無添加47話 途中経過とハムっ子と秘め事と
「……ご飯を食べている時に思い出した」
応援合戦が終わり、白組一同はマグダに招集されていた。
応戦席の前に立ち、マグダがきりりっとした無表情で言う。
「……マグダ、チームリーダーだった」
「忘れんなよ」
「……ヤシロが指示を出しているから、なんだかそれでいいかという気に」
まぁ、長丁場だしな。
マグダも、いろいろと興味を惹かれるものがあったりして、統率よりも楽しむ方に意識が向いていたのだろう。
「……ちなみに、かわいい隊の振り付けはマグダが行った」
「どうりで可愛さがあふれ出していたッス!」
「……まぁ、マグダ自身が参加していれば、もう500ポイントくらいもらえていたことは明白」
「間違いないッス!」
「おい、グーズーヤ。お前んとこの棟梁うるさいから黙らせろ」
「む、無理ですよ!? 棟梁、めっちゃ怖いんですから!」
えぇ……なに、ウーマロ。身内には厳しいの?
内弁慶ってヤツか?
「弱い者にだけ権力を振りかざすとか、サイテー」
「組織の長として当然のことしてるだけッスよ!? ほら、グーズーヤ! 誤解のないようにちゃんと説明するッスよ!」
あぁ、そういえば。こいつと初めて会った時もかなり怒ってたっけな。
部下の不祥事を怒鳴りつける上司として。
「……マグダ、裏表の激しい人は、ちょっと……」
「優しくなるッス! マグダたんの前にいる時のように!」
「……けど、仕事に責任と情熱を持てる熱い人は素敵」
「あぁ、悩ましいッス! 今のままでいいのか、変わるべきか!?」
その前に、未発達の未成年にぞっこんな大人はどうなんだろうな、おい。
「それで、マグダっちょ。みんなを集めてなんの話があるです?」
「……午後の競技が始まる前に、点数の確認をしておきたいと思う」
「アーシもその意見に賛成だ。あとどんくらいで逆転出来んのか知っといた方が、気合いが入るってもんだ」
「賢明な判断じゃねぇかですね、我が永遠のライバルマグダ」
「ちょっ、待てよモコカ! 親友はアーシだろ!?」
「親友とライバルは違ぇじゃねぇかですよ」
「どっちが強い!?」
「うるさいぞ、バルバラ。ちょっと黙ってろ」
ヒートアップするサル女を黙らせる。
お昼の間に足首の痛みが引いたと言っているモコカも、午後からは戦線に復帰する予定だ。
「……モコカ、足は?」
「もうすっかり平気だぜです! 大将が持ってきてた氷のおかげでシャッキシャキだったぜですから」
マーゥルは、炎天下での観戦ということで氷を持ってきていた。
魔獣の革で作った袋に氷を入れたもので、そこにタオルを載せて冷やしておき、冷えたタオルを首筋に当てたりして涼を取るものなのだそうだ。その魔獣の革に入れておけば、だいたい半日くらいは氷が溶けずに持つというから驚きだ。
マーゥルクラスの貴族になると、猛暑期に備えて氷をストックしているらしい。
豪雪期になると大量に生み出される氷を氷室に入れておくのだとか。
やっぱ、そういう技術は存在したんだな、この街にも。
「微笑みの領主様から『明日は暑くなるから対策しやがれください』って手紙が来てたんで準備してやがったんですが、私のために使ってくれやがったんですよ」
ナタリアの天気予報を事前に知らせていたわけか。
相変わらずナタリアの天気予報はよく当たり、今日は朝から結構暑い。日差しも強いし、備えは必要だっただろう。
細かくポイントを稼いでやがるなぁ、エステラのヤツ。
でもまぁ、おかげでいい情報が手に入った。
氷は、あるところにはある。
そして、結構頼みやすいヤツが持っている。
マーゥルには、モコカの給仕魂を目覚めさせたという貸しもあるし、こういう時に利用させてもらってもいいだろう。
ちらりとグラウンドの入り口を見やるが、まだお目当ての人物は戻ってこない。
仕方ないのでマグダの話へと意識を戻す。
「……イネス、デボラ。ここまでの得点はどうなっている?」
「はい。こちらに集計した物があります」
「現在、白組の点数は1040ポイント。健闘も虚しく、いまだ最下位を脱してはいません」
おぉ……マグダのヤツ、当たり前のように給仕長ズを使ってるな。
まぁチームリーダーだし、いっか。今、この中では一番偉いんだし。
で、給仕長二人が示した点数は、現在こんな感じだった。
青組:1355ポイント
黄組:1273ポイント
白組:1040ポイント
赤組:1186ポイント
これらは、応援合戦の50ポイントを加算した最新の得点だ。
「大分追いついてきましたね」
嬉しそうにジネットが言うが、トップとの差は315ポイント。
たしか、最初の競技『徒競走』終了時のトップとの差が254ポイントだから……離されてんじゃねぇか!?
