356話 しゅわしゅわ、すべすべ
エステラとの話を終え、昨日張ったままになっていた湯を再利用して風呂を沸かす。
テッポウ風呂の釜に薪を放り込んでしばらく放置する。
「涙の跡は消えたか、お嬢様?」
「う、うるさいな……いちいち言わないでよ。もう……」
俺が風呂を沸かしている間、エステラは脱衣所で休んでいた。
泣いてしまったので、顔と心を落ち着かせるために。
「洗ってくるか?」
「そうだね。水道を借りるよ」
ここで言う『水道』は、川から直接水を取り入れるための水路のことだが、コックを捻れば水が出てくるのは同じだ。
桶に冷水を汲み、エステラはそれで顔を洗う。
泣いてしまった照れもあるのだろう。バッシャバッシャと豪快に水を顔にぶつけている。
あ~ぁ、髪が濡れてんじゃねぇか。
「ほら、タオル。アライグマでももうちょっと静かに洗うぞ」
「そうかい? 川で見るオメロは、いつもこれ以上に水しぶきを上げているよ」
「……それは単に溺れてるだけだろう」
川で見かけるオメロは大抵死にかけてるからな。
「まぁ、おかげでなんとか気持ちの整理が出来たよ。……その……ありがと、ね」
うぐっ……なんか、素直に礼を言われると、ちょっと照れるな。
というか、このモードのエステラは、ちょっと卑怯だ。なんだその上目遣い。わざとか!?
「ま、それは全部が終わってからだな」
「ん。……だね」
へへへっと笑う。その角度だよ!
え、なに? 計算してんの!? 鏡の前で猛練習とかしてきたの!?
見せ方知ってるねぇ~!
思わずキュンときちゃうところだったよ! ギリセーフだったけどな!
領主から一人の女の子に戻るふとした瞬間を、あんまり俺に見せるな。心臓への負荷がすごい。
「とりあえず、厨房に戻るか」
「そうだね。ジネットちゃんに心配かけちゃうし」
風呂場のドアを解錠し、ドアを開けて廊下に出る。
「朝から浴場で欲情ですか? いやらしい」
「「ぅぉおううわぁぁはぁああ!?」」
ドアを出たすぐ目の前にナタリアが立っていた。
……びっ、びっくりしたぁ!?
「きゅ、急に出てきて変なことを言わないでくれるかい!?」
「では、ゆっくり出てきて卑猥なことを言いましょう。出直します」
「出直さなくていいよ!」
「【自主規制】ーっ!」
「卑猥なことを言うな!」
早朝から元気な主従漫才が繰り広げられている。
……けど、心臓がバクバクいってて、正直それどころではない。
だってさ、話をするだけだって分かっていてもさ? 鍵をかけた密室でさ? それも風呂場だぞ? 脱衣所で女子と二人きりって密室でさ……意識するなって方がムリだろうが!?
いくら他に適当な場所がなかったとはいえ!
実は地味ぃ~に緊張してたっつーの!
そこから解放されたと思った瞬間のナタリアだぞ?
心臓「ぱぁーん!」って言ったよね! 確実に言ったよね!
「それで、お風呂場で一体何を?」
朝起きたらエステラがいなかった。
それでナタリアは心配していたのかもしれない。
エステラの異変は、そばにいたコイツなら気付いていただろうし。気にはかけていたのだろう。
でも、エステラとしても自分の弱みをナタリアに見せるわけにはいかないと思っていたんだろうな。主が弱気になっていると従者は一層努力を強いられるからな。
話してやれば、ナタリアも喜ぶと思うけどな。
「他の人が起きていない早朝にこっそり起き出して、わざわざ鍵までかけて、密室の中で二人っきりで……何をなさっていたんです?」
「なっ、なにも変なことはしてないよ!?」
「おやおや、髪の毛が濡れているようですが……混浴ですか?」
「しっ、してるわけないだろう、そんなこと!?」
「なるほど、未遂と」
「試みてないから!」
ほら、秘密にしてるからそーやっていじられるんだよ。
いじけてるんだよ、ナタリアは。
「なぁ、ナタリア。もしエステラが『ウィシャートマジムカつく。ぶっ殺す』って言い出したら、お前はどうする?」
「そうですねぇ……」
と、一瞬だけ考える素振りを見せ、最初から出ていたのであろう回答を口にする。
「エステラ様のお手を汚す前に、私が手を下します。お望みとあれば、エステラ様の目の前で」
ナイフを抜き、その刃よりも鋭い目つきで。
ナタリアなら、さぞエグい拷問もやってのけるんだろうなぁ。怖い怖い。
「ありがとう、ナタリア。君は本当に頼りになる従者だよ」
「当然です。私は、エステラ様の望みを叶えるためにお側にいるのですから」
「でも、君に手を汚させるようなことはしないよ」
「足でも仕留められますが」
器用に足の指でナイフを挟んでみせるナタリア。
いや、すげー器用だな、お前!?
「うん、そーゆー意味じゃない」
「まさか……お尻で!?」
「違う!」
「一応出来ますけれども!」
「挟もうとしなくていいから! ナイフしまって! すぐに!」
取り出したナイフを尻に近付けるナタリアの腕を拘束するエステラ。
……出来るのかよ、ナタリア。え、なに? 練習したの?
「ウィシャートは必ず、この尻で!」みたいな場面が来る可能性あると思った?
ねーよ!
