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ライナさんが顎に手を当てて考えている。青の空のメンバーであるライナさんが街に帰るわけには行かないしどうしようと言うところだろうか。
「あの、私は一度街に戻ろうと思っていましたのでついでに伝えてきましょうか?第一発見者である私が言った方がスムーズだと思いますし。」
ライナさんがいいのかい?と言う風にこちらを見つめてくるので首肯しておく。
「わかった。なら私が一筆用意するからそれをもって窓口に行くといい。Dランクパーティーである私たち青の空のお墨付きがあればきっと真面目に話を聞いてくれるはずだよ。」
「ありがとうございます!青の空の皆さんにもよろしくお伝えください!それと、持ってきていただいた素材は僕の部屋の中に入れといてくれれば問題ないです。特殊な魔法で保存が効きますので。」
アーランドさんが横から顔を覗かせてこちらに提案を持ってきた。
「もし、よろしければ私の方で荷物の出し入れや金銭の受け渡しを行いましょうか?もし、持ち逃げなどを気にされるのでしたらカズマさんが帰ってきてからお渡しした分の代金を頂ければいいですよ。」
「そんな!申し訳ないですよ。けど、実際お金の受け渡しは問題になりますし、甘えてもよろしいでしょうか?当面の分のお金は渡しておくので何かあればその都度払い直す形でもいいですか?」
アーランドさんは笑みを浮かべながらどうぞと言ってくれた。
「では、私はこれで一度街の方へと戻ろうと思います。失礼します!」
アーランドさんたちに見送られながら俺はダンジョンマスターとして得たステータスのゴリ押しで全力疾走を行った。セーフティゾーンに行くのに歩いて3〜5日かかる行程を俺は寝ずに走り二日で踏破した。しかし、流石に寝不足と疲れで一度街についてから休息をとり、起きてからすぐさま冒険者ギルドへと向かった。
「こんにちは!ミィスさんはいらっしゃいますか?」
冒険者ギルドはお昼の時間でみんなで払って仕事に行っているのであまり人が居らず少し寂しい雰囲気だ。そんな事を思いながら受付の人が呼んできてくれるのを待つ。基本的には受けもって貰う受付に連絡をするのが暗黙のルールとなっており、緊急時のみ他の受付にも話を通せる。今回の件は緊急かは断定できない為わざわざミィスさんを呼んでもらっている形だ。
「こんにちは、お待たせして申し訳ありません。本日はどうかされましたか?」
ミィスさんはこちらが急に呼んだにもかかわらず綺麗な笑みを浮かべて対応にあたってくれている。
「実は、魔の森の奥で大きな戦闘痕を見つけました。状況から見て他国の冒険者や他のチームの可能性が低く、ネームドが現れた可能性が高いため報告に来ました。こちらに青の空の報告書もあります。ご確認ください。」




