのは単純な生き物なんだよ。
「こうだよな?」って誘導してやれば「うん」と言う、単純な生き物なのだ。
たぶん、脳みそにケーブル繋いでプログラム読み出してみたら4行くらいしかコード書かれてないと思うぞ。
「じゃあ、はい」
「へっ!?」
「手」
「え、ぁ、お、……おぅ」
盛大に照れて、最年長のクソガキが、最年長少女ルーナの手を握る。
「ぷっ、照れてやんの」
「照れてないやい!」
「え、なんて? 顔が赤過ぎて声がよく聞こえない」
「顔が赤いの関係ないじゃん! つーか、赤くないし!」
「赤いよ? 真っ赤~」
ルーナに笑われて、ムキになるクソガキ。
「お前だって真っ赤じゃねぇか!」
「いや、全然? 照れてないし」
うん。マジで照れてないな。
こりゃあ、完全にクソガキの片思いか。
「轟・沈!」
「沈んでない! いや、ちがう、なんか違う!」
けけけっ、テンパってやんの。
「君は本当に子供が好きだよね」
「……ヤシロはメンズの友人も大好き」
「じゃあ、二つの好きが入ってるですね」
「可愛がってもらえてよかったですね」
「可愛がられてないよ、ジネット姉ちゃん! いじめられてんの!」
「でも、ルーナさんと手をつなげて、嬉しいですよね?」
「……それは、まぁ」
白状してやんの。
つーかジネット、結構踏み込んだこと聞くねぇ。
俺だったら、気になる女子と手をつないだ状態で「嬉しいでしょ?」とか聞かれたら、三日間ほど部屋に閉じこもるかもしれない。
「ヤーくん」
「えーゆしゃ」
ガキどもがわちゃわちゃしている中、カンパニュラとテレサが戻ってくる。
この二人にはお使いを頼んでおいたのだ。
「どうだった、レジーナ?」
「私たちではお起こしすることが敵いませんでした」
「れじーなしゃ、おつかれ!」
仮眠を取ると言って俺の部屋に戻ったレジーナを起こしに行ってもらったのだが、やっぱりこの二人じゃムリか。
叩き起こすってことをしそうにないしな。
レジーナが寝に行ってから、マーシャが来て、歌を作って、手巻きずしの準備とかして、まぁなんやかんやでもう数時間は経っている。
ぼちぼち起こしてもいいだろう。多少強引にでも。
「んじゃ、俺が行ってくるか」
「いえ、あの、ヤー君はちょっと…………殿方にはお見せできない格好になられていましたので」
「よし、行ってくる!」
「ヤシロさん」
わぁ、ジネットお姉さんにお手々つながれちゃった☆
「きゅーじちょーしゃ、いってくれた」
「ナタリアが?」
「ううん。給仕長たちが、だよ」
嬉しそうにエステラがにっこにこ顔で言う。
こいつは、本当に他人のちょっとした不幸が好きだよなぁ。
「期待しよう!」
「だね」
「……同じ顔」
「そういうとこ、よく似てるですよね、お兄ちゃんとエステラさんは」
「失敬な。俺とエステラが似てるのはバストサイズだけだ!」
「失敬だよ、君がね!」
俺を睨みながら「いつまでジネットちゃんの手を握ってるのさ」と、俺とジネットのつないだ手の上にチョップを落としてくる。
お前、これジネットにもダメージいってるぞ、きっと。
ヒデェヤツだなぁ……え、ジネットの方は無傷? 俺にだけダメージが来るようにしたの?
ヒッデェヤツだな、ホント!
信じらんないわ!
ぷんすこ!
「お待たせいたしました」
「やり切りました」
ナタリアとイネスがフロアへと現れる。
ツヤツヤとした表情を見るに、何か仕出かしてきたな。わくわく☆
「デボラがいないが?」
「レジーナさんが逃げないようにと見張りを――というつもりだったのですが」
「デボラさんの新たな一面を発見しました」
何かあったらしいな。わくわく☆
「では、お呼びいたしましょう」
「孤高なる薬剤師レジーナ・エングリンド――改め」
あらため?
