306話 守りを固める準備
「あっはっはっ! 無理や」
だと思ったよ!
レジーナの家まで出向き、弟子を取るように提案した結果、一笑に付された。
ま~ぁ、素敵な笑顔。「ウケる」じゃねぇんだわ。
ここで引き下がるわけにはいかないんだよ!
「いいかレジーナ? もしウィシャートが暴走したら、どこの区で毒をまき散らされるか分からないんだ。せめて、狙われそうな区の人間にくらいは最低限の知識を与えてやれないか?」
毒を受けたと連絡を受け、駆けつけた時には手遅れだった――そんなことが起こらないとも限らない。
今回は三十五区や『BU』もターゲットになるかもしれないのだ。
今回は割と真面目な話なのでエステラとナタリアにも同行してもらっている。
おかげで店内が狭く、レジーナがカウンターの向こうから出てこない。
……お前は知らない人がやって来た時の家猫か。
「それにさ、レジーナ。君は薬だけじゃなくて、石けんやシャンプー、入浴剤なんかの開発もしているんだろう? さすがに一人じゃ抱えきれないんじゃないのかい?」
「平気や。無理な時は居留守で乗り切るさかいに!」
「……それ、乗り切れてないから」
俺も、レジーナが不眠不休で納期を厳守するタイプだとは思ってないが……こいつ、そもそも頑張るつもりがなかったのか。
「なら、なおのこと、技術指導をして作業を分散させるべきだな」
「ほならこうしよう。おっぱい魔神はんが教える係で、ウチは引きこもる係」
「せめて関われよ」
なに猛ダッシュで蚊帳の外へ逃げだそうとしてんだ。
「ほい、これ頼まれてたレシピ。これがあったら、おっぱい魔神はんやったらなんとかなるやろ?」
「まぁ……出来なくもないが」
レジーナ製のレシピは細かく、且つ見やすく、これさえあれば同一の物を複製できるだろうことはよく分かった。
「それに、あんまり派手なことしたら薬師ギルドに目ぇつけられるで?」
薬師ギルドは、王族と教会が認めたオールブルームで一般的な薬屋集団だ。
軸足が完全に貴族寄りになっているので『一般的』って言葉は当てはまらないかもしれないけどな。
薬師ギルドも、薬剤師ギルド同様医療行為を行っている。
当然のように法外な治療費を取られるようだが。
この街では、病気や怪我は薬師ギルドに頼むのが主流、というかそれしか術がない。
四十二区以外では、まだまだ薬師ギルドに頼ってるんだよなぁ。
ハビエルやデミリーはレジーナの薬を購入して持ち帰っているようだが、区内で病気にかかれば薬師ギルドに診てもらうのだろう。
ハビエルなら、それも可能だろう。
だが、一般人はそうも言っていられない。
基本的には、栄養のあるものを食べて、温かくして寝る。それが病気の治療法なのだ。
湿地帯の大病の時も、多くの者がそうしていたと言う。
もし、その時にレジーナの薬があれば、救えた命はもっと多かったかもしれない。
まぁ、過ぎたことを言っても仕方ないけどな。
だが、これから起こり得る最悪の事態を未然に防ぐことは出来るはずだ。
そのためには、知識を持った者が増える必要がある。
幸いなことに、ギルドは新設する際に厳重なチェックをされはするが、作ってしまえばその後の急成長は特に何も言われない。
『ゴミ回収ギルド』が有名無実化しようが、「ちゃんと業務してるのか?」なんて監査も入らない。
だからこそ、土木ギルド組合のように腐敗してしまうこともあるんだけどな。
「レジーナが胡散臭いヤツでよかったな」
「それが褒め言葉やないっちゅうんはよぅ分かったわ」
レジーナはきちんと業務を申請し、そしてそれは承認されている。
薬師ギルドと業務内容が被っていると承知の上で、教会は許可を出したのだ。
もっとも、レジーナの薬の製法が薬師ギルドとあまりにかけ離れており、かつあまりに胡散臭い物だったため「好きにしろ、誰も相手になどしないから」的な認可だったようだが。
それでも、認可は認可だ。
おそらく、数段落ちる劣等ギルドを新設することで、薬師ギルドを相対的によく見せようという思惑があったのだろう。
もしかしたら、「気に入らないのなら薬剤師ギルドへどうぞ」なんて脅しに使っていたのかもしれない。
別の受け皿があれば、受け入れを拒否しても人命軽視だとは言われにくいだろうしな。
見捨てるのではなく別の選択肢を示しただけだと。
そう言われれば、多少高くても薬師ギルドにすがるしかない――そう思う者は多かっただろう。
……やっぱり、教会には腐ったヤツが一定数いると思うんだよなぁ、俺。
ベルティーナはその辺認めないけどさ。
もしくは、教会の中にどこぞの貴族の思惑が浸透しているか……ま、どっちでもいい。
とにかく、教会は薬剤師ギルドを正式なギルドとして承認している。
薬剤師ギルドが経営方針を変えない限り、その勢力を伸ばしても文句を言われる筋合いはない。
仮に、薬剤師ギルドの有用性を全区に知らしめて、薬師ギルドとシェアが逆転しようがな。
……ま、わざわざこっちから貴族にケンカを売る必要はない。
今でさえ、難癖付けられて辟易させられてるんだ。貴族なんぞ、関わらないのが一番。
「砂糖みたいに、『貧民薬』とでも呼ばせて市場を分ければいい」
どちらにせよ、薬師ギルドの薬は一般人には高額なのだ。
お貴族様には、「一般人は大変ねぇ、あんな怪しい薬に頼らなければいけないだなんて、おほほほ」とでも言わせておけばいい。
