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外伝 『力』に目覚めしもの

どちらかというと姉より主人公気質してる妹さんのおはなし。

極東の島で、妹の子孫である蜂族の営みを見守りながら今日もスセリはベルを待っていた。

アーピス種の巣は今日も平和だ。時折台風などが来ていろいろ大変そうだったり、

自身で巣が壊れて修繕に明け暮れていたりといろいろあるが、まぁ外敵に襲われて巣が全滅するなんてことは無かった。


そんなある日……


スセリがかなり遠くまで空を散歩していると、変なものを見つけた。

ジグザグを描くように木々が腐り落ちていたり砕けていたりしていたのだ。

近くまで行くと『ソレ』の原因があった。というかいた。


全身から瘴気のようなものを噴出した醜悪な大イノシシだった。

全身からあふれ出る瘴気が触れる木々をからしていく。

しかしすぐに枯れきって砕けるわけでもなく、大イノシシの突進までは其れなりには立っている。

しかしそのあとの大イノシシの突進で斃れたり、その直前にまでなったりするのだ。


しかし何とも様子が変だ。何がおかしいってどうやら目が見えてないのかどうだかわからないが、

やみくもにその頭を様々なものにぶつけている。

それに、蜂族それも上位のスセリが敢えては音を大きくして近づいたというのに、何の反応もしない。


ためしにスセリがその尻尾を斬り落としてみた時に、急に大イノシシは絶叫し咆哮した。

その咆哮と共に世界から、音が消え、光が消える。


―――――そう、『音』を聞くことも発することも出来ないのだ。

その状況を持ってスセリはこの大イノシシが『星』から何らかの影響を受けていると断定した。





惑星アクエリアスが惑星バグズの『七つの大罪』を模倣して造り出した『三毒』。

『貪』、『瞋』に続きようやく最後の『癡』が完成したのだ。

まだ、実験段階でありその実験にこの大イノシシが選ばれたのだ。

ここら一帯のボスであった大イノシシは盲目の愚神へとなり替わった。

最新型である『癡』の能力、それは一部の感覚の閉鎖。

その力の及ぶ範囲にいるものの感覚を制限する能力。


当初、どうやらその能力に自身も苦しめられている大イノシシを見て、スセリはこう思った。

「ばっかじゃないの?」


しかし、その能力の特性にある疑問が発生する。この『力』がある状況においては効果を絶大させるのではないか。

そもそもこんな極めて特殊な『力』はある特定の敵に対し有効、もとい特定の敵を倒すために使われるのではないか、と。


「まるで、お姉を倒すために創られたような『力』ね……。」

そこまで呟いたときスセリは気が付いた。

まるで、ではない。この力は明らかに至る所、例えば南のワスプ系統のなんかやたら危なそうな、

というか、多分色んな意味で実際にヤバいリリアとかいう女王の巣と交流を得た時に聞いた話や、

その他の所で聞いた話をまとめるに、

誇張があったとしても確実に『魔王級』の強さになっていたベルを倒すために創った『力』が存在していてもおかしくはないのだ。

しかし、仮にそうだと断定して、それならなぜコイツは此処で暴れているのだろうか。この『スセリ』の縄張りで。



「――――――そういうこと。『力』が完成したけれどお姉が現れない以上、使い道がない。

…だから時点で私の所に?………………『星』もお姉が死んだとしてるのね。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――あんまりふざけないでよね。…上等っ、上等よっ!!!!

お姉の翅が届いてもカミサマがお姉の死を認めても関係ない。

この可愛い妹であるスセリ様が看取るまではお姉の死は赦さない。

神だろうが運命だろうがそんなものその総てに『反逆』してやるっ!!」


『反逆』それは彼女の力のキーワード。

彼女は『力』に目覚めその針を『地』に突き刺す。


すると急に地面が揺れだし裂けるように割れ、地下深くから噴出した高熱の蒸気が大イノシシを焼き苦しめる。

吹き出し続けた蒸気に絶叫をあげるも耐え切れず遂に大イノシシは絶命した。


針を『地』から引き抜くと何事もなかったかのように大地の揺れは収まった。

しかし、このことが原因でスセリはアクエリアスの最優先抹殺対象にまで並ぶことになる。

スセリがしたことについてはいずれ。


『三毒』

『七つの大罪』の模造品。模造品だけあって複製やコピーガード(昆虫族は吸収不可)など加工、量産が可能。


大猪 カースドボア

なんてゆーかたたり◯みさまっぽいなにか。


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