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眠れない夜は

作者: 神名代洸

夜、一人で起きてると静かで不気味だ。


物音ひとつしない…。


何も聞こえないはずなのにたまたまなんだが、時計の音がなった。時間は深夜2時だ。

確か…音は消していたはずなんだが…。


その時きらりと何かが光った。

それは飼っていた猫の目だ。

常夜灯のみの光だからか余計に光って見えた。

不気味だ〜。



灯りをつけると猫は寄ってきた。

でもすぐにそばから離れてしまう。

まるで嫌がるかのように。

何故?

いつもなら寄ってくるのに…。

何がいけなかった?

猫達はシャー!と威嚇しはじめた。

しかも私の右足に向かって。

確かにここ最近右足の調子が悪いんだよね〜。

重い。

長時間歩くと疲れやすくなる。

痛むんだ。


まるで誰かに掴まれているかのような感触がある。

でもね?自分の目で見ても何も見えない。変わらない自分の足首が見えるだけだ。

で、たまたま全身が映る鏡が部屋にあったのでちらりと覗いてみた。そしたら…そしたら…ありえないものが……。

黒い塊が足首を覆っているではないか。

しかも右足だけ。

怖くなった。

だけどどうしたらいい?

「うわっ、うわー!ど、どうして?何で?怖いよ。」

右手で右足首を叩くがその塊は取れそうもなく、なんだか丸くてふさふさとした…そう、まるで髪の毛の様な藻がからまっている。

それがもぞもぞと動いたかと思うと藻が開いて中から顔が現れた。しかも女の顔だ。

何でそんなことになったのか。

身に覚えもなく、慌ててキッチンに走って塩をとると足首に塩をかけた。

するとスーッと固まりが消え足の違和感も無くなった。でもさ、今度は足だけじゃない、左手首も痛みだした。元々【テニス肘】で通院していたのだ。そこが痛む。

もう身体はボロボロだ。

横になるしかなかった。

腰も【ヘルニア】で痛めているからだ。




そう言えば夜風呂に入る前に子供がぽつりと言っていた。

「風呂から出た時にさ、ガラス戸に手が…手が上から下までびっしりとついていたって…。」今言うか?これから風呂に入るって言うのに。


その日の夜は全く寝られなかった…。

体のあちこちの痛み、眠気が全く来ない…そのせいで寝られない。

それよりも気になるのが誰かにじっと見られてる感じがしてたまらないと言うこと。

そのときふと思い出していた…。

風呂場の手のこと。

でも入っている時には何も感じてはいなかった。

ただ天井が気になるくらい。

でも見る勇気はなかった。

半ば慌てて風呂場から出て服を着るも、怖くて何かがふと出てこないかと不安だった。



何とか寝たけど、朝思いっきり寝坊してしまい、ペットの餌をあげる時間に目が覚めた。

ニャーニャーと鳴いているのだ。目覚めないわけがない。

でも鳴き声がなんか変だ。

でね?そっとドアを開けたらスーッと何かが触れた気がしたが、特に何もなく猫たちも鳴かずに落ち着いていた。

何だったんだ?今のは??

振り返ったがそこには何もなかった。

そう、まるで何もなかったかのように見えていただけだったのだが、実際はどうだったんだろう?

誰にも聞けないから黙っているけど、いずれ誰かが気づくだろう…。

それはきっと息子だ。

家族で唯一見えて話せるからだ。

私の遺伝か?

子供の頃見えるように訓練してたから。

その時は見えていた。微かだけど。

でも息子ははっきりと見えるし、聞こえるらしい。

まさか遺伝?するとは思わず申し訳ないことをしたと頭の中で謝罪するしかなかった。


でも翌日にはもう何も言わなかった。

息子もそう…。

まるで知っているかのようだ。

だが言わない方がいいと思い言うのをやめた。



まだ風呂場で見えるのだろうか?

見えたらどんな顔をするのだろうか?

怖いなぁ〜。

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