無添加82話 牛飼いのもとへ
朝。
爽やかな朝。
「ねぇ聞いてよぉ、昨日の夜ナタリアがさぁ……」
「すまんエステラ、朝から胃が重くなるような話はやめてくれないか?」
オバケコンペが終わり、盛大な打ち上げという名の大宴会がつつがなく終了した翌日。本日。早朝。
エステラが日も昇る前から陽だまり亭へと避難してきていた。
「館がカニ臭くて……」
しくしくと泣きながら訴えてくる。
「帰らない」とわがままを抜かしたルシアは、イメルダからの猛烈な拒絶に遭いエステラの館へ宿泊した。
しかも、ルシアが気に入ってしまったらしいノーマを拉致して『二次会in領主の館in四十二区(『in』多いわ!)』を開催したらしい。
面倒な二大絡み上戸にナタリアを加えての地獄絵図。……想像するのはやめておこう。人間の闇の部分を覗き込むようなマネは愚か者のすることだ。
「悔しいからマーシャをイメルダに押しつけたけどね!」
日付が変わり、夜空がうっすらと白み始める頃まで続いた大宴会ではカニが大活躍したようで、館中にカニの匂いが充満してしまったらしい。
そんな惨状の中、給仕たちが何をしていたかって?
エステラとナタリアの許可を得てどんちゃん騒ぎに参加していたらしい。
「だって、ここ最近イベントが続いたのにみんな文句一つ言わずに真面目に仕事に取り組んでくれてたからさ、折角こういう機会だし、今日くらいいいかなって許可を出したんだけど…………みんな、不満溜まってたのかな?」
主が震え上がるほどの大盛り上がりだったらしい。
今朝、こいつが陽だまり亭にやって来て最初の一言が、「ボク、給仕たちをもっと労ろうと思う」だった。
やっぱ疲れてたんだよ、給仕も。完璧を求められ続けているわけだし、息抜きでちょっと抜き過ぎちゃったんだよ、きっと。
「ハロウィンでは、給仕のみんなに休暇を出して祭りに参加してもらおうかな」
「そんな怯えるほど酷かったのか?」
「いや、そうじゃなくて…………まぁ、酷かったか酷くなかったかで言えば酷過ぎたんだけども……」
館の主、苦笑いである。
「普段、滅多に声も発さないような大人しい娘がだよ? パンツ一丁で廊下を全力疾走して『目に留まらぬ速さで走ればセーフ!』っていう捨て身のギャグをね……」
「ごめん待って。もう一回言うけど、朝から胃が重くなる話はやめてくれないか?」
ストレスだな。
日頃、発散されないストレスが蓄積されてしまっていたんだ。
ハロウィンか。ちょうどいいんじゃないかな、違う自分になって大いに羽目を外させてやれば。うん。
「ハロウィンの日は陽だまり亭に入り浸る予定だから、給仕たちに休暇をあげても問題ないんだけどさ。一泊してもいいし」
「勝手に決めんな、こら。手伝わせるぞ」
「手伝いはするさ、ジネットちゃんの」
俺を手伝う気はないって宣言か。
はっはっはっ、わざわざ宣言する必要はあったのかな? ん?
「そうじゃなくてさ。いつも給仕たちには裏方をやらせちゃってるから、たまには参加者にしてあげたいなって。彼女たちも、四十二区の一員だからね」
領民はみんな幸せでいてほしい。
そんな願いを恥ずかしげもなく抱き続けている領主の、少々無謀な、けれどエステラらしい取り計らいだ。
休みの翌日には、一日空けた仕事の穴埋めがどっと本人たちに襲いかかってくることになるのだろうが……ま、リフレッシュした直後ならきっとどんな多忙も乗り切るだろう。
「おはようございます、エステラさん」
「あ。おはよう、ジネットちゃん。…………と、モリー?」
「おはよう、ございます」
ジネットの背に隠れるようにして、モリーがぺこりと頭を下げる。
「え? 帰らなかったのかい?」
「それが……」
口籠もるモリーに代わり、俺がモリー残留の理由を教えてやる。
「強化合宿だ」
「うぅ……」
「あぁ……、あの衣装のための?」
「……はい」
昨日発表した、おへそ丸出しドレスを着るため、着られるバディになるため、モリーはもうしばらく陽だまり亭に残ることになった。
……砂糖を増産するんじゃなかったのかよ? ハロウィンまでの間に、確実に注文増えるぞ。
「今朝は、根菜のサラダと鶏ガラのスープです」
「量が少なく見えますけれど、根菜は硬いのでよく噛むから、しっかりと食べた満足感が味わえる、そんなメニューなんですよね!」
「はい! しっかり食べて、キレイに痩せましょう!」
「あぁ……、ジネットちゃんも必死なんだね」
「はぅう……だって、あんな衣装だなんて……聞いてませんでしたし……」
モリー同様、ジネットも本日からプロポーション作りに精を出すのだそうだ。
前回、あんドーナツパーティを欠席してベルティーナとガキどもに心配をかけてしまったため、教会への寄付にはきちんと同行する。が、食べるメニューは最初から決めておき、それ以外を口にしない。そして、ベルティーナやガキどもには正直に理由話して理解を得るつもりなのだそうだ。
うん。ダイエットは隠さないことが成功の鍵かもしれないな。
周りが協力してくれれば誘惑も減るだろうし。
なにより、『アノ衣装』を着ることになると言えば、多くの者は無条件で応援してくれるだろう。可愛らしい衣装からお腹が「たぷんっ」と出ている姿を想像すると、いたたまれない気持ちになるからな。
「んじゃあ、牛飼いのところには俺とエステラだけで行くか」
「え? わたしもご一緒したいです」
新しい食材を探しに行くということで、ジネットは乗り気だったようだが……たぶん、何かしら食うぞ、向こうで。
「街の東側へ行くなら、トムソン厨房さんの様子も伺いに行きたいと思っていましたから」
あのガゼル姉弟か……
ドーナツで優位性を得ようと思えば、ハロウィンまでの間に頭一つ抜け出しておいた方がいいだろう。それで早く会いに行ってやりたいと思っているのか。
でもなジネット。
そのパターン、絶対あんドーナツ食うことになるぞ?
