465話 そして流行る
とりあえず、厨房へ入る。
――と、ジネットが帳簿を開いて中を確認していた。
おぉ、ちゃんと経営者っぽいこともしてるな。
昔は俺が全部管理してたが、やり方を教えて、今では完全にジネットに任せている。
ジネットの店だからな、ここは。
……まぁ、俺も随時チェックはしているけども。
で、ジネットは文字を読む際に結構集中するクセがある。
なので、こっそりと背後に忍び寄り、そっと手を伸ばして……両目を塞いだ。
「きゃっ!?」
「だ~れだ?」
「え? ……ヤシロさん、ですか?」
「正解だ」
と、手を離して覗き込んでやれば、驚いた表情の瞳がこちらを確認して、へにゃっと弧を描く。
「びっくりしました」
「中庭でデボラにやってやったら殊の外喜ばれてな」
「ふふ……そうですね。お顔を見た時の安心感は、とても心地よいものがありました。まだ少し、ドキドキしていますけれど」
慣れてないヤツにやるのは、ちょっと心臓に悪いか。
「悪い、驚かせたな」
「いいえ。こういう可愛らしいイタズラなら大歓迎です」
すっかりと緊張が取れたようで、ジネットはくすくすと笑っている。
あ、いつかやり返してやろうって顔をしたな、今。
じゃあ、楽しみにしておこう。
……しまったな。
もっと密着して、背中にむぎゅっとするのが伝統だと言っておけばよかった。
……まだ間に合うか?
「実はこれには伝統があって、女子がやる時は背中にムギュッと――」
「そんな伝統はありません。『だ~れだ』くらいは、わたしも知ってます」
あ、あるにはあるんだ、この街にも。
デボラがすげぇはしゃいでたから、そーゆーのはないのかと。
恋人繋ぎもなかったしさ。
あるんだねぇ。
「そんなことしてるヤツがいるのか!? セロン、爆発しろ!」
「それだと、ヤシロさんも爆発しちゃいますよ」
いや、俺のは、ほら、違うじゃん?
浮かれたバカップルがきゃっきゃうふふと戯れる的なやつとは、こう、なんつーの? ベクトルが違うじゃん?
「俺はセーフ!」
「ふふ。では、みなさんセーフで」
裁定が甘いなぁ、ジネットは。
「ヤーくん、ジネット姉様。何のお話をされているんですか?」
戸棚の前で話していると、カンパニュラがやって来た。
「ジネットが、世のカップルに甘いんだ」
「わたしは、ヤシロさんに甘くしたつもりなんですよ?」
えぇ~……俺は別枠じゃね?
「じゃあ、こうしよう。俺には甘くしつつ、世のカップルを爆破していこう、一緒に」
「わたしは、遠慮しておきます」
ほらぁ~、全然俺に甘くないじゃん。
「今日も仲良しさんで、羨ましいです」
カンパニュラ、その目は羨ましいじゃなくて微笑ましいの時の目だぞ。
寮母のオバハンどもと同じ種類の目だ、それは。
「今までテントにいたのか?」
「はい。姉様たちにお相手していただいていました。ですが、そろそろ就寝しようかと思いまして、その前に口を濯いでおこうと」
寝る前の歯磨きか。
えらい子だな、こいつは。
小学生のお手本のような規律正しい生活を送っている。
「では、行ってきますね」
「おう」
「足元に気を付けてくださいね」
水場は滑るからな。
奥の廊下と厨房の間、厨房に入る手前に手洗い場があるが、顔を洗うのと歯を磨くのは中庭の井戸のところでやることが多い。
手洗い場と行っても、日本のように洗面台があるわけじゃないので、なんとなく床に「ぺっ」ってするのが憚られてなぁ。
作るかなぁ、洗面台。
あ、違った。
作らせようかなぁ、洗面台。
「マグダの『だ~れだ』で、確実に無料に出来るし」
「ウーマロさん、お疲れのようですから、少しは手加減してあげてくださいね」
詳しく話さなくても、おおよそのことは理解できたらしいジネット。
くすくす肩を揺らしながら、帳簿を戸棚に戻している。
「売上はどうだった?」
「上々ですよ。みなさんのおかげですね」
そりゃ何より。
そこで、ジネットが中庭の方へ視線を向けて「あっ」と何かを思いついたような表情を見せる。
……ほほぅ、なるほど。
「……行くか?」
「そうですね。……ふふ、驚かせてしまうでしょうか?」
「ヘソを曲げたら、ジネットが責任を持って、今晩寝るまでたっぷりと甘やかしてやれ」
「それでしたら得意です」
ということで、俺とジネットは足音を忍ばせて中庭へと向かった。
ターゲットはカンパニュラ。
厨房から井戸に向かうと、顔を洗う時には廊下に背を向ける格好になる。
こっそり行けば気付かれないだろう。
……ジネットに、「こっそり」なんて高度な技術が使えるのであれば。
「直前で転ぶなよ?」
「そんなにドジじゃありませんもん」
いやいや、ご謙遜を。
そっとドアを開けて中庭を覗き込む。
カンパニュラは歯を磨き、うがいをしていた。
そろ~っと近付き、ジネットに先行させる。
声には出さず、「ジネットが目を覆って、俺が声を出す」と打ち合わせをする。
ジネットがこくりと頷き、そろ~っと腕を伸ばす。
むぎゅっ!
おぉっと、腕より前におっぱいが後頭部に!?
いいなぁ!?
俺にやる時も是非そんな感じでお願いします!
切実に!