「とにかく、最低限の警戒と備えは必要だ。各区領主の給仕長と他数名くらいには知識を与えておきたい」
「各区の領主を呼び集めるわけにはいかないから、給仕長を集めて講習会を開きたいんだよ。協力してくれないかい?」
「まぁ、薬学が広まるんは、ウチとしても嬉しいんやけど……薬剤師ギルド、広がらへん? ウチ、嫌やで、ギルド長とかなるの」
レジーナがギルド長……うわ、似合わねぇ。
「まだそこまで本格的じゃなくていいんだよ。でも、ゆくゆくは拡大してもらいたいなとは思っているよ」
エステラがここ一番の笑顔で言う。
「レジーナの薬は頼りになるからね」
そんな言葉に、レジーナは「うぐっ」っと声を詰まらせ、黒いとんがり帽を目深に被って「さよか」と照れ隠しを口にした。
「レシピの盗用、悪用は絶対に防がなきゃいけないからさ、レシピだけ渡してヨロシクってわけにはいかないだろう? だからさ、レジーナ。今回だけは頼むよ、講師」
エステラのおねだりお願いポーズを前に、レジーナがこそばゆそうな顔を見せる。
お~お~、揺れとる揺れとる。
「揺れてますね」
「だな」
ナタリアがレジーナを見て耳打ちしてくる。
そして、エステラに視線を向けて耳打ちしてくる。
「揺れてませんね」
「だな」
「うるさいよ、そこ二人!」
「ホンマや!?」
「うわぁ、三人だったわぁ! っていうか、こころくでもない空間だね、改めて見ると!」
エステラが「アウェーだ!」と叫び、レジーナの顔にいつもの余裕が戻る。
戸惑いは、とりあえずなくなったようだ。
出来る限り自分のペースを崩したくないというスタンスのレジーナだが、こいつはやるべき時には自分を曲げてでもやってのける女だ。
その重要性を理解すれば、嫌だとは言わない。
「それじゃあ、なるべく多くの給仕長を集めるから、三十五区か二十九区辺りに場所を借りてそこで講習会を開こう」
「嫌や!」
嫌って言ったぁ!?
「四十二区からは出とぅない! ちゅーか、人前に出なアカンって思ぅたら……たぶんウチ、朝お布団から出られへん。100%遅刻するさかいに、他区やったら絶対行かへんで」
「じゃあもうここでやるか」
「アカンって! こんな壁一枚隔てた向こうにおパンツが散らばってるような場所に他所の人呼ばれへん!」
「ナタリア、片付けてきて」
「お断りします」
おい、主の命令断ったぞ、その給仕長!?
気持ちは分かるけども!
「じゃあ、四十二区に場所を設けるから、よろしくね…………来るんだよ?」
「そんな怖い顔せんでも、行けたら行くやん」
「それは絶対来ない人の発言だよ!?」
こいつ、薬学を広めて人命を救いたい思いと、自分が人前に出たくない思いが拮抗してんだろうな。
……まったく。
助っ人が大量に必要そうだなぁ、これは。
とりあえず、ノーマとミリィとジネットと…………
レジーナを引っ張り出すために必要な人材を脳内で考え、もしかしたらこいつを説得するよりウィシャート家を潰す方が簡単なんじゃないかと、そんなことを考えてしまった。
各区への手紙と諸々の日程調整のために館に戻るというエステラと別れ、俺は一人で陽だまり亭へ戻ってきた。
「ふぐぅー!」
ドアを開けると、とんでもない悲鳴が聞こえてきた。
ふと見ると、足下にデボラが倒れている。
……何してんだ?
「あ、お帰りなさい、ヤシロさん」
つやつやした表情のジネットが厨房から出てきて、その後、のっそぉ~っとイネスが這うようにして出てくる。
……足つぼ?
「噂の足つぼがどのようなものか、興味があったのですが……」
凜としたクール系美女であるイネスがよれよれになりながら、今自分が体験してきた事象の恐ろしさを体現するようにぷるぷる震えている。
なんで怖い物見たさで魔神を復活させるようなマネするんだよ……
「お二人とも、すごくお疲れのようでしたので、よく眠れるつぼを押しておきました」
うん、よく眠れてるようだな、……デボラ、ピクリとも動いてないし。
「あの殊更痛かったのが『二度と目覚めないつぼ』だったのですね……」
違う違う。よく眠れるつぼとソレはまるで別物だから。
まぁ、結果は同じなのかもしれないけれども。
「話し合いは終わりましたか? ……このような姿勢で恐縮ですが」
カウンターにしがみつくような格好で床にへたり込んでいるイネス。
そんな体勢しか維持できないような状況で業務に戻ろうとするなよ。
「とりあえず、給仕長と、給仕長が推薦する使えそうな人物数名を集めて薬学の講習をすることになった」
「そうですか。では、主様双方に伝えておきます」
双方って……、マーゥル、いつからお前の主になったの?
「場所はたぶん四十二区になる。あいつ、出不精だから」
「それは問題ありません」
二十九区は近いからな――と、思ったが理由はそれだけではなかったようだ。
「『リボーン』の影響で、四十二区を見たがっている者は多いでしょうし。領主から離れて四十二区に来る機会というのはそうそうありませんから」
給仕長が他区に行く時は、領主の付き添いという場合が多い。
領主抜きで、少し自由時間を堪能する機会なんてのはないんだろうな。
「まぁ、ゲラーシー様はついてこられるでしょうけれど」
めっちゃしかめっ面になってるけど、大丈夫かイネス?
