始業式
こんばんは!
二作目も、ラブストーリーを書いてみることにしました!
最後まで読んでいただけると嬉しいです!
「翔!起きな。ちこくするよ!」
姉ちゃんに起こされて、俺の一日は始まる。
時計をみると、8時15分。
「やっばっ!」
顔が青ざめながら、急いで準備。大好物のクリームパンを片手に家を出る。
俺は、甲斐 翔。
今日は始業式で、俺は高校二年になる。
クリームパンを食べながら、走って学校に行くのは日常茶飯事だ。
クリームパンを食べ終わったころには学校に着く。
校門には体育教諭の松井が、いつもどうり、立っている。
松井は目つきは悪いが、人柄のいいやつで、生徒たちからも好かれている。
「翔!今日も遅いな。」
松井が俺を見つけて、話しかけてくる。
「わりぃ、寝坊した。」
そんな会話を交わしつつ、校門を抜け、校舎に入る。
下駄箱では、騒いでいる声が聞こえる。
いつもの男子4人が俺に話しかける。
「翔~、待ってたよ~」
「ひっつくな。」
急に俺に抱きついてくるのは、橋本 光。特徴と言えば、男とは思えないかわいい顔立ちと身長だろう。
「おはよう。翔。」
こいつは、崎田 晴斗。常に冷静をたもっている。
「俺ら、全員同じクラスだぜ。」
「まじ?奇跡じゃん。」
光を俺から引き離しつつ、教えてくれるのは、風間 すばる。温厚な性格で誰とでも仲良い。
さっきまで居たのに、もう女の子に話しかけているあいつは、岡本 廉。
見ての通りの女好き。どこで得たのかもわからないテクニックで、女の子を魅了している。
俺はまだ上靴に履き替えていないのに気づき、下駄箱を開けた。
すると、どさっと大きな音を立て、たくさんラブレターが落ちてくる。
「翔、もらいすぎだろ。」
廉が俺をおだてる。うれしくもないのだが。
「うっせー。」
俺はしゃがんで、かき集め、カバンに入れる。
すばるが拾うのを手伝ってくれる。
ほんとにこいつはやさしい。
五人でわちゃわちゃしながら、教室へ向かう。
「ってかさー、なんで、翔、彼女作んないの?」
光は、俺にたずねながら、春斗の背中に飛びつく。
「好きになる女子がいないから。そのまんまだよ。」
「モテる男は言う事が違うな。」
光をおんぶさせられている春斗が横目で俺を見ながら言う。
「お前にいわれたくねぇよ。」
春斗も、俺とたいして変わらぬ量のラブレターをもらっているはずだ。
春斗にかかわらず、四人とも。
そんなことをおもいながら、教室に入り、自分の席を確認し、荷物を置く。
四人は、みんな少し離れたところの席だった。名簿が近いのにも関わらず。
おそらく、俺らを担任が離したのだろう。
隣の席には、しらない女の子が座っていた。
俺は、彼女に目を引き付けられた。
長いつやつやの髪。整った顔立ちが透き通った白い肌を引き立たせる。
きれいだ...そう思った。
我に返った。挨拶しとこう。
「俺、甲斐 翔。これからよろしくね。」
俺が、話しかけると優しい笑顔をみせる。
「私、白咲 太鳳。よろしくね。」
話しかけたものの、何をしゃべったらいいのか、分からない。
すると、白咲が俺の口元に手を伸ばす。
白咲の手には、パンのかすがついていた。
「ついてた。」
やばい。俺の顔は、たぶんとんでもなく赤いだろう。
「翔~!体育館いこーぜ!」
すばるの声が聞こえる。
すぐにでも、この場を離れたかった。
「ああ、今行く!」
すぐに返事をして、白咲をおいて、すばるたちの元へ駆け寄った。
始業式が始まった。
恒例のながったらしい校長の話が始まる。
光は、低い身長をいかしてばれないように立ったまま寝ている。こういう時だけ光の身長がうらやましい。
気が遠くなるような時間を過ごし、今度は授業だ。
といっても、委員などを決める時間だ。
俺は、まったく委員会に入る気はない。
だから、爪をぼーっと見ていた。
どんどん委員の枠が埋まっていく。
我に返ったときには、もうすべての委員が決まっていた。
思わず、白咲の名前を探すが、名前はなかった。
横目でみると、白咲も俺と同じように、窓の外を眺めていた。
俺と似てる...いや、誰でもめんどくさいか...
白咲の横顔が、綺麗で、ずっと眺めてられる。
すると、ごつんと頭に衝撃が走った。
「いてっ!」
春斗が、俺にげんこつをしていた。
「なにすんだよっ!」
「こっちのセリフだ。もう帰るぞ。」
「えっ?ホームルームは?」
「とっくの前に終わった。」
「あっ、そう。」
慌てて、帰る用意をする。
「早く~!」
光がせかしてくる。
「わかったって」
席をたち、教室を出る。
ふと、後ろを振り返ると、白咲はまだ外を眺めている。
どこか悲しそうだった。
いかがでしたか?
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ぜひお待ちしております!
今作も毎日20時に更新を予定しています。
ぜひ、毎日チェックしてみてください。
また、まだ1作目の「青と黄色。」を読んでいない方は、ぜひ読んでみてください!
では、また明日、20時に。
澪。