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遊園地

こんばんは!

最後までよんでいただけると、うれしいです!

日曜日。

俺は集合時間の三十分前から、白咲を待っている。

白咲と遊園地に行く。白咲と学校以外で会う事すら初めてだ。

楽しみすぎて、仕方がない。

「お待たせ!ごめんね、待った?」

小走りでやってきた白咲の私服姿は、なんだか新鮮で、とてもかわいい。

「ううん、今来たとこ」

ほんとは、だいぶ待ち焦がれていたのだが...

「よかった」

白咲はほっとしたように笑顔になる。


遊園地に入ると、休日だからか、家族ずれやカップルがたくさんいた。

「なに乗る?」

「んー...ジェットコースター!」

白咲が目を輝かせて言う。

ジェットコースターか...俺...乗れるかな?

「乗れなさそう?」

俺の様子をみて、白咲が心配そうに尋ねる。

『いいか、すこしでも相手が楽しくないと感じたら、そこでゲームオーバーだ。それを忘れるな』

すばるの事前講義が頭によぎる。

あんなに乗りたがってたら、断れるわけがない。

「ううん!いいよ!乗ろ!」

「やった!」

長い列に並ぶ。

前と後ろには、カップルがいて、躊躇なくイチャイチャしている。

白咲は、見てて恥ずかしくなったのか、気まずくなったのか、顔をすこし赤らめている。

『タイミングを見計らって、手をつないでみろ。どうせ、周りはカップルだらけなんだ。大丈夫』

よし、今だ。

そっと、白咲の手を握る。白咲は驚いたように俺の顔を見上げる。

俺は、優しく微笑んだ。すると、白咲は微笑み返した。

これは、どういう意味だろう...

幸せを感じるのも、つかの間、俺は地獄に落ちた。

「気持ち悪い...」

最悪だ。ジェットコースターに酔って、気持ち悪い。

白咲がジュースを買って、持ってきてくれた。

「甲斐くん、大丈夫??」

「ごめん、白咲」

「ううん、こっちこそごめん。無理させちゃったね」

そう謝りながら、ベンチの隣に座る。

「ううん、すごい楽しかったよ」

「そう?なら良かった」

まだ、めまいが残っている。でも、白咲を待たすわけにはいかない。

「もう大丈夫!次行こ!」

そういい、立ち上がろうとすると、白咲に引き戻された。

「ダメ。まだ顔色悪いよ?」

そういい、俺の頭を自分の肩に乗せた。

白咲からは、石鹸のやさしい香りがした。

「しばらく、こうしてていいか?」

「うん」


白咲のおかげで、俺は完全復活。

そこから、絶叫系以外のアトラクションに乗り、楽しんだ。

そして、あっという間に日が暮れた。

「あぁ、楽しかった!最後、観覧車乗ろう!」

白咲は、ずっと笑顔だ。

「うん」


観覧車に乗り込む。

目の前で、白咲は楽しそうに窓の外を眺めている。

「今日は、ありがと」

そう、言うと、白咲は、真っすぐにこちらも見つめる。

「こちらこそ、誘ってくれてありがと。すっごい楽しかった!」

そういい、再び、窓の外に視線を移す。

「ずっと一緒に居たい」

思わず、心の声が漏れた。

「えっ?なんか言った?」

白咲は聞こえなかったようだ。

俺は、もう勝手に体が動いていた。

白咲の隣に座り、白咲の手にそっと手を重ねる。

「甲斐くん?」

白咲の大きく、綺麗な瞳を見つめる。

心臓の高鳴りはおそらく白咲にも聞こえているだろう。

俺は、ピンクに染まった唇にそっと口づけした。

とても、柔らかい。

顔を少し離すと、白咲は大きく目を見開き、びっくりしている。

俺は、俺のしたことに気づく。

「っつ...ごめん」

焦って離れる。すると、今度は白咲から口づけをしてくる...

白咲の口づけは、熱くて長い。そして、何人もの女子と付き合ってきた翔でさえも、初めて経験するものだった...




「え!?キスした!?」

「声でけぇよ...」

部室ですばるに昨日の事を報告している。すばるは予想外の展開に興奮している。

「翔にしては、やるじゃん!で?付き合うことになったのか!?」

すばるは、がっつり肩をくんで、俺が逃げないようにロックしている。

「いや、まだ...」

「なんでだよ!キスしたんだろ?」

「うん、一応。向こうからもしてくれた」

「だったら、なんで...」

白咲の甘く熱い口づけに翻弄され、告白するという事は頭からすっぽり抜け落ちて、すんなり帰ってきてしまったのだ。

「バカ!アホ!」

すばるが珍しく、顔を真っ赤にして俺を怒っている。

「女子から、言えるわけないだろ?お前が言うのをきっと待ってたぞ!言われなかった、白咲さんの気持ち、考えてみろよ!きっと、遊ばれただけって失望したぞ!」

「うぅぅぅ...」

確かにその通りだ。なんで、そんなことも分からなかったんだろう...

「今すぐにでも言いに行け。じゃないと、一生、後悔することになるぞ。それでもいいのか?」

すばるは、いつもの優しい声に戻っている。

俺はうなずき、覚悟を決めた。



でも...

白咲は...

学校に姿を見せなくなった。


いかがでしたか?

感想や、アドバイス、評価などを頂けると、すっごく喜びます。

首をながくして、お待ちしておりますね!

では、また月曜日、20時に!


                   澪。

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