え、なに? マーゥルと接するようになってゲラーシーの株がガッスガス下がってる感じ?
「ちなみに、本日私がこうしてゆっくりしていられるのは、ゲラーシー様が『今日は綿菓子の練習をする! 邪魔するなよ!』と私室に閉じこもっておられるからなのです」
「何やってんの、あのバカ?」
「コメツキ様に自慢したいそうですよ。完璧な綿菓子を見せつけて見直させてやる――と、よく分からないことをほざいておられましたし」
わぁ、敬意をどこかに置き忘れてきたっぽい発言。
「絶対に見直さないし褒めないし驚かないから、そのくだらない練習やめさせてこいよ」
「いえ、練習時間が長くなると、私の自由時間が増えますので」
「こんなにも領主から目を離す給仕長って、俺他に知らねぇわ」
「シンディ給仕長も『マーゥル様のペースにはお付き合いしきれません』と、無理なものは無理と割り切っておられますよ」
アグレッシブ過ぎるからなぁ、あのオバハンは。
シンディももう高齢だし、全部に付き合うのはキツいだろう。
「シンディ給仕長は、素敵やんアベニューのエステに会員登録され週二で通うつもりだとおっしゃっておられましたし。お忙しいのでしょう」
「そういや主従揃ってアグレッシブだったな、あそこは!?」
もう会員登録したのかよ!?
素敵やんアベニューの本格始動ってこの前だったよな!?
あ、そうそう。
キャラバンで各区を回る直前、素敵やんアベニューは正式にオープンした。
アホ領主のせいで完成が延び延びに延びていたが、ヤンボルドを送り込んだ途端にさささっと完成した。
四十一区の大工も組合を抜けたばかりで、未来に対する漠然とした不安があったのだろう。今まで以上にやる気に満ちていたらしい。
なんというかこう、「もう腹をくくるしかない!」的な?
「仕事を一つ一つ完璧にこなして、信用で仕事を得るんだ!」的な気迫があったとウーマロが言っていた。
「そうでした。コメツキ様に一つお願いが」
「素敵やんアベニューには女友達と行ってくれ」
「……まだ何も申し上げておりませんでしたのに」
言われんでも分かるわ。
この流れで、そんなキラキラした目で見られたらな。
普通の買い物でも、女物の店に入るのは抵抗があるってのに、エステやヘアサロンについて行くなんて無理だムリ。リームー。
大衆浴場だったらご一緒してもいいけどな☆
「では、今度ご一緒しませんか?」
「いいのですか、店長さん」
「はい。わたしも行ってみたいと思っていましたし」
「んじゃ、そん時は俺が留守番してるから、マグダとロレッタも連れて行ってやってくれ」
「え、ヤシロさんは行かないんですか?」
「俺は素敵女子を目指してないからな」
素敵やんアベニューは『女性が素敵になれる街』がコンセプトだ。
メンズエステやジムのような場所は用意されていない。
男が行ってもすることがほとんどない。
飲食店も、女子受けを狙ったものが多いしな。
「たまには女だけで気兼ねなく羽根を伸ばしてこいよ」
男が混ざると、やっぱちょっと違う感じになるだろうし。
買い物をするにしても「待たせてる」って負い目が無意識のうちに芽生えるかもしれない。
おそらく俺は、素敵やんアベニューでは心底楽しむことは出来ないだろうからな。
「現状、ほとんど俺が提案した内容ばかりだからな」
体操もマッサージもエステもヘアサロンも、俺が基本的な技術を伝授した店ばかりだ。
ファッションに関してはウクリネスやマーゥルなんかの意見も取り入れているが。
あと、カフェで出されるスイーツや軽食にも俺は口を出している。
……だって、リカルドがまったく分かってないからさぁ!
「あぁもう! そうじゃねぇよ、貸せ!」って感じでいろいろと……
なので、目新しいものもない状態だ。
「もう少し落ち着いたら、視察に行くから、その時は同行を頼むよ」
「はい。わたしでよければいつでも言ってくださいね」
ジネットとしては、一緒に行くことが重要で、自身のブラッシュアップは二の次なのだろう。
お出かけの予定くらいいくらでも入れればいい。街も店も逃げはしないのだから。
「では、クーポン券のために『リボーン』を購入しなくてはいけませんね」
「いや、お前、二号も腐るほど購入済みだろうが!?」
「ですので、クーポン券を使う用の『リボーン』を購入するんです」
「どんだけ保存用を置いておくつもりだよ!?」
なに? 二十年ほど寝かせてネットオークションに出品でもするの?
お前は転売屋か何かか?
