告白
こんばんは!
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「白咲、帰るぞ」
「うん」
今日も、白咲と一緒に帰る。白咲の手が治るまでだが。
「今日のご飯、何かなぁ...」
隣でウキウキしている白咲。よっぽど、誰かのご飯が食べれることが、うれしいのだろう。
俺は、今日の部室でのことを思い出していた。
「え!?白咲がお前の家族に認められたってことか?」
すばるに、今朝、一緒に登校していた真相を吐かされている。
もちろん、白咲の秘密は言わないが。
「認めるって...まだ付き合えてねぇし...」
俺は、自分の失敗をかみしめた。
「なんでだよ!いっつも...お前は順番がおかしい」
「わかってるよ...言わなきゃって思うんだけど...」
「今日言え!絶対に」
「だって...」
「だって、じゃない!向こうもかわいそうだぞ」
「わかった」
「甲斐くん?どこいくの?」
白咲の声に我に返ると、俺は帰り道と違う方向に進もうとしていた。
「ん?あ、ごめん。ぼぉっとしてた」
俺は、急いで白咲のところへ戻る。
「大丈夫?熱でもあるんじゃない?」
白咲が背伸びをして、俺の額に手をあててくる。
「ん......そんなにないか...」
顔があと何センチというところにある。
白咲の大きく潤った瞳が俺と目が合った瞬間、ピタッと止まる。
俺は、白咲に何回目かの口づけをした。
「好きだ」
やっと言えた。ちゃんと。
白咲は、そっとうなずき、唇を重ねた。
唇を重ねたまま、俺は、白咲を、どんどん壁へ押しやる。
白咲が、壁に背中を付け、俺は白咲に、観覧車の時のように、長い、甘いキスをした。
「ただいま」
「おかえり」
いつものように、母さんが出迎える。
「お弁当、おいしかったです」
白咲はお弁当箱を母さんに手渡しながら言う。
「ほんと?じゃあ、毎日作ってあげるわ」
母さんは嬉しそうに白咲をやさしく抱きしめる。
白咲は、やさしく温かいぬくもりにいやされているようだ。
俺は、二人を邪魔しないように、静かに一人で部屋に入る。
俺は、ベットに倒れこんだ。
まだ、胸がどきどきしている。手は汗でびちょびちょだ。
すぐに、すばるに電話をする。
じゃないと、この状態でリビングにいったら、姉さんにどんな疑いをかけられるかわからない。
「どうした?翔」
すばるの優しい声が聞こえ、胸の高鳴りがすこし収まっていくように感じた。
「おーい、翔?」
「すばる...」
「ん?」
「俺、やったよ」
「なにが」
「白咲に、ちゃんと言えた」
「ってことは...付き合えたんだ」
「うん」
「よかったじゃん!あ、俺のおかげ?」
「ああ。今度、なんかおごるわ」
「当たり前だ。じゃあな」
「じゃあ。また明日」
今日の夕食は、格段においしく感じる。
「翔、なにかいいことあった?」
姉ちゃんが、またニヤニヤしながら尋ねる。
やっぱり、勘がいい。
「別に」
俺はごまかすが、白咲は顔を赤らめる。
その様子を見て、姉ちゃんは、俺を腕でどつく。
「痛って!なにすんだよ!」
「いや、あんたってそんないい男だと思ってなかったから」
「なんだよ、それ」
その時、ばたんと、音がして、振り返ると、白咲が床に倒れていた。
「白咲...?」
俺は状況がつかめず、何秒かフリーズする。
「太鳳ちゃん!しっかりして!」
姉ちゃんが、白咲の元へ駆け寄る。
やっと理解ができ、
「母さん!救急車!」
「え、ええ!」
母さんが電話をしに、リビングを出る。
俺も白咲の元へ駆け寄った。
「白咲!白咲!」
いかがでしたか?
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首をながくしてお待ちしております!
では、また明日、20時に!
澪。