ジネットがカンパニュラの目を覆うと、カンパニュラは「きゃっ」と可愛らしい声を漏らした。
でまぁ、「むぎゅっ!」でバレてると思うけど、一応言っておく。
「だ~れだ」
「へ? え?」
一瞬戸惑いながらも、カンパニュラは状況を瞬時に判断し――
「声はヤーくんですが、この柔らかさはジネット姉様です。ですのでお答えは、ヤーくんとジネット姉様の、いたずらっ子二人組です」
「はい。大正解です」
両目を解放し、「ばぁ~」と言わんばかりに顔を覗き込むジネット。
目が合うと、二人一緒に笑い出す。
「とても楽しいイタズラですね。ヤーくんの発案ですか?」
「いや、ジネットがどうしてもやりたいって」
「そんなことは……思っただけで口にはしていません」
「ふふ。ヤーくんはジネット姉様のことならなんでもお見通しなんですね」
まぁ、あれだけ分かりやすい顔をしてたらな。
「この街にもあるイタズラらしいが、カンパニュラは知らないか?」
「はい、存じませんでした。……あまり、お友達は多い方ではありませんでしたので」
お、おぉう、すまん。
そうだったな。
「じゃあ、これからいろんなヤツにやってやるといい。今は友達いっぱいいるだろ?」
「姉様たちをそう呼称することを許してくださるのであれば」
「許すもなにも、お前が認めてやらないと、あいつら泣くぞ」
「アタシは友達じゃないんかぃね!?」って。
……あ、ごめんノーマ。
なんかイメージしやすかったからつい、たとえに使っちゃった。
「とりあえず、明日テレサにでもしてやれ」
「上手に出来るでしょうか?」
「じゃあ、ベッドで作戦会議を開けばいい。ジネットは経験者だから、いいアドバイスをくれるぞ、きっと」
「そうですね。ご指導よろしくお願いしますね、ジネット姉様」
「はい。こう見えて、わたしは『だ~れだ』が上手なんですよ。お祖父さんやシスターによくやっていましたから」
えへへと笑うジネット。
やっぱ、そういうイタズラが好きだったようだ。
やられたあとの祖父さんとベルティーナの緩んだ顔が容易に想像できる。
「ロレッタは簡単に引っかかると思うけど、マグダは難しそうだな」
「気配に敏感ですからね。でも……ふふ、マグダさんなら、分かっていてもやらせてくれそうですけれど」
まぁ、マグダの場合はな。
驚かせると言うより戯れるに近い状況になるだろう。
「では、ヤシロさん。わたしたちはそろそろ作戦会議をしてきますね」
「あぁ。熱中し過ぎて夜が明けないようにな」
そんなことにはならないだろうけど。
「おやすみなさい」
「あぁ。おやすみ。カンパニュラも、おやすみ」
「はい。おやすみなさいませ、ヤーくん」
就寝の挨拶を終え、二人を見送る。
ちらっと視線を横に動かせば、俺の部屋からはまだ明かりが漏れていた。
頑張るねぇ。
階段を上がりながら、ジネットが身振り手振りを加えてカンパニュラに何かを伝授していた。
ははっ、どんな仕上がりになるのか、楽しみだ。
……いかん。
案外楽しんでしまったな、「だ~れだ」。
侮れん。
まだ時間は早いが、特にやることもない。
ぼちぼち俺も寝るかな、明日もいろいろ動き回るのだろうし――と、厨房を抜けてフロアに出ると、マグダが立っていた。
ガキどもが寝ている場所を避け、カウンターのすぐ手前に。
「よぅ、マグダ。今日はお疲れさん。いろいろ気にかけてくれたみたいだな。助かったぞ」
と、マグダの背中に声をかけるも、反応がない。
おやぁ~?
「マグダ? ……立ったまま寝てるのか?」
「…………」
声をかけれども、反応がない。
しかし、耳はぴくぴく動き、尻尾もゆっさりと揺れている。
寝ているわけではない。
ということは……はっは~ん、なるほどな。
これはつまり、催促なのだろう。
要するに、ジネットやカンパニュラとのやり取りが聞こえていたのだろう。
それで、自分にもやれと、そういうわけだ。
あのマグダが、背後に立たれて気が付かないわけないもんな。
へいへい。
お気の召すままに。
気付かれているだろうが、礼儀として一応そっと近付き、腕を伸ばし、マグダの目を両手で覆い隠す……前に、マグダが消えた。
そして背後から声が聞こえる。
「……残像」
「何がしたいんだよ、お前は?」
「だ~れだ」をしてほしいんじゃなかったのかよ。
呆れて振り返ると、マグダがいない。
わぉっ!
