第二話 黙っていればイケメン
この世界では虫はほかの星から来た侵略者です。
彼が、デュカリス姫たちと外に出ている間に、プースリーという突然変異したクマのモンスターが襲ってきた。
通常ヴェスパのエサであるはずのフォレストベアの変異体であったが、祖先が他星からやってきた星外生命体であるヴェスパを滅ぼすために、
星からの大幅なブーストが施されており、彼らが帰ってきたときには巣は壊滅状態であった。
その状況の中、デュカリスの姉フォミカはその身を賭してデュカリスとその妹メリッサとその護衛兼運搬要員としての彼を逃がすことを決断した。
フォミカの決断により彼らは離脱することはできたが、彼はその際にプースリーの爪を受け重傷を負ってしまった。
意識が朦朧とする中、それでもまだ飛べないデュカリスを逃がすには己が抱えて飛ぶしかない、デュカリスを安全な場所まで逃がすため、
彼は飛んだ。踏みつぶされた命の蝋燭を掻き集め無理やり燃やすようにして彼は飛んだ。
死に瀕したためか、彼の意思が薄れていく中、彼の前世であった彼女が目を覚ました。
彼女の名前は…この際どうでもいいのでおいておこう。
彼女は、ピアノやフルート、ヴァイオリンにサックス、ヴィオラ果ては声楽まで音楽が得意なお嬢様であった。
小さいころから、多くのコンクールで入賞していた天才であった。
彼女の父親は会社の社長であった。当初は事業が成功していたが、とある成り上がりの男に会社を買収され、
社員を人質にとったような形で彼女はその男の息子の婚約者となった。
当初彼女はその男に対しては憎悪を持ちこそすれその息子には何の恨みも感慨もなかったが、
婚約者である彼が女装させられ美少女になっているのを目撃したのを境に急激に彼を欲するようになった。
何かが彼女の心の奥底を萌え萌えキュンキュンさせたのだ。
そして、今オス蜂になった彼女が抱えている姫とは種族が全く違うにもかかわらずどこか女装させられて婚約者を思わせた。
その通りデュカリス姫の前世こそが彼女の婚約者だったからだ。
世界も種族も性別も変わった婚約者を見つけたのは愛の力であろうか?
あぁ、生きててよかったですわ。種族も性別も違うけれども、再びお会いできるなんて……、
いえ、むしろ性別が入れ替わったことで私がはーちゃんに×××して、△△△させて………、
~~~~~っっ、なんてっ、なんて素敵なんでしょう。でも仮にもお姫様にそんなことしてよろしいのかしら?
…いえ、よろしいのよ。わたくしは今も昔も婚約者なのですもの。和音はやりますわ。いえ、むしろ、ヤりますわ。
わたくし、和音ははーちゃんに昼夜問わず×××しまくることを誓いますっ。
あぁ、本当に生きててよかったですわ………………………このケガでは長くなさそうですけれども。
そんなはーちゃんもといデュカリスには恐ろしいことをおくびにも出さず無口でクールにデュカリスを運んでいた。
そんな中、第2の刺客がヴェスパの系譜を断つべく迫ってきたのだ。
見た目男で女言葉喋られるとびっくりですね。
デュカリス姫(愛称、アリス)(前世、はーちゃん)
前世男(の娘)→今生♀
オス蜂(愛称、モブ男にそんなものはない。)(前世、鈴廣和音)
前世女→今生♂