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一章 偶然は必然へと常に変化していく。
1年前の私は、それはもう酷いものだった。
ちょっとしたキッカケから人間不信に陥り、不登校のニート少女だった。
面白いくらいに一人は楽だった。
一人の部屋の中。スーッとすり抜けるクーラーの風が肌を撫でていた。
私にとって、無音の間というのはかなり落ち着く場所だ。
ただ私をうるさく責め立てる訳でもなく、私に何か話しかける訳でもない。
この私の平和の終わりが、刻一刻と近づいてきているなんて、知る余地も無かった。
平和の終わりのカウントダウンは、私には聞こえてくれなかった。
聞こえないカウントダウンが0になると携帯の着信音が鳴り響いた。
携帯のディスプレイのメールアドレスに、見覚えはなかった。
[ago35ga222aphla@********ne.jp]
受信ボックスを開いた。
[件名]
[本文]
起きてるか?起こしちまったら
悪い
安藤京太だ、頼む。
メールに返信してくれねえか?
「は・・・?安藤・・・くん・・・?」
携帯は、私の手の中からするりと落ちてぽふんと布団の上に落ちた。