「あの……お邪魔でなければ、わたしも、是非……」
「邪魔じゃないけど……」
「いいじゃないか、ヤシロ。ジネットちゃんも一緒に行こう」
「……間食が増えても文句言うなよ?」
「はい! 今日はお口まつり縫いです!」
痛い痛い痛い!
お口チャックみたいな使い方してるけど、まつり縫いは痛い!
いや、俺がやり出したことなんだけどさ。
「間食が増えるんですか…………私は、陽だまり亭のお手伝いをしています!」
誘惑に惨敗続きのモリーは居残りを申し出た。
賢明な判断だ。
「ジネットちゃんが出かけるとなると、またマグダとロレッタに留守番をお願いすることになるね」
「どうせ今日はほとんど客が来ねぇよ」
「そうなのかい?」
「はい。おそらくですけど、みなさんお家でドーナツの練習をされるでしょうから」
「あぁ~、なるほどね」
だから、今日は別に店を休みにしてもいいと思うんだが……
「私が店長さんとヤシロさんの留守を守ります!」
モリーが居残るためにも店は開けておかなけりゃな。
「そういえばさ。マグダはまだ寝ているとして、ロレッタは?」
「今日は泊まってないぞ」
「ハム摩呂さんのお話にあった『謎の声』が怖いって、妹さんたちがロレッタさんから離れなくて」
昨晩の状況を思い出して、ジネットがくすくすと笑う。
ハム摩呂の話は、同じ家に住む姉弟にとんでもない恐怖を与えたらしく、小さい妹たちがロレッタにしがみついて離れなくなったのだ。
「今日はおねーちゃんと寝るー!」
「一緒じゃなきゃ寝ないー!」
「お゛ね゛ーぢゃーん!」
「あぁもう、分かったですから、泣き止むですよ! あたしが朝まで一緒にいてあげるですから!」
妹たちがここぞという時に頼りにするのは、やっぱり頼れる長女なようだ。
次から次へと妹がロレッタに飛びついてしがみつき、最終的にはシャインマスカットみたいなシルエットになって帰っていった。
あれはあれでオバケ話として語られるんじゃないだろうか? 夜道を歩くシャインマスカットとして。
「そういえばヤシロ、知ってるかい? ミスターハビエルのこと」
「あぁ、そういえばあいつ、どこに埋められたんだ?」
「埋められてないよ。昨日は大人しかっただろう?」
まったくだ。
大人し過ぎて一切存在感がなかった。
小さなガキがわんわん泣いていたあの現場では「ワシが慰めてあげりゅ~!」とか言って暴走してさっくり刈られると思っていたのだが……
「静かだったのは事後だったからじゃないのか?」
「健在だったよ。胸にね――」
と、自分の胸を指差して可笑しそうにエステラが笑う。
「奥方の肖像画を持たされてたんだって」
なんでも、イメルダがベッコに母親の絵を描かせたらしい。
実家にある在りし日の母親の肖像画を見せて。
「ミスターハビエルは、奥方の肖像がある部屋ではいつも落ち着いた紳士なんだそうだよ」
「相当惚れ込んでたみたいだな」
「わたしも、イメルダさんから聞いたことがあります。お二人はいつも仲がよかったと」
で、肖像画のある館を離れ、四十区を離れ、四十二区なんて辺鄙なところへ来てしまうと自制の箍が外れてしまっていたようだ。
「効果は覿面だったみたいだね」
「だな。いないのかと思うほど静かだったぞ」
「奥様を大切にされる、誠実な方なんですね」
いやぁ、ジネット。嫁さんの肖像がなきゃ幼女に興奮して羽目を外すような変態はとても誠実とは言えないだろう。
というか、ハビエルを鎮めるためだけにベッコを四十区の実家に招いたのか、イメルダ……まさになりふり構わずって感じだな。妙な噂が立ったら……ま、立たないか。ベッコだしなぁ。
「なんにせよ、イメルダの作戦勝ちだったね。おかげでイベントがスムーズに進行したよ」
「死者も行方不明者も出ていないのか……たいしたもんだな」
「もう、ヤシロさん。ダメですよ」
くすくすと笑いながら俺の肩をペしりと叩く。
そんなジネットをモリーがじっと見つめ、ジネットが叩いた俺の肩をじっと見つめ、その後でエステラをじっと見つめ、物言いたそうな目で俺をじっと見つめてきた。
なんだよ?
何が言いたいんだよ?