「おい、どうなってんだよ!? 俺ら結構一位とってたろうが!」
得点表らしき物を持っている給仕長ズへと詰め寄る。
何かの間違いなんじゃないかと思って。
ところが。
「確かに、台風の目、大玉転がしと、白組は一位を獲得しました」
「ですが、徒競走とお客様の中にレース、そしてパン食い競走でトータルポイントが最下位でした」
そう言ってデボラが細かい数字が書き込まれた紙を見せてくる。
そいつには、これまでの競技の成績と獲得ポイントが詳細に書き込まれていた。
【徒競走】
1位 青組 629ポイント
2位 黄組 569ポイント
3位 赤組 427ポイント
4位 白組 375ポイント
(※得点合計順位)
【台風の目】
1位 白組 50ポイント(合計 425ポイント)
2位 青組 30ポイント(合計 659ポイント)
3位 赤組 15ポイント(合計 442ポイント)
4位 黄組 0ポイント(合計 569ポイント)
【大玉転がし】(交流メインのためポイントは低め)
1位 白組 20ポイント(合計 445ポイント)
2位 赤組 10ポイント(合計 452ポイント)
3位 青組 5ポイント(合計 664ポイント)
4位 黄組 0ポイント(合計 569ポイント)
【お客様の中にレース】
1位 赤組 122ポイント(合計 574ポイント)
2位 黄組 112ポイント(合計 681ポイント)
3位 青組 67ポイント(合計 731ポイント)
4位 白組 65ポイント(合計 510ポイント)
(※得点合計順位)
【玉入れ】
1位 赤組 42ポイント(合計 616ポイント)
2位 白組 40ポイント(合計 550ポイント)
3位 青組 39ポイント(合計 770ポイント)
4位 黄組 37ポイント(合計 718ポイント)
【パン食い競走】
1位 青組 535ポイント(合計 1305ポイント)
2位 赤組 520ポイント(合計 1136ポイント)
3位 黄組 505ポイント(合計 1223ポイント)
4位 白組 440ポイント(合計 990ポイント)
(※得点合計順位)
【応援合戦】
※各チームに50ポイント
「……たしかに」
デボラの言った三競技で、白組は最下位のポイントを叩き出していた。
おっかしいなぁ……もっとポイント稼いでるイメージだったんだけどなぁ。
お客様の中にレースなんて結構頑張ったろ、俺?
テレサも喜んでたしさ。観客だってうるうるしてたじゃねぇか。
感動ポイントとか加算されてねぇのか? そういうの必要なんじゃね?
「大丈夫ですよ、ヤシロさん」
点数表と睨めっこをする俺の腕にジネットの手が触れて、目が合うと優しい微笑みが向けられる。
「確かに点数は低いかもしれませんが、わたしは、ヤシロさんの優しさが一等賞だと思いましたよ」
「う…………そ、そういうの、いいから」
ジネットに優しく言われると無性に小っ恥ずかしくなる。
やっぱテレサのお守りはエステラに丸投げするべきだった。……あいつが乳の無さにこだわりさえしなければ……乳のNASA…………すげぇ、エステラのぺったんこ、宇宙規模っぽい。
「パン食い競走は絶対一番だと思ったんだが……」
「わたしは、最下位でしたし……足を引っ張ってしまいましたね」
「いいや、ジネット! お前が一番だったぞ! 他の誰よりも!」
「なんの話をしているんですか!?」
「おっぱいの揺れ!」
「懺悔してください!」
揺れポイントが加算されていれば、今現在確実に白組がトップを独走していたことだろう。
そもそも、徒競走なんか、一位に10ポイント、二位に8ポイント、三位が5ポイントで四位でも2ポイントもらえる肩慣らしみたいな競技のはずだったんだ。
最下位でもポイントがもらえ、一位と二位の差も2ポイントと少ない。
もっと団子状態になるはずだったのに……
「徒競走での出遅れがそのまま響いてるな」
「といいますか、団体競技は強いのですが――」
「――個人競技がダメダメなのです、我が白組は」
給仕長ズの指摘は的を射ている。
逆に、黄組は団体競技はそうでもないのに、個人競技がやたらと強い。
青組は安定してポイントを稼いでいるし、赤組は生花ギルドというコミュニケーション能力がチート級のオバハン……もとい、お姉さんたちがいるせいで、お客様の中にレースでダントツの成績を挙げやがった。ウェイトレスを複数有する黄組をも凌駕する122ポイント。
白組と比べれば、ほぼダブルスコアだ。
「ハビエルさん、強引に迎え入れてしまえばよかったですかね?」
「いや、それはやめておいて正解だったでしょう」
ロレッタの意見を即否定するイネス。
「この段階でミスター・ハビエルが加入すると、他のチームの反感を買います」
「そしてそうなれば、負けそうな白組が『ズルをした』という印象を与えかねません」
「午後からは団体競技がメインとなります」
「そうなった時、他の3チームから集中攻撃を受けてしまっては、万が一にも逆転の芽はなくなってしまうでしょう」
「「ね? コメツキ様」」
「惜しいな。最後のがなかったら結構カッコよかったのに」
状況把握はしっかりと出来ているらしい給仕長ズ。
ほんのちょっと、自分の立ち位置を見失っているようだが。
平均的に見て、身体能力で他のチームに劣る白組は敵の油断を突いて逆転を狙うしかないのだ。
