11日目 ② 初めての買い物
十一日目
「ケルビンに着いてきたら武器屋に来たけど、何か欲しいのでもあるの?」
「俺が欲しいのは此処にはないよ、此処へ来たのはリサの装備を買うためだよ。さっき換金所で換金したけど、俺が前に集めた素材も一緒に換金してもらったんだよ。その分も合わせればリサの装備を揃えることが出来るからね」
リサはケルビンの顔をマジマジと眺める、私の事を想っての事なのか、ケルビンが心底お人好しなのかは不明だけど、素直に嬉しい。そんな気持ちは簡単に表にでるもんだ「私のために色々してくれてありがとう」
「可愛い女の子なのに、このままじゃやられちゃうからね。リサのためになら俺の分のお金も使って構わないさ」
ケルビンは、武器屋で私でも使えるスモールソードを選んでくれた。持ってみて分かる、凄く軽い、二、三素振りしたけど、クワとは手に掛かる負担が違う。腰につける鞘のおかげで持ち運びも楽だ!
次にケルビンに連れて来て貰ったのは武器屋の反対側にある防具屋だった。防具屋には、冒険者セットなる物が売られていた。中身は、盾と、防具と、素材袋のお得な3点セット。
「良いのがあるね、これください」支払いが完了すると、ケルビンは私に装備するよう促す。
果たして私のサイズに合うのか不安でいっぱいだったけど、意外とぴったり。どうやら女性用とのことで売れ残っていたとか。やっぱりクロスおばさんの言う通り女の子の冒険者って少ないのかな?
「似合うかしら……」
「バッチリだよ。可愛いじゃん」
「じゃあ使い方わかんないだろうから教えてあげるね」
ケルビンに連れられて、ハステ村に辿り着くまで一緒に歩いてきた森へと戻ってきた。
「此処で今の装備を使ってゴブリンと戦ってみよう。いいかい剣はしっかり握って使うんだよ。盾を使えばガードも可能だからね。片手剣だと身軽に動けるし、手数も多く出せるから初心者向きなんだよ」
「初心者向きとかあるんだね。教えてくれてありがとう」
敵はまだいないけど、敵が目の前にいると思って剣を握り素振りの練習をしてみる。腕に負担がかからないからか、何度もサクサクと剣を振る事が出来た。「これなら私にもできるかもしれない。」そう確信した時、目の前に標的であるゴブリンが現れた。
盾に剣を当て音を出し、ゴブリンをおびき寄せる。奴らは単細胞なのだろう。すぐさま襲い掛かってきた。強烈な一撃だったけど、今の私には盾がある。受け流して手にした剣で三突き、急所には当たらなかったけど仕留める事に成功する。奴らは群れで行動する。二敵目の強襲は予測の範囲内だ。上空からの攻撃だったけど、膝を曲げ何とか盾で受け止める。宙にいるゴブリンなんて的以外のなにものでもない、上段に鋭い一撃を放ち、2匹目も撃退する。
「やっつけたのね」一息つくと、再度ゴブリンが現れた。ケルビンは離れた所からこちらを見守っている、どうやら助けてくれるつもりはないらしい。リサ一人で戦うしかない。
初心者ながら、ゴブリンからの攻撃はすべて盾を使い上手くガードして、片手剣ですぐ攻撃をする。振り回しているだけでは当たらないので、盾で攻撃を防ぎながら隙を狙って相手に近づき攻撃をする。連続で剣を振るのも慣れてきた。サクサクと振れる。最後はゴブリンの首に命中してゴブリンをやっつけた。
「リサ上出来だよ」ケルビンが駆け寄り抱きしめて優しく褒めてくれた。
「ありがとう、一人で出来てうれしい」
倒したゴブリンから剥ぎ取りを済ますと、もう夜が近づいていた。二人は急いでハステ村に戻り、宿屋に泊まる。宿屋は五百円かかるのでリサの残金は九千円になった。




