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外伝 スセリ封印 飢えた鳥

アマツミカハバチ、それは

『星』に寄生する最強の寄生蜂だ。バグズから与えられた『大罪の魔王』によらずとも、

自ら『まつろわざるもの』という力を起こし確立した強者。

かつては最大の免疫機能として、星全ての生命体を差し向け『星戦』を起こした。

しかし今『星戦』を起こすわけにはいかなかった。

仮に、アマツミカハバチを倒せたとしても、まだ、最強の魔王たるデュカリス=スペルヴィアが残っている。

全力を消費した後で勝てるとは思ってはいなかったし、同じ蜂族たる『まつろわざるもの』が斃されて、

氷結地獄の主が動かないとはハチミツより甘い発想だ。


切り札というのはさっさと使ってしまった方がいいものだ。

使わずに温蔵していても、いざという時に使えないことは往々にあるものだ。

開戦直後の真珠湾への爆撃は米国に多大な損害を与えたし、

その逆に貧乏性ゆえか温存された戦艦大和は活躍の機会さえ得られなかった。

RPGでわざわざ主人公に順番に弱い敵を送り込む魔王の愚かさと同じだ。


だが、アクエリアスの行動にもよかったことはある。未来の魔王が誕生することを予知し、

スペルヴィアの巣を襲撃、それも二段構えで行っていたことだ。

結局デュカリスを殺すには至らなかったが、その母たるスペルヴィアを葬ったことは大きい。


スペルヴィア自身も、その娘たちも、一部母としてはどうかと思われるものもいるが、

個体として、母体としては非常に優秀であった。

災害級以上を多く輩出したこの家系は、蜂界の中でもエリート中のエリート。


もしこの襲撃が無ければ、蜂族が海にまで進出することは無かったかもしれなかったが、

スペルヴィアの系譜が世界を支配し尽くし、人の誕生は無かったかもしれないのだ。



その為の『勇者』システム。星戦を起こすには消費が激しすぎ、星自らが動けば被害が大きい上に後がない。

だからこその勇者、だからこその英雄。端末として多くの有望な個体を用意し、力を与え成長させ、共通意識とリンクさせ共鳴させ、

アクエリアスの『力』の一部たる『可能性』を貸し出して強化する、かつて星戦時に造り出した『神化』計画の発展系。





そしてミダスとムリャシュゲにハオウバチを狩らせるために相手が昆虫でありながら協力した際に得た時空の位相をずらす力。

分析することができず、アクエリアス側から力を与えた際に2匹の力の一部を削り取った分一回きりしかないがそれでいい。

この力は『三毒』と『勇者』をそろえる必要があるがそれも現在満たされている。

後は目標が動かなければよい。進化直後の今は絶好のチャンスだった。


ここにきて最大級のピンチとチャンスがまわってきたアクエリアスは勇者ミコトの意識を完全に奪い取り傀儡にする。

ミコトの意識には美少女調教計画なんてものは消えてなくなる。あるのは『星』の怨敵の排除だけだ。





いつの間にか遠くへ離れたミコトの所まで鬼は回避していた。スセリからではない。

ミコトの封印術からだ。この力の巻き添えを食わんと結界内から逃げ出したのだ。

最初此処に来たときに仕掛けた荒縄と印が光震え始める。

鬼の生命力魔力を急激に吸い上げ、術が発動した瞬間ミコトの意識も弾けた。














次元の位相がずれてスセリは封じ込められ、その強大な封印の印は鬼に刻まれた。























サンコウチョウはベルを倒した後『暴食の魔王』の力を手に入れた。

元々三毒の『貪』は七つの大罪『暴食』を多くの点でモデルにしている。

そして三毒の中で最も最初に開発された『貪』はその時は未完成品だった。

だから当初はオス蜂如きに撃退された。

しかし未完成というのは向上の余地があるということだ。

どこかの完全決闘者もそういっていたではないか。

だからこそサンコウチョウは自らの足りないものを補わんと文字通り貪るように成長していった。

『暴食』を手に入れた際も『貪』との反発作用を抑え続けていったのは、最初から完成品を与えられたものではうまくいかなかったかもしれない。


それから月日がたったあるとき鳥はかつて自分を強大な存在に作り替えたものの声を再び聞いた。

勇者に協力すればさらなる高みに至れる、と。


サンコウチョウはだからこそ進んで勇者の前に馳せ参じた。さらなる高みを目指すために。

そして自らの天体としての星の力に更に日の成分を濃くし、かつては欲しがったが今では要は無い完成品の『貪』を更に手に入れた。

だがそれだけで満足はしない。空腹のように更なる完成へと貪欲に力を求め続けるのだ。


三毒を起点として融合した鬼の体には異変が起きていた。

ぶくぶくに膨れ上がったり萎んだりを繰り返し、その口からは犬や猿の鳴き声が連呼される。

一際大きく膨らんだとき、身体をひっくり返し包み込むように球体になり、内側から自らを消化、変質した。


そこに現れたのは先程まで鬼を構成する一要素であったはずのヤタガラス。

かつて多くの者を貪った貪欲なる鳥にとっては単体ですべての三毒を取り込むことなど問題なかったのだ。

その身体には封印の印が残されていた。

ミコトは気絶していたところを家のもの発見され助かったが勇者としての力と大切な家族を喪った。

しかしその後自分とスセリ姫をモデルにした話を作って大儲けしたとかしてないとか。

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