「ヤーくん。お水です」
エプロンを着けたカンパニュラが、俺のもとへ水を持ってやって来る。
近くのテーブルに座れば、目の前にコトっと静かにコップを置く。
「ありがとな」
「えへへ。マグダ姉様に教わりました。コップを置く時は静かに、水面を揺らさないようにと」
そんな高度なことを九歳児に求めるなよ。
水面を揺らさないようにって……
「悪い例は、その……ロレッタ姉様だと」
「だから、それはあの嫌な記者さんの時だけですってば!? 普段はにこにこ笑顔で優しぃ~くお水置いてるですよ」
「……ロレッタのマネ」
と言いながら、マグダが水の入ったコップを「たんっ!」っとテーブルに叩き付けるように置く。
あぁ、やってたやってた。
そうか、今はそれでいじられてるのか。
よかったなぁ、ロレッタ。新しいオモチャ要素が見つかって。
「マグダさん、ロレッタさん。今度一緒に素敵やんアベニューに行きませんか?」
「店長さんと一緒にですか!? 行きたいです!」
「……お店は?」
「ヤシロさんが店番をしてくださるそうです」
「えっ!? お兄ちゃん行かないですか!?」
さっきまで厨房の中に籠もっていたマグダたち三人は、その話を聞いていなかったようだ。
中でカンパニュラにいろいろ教えてやってたのかもな。
「お兄ちゃんとも一緒に行きたいです」
「そうだなぁ、俺としても、マッサージ屋で『え、それって下着!?』くらいの薄いマッサージ着を着てオイルでぬるぬるてかてかになったロレッタの尻を近くで観察してみたかったんだが……」
「ほにゃぁああ!? そんなことになるですか、マッサージ屋さん!?」
「大丈夫ですよ、ロレッタさん。個室だと伺っていますし、施術師さんは女性限定だそうですから」
「よかったです……いや、女性といえど……むむむ……」
「俺も一緒に行こうか?」
「今回はお兄ちゃんはお留守番でお願いするです!」
とりあえず様子見をしたいようだ。
あぁ、行ってこい、行ってこい。
「……ヤシロ」
「ん?」
「……陽だまり亭を託す」
「おう。安心して遊んでこい」
こいつらは強引にでも休暇を押しつけないと休まないからなぁ。
「カンパニュラも行ってこい。初めての経験をいっぱいして、両親に話して聞かせてやれ」
「はい。ありがとうございます、ヤーくん」
「あとデリアも一緒に……って、デリアは?」
「……デボラが足つぼをやってみたいと言い出した時に『ちょっと川を見てくる』と」
「逃げたか」
「……そう、カンパニュラを残して」
デリアにも、怖いものってあるんだなぁ。
「でも、夕方には戻ってきて、一緒にお夕飯を食べてくださるとお約束しました。楽しみです」
置いて行かれたカンパニュラは特段気にしていないようだ。
「じゃ、夕飯の時にデリアも誘っといてくれ」
「はい。デリア姉様とお出かけ、楽しみです」
というわけで、日にちを調整して、俺一人が留守番をすることになった。
その日は適当なメニューに絞って、のんびりと営業するとしよう。
窓の外を見れば、空は真っ赤に染まっていた。
楽しそうに話す女子たちを眺めながら俺は思った。
……デボラ、静か過ぎるけど、死んでないよね?
その日の夜。
日中ずっと陽だまり亭懐石を作っていたジネットだったが、時間が出来る度に二階へ向かい、カンパニュラの寝床を整えていた。
客室が余っているので、デリアとカンパニュラにはそこで寝てもらう予定だったのだが……
「えへへ~」
閉店間際、ジネットの表情筋が融解している。
カンパニュラがな~んかもじもじしてるな~っと思ったら、「デリア姉様と一緒なので心細くはないのですが……あの……出来ればジネット姉様とももっと仲良くなりたくて……」と、ジネットと同じベッドで寝たがったのだ。
デリアは頼りになるが、母親のようは優しさという面ではジネットの方がルピナスに似ているのかもしれない。
今日一日で、随分とジネットに懐いたように見える。
「あたいも店長と一緒ならいいぞ」と、デリアも一緒に寝ることを了承している。
まぁ、さすがにベッドに三人は無理だろうから、デリアは床に布団を敷いて寝ることになるだろうが……なんか、修学旅行みたいで楽しそうだな。俺も混ぜてくれないだろうか? ……くれないんだろうな、どうせ。
と、そんなわけで、カンパニュラに指名されたジネットはそれ以降ずっと表情筋がゆるゆるになっているわけだ。
折角準備した客室の用意がすべて無駄になったというのに、不満の一つもないらしい。
可愛くて堪らないのだろう。
あ~ぁ、後ろから抱きしめちゃったよ。
あんなにベタ甘なジネットも珍しいな。
教会のガキどもには甘えさせてやってるが、「自立心を育めるように」となんでもかんでもをやってやるわけではない。
自分でやるべきことは自分でと、ジネットはそういう接し方をしている。
……まぁ、それでもねだられればやってしまうのだが。
「随分と甘やかしてるな」
「はい。初日ですので、特別です」
「なるほど。初日だから特別に甘やかしたくて仕方ないわけか」
「はい。えへへ~。ごめんなさいね、カンパニュラさん」
「いえ、嬉しいです。ジネット姉様大好きですから」
「わたしもですっ」
あ~ぁ、ここまで壊れたジネットも珍しい。
やっぱり利発な子って大人に刺さるよなぁ。
「はぁ、今日はいい一日でした。陽だまり亭懐石はたくさん作れましたし、足つぼもたくさん――カンパニュラさんが来てくれたおかげかもしれませんね」
「私も、今日という日は楽しいことがいっぱいでした」
こいつのこれが、ムリしてるんじゃなくて自然と口から出てくるんだからなぁ……恐るべし九歳児。
「明日は教会に連れて行くから早起きになるぞ」
「はい。早起きは得意です」
本当だろうか。
見た感じ、日中ずっと眠たそうに見えるんだが。あの水まんじゅうのような目のせいで。
「マグダ、ロレッタ~」
「……颯爽とマグダ見参」
「呼んだです、お兄ちゃん?」
今日はロレッタも泊まっていくことになっているので、閉店作業を手伝わせる。
その前に、一日の疲れを落とすバスタイムだ。
「カンパニュラを風呂に入れてやってくれるか?」
「……任せて。マグダ秘蔵のお風呂人形を貸してあげる」
「みんなで一緒に入るです!」
「おう、あたいも入るぞ。店長も入るだろ?」
「そうですね。では、今日はみんな一緒に入りましょう」
「しょーがねぇーなぁ~」
「お兄ちゃんは別ですよ!?」
「……ぷぅ!」
「膨れても可愛くないですよ!?」
「いえ、待ってくださいロレッタさん! この、そうです、この角度から見ると……」
「店長さんのそれは疲れ目です!」
なかなか酷いことを言われている。
俺が可愛く見えると疲れ目なのか。
……ロレッタ、風呂場で滑って尻に青あざ作れ。
「ただし、カンパニュラは熱いお湯に入ると指先がチクチク痛むから、ゆっくりとな」
痛むと言ってもずっとではない。
最初だけ我慢すれば徐々に慣れていくだろう。
「一応、風呂の前にマッサージをして血行をよくしておくが、ゆっくり入れてやってくれ」
「あの、ヤシロさん。マッサージというのは、足つぼですか?」
おぉーっと、ジネットがキラキラした目をしている!?