「もし、少しでも不安を感じることがあるならば、なんなりと申し付けてください。――必ずや、私がエステラ様の憂いを晴らしてご覧に入れます」
エステラの前に膝を突き、恭しく頭を下げるナタリア。
髪の一本まで、すべてが洗練されているような完璧な所作。
ナタリアが心からエステラを大切にしていることが、はっきりと分かる。
言葉なんか必要ないんだな、絆を示すのは。
エステラにもしっかりと伝わったのだろう。
「分かった。次からはそうするよ」
ナタリアに話せないでいたことを詫びた。
変なところで「迷惑かけたくない」なんて遠慮するくせがあるからな、エステラは。
特に、今回のような大事になればなるほど、な。
こういうことを一つずつ超えていって、大きく成長していくのだろう。
「それじゃあ、一つボクの憂いを晴らしてくれるかい?」
そして、乗り越えた先ではまた冗談が言い合えるようになるのだ。
「うちの給仕長がお尻にナイフを挟もうとするんだけれど、この憂いをどうにかしてくれるかい?」
「かしこまりました。思うに、エステラ様も同じ状況になれば仲間意識が生まれ、憂いは消えるかと思われます」
「いや、消えないよ!?」
「さぁ、一緒に挟みましょう!」
「挟まないよ!?」
「憂いを晴らすために!」
「努力の方向性っ!」
努力の方向音痴がここにいた。
「あ、みなさん。お話は済みましたか?」
廊下で騒いでいると、ジネットが厨房から顔を出す。
「おう。もう済んだから、仕込みを手伝うよ」
「はい。お願いします」
「あ、そうだ。エステラ、腹は?」
「最近、気の緩みから若干ぽっこりと……」
「し、しし、してないよ!? まだ平気だよ!」
「そうじゃなくて、減ってないかっつってんだよ」
「私は空いています!」
「ボクが聞かれたの! なんで全部先に答えちゃうかな!?」
主の憂いをすべて晴らすと言った給仕長が主を差し置いてぐいぐい来る。
相談してくれなかったことを地味に怒っているようだ。
「ジネット、仕込みの進捗は?」
「今はお芋の皮を剥いたところです」
「じゃあ、それはポテトサラダにしよう」
「ポテトサラダですか?」
「今日は簡単な朝食にして、仕込みの手を抜いちまおう」
「何を作るつもりなんですか、ヤシロさん?」
ジネットの目がキラリと輝く。
そんな期待するようなものではない。
すっごい簡単なものだ。
「ポテサラとハムエッグ。あとは、ホットケーキでも作ろう」
「ホットケーキ……を、朝食に、ですか?」
陽だまり亭では、ホットケーキの類いはおやつ扱いだからな。
「ちゃんと主食にもなってくれるぞ」
「朝からホットケーキだなんて、子供たちが喜びそうですね」
教会のガキどもはなんだって喜ぶさ。お前の料理ならな。
「では、準備をするものは何かありますか?」
「ホットケーキにかけるフルーツソースくらいかな」
「なんだか、楽しい朝食になりそうですね」
フルーツを取ってきますと、ジネットは廊下を進んで食料庫へ向かう。
「ヤシロ」
名を呼ばれて振り返れば、領主と給仕長がそっくりな顔でこっちを見ていた。
「ボク、お腹空いた!」
「すみません、意地汚い主がお腹を空かせておりますので、大至急二人前お願いします」
ま、全員で教会に行って飯を食うには談話室は狭いからな。
先に陽だまり亭で食っていけばいい。
じゃ、味見もかねて、先行試食会でも始めますかね。
オールブルームにおいて、『パン』とは、小麦を原料とし石窯を使って焼いた食べ物のことである。
小麦粉を使っても、フライパンで焼けばそれは『パン』とは呼ばない。
なので、日本では『パンケーキ』と呼ばれるものも、この街では『ホットケーキ』と呼んでいる。
リコッタパンケーキもリコッタホットケーキだし、スフレパンケーキもスフレホットケーキだ。
とにかく、教会に目を付けられると面倒くさいので『パン』という名称は避けるに限る。
「ジネット、牛乳ってあるか?」
「今日はまだ買いに行ってませんね」
牛乳は、アッスントに言って届けてもらうか、東側の奥の方にある牧場まで買いに行くのが普通だ。
アッスントを叩き起こして届けさせるより、買いに行った方が早いだろう。
牛乳に関しては、早朝に欲しいという者が多いため、特別に直売が認められている。
日持ちしないからなぁ。
ただし、配達するのは禁止されている。
それをやるなら行商ギルドを通せということだ。
というか、領主の許可のない場所で商品の売買が出来ないというルールに抵触するのだとか。
……面倒くせぇ。
「では、私が買ってきましょう」
「結構大量になるぞ」
「まぁ、荷車があれば大丈夫でしょう」
「重くはありませんか?」
「それなら、アタシが付いていってやるさね」
ゆらりと、ノーマが厨房へやって来る。
おぉ~っ、寝起きのちょっと気だるげなノーマ! いいねっ!
「ノーマさん、おはようございます」
「あぁ。おはようさん」
あくびを噛み殺し、ノーマがジネットと朝の挨拶を交わす。
俺も朝の挨拶をしておこう。
「ノーマ、おっぱいよう」
「挨拶が視線に引き摺られ過ぎさね。……てか、見過ぎさね!」
こつんっと、煙管でデコを突かれる。割と強く。
だが、その程度で許してもらえるならば見る! なお一層見る!
「次はグーが出るさよ?」
「よし、やめておこう」
獣人族のグーは、そこらの重機より恐ろしい。
サスペンスでお約束の凶器、ごっつい花瓶やゴテゴテしい灰皿よりも殺傷能力は高いに違いない。
「ノーマさん。ここに寝間着の跡が」
と、ナタリアがノーマの谷間を指さして言う。
ナタリアは見てもいいのかよ!?