ハビエルみたいな分かりやすい脅威を引き込んで目の敵にされたのでは真っ先に潰される。
あと一度でも最下位を取れば、優勝は絶望的になるだろう。
勝てなくても二位に食い込んでいかなければ。……それでも、青組が自爆してくれないと優勝はかなりキツイが……
「それに、次の競技にあいつを出すと…………この辺一帯が血に染まる」
「あぁ……なるほどです」
「……それは、子供たちには見せられない」
俺の説明で納得してくれたロレッタ。
そうなのだ。この次の競技は、ロレッタの弟妹が大活躍する競技なのだ。……それもあって、俺はハビエルを迎え入れたくなかった。
「それじゃあ、あんたたち。次の競技の準備をしてくるですよ」
「「「はーい!」」」
長女ロレッタに見送られてグラウンドへと駆けていくハムっ子たち。
他のチームからもわらわらとハムっ子がグラウンドへと出て行く。
あっという間に出来上がるハムっ子の群れ。
大中小、男女。様々なハムっ子がグラウンドに集結している。
「凄い数、ですね……」
イネスがハムっ子の群れを見て微かに頬を引き攣らせる。
似たような顔から同じ顔。似た者弟妹の群れは、改めて見るとやはり圧巻だ。
「あれ?」
群がる弟妹を見て、ロレッタが小首を傾げる。
そして細かく指を動かしつつその数を数えていく。
「お兄ちゃん。妹が三人足りないです」
「あぁ。そいつらにはお使いを頼んだんだが……まだ戻ってこないんだよな」
飯を食った後、ひとっ走りお使いを頼んだのだが……まずったかもしれない。
思いのほか時間がかかってしまっている。
ハムっ子たちはある程度大きくなると足が遅くなってくるらしく、俊足のピークは個体差もあるが概ね七歳~十歳なのだそうだ。
言われてみれば、ロレッタよりもハム摩呂の方が足が速い。男女による体力の差かとも思ったのだが、そうではないらしい。
赤ん坊から六歳くらいまでは発展途中で、その後にピークを迎え、十歳を超えると徐々に身体能力が『安定』してくるのだという。
確かに、あの俊足はパラメーターのバグみたいな出鱈目さだからな。
ロレッタ曰く、十歳を超えると手足が伸びて頭身が伸び、それによって体のバランスが変わるせいなんじゃないかということらしい。まぁ、ロレッタ自身も「よく分かんないですけど」と枕詞にしていたので、あくまで所感でしかないのだが。
ハム摩呂近辺のハムっ子たちは、三~四頭身くらいしかないもんな。
「あたしはすらっと八頭身ですけどね!」
「……ロレッタは六頭身」
「え、二頭身だろ?」
「あたし、そんな面白体型じゃないですよ!? 大人の女性の体つきです! デリアさん体操も毎日してるですし!」
デリアみたいなナイスバディになりたけりゃ川で鮭でも捕まえるんだな。
あの体操は、『デリアのようなナイスバディになるための体操』ではなく、『ナイスバディのデリアが教えている体操』に過ぎないからな。
まぁ、一応効果がありそうな動きを取り入れてはいるから、それなりの成果は期待出来るだろうが。
それにしても帰りが遅いな、妹たち。
足の速さを見込んで八歳チームに頼んだんだが……、肝心の交渉で躓いたか? 八歳には荷が重かったかなぁ……
「「「おにぃ~ちゃ~ん!」」」
やきもきしかけた矢先、妹たちが三人仲良く戻ってきた。
おぉ~、速い速い。砂埃って、あんなに巻き上がるものなんだなぁ。
「もらってきたー!」
「マーゥルさんのおてがみ、みせたー!」
「すっごくひんやりー!」
30×40×15cmくらいの木箱を大切そうに抱きかかえ、他二人は嬉しそうに腕をぱたぱた振り回して、任務完了の報を俺に伝えてくる。
そうかそうか。きちんとお使い出来たか。
「偉かったな。今度ご褒美をやるから楽しみにしとけ」
「「「ほんとー!? わーい!」」」
子供だけで知らない場所に行って『ある物をもらってきてくれ』ってミッションは少々ハードルが高過ぎたかもしれない。
けれど、時間短縮を最優先したかったのでやむを得ずこの人選にしたのだ。
ご褒美くらいはきっちりやらないとな。
「マーゥル御用達の職人を見つけるの、大変だったか?」
「んーん! すぐみつかったー!」
「じゃあ、マーゥルの認めたお使いだって信じてもらえなかったのか?」
「んーん! すぐ分かってくれたー!」
「じゃあ、迷子になったか?」
「んーん! すぐたどりついたー!」
「じゃあ、なんでこんなに時間がかかったんだよ?」
「『おつかいなの? えらいわねー』って」
「おばちゃんたちが褒めてくれてー」
「おやつい~ぱいもらったぁー!」
「遊んでんじゃねぇよ!?」
こいつら……こっちは急を要してるってのに。
「……おこられた」
「……あたしたち、ダメな子?」
「……ごほうびも、きっともう、なし……」
「「「……しゅ~ん……」」」
「ご褒美はやる! やるからへこむな!」
「「「ぅはは~い!」」」
諸手を挙げて俺の周りを踊り回る妹たち。
こらこら、箱を振り回すな! 貴重な物なんだから!
「んじゃあ、お前らも向こうに混ざってこい。まだ走れるな?」
「うんー!」
「よゆうのー!」
「ヨシュア・レイフォードー!」
「誰だ!?」
「「「ぅはは~い!」」」
「いや、誰だ!? 誰なんだよ、ヨシュア・レイフォード!?」
えぇい、もやもやする!