「「我らがアイドル、ベティ・メイプルベアちゃんです!」」
「なんなん、朝っぱらから……自分ら……も~ぅ…………」
わぁ、アイドルが天日干しされたスルメイカよりカッサカサな顔してる。
「本日は、赤を基調に、鮮やかなグリーンでアクセントをつけてみました」
めっちゃクリスマスカラーだな。
オーナメントとかぶら下げたいよ。
で、オーナメントではないが、デボラがぶら下がっている。
「かわいい……こういうの、好きっ!」
なんか、琴線にぶっ刺さったらしい。
デボラって、可愛い系が好きなのか。
ふりふり衣装のアイドルチックな感じが。
「ベッコ」
「然り」
「メンコを――」
「いらんで!?」
「言い値で買いましょう!」
「ジネット」
「はい」
「そっくりぬいぐるみを」
「いらんっちゅーねん!」
「「「言い値で買いましょう」」」
「なんで給仕長はんオールスターズ全員が食いついとんねん!?」
こらこらぁ、ベティちゃん?
その格好の時は、口調もか・わ・い・く、だぞ☆
「だぞ☆」
「前歯、真緑になる薬飲ましたろか、ホンマ」
何を目的に開発された薬なんだよ、それ?
え、副作用?
風邪が一発で治るとしても、その副作用の出る薬は嫌だなぁ。
「……かわいい」
見たことがなかったのか、最年長のクソガキがベティに見惚れてやがる。
やめとけやめとけ。性癖がねじくれ返るぞ。
「へぇ~、あぁいうのが好きなんだぁ~」
「痛った!? なんだよ!?」
「べっつにぃ~」
ルーナから後頭部へ一撃もらうクソガキ。
ほーほー、ルーナは興味無しかと思ったが、案外……
いや、まぁ、自分にデレデレしてた男子が他の美人に目移りしてるのがムカつくだけか。
まだガキのくせに、いっちょ前に女子してやがる。
「じゃ、レジーナは今日一日その格好で」
「いや、ムリやで!?」
「これから飯食いに教会へ行くってのに、お前の着替えを待たせる気かよ?」
「自分らやん、こんなオモロイ仕上がりにしたん! ウチ悪ぅないやん!?」
「ベルティーナに朝飯お預け食らわせるとか……今後、懺悔のハードルめっちゃ低くなりそうだな」
「ひっきょいなぁ、自分! めっちゃひっきょいわ!」
卑怯を妙な形容詞化するんじゃねぇよ。
なんだ『ひきょい』って。
「あれが、昨日の黒い薬剤師さん……なんです、よね?」
「あたす、目ぇどうにかなったんかと思ったわ、悪ぃけんど」
エリアスとティムが揃って目をぱちぱちシバたたかせている。
よかったなぁ、ティム。今日もちゃんと見えているようで。
あとで、その目を疑うような薬剤師に薬をもらうといいぞ。
サンタみたいな格好してるし、きっと無料だぞ。知らんけど。
「じゃあ、デリアたち。ガキどもを頼むな」
「おう、任せといてくれ」
「アタシもいるから大丈夫さよ、しっかり面倒を見ておいてやるさね」
「昨日、アレだけの痴態を晒していた人が言っても説得力がありませんわね」
「痴態なんか晒してないさね!?」
「「「いやいやいやいやいや」」」
別のテントで寝ていたはずのパウラ・ネフェリー・ロレッタから一斉に否定されるノーマ。
……何したんだよ、一体。
いや、言わなくていいけど。
妄想だけは、何があっても壊させない。
メンズの妄想は、希望とも読めるのだから!
「んじゃ、ジネット、飯の準備頼むな」
「はい。ヤシロさんも、……よろしくお願いします」
と、ジネットの視線がティムに向かう。
何をするのかはきちんと話してある。
ガキどもを動揺させないように、深いことはこの場では言わないが。
まぁ、病気の話とか、いたずらにガキの心をかき乱すからな。
「護衛を一人頼みたいんだが」
「はい!」
「ぁい!」
しゅばっと、デボラとテレサが挙手をする。
「んじゃ、その二人で」
「はい、頑張ります!」
「がんまります!」
給仕長が二人もいりゃ十分だろう。
「じゃあ、ベティ。頼む」
「それが人に物を頼む態度かいな……ホンマにもぅ」
ベティことレジーナが肩を怒らせて、ティムの前まで歩いていく。
そして、おもむろにブドウの房のような形をした禍々しい牙を持つ魔草をティムの手の甲に押し付ける。
「いってぇ!? え、なに!? イッタ!? これ、痛っ!?」