ズッル! 贔屓だ!
「眠る時に寝間着などを着るから跡が残るのですよ?」
「アタシは今、何を説教されてるんかぃね?」
「まさか、ナタリア。ルシアさんやイメルダがいる部屋で全裸になってないよね?」
「さぁ、牛乳を買いに行きましょうノーマさん」
「答えて、ナタリア! ナタリアー!」
するりと、エステラからの追求を逃れて、ナタリアがさっさと外へと出て行く。
「では、ノーマさん。こちらで、大きなミルク缶を二つお願いします」
ジネットがノーマに金の入った布袋を渡す。
東の牧場で売っている牛乳は鉄製のミルク缶に入れて持ち帰る。
取っ手と密封性の高い蓋の付いた缶で、使用後に返却をすると大きさに応じた金を返してもらえる。
というか、最初に缶代も取られてると言うべきか。
昔の瓶ジュースみたいなノリだな。
一番大きなミルク缶は5リットル入るデッカいヤツだ。
ホットケーキ一人前で牛乳を100ml使うとして、今陽だまり亭にいるのが、ジネットの部屋から順に――
ジネット、エステラ、マグダ、レジーナ。
ロレッタ、パウラ、ネフェリー、マーシャ、ミリィ。
ノーマ、デリア、カンパニュラ、テレサ。
ルシア、ギルベルタ、イメルダ、ナタリア。
で、俺、ウーマロ、ベッコ、ハムっ子が四人……うわ、二十四人もいる。
その上、教会へは毎日三十人前の寄付をしてるから……それだけで5リットルオーバーか。
ホットケーキとなれば、ガキどもがおかわりをするだろうから、10リットルはないと不安だな。
さすがジネット。なかなかいい読みだ。
「あと、卵も結構使いそうだな」
「じゃあ、私が家から持ってきてあげる」
ひょこっと、ネフェリーが顔を出す。
「ネフェリー、さすがに早いな」
「えへへ。毎朝ニワトリより早く起きてるからね」
ニワトリより早く?
え、お前ニワトリじゃん?
ボスニワトリじゃん?
「ヤシロが朝食作ってくれるの?」
「ホットケーキだけどな」
「わぁ、なんだか美味しそう。それじゃあ、どれくらい欲しい?」
「一人前で一個」
「えっと……デリアとシスターがいるから……大変、物凄く必要!」
「いえ、卵は買ってあるものがありますから。それにアッスントさんが今朝も持ってきてくださいますし」
「それで足りるの? 朝食でなくなっちゃわない?」
「それは………………」
なくなるだろうな。
親子丼とか、結構卵使うから、もらえるものはもらっておこう。
「悪いが三十ほど頼む」
「うん。任せて」
「あの、これお金です」
「あ~、大丈夫大丈夫。泊めてもらったし」
「そういうわけには」
「じゃあ、アッスントにあとで払っておけばいい」
アッスントのところに卸した卵を陽だまり亭で購入する。
その工程だけすっ飛ばして先に商品を受け取る。『見なし売買』とでも言うか。
「無料でもいいのに」
「じゃあ、十個くらいおまけしてくれ」
「うん。分かった。それじゃそうするね」
さすがに卵を五十個無料ではもらえない。
友達だからこそ、そこら辺の線引きは必要なのだ。
必要なんだぞ、ジネット。
なんでもかんでもほいほい店の料理を食わせちゃいけないんだぞ!
分かったか、ジネット!
「それじゃ一緒に行くさね、ネフェリー」
「うん。上着は……いらないよね?」
「今朝は穏やかで気持ちがいいさね。そのままで大丈夫さよ」
数日前までの寒さが嘘だったかのように、最近は朝夕ともに気温が下がらない。
ちょっと涼しいかな、くらいの気候で非常に過ごしやすい。
「じゃあ、連中が戻るまでこっちはポテトサラダとフルーツソースの準備だ」
「はい。エステラさん、お手伝いをお願いしますね」
「うん。任せて」
「よし、任せた!」
「だからって丸投げはしないように!」
本当にお手伝いくらいしか出来ないからな、エステラは。
とりあえず茹でる芋の番でもさせておく。
俺とジネットでジャムを作りつつフルーツをカットしていく。
三種のベリーのソースと、フレッシュフルーツのスライス。
あとは生クリームをホイップして、蜂蜜とバターでも用意しておけばいいだろう。
「ヤシロ。予想なんだけどね……絶対美味しいよね?」
「ま、ガキどもとデリアとベルティーナは喜ぶだろうな」
「味見が必要ならいつでも言ってね」
「ジネット。ベルティーナに感染したヤツがここにいるぞ」
「うふふ。美味しいお料理の前では、みなさんそうなりますよ」
人類総ベルティーナ?
ヤバイ、食物が食い尽くされる!
俺は思うんだ。
戦争の準備を始めた国の食料庫にベルティーナを放てば、きっと戦争は回避されると。
食い物がなければ、戦争どころじゃなくなるからな。
「では、エステラさん。そろそろみなさんを起こしてきてくださいますか?」
「えっ、ボクが!?」
たぶん今、エステラはマグダを思い浮かべたのだろう。
普段、起こしてくると言えば、マグダくらいしかいないもんな。
そして、その『起こす』ってのがえらく大変なんだ、マグダの場合。
「ボク、『起こしに行く』のってマグダとヤシロだけだからさ……苦労した思い出しかないんだよね」
アホたれ。
俺なんか寝起きいい方じゃねぇか。
「その間、美味しい朝ご飯を作って待っていますから」
「しょうがないね。ジネットちゃんのお願いなら断れないや」
マジでか!?