そこはもう『よっちゃん』とか『よしこちゃん』でよかったろうが『強制翻訳魔法』!
謎の翻訳ばっかりしやがって。
――っと、いうわけで。
ようやく目当ての物が届いたわけだが……
「参加選手はグラウンドへとお集まりくださぁ~い!」
運営委員の給仕の声がかかる。
もう始まっちまうのか。
溶けちまうことはないと思うんだが……
俺は、妹たちが届けてくれた『氷』に目を向ける。
しっかりとした造りの木箱。
この中には、例の魔物の革が張られており、マーゥルの言う通りであれば半日くらいは氷を保存出来るらしい。
とはいえ、あんまり時間をかけたくない。『アレ』を長時間放置は出来ないからな。
さっさと行って処置をしてやりたいところなのだが……俺がそういう行動を取ると、やたらオーバーに受け止めるヤツも少なからずいるわけで。
で、アイツ本人もそういう『心配されてます』的なのは好まないだろうし……
「ジネット」
「はい」
まぁ、こういうことには目聡くて、誰よりも他人を心配してしまうジネットにだけは断りを入れておくか。
「……用件を聞こう」
「なんです、お兄ちゃん?」
「お前ら、いつから『ジネット』の一部になった?」
ジネットが俺の前へ来るより早く、マグダとロレッタが俺を両側から挟み込んだ。
まぁいいけども。
「ちょっとやらなきゃいかんことがあってな。……まぁ、本人は大したことないみたいな顔をしてやがるんだが、それが隠しきれてなくて、見てらんなくてな」
「どなたか、お怪我を?」
「あたし全然気付かなかったです? 誰です?」
「…………該当者に思い当たる人物がいない」
まぁ、お前らじゃ気が付かないかもな。アイツの照れ隠し、やせ我慢、構うなオーラは一級品だから。
だが、俺の目は誤魔化せない。
「いつもと、右乳の揺れ方が違うんだ。違和感が酷くてな」
「そんなところで見極めないでください。もぅ」
「あたしたちが気付けるはずなかった案件です」
「……ヤシロにしか出来ない芸当」
「そんだけ隠したいってことなんだろう。だから、競技の間にちゃちゃっと済ませてくる」
「え、でもヤシロさん……次の競技、参加されますよね?」
「次の競技は一気に大量のポイントを獲得するチャンスですよ!?」
「……それに、いきなり不参加を表明すれば、当然理由を聞かれる。怪しまれる。日頃の行い的に」
はっはー、マグダ。一言多いぞ~。……けっ。
「上手く抜けるさ。代わりにアホのリカルドを入れるから、うまく操縦しといてくれ」
「……マグダになら、造作もないこと」
「じゃあ、あたしはイネスさんたちと連携するです」
「えっと、わたしは……」
「「「怪我をしないように」」」
「それは作戦なんでしょうか!?」
確かに大量ポイントのチャンスなんだが……マグダやロレッタがいればなんとかしてくれるだろう。
正直、この競技に関してはあんま自信ないしな。
純粋な体力では、到底敵わないからなぁ――ハムっ子どもには。
「とりあえず、一旦グラウンドには出る。その後のことは頼む」
「……任せて」
「お兄ちゃんの抜けた穴は、あたしがきっちり埋め立てるです!」
「わたしもがんばります!」
「十秒以内に転ぶに1Rb」
「じゃああたしは五秒に2Rbです!」
「……三秒に3Rb」
「酷いです、みなさん!」
そうして、トラックの中を埋め尽くすように『選手』と『ハムっ子』が集まった。
トラックの中には、直径10メートルの円が四つ描かれ、それぞれに青、黄、白、赤の旗が立てられている。これが、各チームの『陣地』となる。
ハムっ子は、その陣地に入らないようにトラックの中心に固まっている。すげぇわくわくした顔で。
これから何が始まるのかというと……
「続いての競技は、『ハムっ子、ゲットだぜ!』です」
そう!
『ハムっ子、ゲットだぜ!』だ!
完全オリジナルの競技で、簡単に言えば鬼ごっこだ。
総勢五十匹……もとい、五十人のハムっ子たちがトラックから飛び出してこのグラウンド中を逃げ回る。
そいつらを捕まえて自軍の陣地に連れ帰ればポイントがもらえるのだ。
ハムっ子の年齢によって得られるポイントは異なる。
まだそこまで速く走れない幼児は3ポイント。こいつらは全部で二十二人いる。
そして、少し足が遅くなり始めた十一歳から十四歳までのハムっ子は10ポイント。こちらは十五人いる。
最も腕白な七歳~十歳までのハムっ子たちは高得点の50ポイント。こいつらが十人だ。
そして、ハム摩呂を含む、現役世代の中でも群を抜いて足の速い三人を捕まえたチームには超高得点、なんとびっくり100ポイントが与えられるのだ!!
三人を独占すればそれだけで300ポイント! 最下位から一気にトップへ大逆転ってのも夢じゃない!