「え、なんて? どこか怪我したん? そらたいへんやな、ちょっと見せてみ」
「いや、悪魔か、あんた!? 下手人、下手人!」
下手人とレジーナを指差すティム。
いいから、大人しく言うことを聞いとけよ。……ったくしょうがない。
「大人しくお縄につけ」
「そうだそうだ、言ってやってくれよ、お前さん」
「デボラ、テレサ、取り押さえろ!」
「は!」
「わ!」
「って、なんであたす!?」
デボラとテレサに取り押さえられるティム。
下手人、GETだぜ☆
「じゃあ、ちょっと診察してから行くから、先行っててくれ」
「診察って言葉の意味知ってんかぃ、お前さんたち!?」
取り押さえられた下手人スタイルで吠えるティム。
まぁまぁ、いいからいいから。
「細かいことは気にすんな☆」
「お前さんたちは、もっといろいろ気にしろって、マジで!」
ガキどもやエリアスが物凄く気にしていたが、エステラやナタリアが問題ない旨を説明し、一同は先に教会へと向かった。
「これでよし」
「よくねぇってばよ、なんなん、マジでよぉ!?」
「まぁ、落ち着いて聞け。――お前の目、治せるかもしれねぇぞ」
「え…………っ」
ティムが驚き、驚き過ぎてサングラスがズレた。
そんなマンガみたいな現象、マジで起こるんだな。
初めて見たよ、このタイミングでそのズレ加減。
「まず、その目ぇの状況なんやけどな――」
というわけで、取り押さえながら症状についての説明を聞くティム。
「いや、解放してくない!? もうなんかヒジも肩も痛いんだわ、悪ぃけんど!」
まぁ、正論だったので、許可してやる。
で、ついでに陽だまり亭の中に入って座りながら事情を説明する。
「……うぃるす?」
自身の目のそばに指を持ってきて、そっと目尻に触れる。
「そんなもん、全然気にしたことなかった」
「今みたいに、目ぇを触るクセがあったんやったら、その時感染したんかもしれへんな」
「あぁ、ガキのころはよく目をこすってたなぁ。ウチ貧乏だったからさぁ、小さいうちから親の手伝いで、早朝から鉱山に連れて行かれてさぁ。眠いから、目をこすっちまうんだよなぁ。……そっかぁ、あれが悪かったのかぁ」
ガキが眠いと、目を擦るのはしょうがないよな。
で、貧乏だったってことは、十分な栄養を食事で摂取できていなかった可能性がある。
まぁ、いろいろと状況が悪い方向へ重なってしまったのだろう。
「そんで、その…………治る、ん、かぃ?」
「それは分からへん。正直、時間が経ち過ぎてるさかい。それでも、進行を食い止めることは出来るはずやさかい――自分の目ぇは、この先もちゃんと子供らぁの顔を見られるで」
「おぉ…………精霊神様……っ」
椅子から滑るようにして床に膝をつき、レジーナに向かって祈りを捧げるティム。
え、なに、レジーナって精霊神なの?
くっそ卑猥だな、精霊神。しょーもないな、お前。
「あたすは、もう……直になんもかんも終わっちまうんだと……覚悟して…………っ」
サングラスの向こうから、雫が流れ落ちてくる。
覚悟してたって、怖いもんは怖い。
それが回避できたなら、そりゃ喜ぶさ。
「ほな、お薬、試してみよか」
と、レジーナが懐から点眼薬を取り出す。
琥珀色の小瓶の先にノズルが付いた、なかなかいかつい容器だ。
あのノズル、眼の前に持ってくるの怖そうだな……
「え゛……」
ティムが固まった。
「あ、ダメだ。あたす、目薬ダメな人なんだよね、悪ぃけど」
「デボラ」
「はい」
「取り押さえろ」
「はっ」
「いや、マジでマジで! 子供の頃目に突き刺さりそうになってから怖くて仕方ないんだって、ホントに!」
「テレサ」
「あぃ!」
「こいつのように、『自分は〇〇な人だから~』とかほざくヤツの言うことは1mmも聞く必要はない。強引な手段に出ることを許可する」
「ぁい!」
「では、デボラに取り押さえられて身動きが取れなくなったオッサンのまぶたを開いておけ」
「あい!」
「いや、待って! 怖い怖い! 子供の指、近付いてくるの怖いって! いやぁああ怖ぁああああ!」
ぎゃーぎゃー騒ぐティムを無視して、レジーナがティムの目に点眼薬を一滴垂らす。
「ひぎゅっ!?」
ビクン!