じゃあ、ジネットが「ヤシロさんにシルクのパンツをあげてください」ってお願いすればくれるのか!?
よし、試してみよう!
……ただ、どうやってジネットにそのお願いを了承させるかが問題だが。
「まず、カンパニュラとデリアを起こして、カンパニュラにマグダを、デリアにギルベルタを起こしてもらおう」
「お前はそーゆーこすい計略はすぐ思いつくよな」
「適材適所だよ」
寝起きの悪いツートップを他人に押しつけやがった。
「で、イメルダにルシアさんとマーシャとレジーナを任せよう」
「それはさすがに、イメルダに恨まれても文句言えないと思うぞ」
寝起きから面倒くさそうなスリートップを全部イメルダに押しつけるのか。
お前、極悪非道だな。
「パウラは放っておいても起きるよ」
「お前、ほとんど仕事する気ねぇな!?」
采配だよ、采配。などと得意げに言って、エステラが二階へと向かった。
寝ぼけたデリアに抱きつかれて苦労すればいいのに。
「ヤシロさん。今のうちにお風呂に入られますか?」
「ん? ……そうだな。じゃあ、ちゃっちゃっと入ってくるよ」
おそらく、全員が揃うまでに十分くらいはかかるだろう。
体と髪をざっと洗い、ハムっ子四人を湯船で揉み洗いするだけならそれで十分だ。
厨房をジネットに任せて、まだ夢の中のハムっ子を四人抱えて、俺は風呂場へと入った。
大急ぎで入った風呂から出ると、エステラが厨房で不貞腐れていた。
「……聞いてよ。デリアが寝ぼけてさ、ボクに抱きついてきて噛みついてきたんだよ……」
言霊というものは存在するらしい。
エステラの髪の毛はぼっさぼさに乱れ、首筋とほっぺたには歯形が付いていた。
「甘い物の夢でも見られていたんでしょうか?」
くすくすと笑うジネットに「笑い事じゃないよ~」と泣き言を漏らすエステラ。
なんとかデリアを叩き起こし、ギルベルタを起こす任を押しつけたらしい。
酷さで言えばどっちもどっちだな。
デリアで相当くたびれたのか、エステラはその後厨房の椅子に座りぐで~っとしていた。
働け、居候。
お客様気取りか。
せめてハムっ子どもを拭く手伝いくらいしろ。
つーか、ハムっ子ども! 拭いてるそばから寝るな!
風呂に入ったんだからシャキッと目覚めろよ!
間に風呂を一回挟んで二度寝できるとか、どんだけ睡眠好きなんだよ、お前ら!?
「ジネット……」
「うふふ。もう少し寝かせてあげましょう。きっと、今日もいっぱい走り回ることになるでしょうから」
こいつらが走り回るのはこいつらの意思によるものだろうに……
「それに、朝ご飯が出来るころには目を覚ましますよ」
寝て起きたら飯が出来てるって?
いい御身分だな、お子様どもは。
濡れた毛をしっかりと乾かしてから、再度布団の中に放り込んでおく。
厨房に戻ると、勝手口の方からアッスントの声がした。
「おはようございます。おや、エステラさん。昨夜はお泊まりだったんですか?」
「……なんで分かるのさ? 早朝にやって来た可能性もあるのに」
「適度にお疲れで、でもその疲労感が非常に心地よい――そんなお顔をされていますから」
さすがというか、他人の顔色をよく見てやがる。
エステラがジネットに「そんな顔してる?」なんて尋ねている。
「あ、そうだアッスント。さっきな――」と、ネフェリーの卵の件を話し、事後承諾を取り付けた。
で、追加の注文をしておく。
「ちなみに、今卵と牛乳って余ってないか?」
「この後別のお店に持って行く分でしたらありますが」
「それでは次のお店の方が困りますよね」
「いえいえ、ジネットさん。取りに戻ればいいだけの話ですので」
「いいんですか?」
「もちろんです。お譲りいたしますよ」
「やったな、ジネット! くれるって!」
「お売りいたしますよ」
「……ちっ」
しぶちんめ。
アッスントから牛乳と卵を購入し、一足先にホットケーキを作り始める。
まず、卵白と卵黄を分けて――卵白を泡立てる!
砂糖を三回に分けて混ぜ入れて、しっかりと角が立つまで混ぜるべし! 混ぜるべし! 混ぜるべし!
