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第64話 風が伝える絆

ムリダスの魂が消し飛ばされ、そこには多くの被害者と蚕の幼虫の死体だけが残された。



「最初あんたのことアイツが終わったら斃してやろうかと思ってたけど、

借りは作りたくないから見逃してあげる。」

「ありがとうございます。」

ベルはそういってこの姿になってから初めて幸せそうに笑った。



「…そういえばあんたの名前は?」

とってつけたかのようにスセリは聞いた。

「えっ、えぇと……。」

答えづらい。姉と同名なんですというのは今さらだろうがサービスヒントの類だ。……ホント今更だが。



「……もしかしてあんた名前が無いの?じゃあ私があんたに名前をあげる。

感謝しなさいよねっ。

『アルモニカ』。

どう?良い名前でしょう。このスセリ様が考えたんだから。」



本当はずっと前から考えていた。母から新しい名をもらったと喜ぶ姉を見てスセリは母親に嫉妬していたのだ。

だからいつも考えていた。私だったらお姉にどんな名前をあげたのかなと。

『アルモニカ』、その意味は『和音(かずね)』。1つではない重なり合う音と音。

お姉ちゃん、あなたは一人じゃない

この空の下のどこにいてもどんな世界を越えても私たちの想いは重なってる、そんな願いを込めて



「アルモニカ、あんたがどこのどなたかなんて全然、全っ然判りませんし見当もつきませんけど。一応感謝しておくわ。」


ベルはそういって去っていくスセリを眺めていた。

おそらくもう会うことはないのかもしれない。

少なくとも蜂族の重鎮たるスセリが他種と仲良くするところなんて蜂族の者には見せられない。

だからきっとこれでいいのだ。


だからそれでいい。

……ありがとう、お姉ちゃん。

そんなつぶやきを聞き取れたものなどどこにもいなかったのだ。 

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