希望
こんばんは!
最後まで読んでいただけると嬉しいです!
俺は、白咲の手をひたすら握って祈っている。
白咲は、人口呼吸器をつけ、頭は包帯でぐるぐる巻きにされ、腕には点滴が巻き付けられている。
手術を受けたのだ。二日経っても、白咲のまぶたは、まだ開かない。
白咲とやっと結ばれたのに...
こんな事になるなんて、おもっていなかった。
「一生、そばにいるから...目を覚ませよ。白咲...」
「病気?なんのですか?」
俺は、母さんと一緒に医師の話を聞いたときのことを思いだす。
「頭に腫瘍ができています。幸い、まだ小さいので、手術をすれば、助かるはずです。」
「よかった...」
「しかし...彼女は孤児です。保険には、入っているようですが、それでも、費用はかかります。彼女には払える額では...」
「お金なら、私が出します。なので、彼女を治してあげて下さい。」
母さんが、震えた声でいった。
「母さん...」
「その代わり、約束して?一生、太鳳ちゃんを幸せにするって」
「わかった。約束する。母さん、ありがと」
頬に涙が伝っていく。
...あれ...俺、泣いてんのか?......
「翔」
背後から声がして、振り返ると、いつもの四人が来ていた。
涙を急いで拭う。
「あれ...学校は?」
「終わった」
「もうこんな時間か。どうしたんだよ」
「お前の姉ちゃんから、聞いたぞ。お前、ずっと白咲さんのそばから離れずに、なにも食べてないって」
「そんなんじゃ、お前も倒れちまうぞ」
「ごはん、食べにいこ」
みんなに連れられ、屋上に出た。
「ほれ、メロンパン」
「サンキュ」
大好物のメロンパンを口にほおばる。
あれ...味がしない...
気持ち悪い...
「翔?大丈夫か」
春斗が、背中をさすってくれる。
「わりぃ、後で食べるわ」
「なんか、他のもん買ってくるか。蓮、光、行くぞ」
春斗が二人を連れて、屋上を出て行った。
すばると二人きりになる。
すばるが、肩にやさしく腕を回し、頭をなでた。
「翔、俺の肩で泣かしてやる」
「すばる...」
俺は初めて、誰かの肩で泣いた。
すっきりして、何かが吹っ切れた。
暗いトンネルの出口が見えた気がした。
チャベルが鳴り響く。
大きな門の前で二人の男女が腕を組んで立っている。
「いいの?ほんとに私なんかで」
「いまさらそんなこといわれても...」
「そこはかっこよく、お前がいいとか言ってよ!」
「すみません」
「まぁ、いいや。誰よりも一番大好きだよ!甲斐くん!いや、『翔』くん!」
「...ばか」
君の全てを僕は知りたかった。
僕はまだ、君の全てを知らないようだ。
でも、、もういい。
だって、誰にだって秘密はあるから。
澪。第二作目、いかがでしたか?
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首をながくして、まっていますね!
そして、ここまで読んでいただけた方、本当にありがとうございます!
これからも澪。を宜しくお願いします。
では、また次作で。
澪。