声はするのに姿が見えない、ちょっと怖い感じのやつやー。
すると、不意に俺の目が背後から小さな手に塞がれた。
そして、耳元で囁くような声が聞こえる。
「……マ~グダ?」
「『だ~れだ?』みたいに言うな」
答え、教えちゃってるし、そもそも分かってるしね。
振り返れば、今度こそマグダがいた。
カウンター席の椅子を移動させて、その上に立っている。
それで身長差をカバーしたわけね。
「たぶん、明日あたり、わくわくして気配がまったく消えてないどころかいつもよりも気配出しまくりのジネットが背後から忍び寄ってくるから、引っかかってやれよ」
「……うむ。店長の子供っぽいイタズラは、マグダは割と気に入っている。有り体に言えば、好き」
マグダに子供っぽいって言われてんぞ、ジネット。
そのとおりだけども。
「マグダは、やられたことあるか?」
「……ある。昔、何度か。ママ親に」
はは、しそうだな。
会ったことねぇけど。
「……答えて、正解だったら、ほっぺたをむにゅっとされる」
「それは、罰なのか? ご褒美か?」
「……ご褒美らしい。出題者に対する」
「勝手に出題してきてご褒美を要求されるのか。理不尽だな」
「……それでも、すべてを許容してあげられる器の大きさを、当時からマグダは持っていた」
ママ親が大好きだからな、マグダは。
何されても怒りゃしなかったんだろう。
「今度、俺もむにゅっとさせてもらおっと」
「……今は、おっぱいの話はしていない」
「俺もしてないんだけどな?」
マグダにそんなことしたら、メドラパンチが飛んでくるだろうが。
回避不可、防御不可、生存不可のリーサルウェポンが。
「ロレッタはどうした?」
「……寝落ち」
そりゃまた、珍しい。
マグダより先に寝ちまうなんて。
「……今日は、随所でロレッタの弟妹が参加していたから、きっといつも以上に張り切っていたのだと思う」
あぁ、いろいろ見かけたなぁハムっ子。
その度に、ロレッタは人一倍張り切ってたっけ。
「そりゃ、寝落ちするわな」
「……ロレッタは頑張り屋さんだから」
全肯定するように口元を緩めるマグダ。
微笑むってほどではないが、最近よくこの表情をするようになった。
きっと、両親が帰ってきたら、マグダは表情豊かな普通の女の子に戻るんだろうな。
心のどこかで、両親がいないまま元通りの自分になることにブレーキをかけているような気がする。
元の自分に戻ったら、もう両親はいらない――と、そんな誤解をされかねない、とか思ってそうなんだよな。
そんなことないのに。
けどまぁ、そこら辺は本人のけじめだろうから俺から言うことは何もない。
今でも十分、表情豊かになってきた方だからな。
「マグダはどこで寝るんだ? 俺の部屋にレジーナが、ジネットの部屋にはジネットがいるけど」
「……テントで寝ようかと画策中」
「スペースあるのか?」
「……ロレッタの上が空いている」
世間一般的には、それは「空いている」とは言わないんだけどな。
まったく非常識な。
普通に非常識だな、ロレッタは。
「そういえば、エリアスとルーナはテントに入ったんだっけ?」
「……そう。ルーナはフロアで寝たがっていたが、エリアスが駄々をこねた」
「妹全開だな、エリアス」
きっと、物凄く不安そうな、寂しそうな顔をしたんだろうなぁ。
で、ルーナが「しょうがないなぁ~」って付き合ってやったわけだ。
仲のいい姉妹になったもんだ。
「ノーマやナタリアは?」
「……素面」
「なら、平気か」
「……明日、陽だまり亭で打ち上げカニパーティーをすると宣言していた」
「ほっほ~ぅ、無許可で勝手なことを」
「……店長の許可は取ってある」
開催決定じゃねぇか。
休ませろよ、泊まりがけのイベントが終わった直後くらい!
「……マーシャが、明日は絶対一緒に回ると言っていた」
「東側には、マーシャが好きそうなものはないと思うけどな」
「教会がエチニナトキシンを禁止したように、海を固める薬を禁止してくれるよう頼むらしい」
なるほどな。
それが通れば、今後この国で人魚の誘拐事件なんか起こらなくなるだろう。
「じゃあ、俺からも頼んでおくよ」
「ほんと~☆ 嬉しい~☆」
見れば、フロアの向こう、陽だまり亭の入口ドアのところにマーシャがいた。
ひらひら手を振っている。
水槽を押しているのは、ミリィだ。
「今日はずっと一緒だな」
言いながら、マグダと一緒にマーシャたちの方へと近付いていく。
ガキが寝てるから、水槽で入ってこられないんだよ。
フロアに少しだけ入って、ドアを閉めるミリィ。
甲斐甲斐しい。
飼いたい。
「明日も押してくれるんだよ~、いいでしょ~☆」
「みりぃも、いっしょに回って、ぃい?」
「もちろん大歓迎だが、仕事はいいのか?」
「ぅん。お休みもらっちゃった」
んじゃ、午後の打ち上げにもそのまま参加してもらおう。
「あとね、あとね~、三十四区までのツアーにも同行してくれるんだって~☆」
「そりゃいいな。ミリィと遠出するのは楽しいからな」
「ほんと? みりぃ、お邪魔じゃない?」
邪魔なもんか。
「邪魔になりそうなルシアをどう撃退するか、今から考えておくよ」
「ぁの……るしあさん、邪魔にはならない、ょ?」
あははっ、ミリィは冗談がうまいな~。
「それで、さっきは何してたの~? 面白そうなことしてたよね~?」
「やってやろうか?」
「その手の位置が正解なら、いらないかな~☆」
おぉっと、ちょっと下過ぎたか。
目を覆うんだったっけ。
もうちょっと上に上げないと、違う二つのたわわを覆っちゃう、いや、むんずと鷲掴んじゃうところだったぜ☆
うっかりうっかり☆
「じゃあ、マーシャ、後ろ向け」
「うぅん☆ ミリィちゃんに後ろを向いてもらって、誰かを当ててもらお~☆」
「ぇ、みりぃ、何するか、よく分かってなぃ、よ?」
「いいから、いいから~☆」
マーシャがミリィの肩を押して反転させ、俺たちに無言で指示を出す。
後ろを向いたミリィの目を誰かが押さえて、それが誰なのかを当てるゲームだそうだ。
面白そうじゃないか。
押さえる役に立候補しようと思ったが、すでに人選は済んでいるらしく、そいつは粛々とミリィの目を覆い隠した。
「ぅみゃっ!?」
急に視界が塞がれ、ミリィが可愛い声を漏らす。
うむ、飼いたい!
