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乙女は獅子に恋をする  作者: 龍田環
四英雄編
66/111

9. 奥方様(仮)のお悩み

 ズドーンと肩に重たいものが乗っている気がする。


 出会って、いつの間にか好きになって、想いが通じ合ってからは本当に幸せで。そうして「この人しかいない」と思って、身一つでここまでやってきた気持ちは本物だったし、今もそれは変わっていない。

若くして領主になって立派に政務をこなしているユリシーズの隣に立つのに、自分は相応しいのだろうか。為政者の妻としての心構えを本気でしたことがあっただろうか。考えれば考えるほど不安は増していく。


「……ラ、セラ?」


「ん?」


「大丈夫か? ぼーっとして。疲れてる?」


 いつの間にか宿についていたらしい。どこかに出かけていたのか、濃紺の上着とクラバット姿のユリシーズが目の前でひらひらと手を振っている。形のいい眉がきゅっと寄せられていて顔いっぱいに「心配」と書いてあった。


「ううん、ちょっと考え事。おかえりなさい」


「ただいま。ホントに平気? 部屋に戻って休もう」


「大丈夫大丈夫っ。ユーリのその格好珍しい。素敵だからまた着て見せてね」


 夕食の配膳のことを確認すると言うエマ達と別れて、セラはユリシーズに手を引かれて部屋へ戻った。落ち込んでいるのを気取られたくなくてカラ元気で誤魔化した。


「言われてみれば騎士服かさっきみたいな恰好のどっちかだな。なるべく頑張る」


「私は?」


 くるりとその場で一回転すると、ワンピースの裾が柔らかく広がってから身体に沿って降りていく。顔を上げると和らいだ表情のユリシーズと目が合った。


「良く似合ってる」


「もう一声っ」


「……かわいいよ」


「その間は何かしら。本当はそんなこと微塵も思ってないとか……」


「ち、違う。そんなことない。いっつもかわいいなって思ってるよ」


 公の場では顔色ひとつ変えないくせに、セラと一緒にいると何でも顔に出る。無理矢理言わせたようなものだが、照れて赤くなった頬と被せ気味の言葉に嘘はないとわかる。


「いっつもだって。嬉しいな」


「そうだよ。俺はいっつもセラのことばっかり考えてるんだよ。散策はどうだった?」


「楽しかった! いいお品も見つかったし」


「そいつはよかったな」


 蒼い瞳が優しくて少しだけ泣きたくなる。こんなに大切にされているのに、どうして不安になってしまうのだろう。爪の先ほどの後ろめたさを知られたくなくて、笑顔で大きく頷いた。




 夜の六時。全員が揃ってからすぐに数人の給仕がワゴンを押してやってきた。洗練されたそつのない動きで配膳がされていく。セラは上座のユリシーズの隣に座って、ぼんやりとその様子を眺めた。

去年の今頃はああして給仕の実習をしていた。朝から夜まで働いて、週に一度は王都に出かけて座学を受けて、たくさんの実習に取り組んで。毎日大変だったけど楽しくて仕方なかった。ぼんやり考えこんでいると、そっと肩に暖かい手が置かれて我に返った。


「セラ? お祈りしなくっていいのか? 皆待ってるけど」


「え、あ、ごめんなさい! 私ったらボーっとしちゃって」


 慌てて祈りの言葉を口にすると、皆が笑って倣う。給仕たちもその様子をにこやかに眺めつつ、一礼して下がっていった。それを見届けてからユリシーズが全員の顔を見回してから口を開いた。


「食べながら聞いててくれ。明日はここを八時に発って、街道上で待機してる騎馬隊と合流してそのまま王都に向かう。俺とセラはコンスタンス様との謁見があるから、エマ達は先に迎賓館に行ってもらえるか?」


「かしこまりました」


「アルノーはどうする? ユーリ様と王宮に行く?」


 二杯目の葡萄酒を自分で注ぎながら、リオンがアルノーに話を振った。セラは白身魚と季節野菜のマリネに手を付けつながらぼんやりと話しを聞くとはなしに聞いていた。


「俺は皆と迎賓館で待ってるよ。ぞろぞろ行っても仕方ないし、妙な勘ぐりされても嫌だし」


 丁寧な手つきで前菜を切り分けているアルノーは人好きのする笑みを浮かべて、ユリシーズと頷きあった。


黒き有翼獅子の騎士団(グライフ・オルデン)はフィア・シリス王国の同盟軍なのに、そんな風に思われちゃうの?」


「西方諸侯には色々あるんだよ。トラウゼンはフィア・シリスとは同盟組んでるけど、他の元王侯連中とは領土をめぐって昔は対立してたしな。兵を率いていると不穏な感じがするんだろ」