言わなくていいけど、その目はやめろ。
「ごめんくださいまし!」
「お、噂をすれば」
イメルダの声がして、エステラが入り口の方へと振り返る。
一方、俺とジネットは顔を見合わせた。
イメルダがこんな朝早く、教会への寄付の前に陽だまり亭へ来ることなんかそうそうない。
あったとすれば、オバケが怖くて誰もいない自分の館から逃げ出してきた時くらいだ。
「エステラさん……」
「ちょっ、イメルダ、どうしたのさ? 顔が真っ青だよ?」
「なんですの、あの人魚は!? 何上戸ですの、あれは!?」
「あぁ……マーシャね。はは、面倒くさいだろう?」
「領主&金物コンビに引けを取らない面倒くささでしたわ……人見知りくらいすれば可愛げもありますのに……っ!」
「あはは、マーシャは誰とでもあんな感じだから」
「だとしたら痴女ですわ!」
「あっ、相当気に入られたみたいだね」
何があったんだよ!?
気に入られたら痴漢してくるのか、あの人魚は!?
「人の胸は散々揉み倒しておいて、自分の胸は指一本触れさせないとか、どういう了見ですの!?」
「身持ちの堅い娘なんだよ」
「同等の配慮をこちらにもくださいまし!」
「あはは、本人に言って。聞かないと思うけど★」
エステラが嬉しそうだ。
マーシャの面倒くささを共感してもらえたことが嬉しいのだろう。
……女子同士って、大変なんだな。
「……ハロウィンが終わるまで、VIP待遇を望みますわ」
「ボクも大変だったんだよ。昨日なんかナタリアまでさぁ……」
その後、酔いどれ美女を背負い込んだ二人は互いの経験した苦労話を、というか、愚痴を互いに吐き出して妙な連帯感を生み出していた。
すっかり仲良しだな、お前ら。
「もう少し眠りたいですわね……安全な場所で」
「でしたら、わたしの部屋を使ってください。客間はモリーさんが使用されていますので」
「それには及びませんわ。ヤシロさんの部屋が空いておりますもの」
「空いてても使うなよ、婦女子」
ははーん、お前さては、噂とか一切気にしないタイプだな?
「俺のベッド使ってもいいけど、起きたら陽だまり亭を手伝えよ? 今日、ちょっと出かけるから」
「教会への寄付から戻ったらお起こししますね」
「仕方ありませんわね。ワタクシの華麗なるおにぎりを振る舞って差し上げますわ」
こいつ、後半にようやくコツを掴んで「さぁ、これから!」って時にご飯がなくなって不貞腐れてたんだよなぁ。
そうかそうか、握りたいのか。
というか、誰かに食わせて「美味い」って言わせたいのか。そうかそうか。
「マグダとロレッタに、モリーとイメルダがいれば今日は回るだろう」
「そうですね。お客さんも少ないでしょうし」
「それはダメですわ! 折角ワタクシがいるのですから、溢れるくらいの集客をしなくては!」
「いえ、あのイメルダさん。私たちだけの時にそんなたくさん来られると、困りますよ?」
「平気ですわ、モリーさん! ワタクシがいるのですもの!」
「えっと……」
「モリー、イメルダの実力はおそらくお前の想像通りだ。期待はせず、生温かい目で見ておいてやれ」
四十二区の濃い連中にはまだツッコミ切れないモリーに、助けを求めるような目で見られたのだが、その辺はもう慣れてもらうしかない。
大丈夫。たぶん害はないから。
たぶん。
自信はないけど。
「では、もう一眠りして参りますわ」
眠気が押し寄せてきたのか、イメルダがあくびを噛み殺して厨房へと入っていった。
「寝て起きたら『帰る』とか言い出すかもしれんな、あいつは」
「えっと、ヤシロさん。その場合はどうすれば?」
「武器が必要ならアッスントに頼んで――」
「もう少し平和な解決方法でお願いします」
え~、それが一番手っ取り早いのに。
「マグダに任せとけ」
「なるほど。頼りになりますもんね、マグダちゃん」
そうだな。
特に、そーゆー人種の扱いにかけてはピカイチだ。
任せておけばいい。
「それでは、マグダさんをお起こしして教会へ向かいましょう。今日は忙しくなりそうですね」
日中の予定が二つもある。
客が来そうにない日だってのに、俺は忙しいことが確定していそうだな、こりゃ。
なにせ、今回の目的はゼラチンだ。
テングサから作る寒天とは違い……ヤツは作るのがすげぇ大変なんだよなぁ。
牛や豚の腱や皮を煮込んで、アルカリ処理をして……熱も酷いし臭いも凄まじい……ちょっと憂鬱になる作業だ。
けど、それを覚えさせてやれば牛飼いも少しは大人しくなるかもしれない。
新しい販路が見出せれば……
そんなことを考えて、教会の寄付やら開店準備を済ませた後で、俺たちは牛飼いのもとへと向かった。
「は? あるの?」
「おう。ウチの主力製品の一つだぜ」
大量の牛が飼育されている大きな牧場にやって来た俺たちは、牧場長のモーガン・オルソンからビックリな事実を聞かされた。
「膠とゼラチンは牛飼いの間じゃ常識の製品だぜ」
「そうか……膠があるんだから、ゼラチンもあるか……」
前にウーマロが膠使ってたっけなぁ……
すっごく乱雑に言ってしまえば、同じ原料を使って似たような製法で出来るものなんだから、ゼラチンが存在しても当然と言えば当然だ。
ただ単に、ジネットが知らないだけだった。
「わたし、初めて見ました。これがゼラチンなんですね」
モーガンの牧場で作られていたのは板状のゼラチンだった。
すげぇ。日本にあるのとほとんど同じだ。
「で? これが、テメェらがさっき得意顔で言ってた『新しい商品』だったのか?」
ちょっと小馬鹿にするような顔でモーガンが鼻を鳴らす。
……ちっ。
接客業とは無縁の荒くれ者、モーガンと交渉をするにあたり、「もしかしたら牛飼いたちの販路を広げられるかもしれない新しい商品があるんだが、聞きたくないか?」って持ちかけちまった。
なのに、もうあったって……
赤っ恥もいいとこだ!