「あぁ……まぁ、カンパニュラは子供だから、な? 分かるな?」
「はい。優しくやります!」
ん~……やるつもりだわぁ、この魔神。
「カンパニュラ。痛かったら右手を上げろ。死ぬ気で引き剥がすから」
「酷いです、ヤシロさん。痛くなんてしませんもん」
各区の大男をギャン泣きさせておいて、どの口が言うんだ?
見ろ、デリアでさえ一歩お前から遠ざかったじゃねぇか。
「さぁ、カンパニュラさん。まずは足湯からですよ。マグダさんは閉店作業を、ロレッタさんはお風呂の準備をお願いできますか?」
「……分かった」
「任せてです」
ジネットの指示に頷いた後、マグダとロレッタはカンパニュラの肩にそれぞれ手を置く。
「……絶対に、また会えると信じている」
「時には逃げるのも勇気ですよ」
足つぼ魔神は止められないと悟り、生け贄を差し出す二人。
お前らも大概酷いよなぁ。下手なこと言うと自分に矛先向きかねないもんな。
「デリアさんは、カンパニュラさんが不安がらないように一緒にいてあげてくださいね」
「え……あ、あぁ…………まかせ、とけ」
なんか、デリアの方がめっちゃ不安そうなんだけど?
出来たら逃げ出したい感満載なんですけども!?
「ではヤシロさん。末端冷え性に効くつぼを教えてください」
「つぼというか、マッサージなんだがな――」
こうして、俺はジネットに付きっきりで末端冷え性解消のためのマッサージを教え込んだ。
カンパニュラが人間不信に陥らないように、細心の注意を払いつつ。
やはり、足湯で痛みを訴えたカンパニュラ。
湯の温度を下げてじっくりと足先を温める。
そして、オイルを塗ってマッサージを始める。
足首をほぐして、足の指の間に手の指を入れて、じっくりと、じんわりと揉みほぐしていく。
つま先をつまむように揉み、あとは血行促進のつぼを教えていく。
「あ……気持ちいいです。上手です、ジネット姉様」
「ありがとうございます」
意外にも、ジネットの足つぼは優しかった。
俺が教えたとおりに、丁寧に、ゆっくりと、カンパニュラを救おうと懸命に指先を動かすジネット。
これなら、明日以降も任せて大丈夫かもな。
で、こうして足つぼをさせておけば、犠牲者も少なくて済むだろう。
「……店長、閉店作業完了し…………カンパニュラ、生きてる?」
「平気ですよ、マグダさん!? ……もぅ」
真顔でカンパニュラの安否を心配したマグダに、ジネットが頬を膨らませる。
「お兄ちゃん、お風呂入れてきたで……」
カランコロンカラァーン……ァランァラン……コロコロ。
木桶が落下して騒がしい音を鳴らす。
「だ、だだだだ、大丈夫です!? 我慢してないです!? 意識はあるです!?」
「もぅ! ロレッタさんも酷いです!」
至って真面目にしているジネット。だが、周りはそれを信じてくれない。
日頃の行いって重要なんだなぁ。
「はい。おしまいです」
「ありがとうございました、ジネット姉様。おかげで足先がぽかぽかしました」
カンパニュラは嬉しそうにジネットに飛びつく。
……これなら、ホームシックは平気そうか?