……そのためには、他のチームの強敵をなんとかする必要があるけどな。
「それでは、ハムスター人族のみなさんが逃げ出してから十秒後に開始となります。選手のみなさんは自軍の陣地内に入ってください。鐘の音と共に陣地を出ることが許可されます」
そんな給仕の説明の後、一度目の鐘の音と同時に五十人のハムっ子がグラウンド中に散らばっていった。
屋台や貴賓席を越えて、グラウンドの隅の隅まで。
敷地を出なければ、どこに行ってもいいというルールになっている。
そうして十秒後、選手たちに向けて競技開始の鐘の音が鳴り響く。
「「「よっしゃぁああ!」」」
「「「ハムっ子ぉぉお!」」」
「「「ゲットだぜぇぇ!」」」
獲物を狙うハンターたちが一斉に駆け出す。
そんな姿を見つめ、俺は白組陣地の中で大声を上げた。
「俺を捕まえたハムっ子には特別にスペシャルなご褒美プレゼントー!」
言った直後、五十人のハムっ子が白組陣地内に侵入してきて俺に飛びついた。
瞬間移動かと思うような速度のヤツもいた。
「よし! ハムっ子全部、独り占め!」
「反則だよ、ヤシロ!?」
エステラが抗議の声を挙げるが、そんなもんは事前に協議されていない。
「ヤシロの『お兄ちゃんパワー』は禁止にすべきだ! 競技が成立しなくなる!」
「そうさね! これじゃあ『ハムっ子、ゲットだぜ!』じゃなくて、『ハムっ子が、ゲットだぜ!』さね!」
「カタクチイワシ! 物で釣るとは不届き千万! 私のハム摩呂たんを返せ!」
各チームから猛抗議を受ける。
まぁ、こんな勝ち方しちゃ競技どころか運動会すら滅茶苦茶になってしまう。
なので……
「俺の能力を使うなってんなら、俺が指名する『チート級』の能力も封印させてもらうぞ」
「……うむ。白組だけに制裁を科すのは不公平」
「そうです! 明らかにズルっこい人、他のチームにもいるです!」
マグダとロレッタの援護射撃もあり、俺の意見は割とすんなり受け入れられた。
なので、俺は各チーム一人ずつを道連れに『自爆』――退場ということになる。
「まず、黄組のメドラ」
「まぁ、そうなるだろうね」
メドラは笑顔で受け入れてくれた。
誰の目から見ても、ずば抜けてチート級だからな。ハム摩呂でも、本気のメドラからは逃げきれないだろう。
「で、青組からはナタリア」
「かしこまりました」
「ちょっと待て、ヤシロ! チート級の能力っていやぁ、狩猟ギルド四十二区支部の代表である、この俺じゃねぇのか!?」
「あぁ、ウッセは大丈夫だ。だって、ウッセだし」
「どーゆー意味だこら!?」
お前くらいなら、マグダで十分やり合える。
それよりも怖いのはナタリアだ。
あいつは服屋のオバハンを空へ舞い上げるようなヤツだからな。何を仕出かすか分からん。警戒すべきはヤツだ。
「で、赤組からは――」
「あたいか、ヤシロ?」
「デリアじゃなくて、ベルティーナだ」
「あらあら。私ですか」
そりゃそうだろう。
ハムっ子の、特にちんまいガキどもは無条件でベルティーナが好きなのだ。
ベルティーナが追いかけてきたら自分から向かっていくに違いない。
あの『母性』も、チート級なんだよ。
「じゃあ、代わりにもう一人ずつ選手を入れて、チート軍団は退場だ」
マグダとロレッタ。そしてジネットに視線を送ってからトラックを出る。
あいつらに任せておけば大丈夫だろう。信じてるぞ、お前たち。
「あんたたち! アタシの分まで頑張っておくれよ! パウラ! リーダーの統率力、見せておくれよ!」
「任しといて! さぁ、黄組! 頑張るよ!」
黄組も一致団結って感じだ。
ぶっと過ぎる大黒柱を失っても意気消沈しないあたり、チームが仕上がってきている証拠だろう。手強くなりそうだ。
「では、エステラ様。あとのことはよろしくお願いいたします」
「って……ナタリア。それはウッセだよ」
「すみません。平らさで判断してしまいました」
「さっさと退場しろぉ!」
青組はいつも通りだ。
そっか、エステラのヤツ…………しくしく。
「ではみなさん。あとのことはお任せしますね」
「おう! あたいらの活躍、見ててくれよなシスター!」
「ワタクシがいますので、大船に乗ったつもりでいてくださいまし」
くすくすと笑ってから頭を下げて、ベルティーナが退場していく。
子供たちと戯れたかったかもしれんが、それはまた明日にでも教会でやってくれ。
こうして、俺たちが退場した後、再び鐘の音が鳴り、『ハムっ子、ゲットだぜ!』は始まった。
で、俺は白熱する競技を横目に、氷を持ってアイツのもとへと向かう。
救護テントへと。
「あららぁ。やっぱバレとったんかいな?」
「右乳の揺れ方がな」