「すみません、ヤシロさん。わたしが不勉強だったばかりに」
「いや……最初にアッスントに話を持ちかけるべきだったのを、俺が横着しちまったんだよ」
エステラの「牛飼いの販路が広がれば狩猟ギルドとの軋轢が少しは解消するかも」って話と、ジネットの「街の東側へ行くならトムソンさんのお店を覗きに行きたいです」って話を優先させたいがために、こんな…………えぇい、ぶっちゃけいいカッコしたかったんだよ!
ゼラチンの誕生で牛飼いの販路が広がりエステラの悩みの一つが解決!
おまけにそのゼラチンで新触感のドーナツやマシュマロなんかをトムソン厨房に伝授してやってジネットの心配事も見事解消!
きゃー、ヤシロさん素敵! むぎゅー! ついでにぺったん!
そんな展開をちょこ~っと期待しちゃったんだよ! 悪いか!?
いーじゃん、ここ最近知識の大盤振る舞いして、イベントの運営委員で忙しく走り回ってたんだからさぁ!
ご褒美があってもさ!
あぁ、そうさ!
功を焦ったのさ!
勇み足で大自爆さ!
可笑しいか!?
笑いたければ笑えよ!
……笑ったらただじゃおかねぇけどな?
「……くっ、ゼラチンと膠があるのになんで狩猟ギルドに押されてんだよ。営業努力足りてねぇんじゃねーの!?」
「ヤシロ、それは明らかに八つ当たりだよ……」
たぶんだけど、そんな情報を秘匿していた牛飼いが悪い!
つーか、「こんなのありますよ」って話を振ってこないアッスントが悪い!
そうだよ!
仮にアッスントがコレもんのドヤ顔で「実は、こんな凄い食材があるんですよねぇ~(ぷぷ、お前ら知らねぇーだろうけど)」ってゼラチンを持ってきたら、「あぁ、ゼラチンか(爽やかにイケメ~ン)」「ななな、なにー! 知っていたのかー!(ぎゃふーん!)」って、俺が優位に立てたのに!
「怠慢だぞ、アッスントー!」
「おう、牧場で騒ぐな。牛が驚くだろうが」
「申し訳ないね。彼はたまにあーゆー発作を起こすんだよ」
「薬剤師に見てもらえよ」
「はは、知らないのかい? 彼と薬剤師を混ぜると――危険なんだよ?」
エステラとモーガンがなんか失礼なことを話している。
お前ら二人揃って牛のウンちゃん踏みつけてしまえ。
「まっ、あんたがオレらのことを考えてくれたってことだけは覚えておくぜ。ありがとよ、領主さん」
「や、いや、……ボクは、ただ」
真っ正面から感謝を述べられてエステラが少し照れている。
あいつは人々からの高評価をこっそり聞くのが好きなヤツだからなぁ。面と向かって言われるとどんな顔をしていいのか分からないらしい。
長い間正体を隠していた弊害か?
「だがまぁ、結果は残念なことになっちまったけどな」
「ぬか喜びをさせてしまって申し訳ないね」
「ウチの販路は広がらなかったが……狩猟の連中の販路を狭めることは出来るんじゃねぇか? なぁ?」
「それは、ちょっと……」
自分たちが上がれなければ相手を落とせばいい。……って、そんな発想だから負け続けてるんだよ、狩猟ギルドに。
牛肉だって十分美味いんだから、企業努力でどうとでもなるだろうが。
牛肉を柔らかくジューシーにする方法なんていくらでもあるんだぞ? 牛肉の産地偽装の時によく使われた手法で…………っと、こいつは大っぴらには話せないな。黙っておこう。
「とはいえ、オレぁあんたに感謝してんだぜ、陽だまり亭さんよぉ」
「へ? わたしたちに、ですか?」
「おう。あんたら、いろんな料理を生み出してんだろ? その影響なんだろうなぁ。東の方でも飯屋を始めるヤツが増えてきてな。それも、お宅らみたいな創作料理ってのか? そういうヤツを作る飯屋がよ」
かつて四十二区にあった飲食店といえば、カンタルチカに代表されるような酒場が主であり、陽だまり亭のような店は少数だった。
金のなかった四十二区では、一般人が家族を連れて外食に、なんて文化はさほど根付いていなかったのだ。
あるにはあったが、数が少ない。
少ない飲食店も、食材を無駄にしないために料理の種類は限りなく少なかった。
陽だまり亭も、昔はメニューが少なかった。
カンタルチカなんか、燻製肉を焼いた物くらいしかなかった。
なんにせよ、「料理をする」って技術があまり成熟していなかった街だったのだ。四十二区は。
そりゃ、ゼラチンが出回ってないわけだ。
聞けば、王族がいる中央区や、金持ち連中が多い区では『楽しむための食事』――というか、『見栄を張るための食事』が幅を利かせている関係で、ゼラチンなんかを頻繁に使うらしい。
砂糖やゼラチンは、金持ちが独占している食材だったってわけだ。
ゼラチンは、その原材料や製法、特に作っている時の悪臭なんかの影響で高級食材扱いはされていないようだけれどな。
お貴族様には野蛮に映るのかもねぇ、骨や皮をどろどろに煮込む作業は。
「オレらの牛肉もよ、これまでは特定の店でしか買ってもらえなくてなぁ。店で扱われるっつっても、串焼きにして酒と一緒に出す。それくらいしかなかったんだよ」