「だ~れだ☆」
と、俺たちを代表してマーシャが問う。
もちろん、ミリィの目を塞いでいるのはマーシャではない。
それは、声のする位置からも想像がつくだろう。
「ぇっと……この指の感じは、女の人だから、てんとうむしさんじゃないし、まぐだちゃんは、もうちょっと手が小さいだろうし……マーシャさん? でも、声の位置が遠かったし…………うぅ……わかんなぃ、……こうさん」
「正解は~☆」
「私です、ミリィさん」
「なたりあさんっ!? え、いつからいたの? さっきまでいなかったよね!?」
軽くパニックを起こすミリィ。
俺も、入ってくるところを見てたのに、いつからそこにいたのか一瞬分かんなくなったもん。
分かんないよなぁ、そりゃ。
「これはいいものですね。流行らせましょう」
デボラと同じようなことを言っているが、目的が真逆だな。
美少女を背後から目隠しするとか、女子同士でなきゃ事案だよなぁ……
いいなぁ、女子同士って。
マーシャもミリィもテントで眠るということで、マグダと一緒に外に出ていった。
どんなことになってるんだかなぁ、テントチームは。
ちらっと外を覗いてみれば、閉じられたテントの向こうから――
「硬いですわ!」
「当たり前だろう、テントなんだからさぁ」
「地面をふかふかにしてくださいまし!」
「あはは、イメルダ、おもしろいなー」
――なんて声が聞こえてきた。
イメルダとデリアとは珍しい組み合わせだな。
なんだかんだで楽しそうだ。
声が弾んでやがる。
「……ちょっと寒いな」
テントの中はちゃんと暖かいのだろうか?
「風邪引くなよ~」
と、声をかけるとテントの入口が開いてデリアが顔を出した。
「あぁ、ヤシロか。大丈夫だぞ。この中、結構あったかいんだ。入るか?」
「いえ、ダメですわよ!? ワタクシ、今はこのような格好なのですから!」
「ノーマよりマシだろ?」
「ノーマさんの格好は比較するに値しない凄惨さなので除外ですわ!」
え……ノーマ、今どんな格好してんの?
素面だって聞いてたんだけど?
っていうか、これだけ言いたい放題言われて反論してこないってことは、もう寝てる?
ノーマの寝姿って、想像の中では全男子が垂涎モノの堪らん色っぽさなんだけどなぁ。
現実って、悲しいものだよね。
「エリアスも面白いよなぁ」
「おもしろくないよ~! たすけてよ~」
「あはは、仲良しみたいだぞ、ルーナ」
デリアのテントからルーナの泣き言が聞こえてくる。
なんか、がっちり拘束されて身動き取れなくなってるっぽいな、ルーナ。
エリアスがルーナを巻き込みたくなった原因はこいつらかぁ。
イメルダにノーマにデリア……まぁ、初対面でこのメンバーと同じテントとか、緊張を通り越して気絶してもおかしくないゴージャスさだもんな。
「ロレッタは?」
「あっちの、パウラたちの方だぞ」
そっか。
んじゃ、マーシャたちもそっちに行ったんだな。
「そっちも風邪引くなよ~」
と、もう一方のテントに声をかけると、入口の布をめくってマーシャが顔を出した。
「平気☆ 夜になるとね、水の中の方が温かいんだよ☆」
お前には聞いてねぇよ。
ずっと水の中にいるんだから、風邪なんか引かないだろうし。
「マーシャが風邪引いたら、水槽の水を沸かすのか?」
「あはは~☆ それは体の芯までぽっかぽかになりそうだね~」
しないっぽいな、その言い方は。
「ヤシロ、おやすみ~」
「いい夢見てね~」
マーシャの後ろから、おそろいのパジャマを着たパウラとネフェリーが顔を覗かせる。
「たぶん、フロアのどっかで寝てるから、明日の朝になったらセクシーに起こしてくれ」
「分かった~、みぞおち踏んであげるね」
パウラ、セクシーのセの字もねぇよ、それ。
「パウラ、それお父さんを起こす時のヤツでしょ?」
「でも、一発で目を覚ますよ?」
そりゃ覚ますわ。
生命の危機だからな。
つーか、そんな起こされ方してるのか、あのマスター。
気の毒に。
今度何か差し入れ持っていってやろっと。
「男物のシャツだけを身に着けて、しどけなく隣で寝てて、起きたら『おはよう』って言ってくれるだけでいいのになぁ」
「そんなの出来ないよ~。同じ布団で寝るとか、まだ早いし」
「男物のシャツってなに? ヤシロはそういうのが好きなの?」
「彼氏のシャツを着て『ぶかぶかだよ~』って言ってる女子は可愛いじゃねぇか」
「そうかなぁ……っていうか、ヤシロとじゃそこまでサイズ変わらないじゃない」
やかましいわ。
悪かったな、小さくて。
小さくないわ!
そこそこデカいからな、俺の服!