ジネットに視線を向けると、俺の視線に気付いたジネットが眉を曲げて小さく首を振った。
あぁ、そうか。それはガキが寂しい時にする甘え方なのか。
今夜は夜泣きが大変そうだ。
カンパニュラは、きっとジネットに気付かれないように泣こうとするだろうからな。
「ジネット。よろしくな」
「はい。任せてください」
「デリアも」
「ん? あぁ、大丈夫だ。カンパニュラのことは、赤ん坊の時から知ってるからな」
デリアも、ジネットに似た瞳をしていた。
この二人がいれば大丈夫だろう。
そう思える安心感があった。
陽だまり亭が閉店し、全員が風呂から上がった後、俺の部屋のドアが控えめにノックされた。
「ヤシロさん、こんばんは」
「そんな、改めてあいさつせんでも……」
濡れた髪で、ジネットが俺の部屋へやって来る。
「入るか?」
「いえ、あの……」
ちらりと、視線がマグダの部屋へ向かう。
当初は、カンパニュラは客室で寝てもらう予定だったので、この時間にカンパニュラの体について説明をする予定だったのだが――
「今、マグダさんとロレッタさんが着替えを手伝ってくださってるんです」
「じゃあ、もうすぐ出て来るな」
「はい。それで、今日はずっと一緒にいましょうねとお約束してしまいましたので……」
俺との約束は反故になる。
って、そんなこと気にすんなっての。
「カンパニュラの体はよくなる。レジーナがいるし、俺も協力する。ジネットのマッサージもあるし、大丈夫だ」
「そう、ですか……よかったです」
毒の件は、また日を改めでいい。
「今は、カンパニュラが寂しがらないように頼むな」
「はい。そういうのは得意なんです」
頼もしく笑って、ジネットが頭を下げる。
廊下の向こうからジネットを呼ぶ声がして、ジネットはそちらへ行ってしまった。
閉じられたドアを見つめて思う。
濡れた髪のジネットを室内に招くのは危険だ。
この距離でも、結構理性を試された。
「説明するのは、昼間にしよう。そうしよう」
そんなことを考えて、ベッドに潜り込んだ。
それから数時間が経ち、深夜。
なんとな~く眠れなくて中庭に降りてみれば、ジネットの部屋からランタンの明かりが漏れていた。
明日は、ジネットをゆっくりさせてやらなきゃな。
中庭に立って、窓から漏れる揺れる光が消えるまでぼ~っと見つめていた。
明かりが消えたのは夜中の二時頃だった。
それを確認して、ようやく俺のキャラバン行脚は終わったような気になれた。
もっと軽い気持ちで出向いたのだが、随分と重い話を持ち帰ってしまったものだ。
ウィシャートは危険だな。
貴族連中が牽制し合う権力闘争の渦中に飛び込んでいくつもりなんかさらさらなかったってのに……
「やっぱ、潰しとくか」
つぶやいた声は少しだけ肌寒い風に紛れて夜の闇に消えていった。
早朝。
ジネットは寝坊せずに起きて、厨房で元気に働いていた。
「ジネット。代わるから、カンパニュラが起きるまでそばにいてやってくれ」
「ふふ。大丈夫だと思いますよ」
昨晩のこともあったので不安だったのだが、ジネットは自信ありげに言う。
「彼女は、とても強い娘ですから」
その言葉に反応する前に、中庭から廊下に入るドアが開かれた。
マグダにしては早い。
ロレッタはもっと足音が騒がしい。
まさか。
「おはようございます、ジネット姉様。ヤーくん」
「もう起きたのか?」
「はい」
「起こしてしまいましたか?」
「いえ。ジネット姉様が起きた時はまだ寝ていました。でも、毎日これくらいの時間には起きていますから」
川漁ギルドの朝は早いんだな。
仕事に行く前に、両親とちゃんと会話して一緒に飯を食うためなのだろう。
「デリアは?」
「デリア姉様はまだ夢の中です」
あれ?
川漁ギルドの朝って、そんなに早くないのかも?
まぁ、マグダもまだ寝てるし、デリアも寝かせておいてやるか。
「じゃあ、カンパニュラ。ジネットの手伝いを頼めるか?」
「はい。何をすればよいですか?」
「では、お野菜を洗ってください」
「はい」
店長と従業員と言うにはあまりにほんわかした空気感。
母の日に力を合わせて料理を作る姉妹のように見える。
「じゃあ、俺はちょっと出かけるな。すぐ戻るから」
「どちらへ行かれるんですか?」
「ヤップロックんとこだ。今日は一日テレサを借りる」
カンパニュラは頭がいいからな。四十二区随一の天才少女に会わせてみたかったのだ。
昨日のうちにハムっ子をお使いに出して知らせておいたから、今日一日は空けておいてくれるだろう。
「もしかしたら、シェリルも来るかもしれないが」
「大歓迎ですよ」
「バルバラは、断固として置いてくるから」
「そんな、可哀想ですよ」
いやいや、あいつがいるとうるさいから。
あいつはトウモロコシ農家を手伝っていればいいのだ。
「ヤーくん、お外暗いから、気を付けてくださいね」
「おう。サンキュウ」
礼を述べると、カンパニュラはきょとんとした顔を見せた。
ん? なんだ?
ま、いいか。
「じゃ、行ってくる。カンパニュラ、怪我しないように注意しろよ」
「はい。……さんきゅう。……えへへ」
躊躇いがちに言って、恥ずかしそうにはにかむ。
で、ジネットのスカートの後ろに身を隠した。
なんだ。マネしたかったのか。
『強制翻訳魔法』ではどんな翻訳がされたのかは分からんが、若干乱暴な言葉に聞こえていたようだな。
俺のマネなんかして、口調を乱すなよ。
今の堅苦し過ぎる言葉は、もうちょっとなんとかした方がいいと思うけどな。
「ジネット、そっちのかくれんぼ少女をよろしくな」
「はい。お気を付けて」
「あぁ。帰ったら手伝うから」
「はい。さんきゅう」
「……お前もかよ」
「うふふ」
俺のマネなんかするんじゃねぇよ。
俺みたいなのが増えるのはちょっと嫌だからな。……誰が増えると胃にもたれる系男子か!?
……はぁ。行こ。
で、ヤップロックの畑に着いた。
「おはようございます、英雄様!」
にっこにこ顔のゴロッツに出迎えられてしまった。
……しまった。ここに放り込んだらゴロッツの病気が悪化してしまった。
「……ヤップロック」
「なんでしょうか、英雄様」
「…………なんでもない」
朝からそのきらきらした視線、胃が重たくなるわ。
「ほら、新人! ぼさっとしてないで肥料を運びなさい」
「はい、先輩!」
ゴロッツが日も昇る前からいい声で返事をして、全力で駆けていく。
向かった先にいるのは、バルバラだ。
「トウモロコシは生きてるんだから、一秒だって適当な世話をしちゃダメなんだよ。分かった?」
「はい、先輩!」
……なんか、バルバラがまともなことを言っている。
っていうか、なにその口調?
