ネオンの騎士団
ネオンの騎士団は、白い馬を縦に並べて、フライングVやレスポール、ストラトやアイバニーズといった武器をそれぞれ背負い、魔女の城へと向かっていた。
団長の名はランデ・ローズ・ボクイケメン。続く騎士たちにはそれぞれステアべ・ヴァイサマ、ジョー・悟り兄、ゴスリー・ガヴァーン、チモ・チョルキ。べつに覚えなくてもよい。
「あそこだ! あれに見えるが魔女の城だ!」
団長が前方の森の上を指差す。
「殺せ! 魔女はすべて火炙りだ! 磔刑に処せ!」
暗い森にネオンの光が走る。
その後ろからさらに、光速の速さで近づくものがあった。
「きっ……、貴様は……っ!?」
光の速さに団長は気づき、振り返った。
「インギー……マルム……」
その光速の剣士の名を最後まで言うことも叶わず、団長は腹から両断されていた。残りの騎士たちも、一瞬にして森の腐葉土と化した。
「魔女を悪者扱いするんじゃねェよ」
インギーと呼ばれた黒い剣士は、そう呟くと、手に持った何かの肉に齧りついた。
「う……、うまっ! この肉、うまっ!」
その場に座り込み、肉をがっつくと、インギーの体がみるみる巨大になる。言葉を換えると太りはじめた。
この後、物語に彼の出番は、ない。