5日目 ① 採取しに行く
5日目
朝起きると顔が浮腫んでいるのが分かったので、洗面台の所まで行き、鏡に映る自分の顔を確認する。
「やっぱり浮腫んでるわ。可愛い顔が台無しじゃない」とりあえず顔を洗い、空気の入れ替えと気分転換を兼ねて、部屋の窓を開けた。
朝食を食べ、身支度を済ませると、まず最初にマゼルの家に向かった。
トントントン……
「はい……どちら様?」
「リサです。昨日は怒ってしまってごめんなさい。ちゃんと話しを聞く!!聞くから教えて下さい。」リサは頭を下げて謝った。
「怒らないで話しをちゃんと聞くなら教えてあげるよ。昔、魔物が出た時に、魔物退治しようかなと思って旅に出るために勉強した事があったから、少しだけなんだけど、知識だけはあるんだ」マゼルは優しかった。
「ところで、魔物退治には行かなかったんですか?」
「行きたかったんだけど、何せ農作業がメインだからね。村1番の力持ちの俺が休んでらんなくて……諦めたんだ……」
魔物退治に行こうとしていた事も、諦めた事も、リサは何も知らなかった。
「全く知らなかったわ」
「気にするな。お前は頑張れよ!!応援してるからな」
「はい……ありがとうございます」
「まずは装備から何とかしないといけないね。いくら初心者でも、ゴブリンの一撃くらい耐えられる装備にしなくちゃ駄目だよね」
うんうん……リサは頷く。
「初心者におすすめなのは、精霊の装備なんだよ。シルフの装備とも言うんだが、攻撃力アップと耐久力アップしてくれる土属性にすると良いんだ」
「成程、勉強になります」メモメモ……
「入手方法はどうするんですか?」
「敵を倒すと入手出来るアイテムがあって、それを必要な分集めて合成すると出来たり、防具屋で買ったりするんだよ」
「成程勉強になります」メモメモ…
「でも、私、まだゴブリンすら倒せないわ。防具屋までたどり着けそうにないし……」
「大丈夫、他にも方法があって、チーって言う草100個と、ランって言う木の実を100個集めて合成しても出来たはずだから、まず最初は採取からだな。これだから覚えて行くと良いよ。」そう言って図鑑を見せて貰った。
「リサの家の裏山とか、探せばあちこちあったはずだよ」
「分かりました。勉強になります」メモメモ……
「採取頑張ります。教えて頂きありがとうございました」ぺこりと頭を下げお辞儀をすると、さっそく採取に向かった。
教えて貰った通り、家の裏山を探索する事1時間。何とかチーという葉を1個見つけて採取するその後も採取は続き、夕暮れまでかかって10個見つける事が出来た。
もう少し採取を続けたかったが、日が沈み、暗くなり始めたので、足早に家に帰り、食事を済ますと、疲れていたので早く眠りについた。