「バルバラちゃんね、ちゃんと先輩としてお仕事を教えてあげているんですよ」
「最近は口調も丸くなってきましてね。なんでも、ウエラーの口調をマネしているそうなんです」
「うふふ。嬉しいですけど、ちょっと恥ずかしいですね」
後輩が出来た途端張り切るヤツとかいたなぁ。
バルバラはそのタイプだったのか。
「英雄」
ゴロッツが肥料の入ったでっかい袋を担いで畑へ向かったのを見送った後、バルバラが俺のもとへと駆けてくる。
「今日はテレサとシェリルを連れて行くんだって?」
シェリルは予約してないんだが……まぁ、いいだろう。
「あぁ。お前もついてくるとか言い出すなよ?」
「悪いけど、アーシは仕事があるから」
……へ?
「仕事があるから」? あのバルバラが!?
「新人が入ったからさ、この仕事がどれだけすごくて、四十二区にとって大切かってところを教えてやらないとな」
バルバラの瞳が決意に燃えている。
「ちゃんと教えてやるんだ。父ちゃんと母ちゃんがどれだけ偉大な人かってこと。トウモロコシがどれだけすごい食べ物かってこと」
「そ、そうなのか……」
「あとさ、あいつ……ゴロつきだったんだって?」
「おう」
バルバラは、自分と同じ境遇だったゴロッツを心配するような素振りを見せる。
「ちゃんと教えてやりたいな。真面目に頑張れば、必死に努力すれば、何度だって人生はやり直せるんだって。でも、それはたくさんのいい人が支えてくれてるからなんだって」
どうしたバルバラ!?
お前、本当にバルバラか!?
「アーシは、アーシがしてもらったように、後輩たちにしてあげたいんだ。だからごめんな。今日は遊べない。テレサとシェリルのこと、よろしく頼むぞ、英雄」
「お、おう……」
「せんぱーい! 肥料運びましたー!」
「じゃあ、散布するから鍬を用意してー!」
「はい!」
「あーもう、そっちじゃないって言ってるでしょー! 用具入れはあっち!」
世話の焼ける後輩のもとへと、バルバラが駆けていく。
先輩ぶってる時は口調も変わるらしい。
……え、なにこの鳥肌。怖っ。
「また素敵な人を紹介してくださり、ありがとうございます」
「これで、またトウモロコシの生産量が上がります」
「お、おぅ……まぁ、頑張ってくれ」
ゴロツキ更生施設扱いして押しつけただけなんだが……
「ゴロッツ君に関しては、ニューロードでも売り子も続けたいとのことでしたので、ハムっ子さんたちと同じく様々なお店の手伝いに回らせていただくことになりました」
「へぇ……」
「これもみんな、英雄様のお優しさがあればこそ。本当に英雄様は――」
「テレサとシェリルは起きてるか?」
「はい。もう支度も済む頃だと思います。呼んできますね」
……見当違いな賞賛をされる前にさっさと退散しよう。
で、俺は今後なるべくここへは来ないようにしよう、そうしよう。
知らない間に敷地内に英雄像とか出来ないだろうな。ベッコにキツく言い聞かせておかなければ。
「えーゆーしゃー!」
「やちろー!」
元気なちびっ子たちがてってってーっと駆けてくる。
「おはようごじゃいましゅ!」
「なにしてあそぶー!?」
残念だな、シェリル。
やっぱりテレサの方が若干お利口さんだ。
「今日は、お前らに新しい友達を紹介してやるよ」
「おともぁちー!」
「せかいにひろげよー!」
「ともぁちの」
「わっ!」
「え、どこかで流行ってるの、それ?」
「わっ」っと言いながら、テレサとシェリルは両手で頭上に輪っかを作る。
妙な既視感があるが、きっと気のせいだ。
一瞬テレサがグラサンをかけているように見えたのもきっと気のせいだ。
「テレさ~ん」とか、若手に呼ばれたりしないはずだ。気のせい気のせい。
「じゃあ、一日借りるぞ」
「はい。二人とも、英雄様の言うことをしっかりと聞いていい子にしているんだよ」
「「は~い!」」
「それから、怪我をしないように気を付けてね」
「「は~い!」」
もうすっかりと家族だな。
「英雄様。妹たちをよろしくお願いします」
「トット。お前ももうちょっと子供らしくしとけ、な?」
今年で十二歳になるトット。
どんどんヤップロックに似てきてるんだよなぁ、言動が。
子供のうちから崇拝みたいなことやめさせろよ。未来の可能性を摘みかねない。
思想に囚われずのびのびと育ちなさい、お子達よ!
「えーゆーしゃ、おてて、つないで?」
「シェリルもー!」
「へいへい」
両手をガキに握られて、ちんまい少女に挟まれて歩く姿はさぞ滑稽なのだろう。
背中からヤップロックとウエラーの笑う声が聞こえてきた。
微笑ましいのかよ、そうかよ。
「やちろー、テレサとシェリル、どっちがすきー?」
「おっぱいが大きい方」
「どっちかなぁ?」
「どっちかなぁ?」
そんな微笑ましい絵面のまま、俺は陽だまり亭へと戻った。
あとがき
ここ一ヶ月ほど
別の作品の書き溜めをしていて、
今週辺りから詐欺師の書き溜めを始められそうな宮地です。
……異世界詐欺師は、なんか落ち着きますね(*´ω`*)
ルピナスとカンパニュラの登場に合わせて
ウチでもルピナスとカンパニュラの種を植えました。
どちらも秋に種を撒く花なのですが、
花が咲いたらツイッターに写真あげよ~
っと、思っていたら……枯れ……え? 枯れ!?