まぁ、バンザイしたらお尻丸出しになるとは思うけれども。
「丸出しでもいいぞ」
「えっち~!」
いやいや、ホントにホントに。
「ミリィなら、ぶかぶかかもね」
「みりぃ、そんなに小さくないもん」
お、パウラの後ろからミリィが出てきた。
たぶん、ゲットしたら高得点もらえるレアキャラだ。
「じゃ、ミリィさん。明日はセクシーにお願いします」
「む、むりだよぅ!?」
「よろしくお願いいたします!」
「敬語やめてぇ、てんとうむしさんっ!」
ダメだった。
「じゃあ、みんな、適当に寝ろよ」
「は~い」
「もうちょっと女子トークしたら寝るね」
「ぉやすみ、てんとうむしさん」
「なんだったら、私が朝添い寝で起こしてあげようか?」
「いや、マーシャに添い寝されるとべっちゃべちゃになるから」
起きた瞬間から全身ずぶ濡れはしんどい。
で、マグダが出てこないってことは、もう寝てるんだろうな。
早かったなぁ、寝落ちするまで。
で、もう一つ大きなテントがあり、そっちはエステラと給仕長チームが使っているらしい。
さらに、離れた場所にぽつんと小さいテントが。
そこが、ティムの寝床だ。
女子たちが風呂に入ったこともあり、俺の昔話を聞いたあと早々にテントにこもってしまったティム。
寝てるのかもしれないし、寝てないけど気を遣って閉じこもっているのかもしれない。
……一応、声かけとくか。
「お~い、起きてるか?」
「あぁ、お前さんか。まだ起きてんよ」
のそりと、ティムが顔を出す。
「酒でも飲んでたか?」
「あはは。持ってくりゃよかったとは思ったけんども、今日はやめといたよ。粗相があったら冗談じゃ済まないもんね」
「入っかぃ?」なんて、テントの幕を持ち上げるティム。
……おっさんと二人きりのテント。
「いえ、結構です!」
「気持ちいいくらいにバッサリだね、お前さん」
苦笑を隠しもせず浮かべて、ティムが出てくる。
「おぉっ、寒っ」
「ってことは、中はそこそこ暖かいのか?」
「あぁ。大したもんだよ、このテント。狩猟ギルドからの借り物なんだって? あんだってばそんな協力的なんだかねぇ。あのメドラ・ロッセルが目の前に現れた時は、肝を冷やしたけんども」
こいつくらいの年齢だと、メドラとハビエルが競うように頭角を現し快進撃を続けていた時代を知っているのだろう。
年齢もそこそこ近いもんな。
その世代にとっては、やっぱおっかないのかねぇ、狩猟ギルドのメドラ・ロッセルってのは。
「メドラは、ウチのマグダが大のお気に入りだからな。いろいろ融通してくれるんだ」
「マグダっていやぁ、あの可愛らしいトラ人族の女の子かい? 何か特別な子なのかい、あのお嬢ちゃんが」
「狩猟ギルド、期待の若手だからな」
「あの小さい女の子が狩猟ギルドなんかい!? しかも、期待の若手って……盛り過ぎだべ、いくらなんでも」
いや、マジでマジで。
「アルヴァロって若手を知ってるか?」
「あぁ、次世代を担うって言われてる、ビャッコ人族の青年だろ? 見たことはないが、噂は耳にしてるよ」
そんなすごいのか、アルヴァロ。
ただの負けず嫌いなお子様メンタルなんだけどな、実体は。
「そのアルヴァロに、一対一の勝負で勝ったんだぞ、マグダは」
「ホントかぃ、それ!?」
「『精霊の審判』をかけてみるか?」
「いや、かけねぇけんども……はぁ~、あの可愛い女の子がねぇ」
まぁ、大食い大会で、だけどな。
「今日は一日、驚いてばっかりだ。……よかったよ、視力が今日までもってくれて」
ふと、寂しげに口元を歪めて、ティムは諦めたように呟く。
「いいものがいっぱい見られた。明日視力を失っても、今日見た景色は何度も思い出せる。あたすは幸せもんだ」
すっかり諦めたような口調だが――
「それじゃあ、明日はもっと驚く一日になるぞ」
レジーナが大丈夫と言ったんだ。
お前の目は治るよ。
「お前とは、まだまだ長い付き合いになるだろうから、覚悟しとけよ」
「ん? ははっ、そりゃあ光栄っつーか、ちょっと怖いっつーか、複雑な気持ちだなぁ」
あははと笑い、ティムが髪を撫で上げる。
「けんどまぁ、爺さんになってもお前さんと話が出来るなら、きっと退屈しない老後になるんだろうなぁ」
「引退してるヒマもないくらいに、忙しい生活を送らせてやるよ」
「いや、それは迷惑だかんね、はっきし言って」
「遠慮するなって」
「遠慮じゃねぇーから、悪ぃけんども!」
「体が動くうちはずっと現役だって、俺の故郷の悪徳企業が言ってたぜ☆」
「悪徳企業の受け売りとか、やめれってばよ!」
「年配の方も活躍できる、アットホームな会社です」
「年寄り酷使しますって意味にしか聞こえねぇって、それ!?」
そんくらい忙しくなる。
お前の周りも、自然とな。
教会は変わる。
それに伴って、お前や、お前が守ってるガキどもの環境も変わる。
その上、三十三区も巻き込んで外周区は大きく変わる。
「感傷に浸ってるヒマなんかなくなるから、覚悟しとけよ」
そう言ってやれば、ティムがこちらを見て止まる。
サングラスの向こうの目は、きっとまん丸く見開かれていることだろう。
「お前さんが言うと、なんかそれがそのまんま実現しそうで怖ぇ~やね」
実現するっつーか、実現させるんだよ。
その方が、都合がいいんでな。
「帰ったら領主に言っといてくれ。俺の話が聞きたいなら、美味い米と秘蔵の酒を持ってこいってな」
案外酒好きが多いからさぁ、この辺。
「領主様にそんなこと言えるわけなかんべよ……ったく」
ざり……っと、夜になって伸びてきた無精髭を撫でて、ティムは小さく笑う。
「けどまぁ、ついでにチラッと言うだけ言ってみるよ。押しかけてこられても、自己責任だかんね? クレームなんて寄越すなよ?」
