9日目 ① 引き留められる
9日目
朝になり目が覚めると、昨日マゼルに教えてもらいながら合成して作った防具を確認した。「良かったちゃんとあるわ。壊れてもいないわね」
昨夜は、久しぶりに夜中に雨が降り、雨音で目を覚ましてしまったけれど、窓を開けてみると外は晴れており清々しい陽気だった。
窓からは綺麗な青空が確認出来る。「出発するにはとっても良いんじゃないかしら」リサの心はとてもウキウキしていた。
顔を洗い、服に着替え、朝食を食べ終わる頃、ドアをノックする音が聞こえてきた。
トントントン……
「はい、どなた?」
「クロスおばさんよ。リサちょっと良いかしら?」
「はい……ちょっと待ってくださいね」慌てて食器を片ずけると、扉を開けて、クロスおばさんに家の中へ入ってもらうい、キッチンのテーブル席に座ってもらった。
「今日はどんな用事かしら?私これから忙しいんだけど。」コーヒーを出しながら、おばさんに聞いてみる。
「昨日、用事があったんで夜マゼルの家に行ったんだけど、リサが何度もゴブリンに殺られてるって聞いたわよ。本当なのかい?」
「本当の事よ。間違ってなんかいないわよ。」クロスおばさんに嘘はつけないので、今までのリサがしてきた事をおばさんに話し、防具を作るために3日間かけて採取をして来た事や、マゼルに教えて貰って素材を合成して防具を作った事、そして、今日これから出発しようとしている事を全部話した。
ところが、話を聞いたクロスおばさんは、今日これからリサが出発しようとしている事に反対してきた。「そんなに殺られてるなんて、おばさん心配だわ。リサは可愛いい女の子なんだからね。スタート地点にもどってこれるのかもしれないけど。殺られるなんておばさん心配でしかたがないんだよ。この前応援してるっていったんだけどね。行くのはおよしよ」
そういってクロスおばさんは、とても心配してくれていたが、リサの気持ちわ変わらなかった。「心配してくれて本当にありがとう。でも私まだ諦めたくないわ。どうしても頑張りたいの。お願いだから行かせて!!」
「魔物がでて、畑が荒らされたり、私の息子まで襲われたりしたけど、最近は被害がでていないわよ。リサ以外にも退治してくれる冒険者はいるはずよ。だから、無理してほしくないの」クロスおばさんはそう言うと、リサをぎゅっと抱きしめてた。
「ありがとう。でも、私初めて自分でやってみたいって思えたことなの。決めたのは私自身なのよ。今まで両親が決めてきた事だけをして生きてきたわ。それが嫌で、私は自分の家を出てこの村に来たの。だからお願いやらせてほしいの」
クロスおばさんはリサの真剣な話を聞き、やりたいというリサの思いを受け入れてくれた。「そうだったわね。リサは家が嫌で出てきたんだったわね。自分で決めたことだから頑張れるわよね。やっぱり応援するわ」
クロスおばさんは、お守り代わりに一緒に持って行きなさいと、おばさんが大事にしているスプーンを手渡した。「このスプーンはいつも持ち歩いていたものよ。金でできてるでしょ。使ったことは一度もないの。お金に困ったら使いなさいね」
「ありがとう。大切にするわね」お礼を言うと、クロスおばさんは帰っていった。