「さすがの手際ですね」
「まだいたのかアッスント?」
一旦商品を取りに帰るんだろ? 早く帰れよ。
「ヤシロさんが直々に作る料理ですからね。この目でしっかりと見ておきませんと。市場から材料が足りなくなってしまっては大問題です」
そんな騒ぎにはならねぇよ。
ホットケーキならとっくに広めたんだ。
スフレホットケーキにしたところで、目新しくもないだろう。
メレンゲを作ったら、牛乳にバニラビーンズを入れて軽く温める。沸騰はさせない。ただの香り付けだ。
すぐにバニラビーンズを取り出し、牛乳をボウルへ。
そこへふるいにかけた小麦粉、砂糖、卵黄を入れ、ダマにならないように混ぜ合わせる。
しっかりと混ざったら、泡立てたメレンゲを混ぜ合わせ――これを焼く。
少し固めに生地を作ってあるので広がってはいかない。しかし、型でも作っておけばもっと綺麗に厚みを出せたよなぁ……ま、いっか。
「弱火にして、蓋をして蒸し焼きにする」
「普通のホットケーキより、随分とふんわりしていますね」
「メレンゲの気泡が活きてるから、食べるとしゅわしゅわと溶けるような食感になるはずだ」
「それは楽しみだね!」
「気泡により、しゅわしゅわの食感に……と」
エステラが単純に盛り上がり、アッスントが小難しい顔でなんかメモを取り始めた。
いや、だから、普通にスフレホットケーキだから。
必死過ぎるんだっつの。
「片面がうっすらきつね色になったらひっくり返してもう一度蒸し焼きにする」
「ふふ。見た目が可愛いですね」
もっこもこのホットケーキをひっくり返すと、ころんっと転がった。
それを見てジネットが頬を緩める。
最後に、竹串を刺して中の様子を確認する。
刺した竹串に生地が付いてこなければ、中まで焼けていると判断して大丈夫だ。
「ま、こんなところか」
「では、試食してみましょう」
「待ってました!」
「あのっ、卵と牛乳をおまけしますので、是非私にも!」
ちょうど四つ焼いたからいいけど……結局アッスントが最後までいた。
「じゃあ、バターを塗って、あとはフルーツソースか生クリームか、蜂蜜か、好きなものをかけて食ってくれ」
「えぇっ、悩むよ、ヤシロ!」
「ん~……では、私はフルーツソースというものをお願いできるでしょうか」
「はい。おかけしましょうか?」
「お願いします」
アッスントの皿を取り、スフレホットケーキにバターを載せるジネット。
熱でバターがホットケーキの表面を滑る。
そこにスライスしたフルーツを載せ、三種のベリーソースをかける。
小さなミルクピッチャーに蜂蜜を入れ、ホットケーキの横に泡立てた生クリームを添える。
なんて贅沢な盛り付けだ。
東京のオシャレなカフェだと1200円は取られそうな豪華さだな。
「すごいよ、ジネットちゃん……その盛り付け、最強過ぎる」
エステラが感涙している。
安いな、お前の涙。
今朝は結構重みのあるものに見えたんだけどな。
「その盛り付けで、ホットケーキが二つほど載っていたら……どうだ?」
「それは見栄えもしてよさそうですね。確かに一つより二つ一緒の方がインパクトがありますね」
火が通りやすいように小ぶりに作ってあるので、二個くらいはペロリと食べられてしまうだろう。
やっぱ、ふっくらパンケーキは複数個一緒に盛られてこそ『映える』よな。
「んっ! しゅわしゅわして、甘くて、これっ、ヤシロ、これ、すっごく美味しい!」
「ヤシロさん……あなたという人は……。これは、また市場が荒れますよ! すみませんが、大至急やらなければいけないことが出来ましたのでこれで失礼いたします! ごちそうさまでした!」
エステラがテンションを上げ、アッスントは出されたホットケーキをかき込んで大急ぎで帰っていった。
だから、大袈裟だっつーのに……
「……そんな美味いか?」
「はい。ふんわりした口当たりとバニラの甘い香りが幸福感をもたらし、ソースのほのかな酸味がホットケーキの甘みとすごくよく合って、お口の中でわっしょいわっしょいしています」
ジネットからの合格が出た。
……どれ。
「…………うん」
まぁ、こんなもんだよな?
我ながらよく出来た方だとは思うが。まぁ、こんなもんだろ?
「ヤシロ。なんだか感動が少なくないかい!?」
「いや、まぁ、俺は食ったことあるし」
「ズルい!」
「何がだよ」
俺が食ったこともないようなもんは、当然作ることも出来ねぇもんだよ。
「じゃあまぁ、他の連中が降りてくるまでの間に作っておくか」
「あ、わたしもやってみたいです!」
「じゃあ、やり方教えるからホットケーキを頼む。俺はハムエッグとポテサラやるから」
「はい!」
にっこにこのジネットにやり方を教え、レシピを直伝する。
「ねぇ、ヤシロ。この食べかけのホットケーキ、残すの?」
「欲しがるなよ。意地汚ぇな」
「違うよ! 美味しい料理を無駄にしてはいけないという正義感からだよ!」
「……男の食いさしでいいなら、食っていいぞ」
「わーい!」
「わーい!」なのかよ。
いいのか、それで。貴族のレディさんよぉ?
「大きなフライパンが欲しいですね。一度にたくさん焼けるように」
「火加減難しいだろ?」
「あ、それにはコツがあるんですよ。実はですね――」
楽しそうに、お料理の裏技なんてものを披露しつつ、ジネットがスフレホットケーキを焼いていく。
大したもんで、俺が焼くより綺麗に丸く、分厚く、そして中まで均一に火が通った完璧なスフレホットケーキが出来上がっていく。
これはもはや、プロというよりチートだな。
料理スキルがカンストしてんだろう、もう。
「わはぁ~、なんだかいい匂いがするです!」
「なに作ってるのジネット? わっ、なにその可愛いの!?」
「うわぁ~、甘い匂いがする~! あたい、おかわり欲しい!」
「絶対美味しいですわね! ベッコさん、起きてくださいまし!」
ばたばたばたと、匂いに釣られた女子たちが厨房へなだれ込んできて、一気に賑やかになる。
「ぉはよう、てんとうむしさん。じねっとさん、えすてらさんも」
「おはよう、ミリィ」
「ぉてつだいすること、ぁる?」
「じゃあ、そこで歌って踊ってくれ」
「ぇえ!? それ、何かの役に立つ!?」
「俺が癒やされる」
「私のミリィたんに近付くな、カタクチイワシ! ……が、しかし、ミリィたんの歌と踊りは見てみたい。是非!」
「ぉ、ぉどらない、ょ?」
ギルベルタがマーシャを水槽に入れて運んできて、いよいよ厨房は狭くなる。
「お前ら、全員フロアに行って飯の準備してこい」
「任せてです! では、みなさん、お仕事ですよ! 働かざる者食うべからずですからね!」
「あたい手伝う! 一番頑張る!」
「いいえ、ワタクシですわ!」
「ふっ。領主の力、見せてくれよう!」
「じゃあ、私の分までよろしくね~☆」
どやどやと人がいなくなる。
その後、遅れてレジーナたちがやって来たのだが……
「なぁ。これ、どういう状況なんやろ?」
レジーナは胸にマグダを抱き、背中にテレサを背負って、隣にカンパニュラを従えていた。
敏腕ベビーシッターも顔負けのお守りっぷりだな。
「全然起きひんねんな、この二人」
「マグダ姉様もテレサさんも、朝は苦手なのです。レジーナ先生の匂いが落ち着くのかもしれませんね」
「え~、それはあんま嬉しゅうないなぁ……ほら、起きてんか~」
「……いえいえ、そちらこそ」
「しょちらこしょ……」
「え、なんの謙遜なんそれ? ウチ、めちゃ起きてんねんけど?」
年下に振り回されるレジーナを見て、ジネットがクスクスと笑う。
テレサをエステラに預け、揃ってフロアへ行ってもらう。
買い出し組が戻ってくるころには、全員分のスフレホットケーキが焼け、朝食の準備が整った。
「うまぁ……」
スフレパンケーキは、概ね好評だった。
いや、大好評だった。
「カタクチイワシ。レシピをください、お願いします!」
「ルシアがめっちゃ下手に出てきた!?」
深々と頭を下げるルシアに、こっちが度肝を抜かれる。
そんなに美味かったか!?