牛肉を扱っている店は、基本的にステーキでの提供なのだそうだ。
客の要望どおりの大きさにカットして焼く。
その肉にかぶりつく。そして酒をあおる。
もしくはぶつ切りにした牛肉を串で刺して焼く。
ステーキかバーベキューの二択ってわけだ。
「もったいねぇ。煮込みにすればすげぇ美味いのに」
「カレーに入れても美味しいですよね」
「ボクはビーフカツが好き――だったけど、……ちょっと諸事情があって最近食べてないなぁ」
あぁうん、分かる分かる。
分かるから何も言うな、エステラ。
「なんだ、ビーフカツって?」
「牛肉を、小麦粉、卵、パン粉で作った衣で包んでカラッと揚げる料理です」
「パン粉!? パンを粉にするのか? ……なんて贅沢な」
「いえ……ヤシロさんが……」
「人を殴る以外に能のない黒パンなんぞ、パン粉にでもしないと使い道がないだろうが」
ジネットは教会との繋がりが強いからなのか、毎月一定数黒パンを買ってくるんだよな。ほら、パン職人ギルドって教会の影響下にある組織だし。
でも、陽だまり亭で黒パンは出ない。注文なんか入らないのだ。
俺が住み着く以前もほとんど売れていなかったというし、ご飯やパスタ、その他いろんな美味いもんが並ぶ今となっては言わずもがなだ。
けど黒パンは購入される。
じゃあどうする?
パン粉にするしかないでしょう!
「で、カツやエビフライを作ってるんだよ」
「うす~くスライスしてサンドイッチにしたりしますよ」
「あれはサンドイッチじゃねぇ、クラッカーだ」
サンドイッチにするならタコスの方が合う。
タコスサンドは毎月一定数注文が入る定番商品だ。
「そんな食いもんがあるんだなぁ」
「はい。ヤシロさんがいろいろと教えてくださるんです」
「はぁ~、若ぇのに大したもんだな、兄ちゃん」
白髪の交じる短髪を綺麗に切りそろえた老齢な牧場長は、ざりざりと無精ヒゲの生えるアゴを撫でる。
「ゼラチンを偉そうに教えに来た間抜け野郎って評価は、考え直さなきゃならねぇみてぇだな」
ちぃ! ヤなヤツだ、このジジイ!
ジジイのくせにむっきむきの体しやがって。
「なんにせよ、新しい料理が増えてくれんのは大歓迎だ」
「牛肉の需要が増えるからか?」
「それもある。それもあるが……食い合っちまうからな、肉屋は」
モーガンの言う『肉屋』というのは、肉を専門に出す飲食店のことらしい。
それが食い合うってのは、一体?
「素材が一緒だろ? 店がやるのはそれを切って焼くだけだ。なまじ単純な作業だから技術の差が味にはっきりと出ちまうんだ。肉のサイズ、焼き加減、切り方にまでその差は出ちまうんだよ……同じ食うなら、誰だって美味い店に行くだろう?」
ただ肉を焼くだけ。
それで、同じような値段ならば、それは美味い店に客が集中するだろう。
言い方を変えれば、技術のない店に客は来ない。
固定客がいたとしても、その技術が失われてしまえば、あっという間に客は離れていく。
「そりゃそうだよな。牛肉は、切り方と焼き方で味が変わるからな」
「ほぅ、分かるのか、若いの?」
「まぁな」
筋の処理、脂の落とし方。なんなら、熟成のさせ方も混ぜてもいい。
それらのどれか一つ知らないだけで、他の店からは一段も二段も味が落ちるだろう。
「一つ、ヤベェ店があってなぁ」
牧場の柵に体を預けて、モーガンが高い雲を見上げる。
「もう二十年も前になるがよ、ウチに洟っ垂れの小僧が見習いで入ってきたんだよ。けど、そいつは牛飼いになるつもりはなかった」
「飲食店か?」
「あぁ。牛のすべてを知り尽くして、一番美味い牛肉を食わせる店を持ちたいって息巻いてやがった。飯屋なら飯屋に弟子入りしろって、オレぁ叩き出してやったんだが、あいつはしぶとかった。食らいついて食らいついて、ついにオレを認めさせやがった」
「で? 仕込んでやったのか?」
「おぉよ! 徹底的に叩き込んでやったさ。十年も経つ頃にゃ、そこらの牛飼いには負けない一人前の牛飼いの面ぁしてやがった」
「そんな店主の店なら、美味い肉が食えそうだな」
「あぁ、美味かったぜぇ! オレぁ飲む時はそいつの店って決めてたんだ。決めてたんだがな……」
と、モーガンは声のトーンと視線を落とす。
「バカヤロウだよなぁ……あんな事故で……あんな綺麗な嫁さんとチビたちを遺してよぉ…………一人で逝っちまいやがって」
「あ、あの……っ、モーガンさん」
目頭を揉むように押さえるモーガンに、ジネットが尋ねる。
「その人って、トムソンさん……ですか?」
「なんだ、嬢ちゃんはボーモを知ってるのか?」
「数度、お会いした程度ですけれど」
どうやら、モーガンの元で修行していたのは、あのガゼル姉弟の父親だったらしい。
ボーモ・トムソンは、ここで修業をしていたのか。