 セラは西方大陸の勢力図のややこしさに思わず眉が寄った。ここまでこんがらがってしまったのは、ウィグリド帝国の干渉と亜生物の大量発生以外にも原因がありそうだ。


「難しいのね、政治って」


「まぁな。駆け引きばっかで面倒くさいだけだ。なんか、あんまり食が進んでないけど、調子悪いのか?」


「そんなことないってば。女の子はこれが適量なの」


 ユリシーズに指摘されて内心どきっとしつつ素知らぬ顔で食前酒のハーブリキュールのグラスを手に取った。前菜の次に供されたトマトゥルとオイル漬けの小魚の平打ち麺は酸味と塩気が絶妙でとっても美味しかったが、セラは給仕にこっそりお願いして皆の半分くらいの量にしてもらったのだ。

あまり食欲がないから残してしまうより良いと思ったのだが、ユリシーズが気にして見ているとは思わなかった。

何か考える様にセラの横顔をちらりとみて、ユリシーズは葡萄酒のグラスに手を伸ばした。半分ぐらいになっていたそれにアキムは葡萄酒をつぎ足しながら、向かいに座るセラを心配そうに見た。


「もしかして疲れが出たんじゃありませんか? 俺達でも一日中馬上にいると多少なりとも疲れますからね」


「そうかも。今日は早めに休むことにするね」


「……だな。皆も早めに休んで明日に備えてくれ。アルノー、ところで影武者はどうだったんだ?」


「上手くいったよ。たまに引っ掛かる人がいて面白かったなぁ。それと、領内を抜けたら風聞屋がやっぱり来たよ」


「何て言ってたの?」


セラが尋ねるとアルノーはニッと笑った。


「ん? まぁ色々ね。馬車の中にセラちゃんがいると思ってたみたい。俺が取材を断ったら渋々引き下がったけど」


「鬘で騙されるもんかね。ハンナはセラちゃんと比べたら凹凸に乏しいのに」


「凹凸だと……何処見てんだ。リオン、お前俺に目玉を預けるか?」


「ユーリ様に目玉を預けるか、俺に目つぶしされるか好きな方を選べ」


「二人とも恐ろしいことをサラッと言わないでくれる?」


 斜向かいと真横からの冷気にリオンはぶるりと身を震わせた。常時相棒にきついアキムはともかく、主君は婚約者殿のことになると見境がなくなるのが困りものだ。

セラの背後で拳を「よしっ」とばかりにグッと握ってハンナが笑っている。後でお仕置きしちゃる、と思いながら四杯目を手酌で注いだ。


「お食事はお静かに。セラ様、柑橘水にお取替えしますか?」


 真横での騒ぎを眺めつつぼーっと食前酒を舐めていると、エマがよく冷えた柑橘水のデカンタを引き寄せながら声をかけてくれた。


「あ、うん。お願いしてもいい?」


「かしこまりました」


 エマ達は円卓についてくれていても一所に中々落ち着かない。あれこれ気遣ってくれているのが申し訳なくて、食事を終えたらすぐに部屋に引っ込んで、これ以上余計な心配をかけないほうがいい。モヤモヤと胸に凝るものにふたをして、チェラータ随一の老舗宿の心づくしの食事に集中することにした。

 メインの料理と付け合わせの温野菜も半分にしてもらったが、最後に出てきた濃厚な卵黄とクリームの上に香ばしく焦がしたカラメルがかかったデザートは全部美味しくいただいた。落ち込んでいても甘いものはやっぱり美味しい。他の皆はリキュール入りの桃のソルベだったので不思議に思って尋ねたら、思いもよらない答えが返ってきた。


「このデザート、私のためだけに作ったの?」


「支配人がセラの好みを聞いてきたからな。卵のお菓子とかクリームとか大好きだって言っておいた」


「こーいうところに泊まるのって気位の高いお嬢さんばっかりだし、セラちゃんが気さくでとっても感じ良かったから嬉しかったんじゃない?」


 ユリシーズとリオンが顔を見合わせて笑うと、エマも紅茶のお代わりを注ぎながら片目を瞑って笑った。


「マダム・アドリーヌの教え通りにしていたら食べられなかったですわね?」


「そうね、なんて言ったらマダム・アドリーヌに扇でお尻をぶたれちゃう」



 デザートを終えて食後のお茶を楽しんでいると、側役達は連れ立って出かけて行った。久しぶりに会った旧友サディクと酒を酌み交わしに行くのだろう。セラもお暇をしようと腰を上げると、ユリシーズも一緒に立ち上がった。


「腹ごなしにちょっと庭園に行かないか?」


「庭園?」


「俺からエマ達に言っておくよ。風邪ひくと行けないから二人とも早めに戻って来てね」


 席をはずしているエマ達に笑顔で伝達役をかってくれたアルノーにおやすみを言って、セラはユリシーズの後に着いて歩き出した。ホールにある階段を通り過ぎ、廊下の奥の上へ続く小さな階段のところへ歩いていく。不思議に思っていると、振り返ったユリシーズが悪戯そうな顔で笑っていた。


