約束
こんばんは!
最後まで読んでいただけると、うれしいです!
長いテストの三日間がようやく終わった。
「やっと地獄が終わったね!」
光が、嬉しそうに言う。
「ああ、これで二学期末まで安泰だ!」
廉は、目に涙を浮かべながら感動している。
「おい、テストが返却されること、忘れてないか?」
春斗は、浮かれている光と廉にくぎを刺す。
ギクッとして、二人は、顔を見合わせた。
俺とすばるは、笑いながら二人をフォローする。
「大丈夫だって。あんなに勉強したんだから」
「そうだよ!そうだよね!」
光と廉は、気を取り直し、調子に乗る。
「やっば...」「嘘だろ...」
光と廉が、絶望に浸っている。
テストの順位表が、掲示板に貼られたのだ。
そんな二人を横目に、俺達三人が順位表を見上げた。
3位、蓮。二位、すばる。1位、俺と白咲だった。
隣に白咲が現れる。
思わず、見つめ合った。
すばるが俺の肩をたたき、三人を連れて教室に入っていった。
「同じだね」
「うん。なんか...くやしいね」
白咲は俺の目を真っすぐに見つめる。
喋ったの、久しぶりだな...
「そうかな。俺、うれしい。白咲と同じって」
「......」
何言ってんだ...俺...
「あ、いや、そういう意味じゃなくて...」
穴があったら入りたい!!
白咲は、笑ってくれた。
俺もごまかすように笑う。
白咲は、急に真剣な顔になる。
「あの...こないだのことなんだけど...」
「言わなくていい。」
俺は、強く言った。
「言わなくていいよ。だれだって秘密の一つくらいもっててもいいんじゃないかな」
「ありがと、甲斐くん」
そう白咲は言うと、教室に入っていった。
そうだ、誰だって秘密くらいある。でも......
俺は知りたいと思ってしまう。君の全てを。
テストが終わって、部活が再開した。
俺とすばるは、バスケ、春斗と廉は、バレー、光は卓球をしている
全員、体育館内でやるから、体育館の周りには女子が群がる。
まぁ、別に気にしてはないのだが。
休憩時間、自主練をしていると、白咲が俺にタオルを渡してくれた。
「おつかれさま」
「ん、ありがと」
白咲はすばるに勧められて、マネージャーになったばっかりだ。
すばるが、まちがいなく俺の為にしたのは間違いない。
「どう?バスケ部は」
「楽しいよ。すっごく。まぁ、女子からの目線がすっごいけど...」
白咲をにらむ女子たちの姿があった。
気が付かなかった。もしかして、だからマネージャーがすぐに辞めちゃうのか...
「なにかあったらいつでも言えよ。女子って怖いから」
「うん」
「あのさ...」
話が練習開始の合図で遮られる。
くそ...
白咲にタオルを渡して、練習を再開した。
練習が終わり、部室で制服に着替える。
「なぁ、翔」
すばるが、着替えながら、話しかける。
「ん?」
「今日、白咲さんと一緒に帰れよ」
「えっ、なんで」
すばるが笑いながら俺の肩に手を回して、引き寄せる。
「デートだよ、デート」
「は!?なにいってんだよ!?」
「いいか。二人でタピオカでも飲んで来い。それで、誘うんだ。休日、二人でどっかいかないかって」
「えー...」
「お前なら大丈夫だ。慣れてるだろ。女子と遊びに行くぐらい」
「いつもとは相手が違うだろ...」
「お前の場合、順番が逆なんだよ。普通、『好きな子』と行ってから、『彼女』だろ。お前は、先に
『彼女』を作っちゃうから、ダメなんだ」
「うぅぅ...仕方ないだろ。好きになる人がいなかったんだ」
「わかってるよ、でも、いいのか。このまま何もしなかったら、あっという間に卒業だぞ」
「わかったよ」
白咲は、制服に着替えて記録を書いている。
「白咲!おつかれ」
「おつかれさま」
「あのさ...今日、一緒に帰らないか?」
「え、うん。風間くんたちと帰らなくていいの?」
「うん。白咲と一緒に帰りたい」
「わかった」
白咲が、また隣にいる。
二回目だ。
「飲まない?おごるわ」
「え、いいの?」
「二人とも学年1位を取ったお祝い」
すばるの助言通りにタピオカを買う。
「おいしい!」
タピオカを吸いながら、幸せそうに笑う白咲は、とてもかわいかった。
「そういえば、次の休みっていつだっけ?」
白咲がスマホで確認してくれる。
「えっとね...あ、今週の日曜だ!」
「その日、一緒にどっかいかないか?」
胸がうるさいほど、高鳴っている。
白咲は笑顔で
「いいよ!」
と、言った。
やった...
「どこ行きたい?」
「んー...遊園地行きたい!」
「いいね。じゃあ、そうしよ」
「やった!楽しみ」
もうすでに、駅の前まで来ていた。
「じゃあ、また明日」
「うん!日曜日、楽しみにしてるね!」
「ああ。」
手を振りながら、白咲は改札を通っていった。
見送っていると、後ろからどつかれた。
「うわっ!」
「やったじゃん。翔」
すばるだった。
「お前、ついてきてたの?」
すばるは、ピースサインをして、いたずらっぽく笑った。
いかがでしたか?
感想やアドバイス、評価などいただけると、すっごい喜びます。
首を長くして、お待ちしておりますね!
では、また明日。20時に!
澪。