そういう領主なんだな、三十三区は。
なら、話が早そうだ。
外での立ち話も、寒さが限界なのでこの辺で切り上げる。
俺も寝てしまおう。
「ほい、これ」
「なんだい?」
「ハビエルが、必要なら使えってくれた、秘蔵の酒(小瓶)だ」
それは、20ml程度のちょっとした酒が入った小瓶で、ブラザーが陽だまり亭に泊まることで何か問題が起こりそうなら使えと渡してくれていた切り札的なアイテムだ。
「お前が駄々こねたら飲ませて、寝かせちまえってさ」
「どんな人間だと思われてんだ、あたすは……けどまぁ」
差し出した小瓶を手に取り、ティムは嬉しそうに頬を緩める。
「なんか嬉しいこと言ってもらったし、今ちょっと飲みたい気分だったから、ありがたくもらっとくよ」
ニカッと笑って、テントへと帰っていくティム。
一杯引っ掛けて、さっさと寝るのだろう。
じゃあ、俺も寝よっと。
テントからはまだ女子たちの賑やかな声が聞こえてくる。
イメルダが大はしゃぎしているっぽい。
そんな声を耳に、俺はフロアへと戻る。
開け放っておいて開放的に――とか一瞬思ったんだが、いかんせん寒い。
夜の四十二区は冷えるのだ。
ドアを閉めて、ガキどもを起こさないようにフロアの中程へ進む。
一個だけポッカリと空いた、無人の布団。
ここが俺のスペースらしい。
なにもこんな真ん中に用意せんでも、端っこでいいのに。
布団に入るとひんやり冷たい。
しまったな。
ハム摩呂でも入れておけば、布団が温まっていただろうに。
「……寒っ」
掛け布団を肩まで引っ張り上げて、まぶたを閉じる。
いろんなことがあり過ぎて、まぶたの裏に今日あった出来事が早回し映像のように流れていく。
脳が猛スピードで情報を整理しているようだ。
今日は張り切っていい子ちゃんを演じていたので、胃の辺りがキリキリする。
明日、シスター連中が帰ったら、思いっきり悪いことをしよう。
スカートめくりくらいなら許されるはずだ。
今日積んだ分の徳を全開放すれば、懺悔も免れるに違いない。
体は疲れているのに、脳が情報整理に時間を食って少々落ち着かない。
体は寝たいのに頭がフル回転しているこの感じ。
クルージングの時もあったが、こういう時は金縛りに遭いやすい。
なので、体が電源を落としてしまう前に、一度起き上がって、脳が落ち着くのを待った方がいい。
……あんな怖い経験、もう二度としたくないからな。
幸い、まだ指先も動くし、意識もはっきりしている。
体が眠りに落ちるよりも早く決断できた自分を褒めてやりつつ、ゆっくりとまぶたを開けた。
髪の長い女が、枕元に立って、俺の顔を「じぃ~…………」っと覗き込んでいた。
「あんぎゃ――――っ」
「お静かに」
悲鳴を上げかけたが、瞬時に口を押さえ込まれ声が出なかった。
「私です」
見れば、それはイネスだった。
び…………びびったぁ……
てめぇ、ふざけんなよ、このやろう、いねす、こらぁ。
こわすぎて、ひらがないがい、ぜんぶわすれちまっただろーが、おいぃー!
「もごもごご」
「何してる?」と言いたかったのだが、口を押さえられているのでしゃべれない。
視線でイネスに訴えかけてみれば、イネスは一度「こくり」と頷き、身を屈めて、横になっている俺の耳元に口をそっと寄せて、囁くような声で言った。
「だ~れだ?」
いや、お前だわ!
面と向かってやるヤツ初めて見たわ!
あと押さえるところは口じゃなくて目!
「……何がしたいんだ、お前は?」
「いえ、以前お泊まりした時に楽しかったことを、もう一度させていただこうかと思いまして」
楽しかったこと?
「あなたが眠りに就くまで、寝顔を拝見させていただこうと」
「……それが、なんで枕元に立って……あぁ、ガキがいるからしゃがめなかったのか」
「はい。空いているのが、コメツキ様のお布団だけでしたので、立っているか潜り込むかの二択を迫られまして――」
誰も迫ってないけどな、そんな二択。
まぁとりあえず、潜り込むのを思いとどまってくれてよかったよ。
「――結論が出る前に発見されたと、そういうわけです」
思いとどまってなかったようだな、どうやら。
お前が潜り込んできても、俺が懺悔させられることになるんだから、やめろよ、マジで。
「一度二階へ伺い、あなたのシャツを借りて、『彼シャツモード』で潜り込もうかどうかを検討中です」
「今すぐ破棄しろ、その検討――」
「結論が出ました、着てきます」
「はい、ストップ!」
俺が言い切る前に行動を起こしかけたイネスを止める。
よく止められたと、自分で自分を褒めてあげたい。
今まで生きてきた中で、一番幸せです。
超気持ちー!
と、なんかオリンピック選手の名言が脳内に浮かんでは消えていった。
これが、アスリートハイ?
「ガキもいるから、妙なことはするな」
「では、二人きりの時に」
「それはそれで問題になるから、自重しろ」
「じ、……ちょう?」
「なんですっかり忘れ去ってんの!? 必要だよ、『自重』!?」
怖いわぁ。
マーゥルのとこに行くようになってから、こいつのアグレッシブさ、磨きかかってる気がするわぁ。
というわけで、全部ゲラーシーが悪い。
「……老け顔綿菓子め」
「ぷーっくすくす。我が主に失礼ですよ?」
「初っ端に笑っといて、それはねぇよ」
巻き返せてないから、忠誠心。
イネスが立ったままなので、俺は体を起こし、半分空いた布団のスペースをイネスに勧める。
「ちょっと話したら、テントに戻って寝ろよ?」
「特技は寝落ちです」
「叩き出すぞ」
「負けません」
うん。
勝てません。
まぁ、いざとなったらデリアあたりに頼むけどな。
「失礼します」
と、布団の空いたスペースに腰を下ろすイネス。
……ん?
ちょっと、指先が震えて……?