「下にいくと思ったか? この宿は屋上にも庭園があるんだ。あの部屋に泊まってる人しか来られないんだぜ?」


 チャリ、と鍵をセラの目の前で振ってから鍵を開けて先に通してくれた。


「うわぁ……すごぉーい」


「想像通りの反応」


 翡翠色の瞳が驚きで真ん丸になったセラを見てユリシーズが笑う。屋上なのに灌木の垣根が茂り、小さな花壇には柔らかそうな花弁の白い花が甘い香りを漂わせていた。手すりの向こうは橙色の明かりに淡く照らされる町並みがぐるりと見渡せる。冷たい風が吹き付けてきて思わず肩を竦めた。


「さてと。セラはいったい何を悩んでるんだ? 俺に話してみる気はある?」


 背中から長い腕が伸びてきて、セラを閉じ込める様にして手すりに置かれた。何をどう伝えればいいのかわからなくて、しょんぼりと俯いた。


「……もしかして、北方大陸に帰りたくなっちゃった?」


「ううん」


「俺と結婚するのが不安?」


「……えっと……」


「当たりか……」


 頼りなく落ちた肩の上に暖かな上着が掛けられて、後ろからやんわり抱きしめられた。抱きしめられているのはセラなのに、どうしてなのか「離れないで」と言われている気がした。


「ユーリのこと大好きだし、ずっとそばにいたい。本当よ?」


「ああ、わかってる。セラがどんな思いで俺のことを選んでくれたのかも。セラなら大丈夫だなんて、俺は何を根拠にそんなこと思ってたんだろ。ごめんな……」


「ううん。私こそ心配かけてごめんね。急に奥方様としてちゃんとできるのかなって。不安でたまらなくなっちゃって」


「そっか……。ちょっと急にことを進めすぎたもんな。セラにしてみれば状況も環境もすごい勢いで変わったんだし。不安になって当然だよ」


「そんなことないよ」


「あるだろ。俺はセラを誰にも渡したくなくて、かなり強引だった。おまけに言わなくても伝わってるって思いこんで……」


「伝わってるって……?」


「俺がセラを好きだってこと。俺にとって誰よりも大事なひとで、この世界で誰よりも愛してるってこと」


「ユーリ……」


「こっち向くな。今俺ものすごく赤面してるから」


「でも、ちゃんと顔を見て言いたいの」


 セラは腕の中でくるんと向きを変えると、庭園のぼんやりした灯りでもわかるくらい赤い顔のユリシーズに微笑んだ。誰よりも大好きな人から真っ直ぐな想いを告げられて、不安だった気持ちが小さくなっていく。


「私もおんなじ。ユーリのこと誰よりも愛してる。大好き」


 蒼い瞳が切なげに揺れて、優しく回されていた腕がセラを力強く抱き寄せた。耳元で「好きだ」と低く掠れた声がして胸が締め付けられる。言葉にしなくても、いつもユリシーズは伝えてくれていた。瞳も、抱きしめてくれる腕も、いつだってセラが好きだと言ってくれていたのに。ゆるゆると腕をユリシーズの首に回すと、思い切って自分から唇を寄せた。


「……不意打ち。ずるいぞ」


「ずるくない」


 しっかり抱き合ったところからお互いの温もりが伝わってくる。抱き合ったまま密やかに笑いあい、どちらからともなく唇が重なった。今はまだ胸の中にある小さな影に悩んでいても、誰よりも愛する人と一緒なら乗り越えていける気がした。




 翌朝。セラは軽く朝食をとってから慌ただしく仕度を始めた。軽く湯あみをしてから自分で綿のステイズを軽く締めて、ドレスを着つけるためのコルセットを巻いた。実のところ生まれて初めての正装だ。正装のドレスの着付けを手伝ったことがあっても見るのとされるのとでは大違いだ。


「うぐぐ。私コルセット苦手。き〜つう〜いぃ〜」


「そうですねぇ。私と違って、セラ様はお胸がしっかりあるし」


 ハンナは恨めしそうな顔で、セラの締め上げた腰から胸の艶めかしいラインをじとーっと見た。昨日言われたことをまだ根に持っているらしい。ユリシーズとアキムが間髪入れずに突っ込んだから溜飲が下がったようだが、やはりお年頃の乙女としては許しがたいことなのだろう。