「ボーモにはもったいねぇ、器量のいい嫁さんだったんだが……さすがに十年仕込みの技術はマネ出来ねぇ。いくら一緒にいたとしても、技術ってのは個人の腕に宿るものだからよ」
大黒柱を失ったトムソン厨房は、その味と顧客を失った。
「昨日、相談されたよ……もう、店を畳むつもりだってな」
「えっ!?」
「なんでも、チビたちがなぁ、自分たちの意志で店を盛り立てようってしてるみたいでなぁ……それが、キツかったんだろうなぁ」
「家族みんなで力を合わせるのが……ですか?」
「そうじゃねぇよ、嬢ちゃん。……あんな小さな子供たちが自ら動かなきゃならねぇって思っちまうほどに、追い詰められている様を見せちまっていたってことがキツイんだよ。親ってのは、子供の前ではなんでもないような顔をしていたいもんなのさ」
「…………」
きゅっと、ジネットが胸の前で手を重ねて、握る。
ジネットにも覚えがあるのだろう。
どんなにつらくても、心配をかけまいと笑顔を絶やさない母親の姿に。ベルティーナは、そういうところで強がるタイプだしな。
「ドーナツを教えてくれる約束を取り付けてきたって言ってたそうなんだが……もしかして?」
「はい。お子さんたちにお願いされまして、それで……」
「それには感謝してたぜ。けどな、あそこでドーナツってヤツは作れねぇよ。ノウハウ以前に、設備が整ってねぇ」
肉を切って焼くだけの店なら、鉄板くらいしかないのかもしれない。
売り上げを支える程度にドーナツを売ろうと考えれば、相応のフライヤーが必要になる。
設備への投資も必要になるし、店の改造も必要だ。
旦那の遺した店ってのに思い入れがあれば、それも難しいかもしれないな。
「だから、潔く店を畳んで、家族三人慎ましく生きていける仕事を探すってよ」
「……でも、それでみなさんは、幸せになれるんでしょうか?」
きっと、トムソン厨房の家族の思いは一つなのだろう。
みんな、店を辞めたいなんて思っていないはずだ。
けれど、経営ってのはそんな甘いものじゃない。下手にしがみつけば借金が嵩み、立ちゆかなくなる。
「オレも力になってやりたいと思ったんだが……こればっかりはなぁ……まぁ、ウチでよければ雇ってやるつもりだ。ただなぁ、そうなると、新しい店を見つけるまで酒が飲めないのがなぁ……」
未練がましく、アゴヒゲをザリザリと撫でるモーガン。
思い入れのある店がなくなるのは、やっぱ寂しいよな。
それは理解出来る。出来るが、……な~んでエステラとジネットが俺をじぃ~っと見てやがるのかが理解出来ない。
あのな、ドーナツで優位性を持たせて店を延命させることが出来なくなったんだぞ?
それに、モーガンも言ってただろ? 肉を切って焼くだけの単純な食い物ゆえに、それ関係の飲食店は食い合っているって。
そこで一店舗だけに肩入れしたら、他の店が不満を抱くだろうが。
そもそも、十年かけて身に付けたような技術でもっていた店だ。その技術を俺たちが一朝一夕で教えるなんて不可能だ。
まぁ、解決策がないでもないんだが……
「モーガン。ステーキだの串焼きだのをメインに扱っている飲食店はどれくらいあるんだ?」
「専門的にってことになると……七軒だな」
「トムソン厨房以外にあと六軒か。そこの経営状況は?」
「一軒が強くてな、そこだけいつも客で溢れ返ってんだ。店に入れないことなんかしょっちゅうだぜ」
その一店舗が、技術的にずば抜けているのだろう。
同じ肉を食うなら美味いところがいい。だからその店に客が集まる。集まり過ぎのようだけどな。
「他の店も、客の入りはそこそこいいな。硬ぇのが食いたきゃココ、脂ぎっとりが食いたきゃココってな具合で、上手く住み分けてるぜ」
「人によって、好みの焼き加減は千差万別だらな」
「あぁ。俺なんかは、ほとんど火を通さねぇでまだ肉が真っ赤っかの半生で食うのが好きなんだ。脂の甘みがたまんねぇんだよな。それを辛口の酒でぐいっ……とな」
つまり、肉の焼き方にうるさい酒飲みは多いということだ。
んじゃあ、あの店を作れば流行るだろう。
「モーガン。お前はさっきトムソン厨房の力になってやりたい……そう言ってたよな?」
「ヤシロさん!」
「ストップ、ジネット! そんな嬉しそうな顔で近付いてくるな!」
今にも飛びつきそうなジネットを制止する。
そこで飛びつかれたら俺が努力しなきゃいけない羽目になる。あくまで俺は提案だけだ。
「努力するのはモーガンだ。俺じゃない」
「オレに何をやらせようってんだ?」
「肉の知識を教えてやってくれ。少しずつでもいい。どこの身が柔らかくて、どこが脂が乗っていて、どこがあっさりしているか。それを切り分けるにはどうナイフを使えばいいか、肉の熟成や処理の仕方なんかをな」
「そりゃかまわねぇが……時間がかかるぜ? それに、解体はこっちでやってるから教えられるが、焼き方になるとオレぁ専門外だ」
「焼き方は教えなくていい」
「いいのか?」
「あぁ。肉を焼くのは客だからな」
「はぁ!?」