「こ、これが、四十二区でしか食べられないというのであれば……私はもう四十二区から離れんぞ!」
「ごめん、ヤシロ。面倒くさいから教えてあげてくれるかい? お金はボクが払うから」
エステラが早急に手を打つほどの本気度を見せるルシア。
いや、レシピもなにも、普通のホットケーキと違うところは卵白をメレンゲにするくらいなんだが……
「ジネット。ルシアんとこの料理長が分かるようなレシピ書けるか?」
「はい。任せてください」
「恩に着る!」
え~ん。
ルシアが素直でちょっと怖いよぉ~。
「フルーツのソースはお店にあった物で作ったので、お好みの物で作ってみるとまた新しい発見があるかもしれませんね」
「いいと思う、私は。使うのが、特産品などを」
「そうですね。三十五区らしいソースになると素敵ですね」
「海産物、三十五区の名物は。なので、イカスミ、有力候補は!」
「出来ればフルーツがいいのではないかと思いますよ」
ジネット、突っ込んでやって。
「なんでやねん」って言ってやって。
まぁ、ギルベルタはボケたつもりないんだろうけど。
……っと。それよりも。
「どうだ、レジーナ」
「ん?」
レジーナの前に来て、感想を聞く。
「お前、こういうの好きだろ?」
「せやなぁ。ふっくらまんまるのもんが二つ並んでるんは、どんなもんでも好っきゃなぁ」
「そうじゃねぇよ!」
そうじゃねぇけど……そう言われてみれば、その通りかも!
「いいもんだな、スフレホットケーキ!」
「懺悔してください」
「レジーナ発信なのに!?」
「今のは完全に、君で加速したからね。君が懺悔を受けるべき案件だったよ」
加速とか、よく分かんない。
「まぁ、美味しくいただいとるで」
「お前、こういうほのかな甘さの柔らかいスイーツ好きだろ?」
こいつはプレーンのマシュマロを気に入っていた。
あと、プレーンのドーナツや、何も入っていない丸パンを好んで食っていたという情報も入ってきている。
フルーツや砂糖という分かりやすい甘さよりも、噛むと口の奥にふんわりと広がるほのかな甘さが好きなのだ、レジーナは。
「ほら、ソースを避けてホットケーキだけで食ってるだろ」
「あ、本当ですね。すみませんレジーナさん。ソースがお邪魔でしたか?」
「いやいや、ちゃうちゃう! これだけでも十分美味しいな~って思てただけで…………っていうか、そーゆーのん、バラさんとってくれるか?」
レジーナにジト目で睨まれる。
ふふん、照れてやんの。
「なんだ、レジーナ。クリームいらないのか? あたいがもらってやろうか?」
「おぉ、なんやろ。えらい上から来はったな」
ケラケラと笑って、レジーナは生クリームの半分以上をデリアの皿に移す。
「まぁ、残してまうより、美味しく食べてもろた方がクリームも喜ぶわな」
「おう! あたい、一番美味しく生クリーム食べられるぞ!」
食べる方の一番ってどうやって決めるんだよ。
まぁ、美味そうに食うのは本当だけど。
「もしかして、ウチが好きそうや思ぅて、朝ご飯これになったん?」
「おう。今日はレジーナおかえりパーティー二日目だからな」
「なっ……!? あ、あほ言いな! あんなもん、何日も続けられるかいな!」
「えぇ、いいじゃない! 二日目やろうよ! ね、ネフェリー?」
「私もパウラに賛成。あ、そうだ! じゃあさ、今度はレジーナの家でやらない? また私が掃除してあげるから」
「みりぃも、ねふぇりーさんのお手伝いする、ょ」
「待って待って! それならカンタルチカでやろうよ!」
「いや、だから、やらへんって! ウチもう帰るさかいな!」
「「「えぇ~!」」」
「いや、『えぇ~!』って……」
パウラたちに絡まれて、レジーナが困り顔をさらす。
まぁ、こいつらにも日常はあるから、今日は普通に仕事に戻るだろうけどな。
ジネットが『特別な方がよかったのでは?』ってちょっと不安がっていたからな。
これくらいの特別感があれば、満足してくれるだろう。
レジーナが好きそうな物で、目新しい物で。な。
感謝の気持ちってほど大それたものではないが、少し喜ばせるくらいはしてやるべきだ。
レジーナのおかげで、ハンドクリームの試作品も出来たしな。
「ジネット。これ、使ってみてくれ」
「……これは?」
俺が差し出した小さなケースを受け取り、首を傾げるジネット。
昨日の夜、レジーナのところから持ってきた材料を混ぜて作った簡易ハンドクリームだ。
精油はレジーナのところにあったカモミールを使用した。
「とりあえず試作品でな。意見を聞かせてくれると助かる」