「お腹はもっとあるから……んっ」


 セラは思い切り息を止めて締め上げに耐えた。あとは腰の紐を締め上げれば美しくなるための拷問から解放される。背後に立つエマがで「ふへっ」と変な息をもらした。


「や、やめてください。笑うと力が抜けます」


「いっそユリシーズ様に締めてもらえばいいんじゃないですか?」


「恥ずかしいから、イ、ヤ」


「ふぅ。はい、おしまいです。お腹なんてでてないじゃありませんか。次はドレスですね。ハンナ」


「はい、ここに。内側の輪のところへどうぞ!」


「んしょ、っと。正装ってホントに大変……」


「お宿の方からとっても綺麗な白い薔薇を頂けたので、髪に生花をあしらおうと思うのですが」


「ちょっと紫がかってて不思議な色ですね。今日のドレスは結構大人っぽいから、結い上げるよりも編み込んでまとめたほうが似合うのでは」


 ハンナは髪に差す薔薇の茎を短く切りながら、少し離れた所からドレス姿のセラを眺めて言った。デコルテが綺麗に見えるように作られた襟のライン、細い肩を優しく覆うシフォンの袖はとても優雅だ。こういうカッティングの美しいドレスは意匠を活かすためにも髪はしっかり上げた方がいい。


「ハンナの言う通りにしてもらっていい? ユーリも団服の礼装なんでしょ? 彼に相応しい貴婦人に仕上げて欲しいんだけど」


「ふふ、いじらしいですわねぇ。それではそのようにいたしましょう」


「お化粧しますから動かないでくださいね」


 髪は後ろで一つに編んでからまとめあげて留めたところに薔薇の生花をあしらった。セラの肌の色に合わせた白粉を軽くのせ、ふわりと色づくように頬紅を差す。唇には元の唇を引き立たせるような瑞々しい桃色を刷いてもらった。生花を使っているので装飾品は貴石のネックレスだけにした。赤ちゃんの小指の爪ほどの小さな石は、もちろん夜空のような深い蒼だ。


「どう? 次期奥方様に見えるかな?」


「見えます。っていうかどこのお姫様ですかって感じです」


「軽くしたお化粧でぐっと大人っぽく見えますね。ユーリ様きっと驚きますよ」


「ありがとう、エマ、ハンナ。さ、胸をはってまいりましょ」


 帰り支度を整えてホールまでやってくると、まだ朝も早いのに支配人と使用人達が揃って立っていた。こんな風に見送られるのは初めてで少し緊張してしまう。セラはぐっとお腹に力をいれ、背筋を意識して伸ばした。


「お嬢様、またのおこしをお待ち申し上げております。道中、どうかお気をつけていってらっしゃいませ」


「ありがとう。ぜひまた寄らせて頂きます」


「っと、すまん。部屋まで迎えに行こうと思ってたんだけど」


 振り返ると黒騎士の礼装に身を包んだユリシーズが扉を開けて入ってくるところだった。セラの姿に一瞬だけ目を瞠り嬉しそうに笑いかけてから、支配人達の方に向き直った。


「世話になった」


「もったいないお言葉です。当代様のご立派なお姿を見ますと、先代様のお若い頃を思い出しますね」


「そうか? そう言ってもらえると励みになるよ。父は俺の目指す高みにいるから」


「当代様なら必ずや達せられましょう。どうかお気をつけて」


 ユリシーズは笑顔で頷きセラに恭しく手を差しだした。大きな手の平にそっと手を乗せて振り返ると、玄関口に居並ぶ支配人一同がお辞儀をして見送ってくれた。外に出ると団長専用の馬車が横付けされていて、御者席にはアキムが座り、リオンとアルノーは馬を引いて待っていた。


「どこのレディかと思ったよ」


「いつもと雰囲気が違うのも素敵ですね」


側役が絶賛するとアルノーもふわりと笑って頷いた。


「良く似合ってるよ。ユーリの顔が緩みまくりなのも無理ないね」


 セラははにかんだ笑みを浮かべてから、足元を真剣に見た。ドレスの裾でまったく何もわからない。踵の高い靴を履いて裾を持ってしゃなりと歩くだけで一苦労だ。

ドレスの裾を持って馬車のステップに足をかけ、ゆっくりと登る。何とか裾を捌いて「んしょっ」と座ると、扉を閉めようとしていたユリシーズが吹き出した。


「朝から大仕事だったな。王都まで三時間ぐらいで着くから寝とけよ」


「む。起きてるわよ。景色が見れないじゃない」


「そうだったな。それじゃ、また後で」


 パタン、と軽い音を立てて扉が閉まると滑らかに馬車が動き出した。かぽかぽと蹄の音が併走している。窓から外を見ると、黒馬に騎乗した礼服姿のユリシーズが見えた。風に揺れる亜麻色の髪と真っ直ぐ伸びた背中、濃い金色の肩章から垂れる金の房が揺れている。視線に気づいてチラリとこちらを見た彼と目が合って自然と頬が緩んだ。そばにいてくれると思うだけで心強い。

馬車は一路、フィア・シリス王国の首都を目指して軽快に街道を進む。優しい女王陛下とおしゃまな王太子殿下との再会が間近だと思うと心が躍った。

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