焼き加減にうるさい客が多いなら、自分で焼かせればいいじゃない。
「焼肉屋にしちまえばいいんだよ」
ちょっと店の内装を変えなきゃいけなくなるから要相談だが……セロンのところで七輪を作ってもらえば、そこまでの大改造は必要ないだろう。
ウーマロに排煙の煙突と、七輪を組み込めるテーブルを作ってもらえばなんとかなる。
煙突はノーマか。
「ちょっと待て、若いの! 客が厨房で働くのか? そりゃいくらなんでも客に頼り過ぎだろう。客は金を払って飯を食いに行ってんだ。なんで仕事の手伝いなんか……」
「違う違う。焼きながら食うんだよ」
「厨房でか? 座って飲ませろよ!」
「ん~……」
そうだよなぁ。
この街、ホットプレートとか簡易コンロとかないもんなぁ。
七輪だってなかったんだ。みんなで囲んで飯を食うなんて発想がないんだろうな。
「あっ、そうだ。森とか行くと焚き火をするだろう? 火を囲んで肉焼いたりするじゃねぇか。あんな感じだ」
「はんっ! 森の中で獣の肉を食うなんざ、そんな狩猟みてぇな野蛮な飯、オレぁ食いたかねぇな!」
うわぁ……確執が根深ぁ~い。
「まぁいいから、一回やってみようぜ。それで、トムソン厨房の女将がやる気になるなら手伝ってやれ。そうじゃないなら、仕事の斡旋でもしてやるんだな」
「ん……まぁ、本人の意思を聞かねぇことにはなぁ。オレらが勝手に騒いでも意味ねぇもんな」
「じゃ、熟成された美味しい肉をちょこ~っと提供してくれ」
「はぁ!?」
「人助け人助け。好きだろう、そういうの?」
「馬鹿言え! オレぁ別に……」
「十年も師弟関係を続けてきた男の家族だ。もう、ファミリーみたいなものだろう?」
「ん?」と顔を覗き込むと、モーガンは鼻と眉の間にシワを寄せて盛大に舌を鳴らした。
「……ちぃ! 狩猟の言ってた通りだ! テメェと絡むとこっちが損を被るな!」
どんな話をしてたんだよ?
仲違いしている連中が妙なところで共感を得てんじゃねぇよ。
「分かったよ。とびきり美味い肉を用意してやる。テメェが腰を抜かすほどのな!」
「んじゃあ、俺たちは一旦陽だまり亭に戻って準備をしてくる。五時間ほどでいいかな? トムソン厨房に行くから約束を取り付けといてくれ。軽く説得も頼むな、聞く耳持ってくれるように」
「人使いが荒いな、テメェは……分かったよ。やっといてやる」
「あと、ちょこ~っと用意してほしいものがあるんだけど~」
可愛らしいおねだり顔で見上げると、モーガンは突発的にインフルエンザにかかったかのような青ざめた顔で身をすくめた。ぶるっと体を震わせる。
寒気とか、酷いヤツだ。まったく。搾取しちゃうぞ☆
モーガンの牧場から下準備のための食材を少々拝借して、俺たちは陽だまり亭へと引き返した。
あとがき
ガタンゴトン、ガタンゴトン、ガタンゴトン――ぴろりろりん♪――ガタンゴトン
車掌「ちょっ! 今1UPしなかった!? 電車停めて!」
運転手「マジで!? 見逃しちったわ! 今後のために出現ポイント調べとくべ!」
車掌「オケ! アナウンスしとくわ!」
運転手「ヨロ!」
車掌「『え~、お客様にお知らせします。ただいま、線路内で異音がしたため、一時停車して確認作業を行います。しばらくお待ちください。お急ぎのところ、電車遅れまして申し訳ございません』」
――みたいなことがあったのかなぁと、
遅れた電車の中に乗りながら考えていた宮地です。
なんでも、線路内で音がしたから電車が遅れたんだそうです。
まぁ、私も幼いころ
友人「あ、さっきんとこ1UPキノコ出るよ」
私「えっ、嘘!? どこ!?」
友人「もう過ぎた」
私「言うの遅ぇよ! 6-1まで来れることなんかもう二度とないかもしれないんだぞ!?」
と、殴り合いのケンカをしたものなので、
気持ちは分かりますけどね。
……すみません、嘘です。
殴り合うような度胸は持ち合わせておりませんのでもっとしょーもない争いでした。
ちょっと見栄張っちゃいました。
本当はぷっちんプリンのぷっちんし合いです。
私「交互にぷっちんしていって、失敗したほうが負けな!」
友人「は? こんなん100%成功すんじゃん?」
私「甘いな! やってみるがいい!」
友人「うわっ、なんだ!? 『ぐにー!』ってしてぷっちん出来ない!?」
当時のぷっちんプリンって、ぷっちんのところが綺麗に折れずに『ぐにー!』ってしてぷっちん未遂に終わることがままあったんですよねぇ。
きっと今では改善されていることでしょう。
当時のプラスチックは強かったんですよ。
チューペットの真ん中とか。折れずに「ぐにー!」って
あのころは優雅でした。
昼過ぎには学校が終わり、
友達の家でただ飯(オヤツ)を喰らい、
た○しい幼稚園の付録のソノシートで音楽を嗜む優雅な午後。
手で回すレコードプレーヤー(手作り)がどのご家庭にも一個はあったものです。(それも付録なんですけども!)
