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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

空飛ぶ布団

作者: ポプラの木

今年なんとかバイトが半年続いた。最終的にはクビになったけど。

旦那と今日の大晦日までに大掃除を終わらせた。滞納したガス代、ローンが引き落とされなくて焦ったり、色々あったけど何とか年越せるね、旦那とウェーイって言いながらほろ酔いで乾杯した。


年越し蕎麦を食べて眠くなりわたしは旦那が紅白を見ている部屋で眠った。そしたらまた夢見た。


寝入る時だいたいわかる。布団ごと移動して旅に出るとき、布団が空飛ぶ絨毯になって空を飛ぶんだよ、わたしを乗せて。


最初に降り立った場所は崖だった。遠くに沼があった。見てると沼の中央にあった岩山は怪物だった。わたしがそれを覗いていると影で小さなネズミが動いた。動いたネズミが蹴った石ころの音で遠くの怪物はわたしに気が付き大きな口を開けてこっちに向かって来た。わたしは空飛ぶ布団に寝そべり逃げた。


周辺には沼地が沢山あり、やはり見た目は岩山に見える実は怪物たちの頭上をわたしは飛んでった。


そのうちそれらは猿人類に変わる。さらに進んで行くとカラダが2メートルはありそうな外国人が野球をしている。どんどん進んで行くのだがみんな野球をしていた。次第にプロの練習場の頭上を通り過ぎるのだが、仕切りの網がありわたしはそこから逃げ出そうとしている。だがそこら出させようとしない何か驚異的な力がその練習場には宿っていた。何故なら逃げ出そうとしているわたしをバットでホームラン級の打撃のある球がわたしを狙っているからだ。しかしわたしは空飛ぶ布団で球場を出た。


そこは古い工場のような建物が並び高く高く飛び空を飛ぼうとするわたしを電気が走る鉄線が塞いだ。


すると飛んできたボールをキャッチし、そのボールで触れると警報が鳴り響くであろう鉄線を上手く交わしわたしは難を逃れた。だが工場は続く。わたしは奥へ奥へと進んでいく。布団を空飛ぶ絨毯にしながら。


なんとなく働く場所を探しているような、もう二度とその工場から出られないような気分になってきた。ならば多分わたしはもうその工場に勤めているのだろう、自分の持ち場に戻ろうとしている。人気のない工場のドアを開く。誰もいない。またドアを開く誰もいない。何度かドアを開けると薄汚れた作業着を着ている女性がいる。わたしは目が合う何人かと手を振って応じた。


奥の方にキッチンがありフライパンを叩いて食事の合図を取るわたしがいた。冷蔵庫を開け出来ている食事をトレーに分けている。女の働き手は食事をとりにくる。適当に盛って食べて、わたしは景気良く彼女たちに言う。スープは暖かいから。わたしは器を出す彼女たちにスープを注いでる。


すると突如わたしは夢から覚めた。うつらうつらと紅白の音楽が聴こえてくる。だけど眠たかった。わたしはまた寝た。


ああいう仕事もいいな、グループホームで食事を作っていた友人を眠りながら思い出す。年が明けたらまたハローワークに行ってみよう。そう思っているといよいよ空飛ぶ布団は怪しい。わたしはさっきの工場で手にしたトレーで砲弾を交わしながら飛んでいる。だが目的ははっきりしているらしく砲弾が向かって来る方、その先の街に向かっていった。するとそこは駅の近くのコンサートホールだった。しかしわたしは砲弾を浴びせられるほどの部外者。だが空飛ぶ布団はその万能さを見せつけてコンサート会場の中に入っていった。客席が熱気を呼ぶ会場でわたしはステージに立つボーカルの側に並んだ。砲弾を浴びたわたしはボロボロだった。しかし歌い手の男はわたしを見るなり犬の姿で横になり会いに来てくれたんだとカラダをすり寄せた。


わたしはまた夢から覚める。すると紅白の流れるテレビかチバユウスケと叫んだ男がいた。わたしはぼーっと旦那にこのバンドの人誰?と聞いた。すると10フィートだよと旦那は言った。今年チバユウスケ死んだんだよな。

わたしは年明けハローワークに行ってグループホームの調理の仕事を探すかと思った。



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― 新着の感想 ―
[一言] 不思議な夢ですね! 今年も良い年でありますように。
2024/01/02 08:55 退会済み
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