「やっぱ、いつもと違ぅてもうたかぁ~、意識してたんやけどなぁ、右乳」
アホなことを言っているのは、言わずと知れたブルマ薬剤師(上は長袖体操服)のレジーナ。
いつものようにへらへらと笑っているが、椅子に浅く座り足を投げ出している。
足首が痛くて曲げられないのだろう。
パン食い競争で、こいつは着地に失敗して盛大に足を挫いていた。
平気なふりをしていたが、それももう限界のようだ。
「挫いた直後、真っ直ぐ歩いてみせたんやけどなぁ」
「捻挫はあとから痛み出すもんだ。ヤった瞬間『マズい』と思ったんだろ? だから下手な芝居をした」
「下手って……あれでも精一杯、いや、性おっぱい芝居したんやで?」
「言い直した方が間違ってるよ! 言葉としては凄く魅力的だけども」
そんなくだらない話をしながら、俺はレジーナのブーツを脱がせる。
許可はいらんだろう。医療行為の重要性を熟知しているこいつなら、無駄に恥ずかしいとか言わないはずだ。
「触るんはえぇけど、ばっちぃから舐めたらアカンで?」
「綺麗でも舐めねぇよ!」
「絶対か?」
「一旦持ち帰って、後日文書で回答させてくれ」
「悩むんかいな」
「あ~、アホらし」と、レジーナはけたけた笑って天井を見上げる。
一応恥ずかしいみたいだ。変な理由付けをして、こちらを見ないようにしているらしい。
救護テントとはいっても、氷までは用意されていない。というか、出来なかった。
挫いた足は、流水なんかに浸けて冷やしたいところだが、レジーナは今回『医療担当』としてここに来ている。その自分が負傷退場するなんてこと、こいつなら絶対しない。
だから、痛みをひた隠しにしていたのだ。川は、ここから大分離れているからな。
「ちょっと冷たいぞ」
「へ、なに? まさかホンマに舐め……ひゃぁぁあああ!? 冷たっ!? ひゃっこい! なんなん!?」
氷を入れる袋がなかったので、蓋を開けた箱の中に直接足を突っ込んでやった。
箱の中には氷がぎっしり詰まっており、これならかなり冷やされるだろう。
「氷かいな? どないしたん、こんなもん」
「マーゥルの口利きでな。氷職人を雇って年中氷を保管してるみたいだぞ」
「はぁ~、変わった人やなぁ」
「貴族には結構多いらしいぞ。猛暑期だけじゃなくて、料理に使ったり、酒を冷やして飲んだり……」
「ちゃうやん。自分や」
「俺?」
「せや。自分や。ホンマ、変わり者やなぁ」
俺のどこが変わっているというのか。
理解出来ずにレジーナを見ると、レジーナはなんだかちょっとだけ泣きそうな、そんな儚げな笑みを湛えてこちらを見ていた。
「これ、結構高ぅつくんとちゃうのん?」
「貸しを返してもらっただけだよ」
「あ~ぁ、損したなぁ、自分。その貸し、もっとえぇもんに使ぅたらよかったのに。添い寝とか、混浴とか」
「マーゥルとか? 罰ゲームじゃねぇか」
ドニスに売れば高値が付くかもしれんが…………いや、あいつはカッコつけて買わないだろうな。ヘタレだし。
「ほなら、ウチがその分の『貸し』を返さなアカンなぁ」
「んなもん、気にしなくていいから、さっさと治し……」
「なぁ、自分」
静かな声に、思わず口が止まった。
余計な言葉はしゃべっちゃいけないと、そんな気がした。
レジーナが、らしくもなく柔らかい笑みを浮かべている。
そして――
「ウチが足突っ込んだこの氷、溶けた後一気飲みしてもえぇで?」
「するか、ボケェ!」
――いつものようなアホ発言を寄越しやがった。
一瞬でも真面目に聞こうとした自分を殴りたいわ!
「あ~、もうアカン。いくらなんでも氷多過ぎや。冷たぁ~ておっぱいまで縮んでまうわ」
「それはマズい! すぐに放り出せ! 足でもおっぱいでも!」
「自分、ブレへんなぁ」
「お前にだけは言われたくねぇよ」
アホの応酬の後、レジーナは「にへへ……」と、照れくさそうに笑った。
あぁ。なんとかこれで元通り、って感じだな。
「じゃあ、あとは布でキツめに固定して、定期的に冷やしておけよ」
「おおきにな。この氷、貰てえぇ?」
「あぁ。飲むには多過ぎるしな」
「アホや、この人」
お前が言い出したんだろーが。
「ほなら、この後の競技で怪我人が出たら使わせてもらうわ。天真爛漫貴族はんにお礼言ぅといて」
「機会があればな……っと、これでよし」
幸い、レジーナの足首はさほど腫れてはいなかった。
きちんと固定して冷やしておけば、明日にはずいぶんよくなっているだろう。
「やっぱ上手いなぁ、自分。キレーな巻き方やわ」
捻挫した右足首を左ヒザの上に乗せて、包帯の巻き方を見ているレジーナ。
その格好はアメリカンなメンズ的足の組み方そのもので……かなり股開いてんだけど…………え、見ていいの?
