6日目 ② 採取しに行く
6日目
次の日、リサは早朝に目が覚めたはずなのに、布団からなかなか起き上がれないでいるうちに、いつの間にか眠りの世界へ誘われる……。
布団でグダグダしていたはずだったのに、知らぬ間にまた眠りにつき、2度寝をしてしまった。
原因は、昨日慣れない採取をする為に、1日裏山を歩き回り、身体が疲れていたのと、心と身体を落ち着けて眠ることができていなかったからだ。
2度寝をする事で、睡眠時間はたっぷりとっているはずだったが、これでは寝不足と同じである。頭がズキズキしていた。
「今日は気持ち悪いし、まだ眠いわ。薬飲まなくちゃね」
目が覚めたのは自分の叫び声だった。
「キャー助けてー」リサは叫んだ声で2度寝から目覚めた。どうやら寝言を言ってしまったらしい。
初めて寝言を言って目が覚めたせいか、誰も居ない空間の筈なのにとても恥ずかしくて仕方が無かった。
「誰かと一緒じゃなくて良かったわ」自分の家の中なのに辺りを見回し、誰も居ない事を確認してホッとした。
寝言を言ってしまったと言う事は、レム睡眠であり、体が休んでいて脳が活動している状態である。
叫び声が出てしまったのは夢と関連している筈なのに、一体どんな夢を見たのだろうか、「起きた時はちょっと恥ずかしかったけど、思い出せ無いってなんなのよ。気になって仕方ないわ」リサは全く思い出せ無かった。
それにしても、叫び声を出してしまったと言う事は、自分自身が気づいていないだけで、過度なストレスでもあったのだろうか!!それとも、自律神経の悪化が原因なのだろうか……ちょっと不安になってしまった。
だからといって、やらなければならない事を放置して休んでいる暇は無かった。顔を両手でパンパンと叩き、気合いを入れると、採取に行く準備を始めた。
「今日は昨日よりもっと沢山見つけて来るわよ!!」薬を飲んだからか、頭が痛いのも無くなり、眠気も無くなり、リサは意気衝天だった。
お昼に食べるパンやナッツ類、水筒をリュックに詰め込み、意気揚々と裏山へ採取へと向かった。
今日は昨日行ってない方へと足を進める。
「1日でも早く見つけ出すわよ!!」
まだ行ってない方へと突き進み、奥へ奥へと向かって歩き進めると、湖が見えてきた。
湖は綺麗な青色で、太陽の光に照らされて光が反射し、キラキラと輝いていてとても綺麗だった。水が澄んでおり、底から湧き水が湧いているのが確認んできる。
池の周囲は緑の木々に囲まれて、花も咲き乱れ、蝶々まで飛んでいる。池の中には立ったまま枯れた木が沢山立っており、目の前の景色は幻想的だった。
「こんな場所があったなんて知らなかった素敵ね」リサはしばらく動く事が出来なかった。
我に返り、ふと辺りをに回すと、チーという草が沢山生い茂っているのが目に入った。「わーい、ラッキーだわ。沢山あるじゃない」りさは、お腹が空く事も忘れてしまうほど、日が暮れるまで夢中で採取をした。
そのおかげか、チーは100個集める事ができた。持ってきた袋に入れると、その日、リサは嬉しくてスキップしながら家に帰った。