俺とセッター
2010年7月10日
ここは茨城県水戸市から少し離れた中学校。。
飯後の昼休み、カップル同士は集まりイチャイチャし、
オタク共は自分のクラスの席から離れず、本を読むか、何かを語り合う
か、
優等生は図書室で勉強……とみんな何かそれぞれ好きなことする中で
俺、佐久間 竜也は立ち入り禁止の屋上で一人iPodで音楽を聴きながらウ
トウトしていた。
さっき一番のダチの星崎健一、通常セッターが飯食った後に「腹減った」
とか言い始めて
すぐ近くのコンビニまで走って行った。
カチャカチャと度屋上の入り口のドアノブが動き始めた。
iPodで音楽を聴いてる俺にそんな音が聞こえるはずがない。
「……!」「…ぁ…ま!」
俺はドアの向こうで何やら叫び声が聞こえるのにきずいた。
俺は片方のイヤホンを外しドアのほうに向かい、ドアノブをひねった。
ガチャ!
「竜ちゃん気ずくの遅すぎwww」
そこには少し疲れた顔のセッターが立っていた。
コンビニから帰ってきたのだ。
何を買ってきたのか気になりセッターの手元を見たけど、腹減ったといい
コンビニまで走ってきた割にはビニール袋も何も手に下げてなかった……
その代わり短ブレ(短く改良されたブレザー)が少し膨らんでいた。
「ジャーン」
セッターはそういうと短ブレのボタンを下から開けた。そしたら地面にカ
ップラーメンと飲み物2つずつとタバコ4箱が地面に散乱した。
「はー……お前は万引きが下手なんだからあんま回すなっつったろ」
俺たちの中では万引きすることを回すと呼んでいた。
「腹減ってんだし、しゃーねーべwww」
星崎はタバコの中でもセブンスターが一番好きだからあだ名がセッターな
のである。
おれは短ブレの内ポケットからタバコを取り出すと、お気に入りのZippo
で火を付けた。
一吸いするとおれはあることにきずいた。
「お湯は?」
「え?」
「カップ麺パクって来たんだろ?お湯は?おーゆ……」
「あ!……どーしよ」
典型的な馬鹿だ。
「はー……貸せ、職員室かどっか行けばあるだろ」
「ふー。マジこまるわー」
俺は職員室に行き、お湯をラーメンにすすいだ。
屋上に戻ろうと、ドアノブに手をかけ、回そうとした。
回らない!
「くっそー!」
俺は叫んだ。
「おーい!セッター!ドア開けてくれー!」
無反応。
「あー面倒くせー。」
おれはポケットに手を入れた。
その時きずいた。
iPodがない。屋上に忘れた……
セッターは絶対に勝手に音楽を聴いてるはず。しかも、俺と違ってあいつ
は音楽を最大音量で聞く癖がある。
セッターを呼ぶことをあきらめた俺は、今度は左ポケットのに手を入れ、
さっき屋上に入ってくるときに曲げてつかったヘアピンをカギ穴に入れて
慣れた手つきでカギ穴を回した。
がチャッ
カギが開きそのままの勢いでドアノブをひねった。ドアが開き、最初目に
入った光景は、
三人組みの奴らに首をつかまれ、壁に押し付けられてるセッターだった。
野球部の意気勝ってるカス共だ。その中の野球部キャプテンの左手の中に
は、
セッターから押収したタバコ4箱が、右手には今までボールしか打ったこ
とのない鉄バット。そして、足元には……俺のiPodが!
「んだ!オメーら!俺のiPodに何してくれとんじゃコラー!」
「竜ちゃん遅いよ……ってか、iPodより俺の心配してくれよ……」