「自分、医者か薬剤師になったらえぇのに」
「そうしたら、風邪だろうが捻挫だろうが、おっぱいの触診から入るけどな」
「あぁ、アカンわ。開業初日に投獄や」
けたけたと笑うレジーナ。
何を思ったのか、意味ありげな微笑を湛えて俺を見つめ、こんなことを抜かしやがった。
「そら、残念やなぁ~……っと」
……お前なぁ。
看病されて甘えたくなってんじゃねぇっつの。
「おおきにな」
「気にすんなって。医療行為だから」
「手当てのことだけやのぅて、競技を蹴ってまでこっち来てくれたこととか――」
一瞬言葉を止めて、難しそうな顔をして、そしてそっぽを向く。
緑の長い髪がレジーナの顔を隠し、その向こうから声だけを寄越してくる。
「――ウチのこと、ちゃんと見とってくれて」
レジーナ……お前さぁ…………
俺がなんて返事することを想定してそんな言葉口にしたんだよ。
なんて答えても地獄じゃねぇか、こんなもん。……っとに。
「見てると、なんだか気分が上向くからな――」
「……へっ?」
「――お前の上向きおっぱいは」
「……………………乳かいな」
「乳ですが、何か?」
奥歯に出来た虫歯に酢漬けの苦虫を詰められたような表情を見せ、レジーナが俺を睨んでいる。
お門違いもいいとこだ。
そして、無言で小さな氷の欠片を投げつけてきやがった。
恩を仇で返しやがって。
『レジーナ足氷』っつって売りに出すぞ、コノヤロウ。1000Rbくらいなら出しそうなヤツがごろごろいるんだからな、この四十二区には!
新しい商売の可能性を見出しつつ、俺は激戦を繰り広げる『ハムっ子、ゲットだぜ!』を眺めていた。
あとがき
いつもありがとうございます。
あとがきのお時間です。
リハビリのお話。
これまでずっとやってきたことが、いつの間にか難しくなっていて、
それをもう一回、初心に帰ってやってみよう!
という感じのことなんですが、
ここ最近、文章を短くまとめるということが難しくなり、
8000文字くらい書いてようやく満足出来るといいますか、
満足した上に少々デコレーションしてしまうといいますか、
さらにその上にあとがきまでつけちゃうといいますか。
とにかく、「短いと不安!」な心理が働いてしまって、結果長く長く……
というわけで、
ショートストーリーを書こうと思い立ち、
で、何かいい題材ないかな~とか思っていたら、
『カクヨム』さんの方でそんなコンテストがいいタイミングで開催されるという情報を聞きつけまして、
これ幸いと乗っかってきました☆
全十回、
毎回決まったテーマに則って4000文字以内のストーリーを書くというものです。
あとがきもありません。
一話を書いた直後……ものっ凄い不安でした(゜д゜;)
なにせ短い!
4000文字なんて、
ヤシロがロレッタを弄ってる間にすぐ終わっちゃう文字数ですし……
けれど、楽しんで書いてみたので、チラッと覗きに行ってみてくださると
ウ・レ・シ・イ・にょ!
『作家とマスター』
という、売れない作家と喫茶店のマスターの日常を描いたラブコメ……いや、コメディーが多いので……コメコメ?
誰がカールスモーキー宮地ですか!?
ちょっとカッコいいじゃないですか!(ノ ̄▽ ̄)ノ
ご興味ある方は是非!
そしてもう一つのリハビリなんですが……
ここ数日半笑いが止まりません。
いえ、実はですね……ギターを買いまして!
しかも憧れのレスポールを!
興味ない方にはワケわかめ意味とろろかと思いますのであっさり目に、
……え? 「ワケわかめ意味とろろ」の意味がとろろですか? そこは、ん~……ググってください。
『ワケわかめ意味とろろ』検索…………えっ!? 80年代の死語であるが、2011年ごろから復活の兆しが!?
復活してたんですか「ワケわかめ意味とろろ」!? なんのために!?
まぁ、いいんです、そんなことは。
※ここから飛ばしていいとこです※
で、ですね、
ギター小僧なら誰もが知っている『ギブソン』というメーカーがありまして、
そこが作った『レスポール』という種類のギターが大好きで、
いつかは手に入れたいなと、少年時代から思っておりまして、
でも、お高いんです。私が欲しいのは50万くらいするんです。安くても20万前後は当たり前。
で、そのギブソンの関連会社に、もう少しお手頃価格なレスポールを作っている『エピフォン』というメーカーがありまして、
そこのギターを買ったんです!
この『レスポール』、いわば『ポッキー』みたいなもので、他の会社では使用出来ない名称なんです。
なので、ギブソン関連企業以外では『レスポールタイプ』という呼称がされていて、ちょっとした別物扱いなんですが、
私が手に入れたのは正真正銘レスポールなんです!
初めて手にしたギターがストラトタイプ(レスポールと双璧を成すギターの定番タイプ)だったため、本当に長年焦がれていたんですが、
ついにレスポールを手に入れました!
そもそもレスポールというのは……(以下数時間、上澄みの浅っさ~い知識を得意げに語る)
※はい、ギターのメンドクサイお話終わりです※
そもそも、
ギターが好き過ぎて、暇があれば弾いてしまうので
「これじゃ更新速度が落ちちゃう! 引っ越しを機に手放そう!」
と、処分したんです。二年前に。
そしてこの二年!
……更新速度がどんどん落ちておりますorz
あれぇ?
もしかして、ギターって私のモチベーションそのものだったのかなぁ?
というわけで、
再び購入して、机の隣に飾りました!
すっかり弾けなくなってましたけどね!
やはり毎日弾かないと指が動きません!
今の私の両手は、「おっぱいぷるるぅ~ん」という文字を誰よりも早くタイプするためにのみ存在していたようなものですから。
また少しずつリハビリして
「この曲の、ここの部分だけ弾けるの!(ドヤァ!)」(でも難しいところは弾けない)レベルに戻さなくては!