「緊張してんじゃねぇよ」
「しますよ。殿方の布団に招き入れられるなど、生涯で初めての経験なのですから」
「ガキどもの前で語弊を生むような発言をするな」
突っ立ったままだと怖いから座らせただけだ。
「……ぬくいですね」
「それはな、俺が体力の半分くらいを削られつつ生み出した安息の地なんだぞ」
冷たい布団に入った瞬間、人はHPの半分を奪われるのだ。
その代わり、そのHPと引き換えに温まった布団は、夜の間ずっと温もりを守り、翌朝まで布団の中を快適空間にしてくれる。
ただし、寒い朝には非常に堅牢な牢屋となる。
脱獄不可能なほどのな。
「デボラ共々、今日はご苦労だったな」
「いえ。楽しかったですよ」
「でも、助かったよ」
「そうであるなら、嬉しいですね」
音もなく、静かに笑うイネス。
笑い声ですら、他人の邪魔をしない徹底ぶり。
こいつやデボラが大声で笑い転げる様も、ちょっと見てみたい気がするけどな。
ナタリアは、結構笑い転げてるし。
特に、エステラがオイシイ状況になっている場面で。
「今回はゲラーシーから指示が出たのか? それともマーゥルが?」
「ゲラーシー様です。本当は、御本人が物凄く参加されたがっていましたが、マーゥル様に止められておられました」
「よくやった……と、言いたいが、止めた本人が参加してたじゃねぇか」
「ですので、二人も参加すると悪目立ちをするから――と」
ヤダ、あのオバサン、目立ってないつもりでいる!?
……めっちゃ目立ってるから。
何かやる度に注目されてるからな?
「これは、おそらくデボラさんも同じ意見だと思うのですが――」
空気すら揺らがないような静かな声で、イネスがとんでもないことを言う。
「――いざとなれば、我が区は十一区に攻め入るという選択肢も用意しています」
……ホント、とんでもない話だ。
「戦争なんかしたって、誰も得はしねぇよ」
「私は多少スッキリする気がしますが……主様も、それは極論であるとおっしゃっていました」
「……ちなみに、どっちの?」
「思慮の深い方の主様です」
マーゥルね。
もし、薬師ギルドなり、十一区領主のハーバリアスが極端な行動を起こせば、ウィシャートの時のように徒党を組んで攻め入る覚悟があると……
それを、俺に伝えんじゃねぇよ。
エステラにでも言え、そういう物騒なのは。
「そうならないよう、うまくバランスを取ってくださると、信じていますよ。主様も、私個人としても」
「期待が重た過ぎて、Gカップ美女の気持ちがちょっと分かりかけたぜ」
「Eでも、そこそこ重いですけれどね」
張り合うな。
触れもしない胸を、これみよがしに見せつけるな。
「まぁ、一応は聞いたってことで、エステラにも伝えとくよ」
「そのつもりだけはあると、お伝えください」
「へいへい」
俺もエステラも、全面戦争なんか望んでねぇっつーの。
「本日も、子守唄が必要ですか?」
「いや、ガキどももいるから、今日はさっさとテントへ戻れ」
「むぅ~……」
「可愛い顔してもダメ」
膨れるな、いい大人が。
「任務達成の褒美とか言って、また泊まりに来ればいい。任務のないお泊まり会は、気楽でいいぞ~」
そう提案すると、イネスは目を見開き、数瞬後、にんまりと口元を緩めた。
「それは、とても魅力的な提案ですね。デボラさんと相談して、報酬を勝ち取ってきます」
言い終わると、すっくと立ち上がり、こちらに向かって深く頭を下げる。
「では、おやすみなさいませ」
軽やかに言って、軽やかにスキップしながら、軽やかにガキどもをうまいこと避けて、軽やかに外へ出て、軽やかにドアが閉まる。
ドアが閉まる時「かろ~ん」って音がしたかと思った。
「……はしゃぎ過ぎだ」
「お兄ちゃん、他所の区の人にもモテモテ」
声がした方へ視線を向ければ、ヤギ耳の少女が鼻から上だけを布団から出して俺を見ていた。
見てんじゃねぇよ。
さっさと寝ちまえ。
「懺悔、する?」
「するか」
変に目が冴えてしまったらしいヤギ耳少女の隣に言って腰を下ろし、――隣はハム摩呂か。なら座っても平気だな――しばらく寝物語を語って聞かせてやった。
小娘が、いっちょ前にヤキモチ妬いてやんの。
今日だけ特別に甘やかしてやるから、さっさと寝て……明日になったら余計なことは何も言わずに教会へ帰れ。
エステラとかルシアに知られたら、無罪で懺悔を言い渡されかねないからな。
俺、むしろ褒められるくらい紳士的だったのになぁ。
理不尽だわぁ、精霊神の見守る国って。
あとがき
めりーくりすます!
\(≧▽≦)/
あなたの心にホーリーナイ☆宮地です
いやぁ、この一週間この\(≧▽≦)/顔文字
使いまくりました☆
そのお話は、またあとでということにして、
まずは本編!
デボラに負けていられない、イネスのターン!(笑)
私思うんですけど、
モテる人って、
やってほしいことをきっちりとやってくれる人だと思うんですよね~
お約束というヤツが大事なんですよ、きっと。
前半は、陽だまり亭チームと和気あいあいと戯れて、
後半はよその区の人とあれやこれやして
なかなか忙しくも充実した内容になったのではないかと
まぁ、物語はさほど進んでおりませんけれども!
とりあえず、イネスの方がデボラよりも一回多く陽だまり亭に宿泊している影響か
デボラよりも壊れ方が一歩進んでおります(笑)
イネス「じ、……ちょう?」
これが、今回一番書きたかったことです
(*´▽`*)嘘ですけどね☆
実際、「だ~れだ」ってされたことありますか?
メッチャ怖いですよ?
「ぬっ!」と手が出てきて、背後から「だ~れだ?」って声が耳元でして
ビックリして「うわぁっ!?」って目を覆う手を振り払って振り返ると――
誰もいないんです。
……アレはい一体、何だったんでしょうか?