ま、聞けたもんじゃなかったですけどね!
「♪ぬゎぁ~ぬぃ~ぉうぉぉぅうぉおお~ぅおんぅぉんにぃぃ~~~♪」
みたいなクオリティでした。
手動で同じ速度を保つとか、無理!
それで、オヤツの追加を買いに駄菓子屋へ向かうと
途中でクラスの女子が家の前で縄跳びとかやってるところに遭遇して
友人「お、おぅ! なに、やってんの?」
女子「なわとび」
友人「あ、そうなんだ。縄跳び大会近いもんな」
女子「そっちは? なにしてんの?」
友人「ん? なわとび?」
女子「縄持ってないじゃん」
友人「買いに行くんだよ、今から」
女子「そっか。じゃ、がんばってね」
友人「お、おう……そっちも」
女子「ん~」(ぴょんぴょん)
友人、玉砕です!
「じゃあ、一緒に練習しようか」の一言が引き出したかった!
っていうか、もしそうなったら、私、帰らされてましたよね?
なんてヤツだ!?
駄菓子奢れ!
あれ?
もしかして、私がいたから避けられたのかな?
「スカートで縄跳びとか、サイコーか!?」みたいな顔していたからかな?
いやいやまさか。歩くポーカーフェイスと呼ばれた私が。まさかまさか。
私「ドンマイ、パンチラ」
友人「お前と一緒にすんな!」
私「まさか、モロパン派か!?」
友人「帰れ!」
ちっ、片想いがうまくいかないからってカッカしちゃって、
小学生か!?
そーいや、小学生でしたね、当時。
たの○い幼稚園を楽しんではいましたけれども。
そういえば、あの頃は当たり前のように女子が周りにいて
一緒に掃除したりご飯食べたりしてたんですよねぇ。
……いつから有料になったんでしょう?
レンタル彼女とかあるらしいですね?
さすがに手を出したことはないんですが……有料かぁ。
私が当時からもっと社交的であれば
クラスの男女を問わずきゃっきゃうふふ出来たのに。
もったいない。
今なら……今の私なら…………
と、思っている大人はきっと多いでしょう。
なので、レンタルクラスメイトとかあったら面白いかもしれませんね。
1クラス分の生徒を貸し出してくれて、オプションで先生もついてきて、
あの頃の学校生活を体験出来るとか。
担任「宮地! 面白い顔をするな! やる気がないなら帰れ!」
私「ちっ! なんだいなんだい! 帰ってやるよ!(ぷんぷん!)」(がらがらがら! ぴしゃん!)
……はっ!?
1クラス分丸ごとお金無駄にしてる!?
48人分もレンタルクラスメイトのお金振り込んだのに!!
……マンモス校か!?Σ(゜□゜;)
「あれ、そういやウチのクラス何人だっけ?」
と、何名かの方が思い始めたところで、ちょこっと本編の話を。
書籍2巻で嫌なヤツ役をやっていたモーガン再登場です!
WEB版ではWEB版なりの活躍をしてくれ……るかどうかは分かりませんが
まぁ、こんな感じです。
もう少し面白く料理したいところですね、モーガン。
そんなモーガンが牧場長を務める、割と大きめな牧場について、
ヤシロ、最大に空回りっ!
ぷぷぷー!( ○≧艸≦)
たまにはね、
こういうこともありますよね。
ヤシロ「お前らの販路を広げる妙策があるんだが……聞きたいか?(にやーり)」
からの~
ヤシロ「あるならあるって、最初から言っとけよ!(顔真っ赤)」
私も似たような経験あります。
研修生に、懇切丁寧に教えてあげようとしたら
研修生「あ、それ知ってます」
って。
拗ねましたよね。【柱】_-)
私「じゃーもー何も教えないもーん! ふーんだ!」
誰か、私を「かわいいっ! ぎゅっ!」ってしてもいいんですよ?
今がチャンスですよ!?
……はい。立候補者、ゼロ、ということで。
まったく、最近のレディたちは遠慮屋さんなんだから☆
えぇ、皆様もうお気付きのことでしょう。
寝てません♪((○>∀・)ノ
謎のテンションで乗り切る気MAXです!
明日、改めてあとがきを読んだら、
こっそり書き直されていて
日本の伝統芸能について切々と語っているかもしれませんね。
よく寝て、落ち着いて、いつもの私らしく。
あ、いっけね。
落ち着いたところで伝統芸能に関して語れることないや☆
秋の夜長といいますが、
夜はたっぷり眠りましょう。
「『よく眠れるおっぱい枕 通販』――検索っと」(ぽちー!)
次回もよろしくお願いいたします。
宮地拓海