「いただいてもいいんですか? あの、こういう物は高価だと聞きましたが……」
この世界では、スキンケアをするのは貴族くらいなもので、一般庶民は手を出さない。
火傷に軟膏を塗るくらいが関の山で、肌のケアにまで気を回せるほど余裕があるのは貴族と金持ちくらいだったからだ。
だが、今の四十二区なら、それくらいの余裕はある。
おまけに、レジーナのところで作るものなら価格も抑えられる。
スキンケア用品が高額になるのは、作っているのがそーゆーところだからだ。
金持ち相手に商売をしているような商会が作っているのだから、庶民が手を出せないような値段になるのも仕方がない。
「それはそこまで高価じゃねぇよ。薬剤師ギルドの商品だしな」
「レジーナさんのところのものでしたら、安心して使えますね」
効果も安心。
材料も安心。
懐にも安心だ。
「わぁ、いい香りですね」
蓋を開けて香りを嗅ぐジネット。
エステラやパウラたちがジネットに近付いて一緒に匂いを嗅いでいる。
「ミリィ。まずはラベンダーで試したいから、協力よろしくな」
「ぅん。生花ギルドの大きいお姉さんたち、水仕事で指先が荒れるって言ってたから、こうぃうのが出来るときっと喜ぶと思う」
それはそれは。
さぞやしわしわになっていることだろう。
ハンドクリームでどうにか出来ればいいんだかなぁ。
「とてもなめらかで、全然べたつきませんね」
試しにと自身の手にハンドクリームを塗り広げるジネット。
すっと伸びてさらりと肌に馴染む。
「手のひらの上でわっしょいわっしょいしてるか?」
「へ? ……もう。からかわないでください」
ぷくっと頬を膨らませるジネット。
ハンドクリームの感想はわっしょいわっしょいではないようだ。
「あたしも、ちょっと使ってみていい?」
「はい。どうぞ。みなさんも。……かまいませんか?」
群がる女子たちの間から、ジネットが俺を見てくる。
まぁ、しょうがないだろう。
この状況で「だめー!」とは言えないしな。
「俺が昨日適当に作ったものだから構わねぇよ。ちゃんとしたヤツは、これからレジーナに作ってもらうよ」
「え~、でもこれ、すっごくいいよ! あたし欲しいもん」
「私も欲しいなぁ。パウラほどじゃないけど、水仕事は多いから」
「アタシも欲しいさねぇ。ご覧な。触り心地が絹みたいさね」
ハンドクリームを塗った手はさらさらのすべすべになるようで、好感触だ。
うんうん。これは売れるな。
なにより。
「店長さん、触りっこしようです!」
「……マグダもすべすべ」
「わぁ、本当ですね。すべすべです」
「店長さんもすべすべです!」
「……さらさら」
「ありがとうございます。うふふ」
ジネットが嬉しそうで、よかった。
「カタクチイワシ!」
ハンドクリームで盛り上がる女子をかき分け、ルシアが俺の前にやって来る。
「売ってください、お願いします!」
「お前、今日どうした!? ひょっとして酒残ってる!?」
欲しい物のためにプライドをかなぐり捨て始めたルシアのおねだりに、レジーナが苦笑を漏らし、「ほな、みんなが寄付に行ってる間にちょっと作ってみるわな」と善人ぶって、ガキどもにまとわりつかれるであろう教会への同行を巧みに回避していた。
大人でもこの盛り上がりだもんな。
ガキどもの前に出たらどんな目に遭うか分かんないもんなぁ。
ホント、お前は抜け目ないよな。
陽だまり亭で朝食を食っていたにもかかわらず、教会でもスフレホットケーキを欲しがる者が続出し、ガキどもも「おかわり、おかわり!」の大合唱で、当然のようにベルティーナがいつも以上にたくさん食べて――余分に用意した牛乳と卵をすべて使い切った。
……いや、どんだけ大歓迎されてんだよ、スフレホットケーキ!?
そんな感じで、レジーナの帰還から一連の特別なおかえりパーティーは一応の幕を下ろした。
あとがき
みんなで朝ご飯を食べるお話でした。
……いや、ウィシャートどうした!?Σ(゜Д゜;)
まいど、宮地のおっちゃんでっせ!
いや~、本編を書いてから、現在あとがきを書いている今まで、
結構時間が空いているんですが……
当時の荒み具合を思い出しますね☆
その反動なんでしょうねぇ
めっちゃまったりしてますね、本編( *´艸`)
しかし、それももう過去の話!
ベランダではカンパニュラが咲き、リビングには可愛いベタの『まぐろ』ちゃんがいて、
先日神奈川県にある津久井湖というところで行われたルピナス祭の会場を見てきました!
ストレス、さよーならー!(*´▽`*)ノシ
人生は素晴らしい!