そうですよね。
初心を忘れていました。
私は、B゜z(←伏字)の松本さんに憧れてラノベ作家を目指していたんですから
ギターを手放してはいけなかったのです。
そのために、ペンネームを「TAK-M」になるように付けたのに!(いえ、本当はデビュー前に編集さんと話し合って、最終的に編集さんにつけてもらったんですが)
けどやっぱりすごいですね、『好きな物』の力って。
嬉しくて嬉しくて、ずっと半笑いですもの。
外に出れば五分に一回職務質問されそうなくらい半笑いです。
ギターを買って帰る時も、歩調に合わせて口から「ふひひひひひ……」と笑みが零れるくらいに。
ギターショップの店員さんにいろいろ教わって、
いろいろ必要な物もまとめ買いしちゃいました。
私「このチューナー(弦の音を合わせるマシーン)をください」
店員さん「あ、それメトロノームです」
私「…………よくぞ見破った!」
店員さん「お客様、ちょっとこちらへ。基礎中の基礎からお教えいたします(にっこり)」
親切にいろいろ教えてもらいました。
それで、
私としても教わってばかりじゃ申し訳ないなぁ~ということで、
一つ教えて差し上げることに。
私「店員さん。最初からずっと気になってたんですが、前歯に青のりが付いてますよ!」
店員さん「ホントですか!? 申し訳ありません、接客業としてあるまじき失態を……取ってきます!」
――店員さんバックヤードへ
――数分後、店員さんが嬉しそうに駆け戻ってくる
店員さん「お客様! (顔を寄せそっと耳打ち)先ほどの青のり……実は青ネギでした」
私「その情報、別にいらない!?」
爽やかに「にこっ☆」じゃないんだわぁ!
いや、笑顔が素敵ですけども!
……ん?
笑顔が、素敵……?
(」゜□゜)」< パイオツカイデー!
いや、言わなきゃいけない気がして。
そうか、あの店員さん、パイオツカイデーだったのか……オッチャンだったのに。
みたいなことがありまして、あっはっは~。
…………ん~、
やっぱり自分の趣味のことを書くとあまり面白くならない……
というか、こんなお話で満足していただけているのか不安……
よし、
ここ最近ご好評をいただいたウチの会社の人のお話を一つ追加しましょう!(←すぐ調子に乗る)
先日、社を離れて現場を視察に行くことになったんですが、
私は基本技術マンで、はんだをしたり機械を操ったりしている部署の人なので
服装はいつも結構ラフな感じなんですね。
ただ、他所様の会社へお邪魔するということになり、バシーっと、ビシーっと、ほんの少しセクシーっとスーツを着こなして行ったんです。
で、上司が「車で送るよ」と社用車を出してくれまして……まぁ、当然その上司もラフな格好で仕事している人なんですが、
車内でこんな会話をしまして――
課長「宮地君、スーツ着てると顔つきが変わるよねぇ」
私「実は、昨日プチ整形をしまして」
課長「出張に気合い入れ過ぎじゃない!?」
私「まぶたと、小鼻と、アゴのラインを少々」
課長「それだけ弄ったら、もう『プチ』じゃないよね」
私「全部二重にしてやりました」
課長「小鼻とアゴも!?」
私「二重小鼻に二重アゴです」
課長「二重アゴだね、それ!?」
で、またしばらく車で走って
課長「僕さぁ、スーツ嫌いなんだよねぇ」
私「なんでです? タイトスカートとかいいじゃないですか」
課長「いや、女性のスーツじゃなくて、自分が着るヤツで」
私「確かに、私も課長のタイトスカートは嫌ですね」
課長「普通のスーツだよ!?」
私「普通じゃないスーツってなんですか!? 後ろ半分布地無しですか!?」
課長「お、こいつさては、真面目に話聞く気ないな!?」
私「ウチの会社は服装自由だからいいじゃないですか」
課長「でも、出張の時とか着なきゃダメだろう? それが嫌でさぁ……もう、スーツなんかこの世からなくなればいいと思ってるもん」
私「冠婚葬祭に全裸で出席する気ですか!?」
課長「えっ!? 代わりの服は着ちゃダメなルール!?」
まったく、ウチの課長ときたら、ワケの分かんないことばっかり言って……
ワケわかめ意味とろろさっぱりサラダですよ。
……さっぱりサラダってなんだ!?
――とまぁ、
ここくらいまでで約3400文字
4000文字未満という規定の場合これくらいの長さで一つのストーリーを書くわけなんですが、
不安になってどんどん追加しちゃうんですよねぇ、今回のあとがきのように!
うむ。
これはやはりリハビリが必要ですね!
短くまとめて不安にならない練習をしましょう!
ですので、『カクヨム』で公開中の『作家とマスター』(ショートストーリーズ)、応援よろしくです☆
あっ、いっけない!
あとがきにおっぱい入れ忘れた!(そんな、お弁当に野菜足りなかったみたいなノリで!?)
4000文字までもう少しあるので、
『見せブラ』と『見せ谷間』どちらが上品なセクシーさを演出出来るかの考察を…………あ、それやり始めると20000文字超えちゃうな。
では、それはまた次の機会ということで……
次回もよろしくお願いいたします。
宮地拓海




