藍色遊戯
ノベルジムにて掲載。
・・・とある繁華街の裏路地の中の裏路地。
その一角に立つ寂れた雑居ビル。
の中のある一室の隠し通路を通った先にある地下階段。
の行き止まりにある鋼鉄製の扉。
その奥では、ある「遊戯」が行われていた。
「皆さん!「藍玉」はお持ちですか?」
そう声を張るのはバニーガールの格好をした美女だ。
ゲームの参加者――――――「藍玉」を手にした者たち――――――は、その手に玉を握り、参加意思を示す。
参加者たちは明らかにカタギではない雰囲気を醸し出していた。
「それではご存知の方も居るかもしれませんが、ルールを説明させていただきますー!!」
美女が話し出す。
「皆さんの手にある藍玉は、時価一億円のものです!その藍玉の中には皆さんの遺伝子コードやキャッシュカードの暗証番号などの超個人的な情報が記載されたICチップが入っています!」
一部、どよめく者たち。
恐らくは、ゲームに初参加した者たちだろう。
「皆さんはこれから一週間、あらゆる者からその藍玉を守り続ければ勝ちです!皆さんがゲーム参加料として支払った5千万円は勿論のこと、時価一億円のその藍玉も進呈いたします!」
ただし、とバニーガールの格好をした美女は笑顔で付け加える。
「一週間以内に藍玉を誰かに奪われてしまった場合や、故意・過失によって藍玉が破壊されたり、また藍玉を紛失してしまった場合は、貴方の個人情報が流出するだけでなく、ペナルティとして一億円支払って頂きます。勿論、自分の藍玉が破壊されたり、紛失してしまった場合でも、他人の藍玉を奪うことで自分の藍玉とすることもできます!・・・まあ、自分の個人情報は流出してしまいますけどね!!」
美女がニコリと微笑むと、ブザーが部屋中に鳴り響いた。
「それでは、ゲーム開始です!!!」
* * * * * *
数十分後。
地下室には数百人の銃殺体が横たわっていた。
その中に、立っている人物が一人。
先程のバニーガールの格好をした美女だった。
今彼女は何処かに電話をかけている。
「・・・ええ、はい。はい。任務完了です。藍玉は全て回収しました」
彼女の手にはマシンガンが握られていた。
「おまえかよ!!」というのを狙ってみた。