――スタジオ
MC「いやぁ、怖い体験談でしたね。では、霊能力者のオオウソ・コキマロ先生に解説をお願いします。先生、これは?」
コキマロ「あぁ、これは質の悪い浮遊霊がですね『飛ばない浮遊霊は半額セールの豚だ』って訴えかけてきてるんですね」
MC「『タダの豚』ではないんですね」
コキマロ「タダではないですね。半額です」
MC「なるほど、恐ろしいですね」
コキマロ「うん、恐ろしいですね。知らんけど」
みたいなことが、みなさまも経験あるんでしょうか。
私はないです。
ただ、小学生のころでしたかねぇ、
「だ~れだ」ってやろうとした後ろの席の男子に目を突かれたことはあります。
涙って、止まらなくなるんですね☆
……あのヤロウ。
「だ~れだ」は計画的に☆
恋に落ちちゃう危険もあるからね☆
m9っ(☆>ω・)うぉんちゅっ!
はい、というわけで、
皆様、ご覧いただけましたでしょうか!?
異世界詐欺師2025クリスマスSS『ミリィ☆クリスマス』!
SS置き場に置いてあります。
一応リンク張っておきます。
まだ見てないよ~という方、是非ご覧ください☆
ミリィ☆クリスマス
https://ncode.syosetu.com/n3697ct/535
そして、それに合わせて公開いたしました
『異世界詐欺師のなんちゃって経営術』初の主題歌(SSだけども)!
『みりぃからのメリークリスマス』
https://www.youtube.com/watch?v=0Z3fE8krXy8
ミリィが歌って踊る、大変可愛い癒し系動画となっております、
まだご存じない方は是非ご覧ください!
画面からあふれ出てくるマイナスイオンが視認できるかと思います!
Σ(・ω・ノ)ノ!こんなにあふれ出てくることある!?
想像以上に反応をいただきまして
嬉しい限りです
ありがとうございます!
えっと、ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、
Xとか、こちらの活動報告とかで
カウントダウン告知を行いまして、
5日前から始まりまして、
最初は『トナナカイちゃん』というトナカイの妖精(ケンタウロス族)というイラストを公開しまして
この時点では「なんじゃこれは?」という状態だったと思います。
まぁ、「MerryChristmas」って書いてあるから、クリスマス系なんだろうなということは分かったかもしれませんが
まぁ、「なんのこっちゃ」だったんですね。
そして翌日、雪だるまの『ユキィ』のイラストを公開しました。
まぁ、雪だるまだから『ユキィ』なんだろうなと、そんなもんかと思うんですが、
実は! ここから伏線が!
そして翌日、クリスマスツリーの『ツリィ』のイラストを公開しまして
その翌日!
満を持して『ミリィ』のイラスト公開!
そうなんです!『ユキィ』『ツリィ』『ミリィ』と、
みんなミリィを想起させるお名前になっていたんです!!
(≧▽≦)/
気付かれた方いませんかね!?
いなかったっぽいですけども!
まぁ、この時期お忙しいですからね
宮地のことにそこまで頭の要領割いていられなかったのでしょう
そもそも、今年はクリスマスSSやる予定ではなかったんですね。
ただ、11月末ころに、
とても熱量の高い長いメッセージをいただきまして
ありがたいなぁ、嬉しいなぁと感動しまして
その内容が「ミリィ、テレサ、シェリルが好き!」
という内容でしたので、速やかに通報を――
宮地「もしもし、お巡りさん? この人です」
お巡りさん「いや、お前だよ、お前」
宮地「いや、私じゃなくて」
お巡りさん「いや、お前もだよ、お前も」
宮地「ちっ、話になんねぇコイツ!」(ガチャン!)
まぁ、通報とか、しませんけどね☆
で、ですね、
幼女組は早口言葉好きで、そういうのが可愛いですよね~みたいなお話でしたので、
じゃあ、幼女たちが早口言葉するちょっとしたSSを付けてお返事書くか~って
本当に短い、一言ずつキャラがしゃべるようなSSを考えたところ――
イメージ広がっちゃいまして
(〃´∪`〃)ゞ
で、クリスマスSSが一本出来ちゃいました☆
お返事には別のSSを付けてお返しして、
そのSSは別で公開ということになりまして
これが11月末で
で、いつもサポートしてくれている『のわさん』という方に
この話をして、SSの内容と誤字チェックをしてもらったところ
のわさん「曲作った」
宮地「どうした、急に!?」
のわさん「あとMV作る」
宮地「この年の瀬に仕事を抱え込もうとしている!?」
のわさん「ミリィたん、マジ天使」
宮地「お巡りさん、この人もです!」
という怒涛の展開で
今回の『みりぃからのメリークリスマス』が完成したんです。
二週間くらいですかね?
生命活動に必要な時間以外、ほぼすべての時間を費やして制作されたMVなんです、実は
いつ見に行っても机の前にいましたからね
物凄い熱量で制作していただきました
皆様、是非とも何度も見て
何度でも癒されてください☆
ちなみに、トナカイがトナナカイになったのは、
ミリィが言えてないっていう、ちょっとしたギャグです☆
え、その時の私ですか?
『パイオッツァー』作ってました☆
活動報告にも、そんなことを書いたらですね
ミリィのついででちょっと閲覧数増えまして(笑)
ありがとうございます(*´ω`*)
数日前まで、考えてもいなかったことを全力でやり始めて
こうして結果として世に出せている現状
なんか、すごく楽しいです!
お付き合いいただいた皆様には感謝しかありません
年末年始、連休でお時間とか出来ました際は、
また覗きに来ていただければ嬉しいなと
この後も、実は動画系で計画していることがありまして
ご興味ある方には是非ご覧いただきたく、
ご興味ない方にも、出来ればチラ見していただければな~と
(*´ω`*)思っております
異世界詐欺師、今後もまた何か面白そうなことを思いついたら
どんどんチャレンジしていきますので
引き続き、飽きず呆れず
お付き合いくださると嬉しいです!
\(≧▽≦)/
とりあえず、今回一緒に盛り上がってくださった皆様に感謝を
ありがとうございます!
そして、メリークリスマス!
次回もよろしくお願いいたします。
宮地拓海




