天奏高山帯奏話 第7音
あるときなんとなくスセリの様子が気になったベルは人間どもを操ってその情報を入手しようとした。
しかし極東から遠く離れた天奏高山帯では情報は入ってこない。
3匹の娘にいい仔にしておいてくださいねといって音速でベルは極東付近に出かけた。
でもやっぱり情報が入ってこない。
時折入っては来るのだが量が少ないし、
だからと言って直接巣の近くに言って蜂と戦闘になるのも御免だったベルは巣に帰った。
お土産のシロクロベアーは娘たちに好評だった。食べてるものがいいのか熊にしてはヘルシーだったらしい。
んでもって忘れたころに探し物が見つかるのは多々あること。
情報が入ったのはそれからかなり後の事だった。
遠くから何やら珍しい出で立ちの旅人が来たのでいつものように暇つぶしに洗脳して口を割らせると、
極東でかなり昔に魔王級の蜂モンスターを封印した方法を使って、
全世界の魔王たちを封印する計画を世界中に広めようとしている密使であったらしい。
密使の故郷はちょうどつい最近まで旅行に行っていた地域の南部であった。
「スセリの様子がまるで分らないと思ったらそんなことに、ふふふ、ふふふ、ふふふふふ。
わたくしちょっと出かけてきますわね。アマネ、お留守番お願いしましたわ。」
魔王 ベル・アルモニカは洗脳したサンダーバードにこっそり巣を警護させ、
密使の故郷へと飛び立った。
そのまま密使の国を滅ぼしても面白かったが、それだけでは趣向に欠ける。
周囲のモンスター達に『声』をかける。
「選びなさい?服従か、死か。」
見せしめに辺り一帯の支配をしていた巨大なモンスター達を軽々と屠る。
そのモンスターの死体を見た他のモンスター達は洗脳に抵抗することなく飲み込まれた。
少しでも抵抗したものは飲み込まれたもの達のエサとなった。
そんなモンスターの大群が密使の故郷を一斉に襲い掛かったのだ。
現在では超科学大国である極東から導入された絶対防護システムはまだ完成途中で、
逃げ惑う人々を無慈悲に見捨てていた。
この周辺だけでなく途中でベルが立ち寄った所からもそれなりの数のモンスターがやってきている。
首都は阿鼻叫喚。一流の戦士達が城を護っていたが防ぎきれたのは弱小のモンスターだけ。
象のモンスターたるパオパオやポイズンサラマンダーなどが兵士を踏みつぶし、
炎系クジャクモンスターのフレイムピーコックが離れた環境で育ったために通常では出会わない同じくクジャクモンスターの
グレンクジャクに一目ぼれし燃える高級地区街で盛って羽を広げ求婚してる様などがもう色々と末期な感じが凄い。
あっプロポーズに成功したみたいだ。よかったね。
一方その横では子供たちが逃げきれずに焼け死んでいた。
そんなこの世の地獄でさえも、魔王にとっては次の地獄への下準備にすぎなかった。
『シ』それは死。己の支配に従わぬものを滅ぼし尽くす絶対的な虐殺。