――っと、体を痙攣させて、ティムが静になる。
「……きたぁぁあー!」
「やかましいわ」
みぞおちを踏んでおいた。
「どぅっ!」とか言ってたけど気にしない。
「いや、これ、すんごいね! なにこの爽快感? めっちゃ気持ちいいんだけど!?」
めっちゃ気に入ってんじゃねぇよ。
なんだったんだ、さっきまでの暴れっぷりは。
「ん? あれ……?」
目を大きく見開いて、何度も瞬きをして、ティムが辺りをきょろきょろ見回している。
「どうした?」
「なんか、明るい」
そうして、起き上がって窓から外を見て、デカい声を出す。
「木の葉っぱって、あんなに緑だったっけか!? 空って、あんな青かったっけか!?」
すげぇテンションが上がっている。
「表面のウィルスがある程度排除できたんやろね」
「一回でかよ?」
「当たり前やん、ウチやで?」
と、ベティの顔でウィンクを飛ばしてくる。
「毎日、ちゃんと使ぅとったら、もうちょっとはっきり見えるようになるわ」
「左目は?」
「内服薬との併用で、あとは経過観察やね」
さすがに、ダメージの大きい左目はすぐに完治とはいかないらしいが。
「右は結構はっきり見えるようになったか?」
「あぁ、すげぇよ! 今まで、色だけじゃなくて物の形もはっきり見えてなかったんだって、今初めて知ったよ!」
こちらを振り返ったティムは、サングラスを外して、ぼろぼろと涙を流して号泣してた。
「お前さん、そんな顔してたんだなぁ。なかなかいい男じゃないか」
「だろ?」
冗談を言って笑いながらも、ティムの涙はどんどん溢れてくる。
「あたすのまぶたを開いてくれたお嬢さんは、こんな可愛い子だったんだねぇ」
身を屈めてテレサの頭を撫で、そして並んで立つレジーナとデボラを屈んだ姿勢のまま見上げる。
「こんなにおっぱい大きかったんかぁ。下から見上げたら、なんっつー大迫力!」
「給仕長はん、取り押さえてんか。この魔草ありったけ噛みつかせたるさかいに」
「了解した」
「いや、待って待って! いい意味で!」
しかし、無慈悲にも刑は執行され、ティムはこの世のものとは思えないような悲鳴を上げていた。
……なるほどね。
下から見上げるのもありだな。
「ほんで、何を便乗してしゃがんどんねん、自分!?」
「いい意味で☆」
「よっしゃ、同じ刑を執行したろ。給仕長はん」
「了解した」
「二人がかりとは卑怯な!?」
「そっちも二人や」
「一人、完全に戦闘不能じゃねぇか!」
「ほな、成敗」
「痛った!?」
俺さ、思うんだよね。
魔草とか、この世からなくなればいいのに。
あとがき
今日も体がバッキバキ☆
宮地です☆
いえね、
こたつを買いまして、
そしたら入るじゃないですか
で、SURFACEって知ってます?
(*´▽`*)/さぁ、すいこんでくれ~い♪
では、ない方のSURFACE
ラップトップとかノートパソコンとかキーボード付きタブレットとか
なんかそんな感じのパソコンです
あれをこたつの上に置いて作業するようになったんですよ。
ほら、私の仕事部屋、寒いじゃないですか?
Σ(゜Д゜;)いや、知らんがな!?
で、こたつで、胡坐かいて作業してるんですが
一段落すると
……こたつから出られない!?
ってくらいに体がバッキバキなんです。
ヒザが「痛いイタイいたい! 無理! 取れる! 外れる!」
って悲鳴をあげるんですよ。
狭いところで長時間座って作業していると
で、伸びをすると
背骨「バキィィィーーーッ!」
宮地「折れてない、今の音!?」
くらいけたたましい音がしまして
……やっぱり、作業するのは仕事部屋のちゃんとしたデスクが一番なんですね
まぁ、こたつで作業しますけども
冬の間は
(*´ω`*)ぬっくー
で、そんな環境で――
またMVを作りましたよ!
\(≧▽≦)/
あ、
飽きないでください
「またかよ!?」とか、思わないで!
\(>△<;)まぁ、とりあえず話を聞いておくんなまし!
実はですね、
当初、『ウツボのパラドックス』を作成しようと思っていたんです
報労記でマーシャが歌った、聖女王を讃える、人魚たちが好きな歌。
ヤシロが「CDにして売り出せば儲けられる」と豪語した歌を
音源にしてあいちゅーんやすぽてぃふぁいで配信して億万長者になってやろー
とか目論んでいたんですが
……聖女王を讃える歌の歌詞?
(・_・;)どんなんだ?
あのですね、
音楽生成AIを活用するにしても、
歌詞は自前で用意しなければいけないんですね
歌詞……
聖女王……ウツボのパラドックス……
Σ(゜Д゜;)なんだ、このタイトル!?
もう一切歌詞が浮かんできませんで。
どーすっかなぁ~……と悩んだ結果
(*´▽`*)AIに考えてもらおう!