楽しいことって、一つ一つ自分の手で、目で、見つけて集めるものなのですね
若いころは、テーマパークとか商業施設に行ったり、
もしくは高級なお店でラグジュアリーな一時を過ごしたりと、
お店側が提供してくれる『楽しい』を享受することが楽しむとか贅沢っていうことだと思っていたのですが
最近になってようやく、
楽しいことって、自分で見つけられるんだなぁと気が付きました。
自分で見つけて集めた楽しいものに囲まれて過ごす時間と空間こそが贅沢だなぁ~って。
……まぁ、今の趣味は全部人に聞いて「やってみたい!」って思ったものですけどねっ!(≧∇≦)
自分で見つけるとか、まだまだ難しいですってば(≧∇≦)
私、基本的にすべての趣味が『にわか』止まりですのに!(≧∇≦)
これまでの趣味ですか?
イラストにギターに作曲に料理にお菓子作りにパン作りに断捨離にガンプラにお散歩……うわっ、全部初心者レベルだ!?Σ(・ω・ノ)ノ
お散歩は好きでやってますけど、トレッキングとかウォーキングみたいな本格的なヤツはやっておらず、だらだらと歩いて、気になるお店に入って、なんか食べたり、物を買ったり、神社にお参りしたり……ちぃさんぽか!?
ぶらり途中下車しちゃう感じか!?
あ、私割と『乗り鉄』っていうんですか?
アレかもしれないです。
電車大好きです(≧∇≦)
新幹線とかグランクラスとか、
富士回遊とか特急あずさとか、
楽しかったです!
え、電車のうんちくですか?
なんにも知りませんっ!\(≧∇≦)/
「あっ、あの辺が旧国鉄のアレがあった場所で~」とか、一切知りません!
窓の外眺めてるだけです。
三歳児と同じ楽しみ方ですっ!!
楽しけりゃ~い~んです、楽しけりゃ♪
でも、生き物を飼う時は全力で勉強しますけどね!
ネットで調べて、ショップの店員さんに「~って話は本当ですか?」って確認して、
実際ショップでやっている飼育法方を聞いて、お勧め道具を聞いて――
って、そーゆーのが楽しいんですよねぇ
いやぁ、ここ一週間、ずっと癒やされてました
まだ拙い部分が多いですが、誠心誠意お世話させていただきます、『まぐろ』ちゃん!
昔はハムスターを飼っていたんですが、いろいろ事情が重なりしばらく生き物は飼育していなかったので、久しぶりに感じる『生き物の気配』がもう嬉しくて嬉しくて。
食事中もついつい見ちゃうくらいに。
水槽で泳ぐ愛魚を見つめながら白米をもぐもぐ……
まぐろちゃん「……(ヤバい、食われるっ!)」
頑張ってお世話しますよっ!
責任の伴うものは全力で、
責任の伴わないただ楽しむためだけの趣味は『にわか』で、
バランスよく楽しめればいいなっと
趣味は楽しいのが一番
難しい話とか厳しいルールとかは
他人に迷惑をかけない限りはスルーでいきたいものです
もっとも、一番の趣味はおっぱい観察、
おっぱいウォッチング――『ぱいっちんぐ』ですけどね!
みなさん、ご存じでしたか?
おっぱいは、大きさだけで分類されるものではないのですよ。
とあるアンダーウェアメーカーさんがおっぱいの形状を9つのパターンに分け、
自分に最も合ったブラジャーを見つけるための指針を提唱されているんです。
たとえば、左右の大きさが異なる左右非対称型。
これは結構多くの方が該当されるんですが、
大きい方にカップを合わせると小さい方がブラ余りして
夏服なんかだとチクチラしちゃったりするんですよね。
ですので、そういった方は取り外しが可能なパット付きのプッシュアップブラを付けると左右ともに綺麗なラインを作れてチクチラも防げるというわけです。
おっぱいと聞いて、多くの男性が思い浮かべるのは
アラウンド型かティアドロップ型ではないでしょうか?
まん丸お椀型のアラウンド型。
おっぱい上部の肉厚が少し薄く、下乳がふっくらとしている雫型のティアドロップ型。
こちらは比較的どんなブラジャーでも綺麗に着こなせるようです。
マンガやアニメに出てくるヒロインはこのタイプが多いですかね。
両方の乳房が離れて谷間部分が空いているサイドセット型や、
B地区が左右とも外側に向いているイーストウェスト型はあまりアニメでは見かけませんね、
……いや、B地区自体アニメではあまりお目にかかれませんけれども!
最近はね!
平成初期は結構お目にかかれたのになー!
まぁ、それはいいとして、
イーストウェスト型やサイドセット型はプッシュアップブラ、
いわゆる『寄せてあげるブラ』やフロントホックブラがお勧めです。
形を整えてあげることで美しい谷間とバストラインを生み出せることでしょう。
ただし、着用時には少しコツがありまして、
優しく胸のお肉を掬うようにしてブラのカップの中に納めていただきたいのですが、
細かいことを語り始めると到底ここのスペースでは語りきれないので
いつか実習ありの綺麗なおっぱい講座を開催できればいいなと考えております。
開催が決まった暁には、皆様是非ご参加ください!
そして残りの4タイプですが……むむ?
なにやら空気が浮ついていますね?
真面目に聞いていただけますか!?
おっぱいは命がけなんですよ!
中途半端な知識の『にわか』は今すぐ会場から出て行ってもらえますか!?
(#゜Д゜)くわっ!
……はっ!?
いつの間にか、私が苦手としている「趣味に妙に熱くて他人にまで自分レベルの熱さを強要する人」になってしまっていました!?
趣味の世界は奥深い……
皆様は是非、楽しむための趣味を堪能し、
人生に彩りを添えてくださいませませ~(*´ω`*)ノ
次回もよろしくお願いいたします。
宮地拓海