(゜Д゜;)
カンパニュラは、なんだか茎がひょろひょろして頼りないんですが、
まぁ、まだ成長しているんですよ。
でもルピナスは、双葉が出た直後に「しぉ~」って枯……って、え!?
君は、
「どんな環境でも強く育つオオカミのようなたくましさを持っているから」
って理由で『ルピナス』って名前が付いた植物ですよね!?
それが双葉で枯れ……えぇっ!?
……悲しい(T-T)
ちゃんと調べて種とか水に浸けてから植えたのになぁ……
来年、もう一度チャレンジします。
はい、というわけで、
陽だまり亭に幼女が集まってきます!
というか、集めます!
あぁ、妹ちゃんと帽子ちゃんも呼びたい!
……いや、脱線して大暴走しそうなのでやめておきましょう。
テレサは純粋に様々な物に興味を示し、それらすべてを前向きに受け止めるよい娘で
シェリルは完全無欠に無邪気なタイプですね。
計算高さで言うとテレサの方が「いいこにしなきゃ!」」って思ってる割合が強いです。
なので、シェリルのような失言は少ないのです。
共に無邪気そうに見えるテレサとシェリルですが、
中学生くらいになるときっと差が出てきます。
テレサはみんなに頼られるクラス委員長タイプに、
シェリルはみんなに可愛がられる天然タイプになるでしょう。
最近のアニメで例えると、
シェリルが唯ちゃんで
テレサが憂ちゃんですかね(*´ω`*)
……えっ、最近じゃないんですか、アレ!?
えぇ~……
これでも創作する者の端くれとして
流行物にはアンテナ張ってるんですけどねぇ……
あ、『圏外』になってますね。
そっかーどーりでなー(≧▽≦)イヤーマイッタ
そんなわけで、
ここまでほのぼの日常回が続いておりますが、
どこかでも言ったような気がしますけれども……
別作品書いてから本作に復帰する際は、
テンポを掴むために日常回を書いてしまいがちなんです、私!?
(゜Д゜;)
なんかこのまま日常系になってしまいそうな……
2~3年引っ張れば、皆様がウィシャートのこととか忘れてくれたり……ないですかね?
あぁ、そうですか。
では、きっちりと締めておきましょう、ヤツ。
ヤシロも潰そっかなぁ~とか呟いてましたし。
はてさて、どうなるのか、
私も楽しみっ!(*´▽`*)
しかし、今回ヤシロさんはいいことを言いましたね。
これ、今後活用しましょうかね。
「どっちがすきー?」
「おっぱいが大きい方」
こんなに理論的な答え、そうそうないのではないのでしょうか!?
どのような場面でも活用できますよ、きっと。
たとえば……
彼女「私と仕事、どっちが大切なの!?」
彼氏「おっぱいが大きい方」
ながらく、なんと答えるのが正解なのか分からないとされてきた難問への
最適解が導き出されたのではないでしょうか。
はっきりと言葉にはしないけれど、
「大切なのは君だよ」と暗に示せる、なんともクールな回答ではないですか。
まぁ、職場にもっとおっぱいの大きい人がいた場合はその限りではありませんけれども!
エステラ「私と仕事、どっちが大切なの!?」
おっぱいが大き……おっと、人によっては使えませんね、これ!?
でも、他の場面ならきっと流用できますよ。
父「家族旅行、牧場とキャンプ、どっちに行こうか」
子「おっぱいの大きい方」
父「牧場か、よし、分かった!」
男子中学生A「お前、英語と数学だとどっちが好き?」
男子中学生B「おっぱいの大きい方」
男子中学生A「数学かぁ」(←きっと数学教師が美人巨乳なのでしょう)(←いやいや英語教師が……)(←みなまで言うな、な? なっ!?)(←もしかして、英語教師!?)
担任「お前、進学と就職、どっちにするんだ?」
生徒「おっぱいの大きい方」
担任「就職か。頑張れよ、おっぱいアミューズメントの社員」
と、このように万能に……ばんの……う~ん…………
母「今日の晩ご飯、何がいい?」
子「おっぱい」
父「それは主食じゃなくてデザートだ」
いや、主食でいいのではないかと!?
家族会議の招集を要求します!
今夜は徹底討論ですよ!
あ、しまった。
今回は、先日の感想欄に
「食った分だけ運動しろ」と書かれていたので
言われたとおりに筋トレ始めたら全身痛くてまともに生活できなくなったお話をしようと思っていたのですが、
気付いたらもう2000文字近く書いてしまっていました。
くぅ……
なぜいつも書きたいことにたどり着く前に文字数がいっぱいになってしまうのか……(>△<;)
おっぱいの話と筋肉痛の話、
どっちを書こうか…………
\( ̄▽ ̄)/「おっぱいの大きい方」
というわけで、今回はこんな感じになりました。
シェリルとテレサ
どっちがおっぱいの大きな女の子に成長するのか、
期待に胸を膨らませつつ――いや、ここは正確な表現でいきましょう
おっぱいを膨らませつつ、
彼女たちの成長を見守り――いや、ここも正確な表現でいきましょう
おっぱいが膨らむのを見守りましょう。
つまり、
シェリルとテレサ
どっちがおっぱいの大きな女の子に成長するのか、
おっぱいを膨らませつつ、
おっぱいが膨らむのを見守りましょう。(*´▽`*)
次回もよろしくお願い致します。
……こんな人ですけれども、何卒よろしくお願いしますっ!
宮地拓海