という結論に至り、
今回、初の試み、
宮地さんがノータッチで曲を作るプロジェクト、決行!
これで、楽して億万長者~♪
……と、思っていた時期が私にもありました。
まず、
AIは、
人魚を理解してくれません
もうね、世に溢れている、いわゆるひとつの『人魚』が知識として蓄積されているんでしょうね
Σ(゜Д゜;)「夢の国のネズミに睨まれそうな内容でドキドキしちゃう!?」
っていうような内容の歌詞を出してきまして……
なので、まずは、
異世界詐欺師の世界の『人魚』について、じっくりたっぷりと語って聞かせるところから始まりまして
マーシャの登場から、どういう考えで、どんな行動をして、今現在どんな立ち位置で、
その立場なのにこういうことしてくれるから異例であり、ヤシロたちの信頼を得ているということを伝え、
そのマーシャがとても楽しそうに参加したお芝居での歌である――
ってことを教えないと、歌詞に「活き活き感」が出ないわけですよ。
で、次に、『聖女王』についての学習です。
これ、本編でも語ってないような人魚の歴史を、英雄王誕生以前から
細かく細かく教えて、
なんなら、四十二区が一切出てこないアナザーストーリーが書けんじゃないかくらいの文字数を書いて、『人魚とはこういう歴史の中でこういう価値観で生きてきた』ということを教え、
だからこそ、マーシャがいかに異端かということ、
聖女王への仕打ちと、失ったことへの後悔と絶望と、手遅れになったあとにあふれ出てきた感謝と尊敬の念を歌詞に込めて――
ってじっくりたっぷり語り聞かせた結果、
生成されたのが――
海の祭り場 ようこそ!
踊って 歌って 笑ってみよう
深海のリズムに 耳をすませば
心も体も 跳ねるよ!
Σ(゜Д゜;) 聖女王の「せ」の字もない!?
やはり、作詞とか物語を紡ぐとか、
まだちょっと、思い通りのものを導き出すのは難しいようです。
心「ぽっきり☆」
……結構いっぱい文章書いて学習させたのに
(´・ω・`)
でまぁ、折角なので、曲を付けてみたところ
なんか楽し気な曲が出来まして
何回もくるくるリピートして聞いていたら
気に入ってしまって
えへへ(〃´∪`〃)ゞ
じゃあ、私も何か苦労しようか――と
MVを作りました!
\(*´▽`*)/
というわけで、是非来て見て聞いてください♪
『うみのまつりば』
https://youtube.com/shorts/FLrx1rgmHU4
こういう、可愛い、お子様にも楽しんでいただけるようなMVを
異世界詐欺師とは関係なくいろいろ作りたいなと
そんなことを思ってしまうくらいに楽しかったです、MV制作
なんか、いろいろ細かいところにこだわっちゃったりして
まぁ、こだわりはいちいち説明しませんけどね☆
それが、監督イズム
( ̄▽ ̄)説明はいらない、見て、感じてもらったものがすべてです
ただ、
体がバッキバキになるくらいには頑張ったので
是非見て、
出来れば褒めてください!(≧▽≦)/そこ、重要!
というわけで、
実はまだまだ制作中のMV企画!
この次のヤツも、結構自信作なので
是非ともお楽しみしていただきたい!
よろしくどーぞ!
で、本編ですが、
レジーナ……すげぇ!?
Σ(・ω・ノ)ノ!
というか、異世界のウィルス、怖っ!?
作中に登場したムチンとかいろいろあれやこれやは実際唾液とか目の中に存在するものだったりして
そこまで的外れな話ではないよ、という内容になっております。
さすがに、リゾチームを食い荒らすウィルスとかは、聞いたことないですけども
きっと、今日それらの名前を聞いて、
後日どこかで耳にしたら「それ知ってる!?」ってなる日が来ることでしょう
人生って、そーゆーものです
(*´ω`*)
ヤシロとレジーナの知識がチートしてますけども
それで救われる人がいるって、素敵ですね☆
というわけで、
朝の賑やかな陽だまり亭でした☆
結構時間経過してるんですよ、この一本の中で
レジーナが仮眠できるくらいには
今朝の教会は、ゆったりした時間が流れてるんでしょうねぇ
子供たちのいない朝の教会とか、何年も経験してないシスターたちばっかりでしょうから。
そんな脇道の妄想なんかも、してみると楽しいものですよね
というわけで、
MVばかりでなく、本編も目一杯頑張ります!
次回もよろしくお願いいたします!
宮地拓海




