親娘と姉妹 3
ビブラートアトモスフィア
前方の大気ごと空間を揺るがす音を発生させる大技。
本来の使い手のお母様のように圧死させることも破裂死させることもできない見かけ倒しの紛い物。
だけど―――――――――――――――――――――――敵の動きを一瞬だけでも封じることぐらいはできる。
そして私は逃げていく2匹の妹を見送って―――――――――――――――――………なんで…
なんでそこにいるの?あなた達。
「アマ姉様に負け越しは嫌です。」
「お姉様、いなくなっちゃいやですよぉ…。」
あなた達……………馬鹿ね。本当に馬鹿。でも――――――――――――――――ありがとう。
あなた達は最高の妹たちよ。
「『音』………ベルという名前に聞き覚えは?」
私の攻撃に何の損傷もなく其処にいる女王蜂が問いかけてくる。
「知っていると言ったら?」
「無理矢理にでも聞き出してあげる。……あなた達1匹でも生かして戦闘を終えれば問題ないの。
喋らない覚悟なんて無駄よ。どんなに嫌でも体が動いてしまうのだから。」
なるほど、お母様を執拗に探していて、その為なら私たちの命など塵のような扱い。
―――つまりお母様の敵というわけね。
「仕掛けるわよ。この女王蜂を手土産に、お母様にお褒めいただきましょう。」
「ぶっつけ本番だとは…驚きですね。」
「はっはいっ。」
私たちは散開し、女王蜂に均等な位置に三角形で囲むように移動しました。
女王蜂はまだ余裕そうな面をしていますが――――――――――――それがあなたの命とりよ。
狂乱のアリア・派生型。
「「「三重共鳴っっ!!!」」」
私たちの発する音が女王蜂という一点において共鳴を引き起こす。
その威力は単体で行われる其れの比ではない。
私たちが知る中でこれが通じないであろう相手はお母様だけだ。
…これならっ!!
女王蜂はよろめき大きくふら付いた。




