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ジョギングするぞ!!

とくしまマラソンに向けて、今日もジョギングしておりまして、このお話を思いつきました。

 今日も良い天気だ。僕は健康の為にジョギングすることにした。

 でも僕は、あんまり運動は得意な方ではないのだった。

 だから僕の脚は少々重かった。

 黒猫が、道端で転がってアクビをしている。

 (ふむう・・・。ネコは健康の事などおそらく考えたりはしないであろう。)

 僕はすぐに疲れて、公園のベンチに座って休んだ。

 「はーあ、なにをやっているのだろ・・・。

 ただ単に疲れているだけだったなあ・・・。」

 僕は、すぐにジョギングというモノに飽きてしまい、一人たたずんでいた。


 しかし、その時に・・・・。

 僕の座っているベンチの後ろの草影が、ガサゴソと物音を立てだしたした。

 僕は、ものすごく嫌な予感がしたのだった・・・・。

 なぜなら・・・・。


 「ナターシャ!!!!」

 「うわあ!?」

 予想していたいたとはいえ、やはりビックリする。

 こいつは外出先にまで現れるのか!?

 しかし、この格好はお外では刺激が強すぎるのではないのであろうか。

 ものすごく周りの目が気になる・・・・。

 幸いにも、今は誰も僕らのあたりにはいないのであるが・・・。

 黒いトンガリ帽子に黒マント、黒のスリット付きのスカート、勿論ブーツも黒革・・・・・。

 今回も、同じ格好だ・・・。

 やはり、夢では無かったのだ。

 このナターシャは、僕の目の前にいる・・・・。


 「うむ!!」

 ナターシャは、両腕を組んでうなずいている。

 一体何に対して、納得しているのであろうか?

 「大変よろしい心がけである!!」

 ナターシャは、相変わらず意味のとれない言葉を発したのであった。

 「なにが?」

 面倒くさいが、僕はナターシャに相づちを打った。

 「体を鍛えようと言うのだな!!数彦!!」

 どうやらナターシャは、僕がジョギングをしていることを知っているようである。

 しかし僕の行動に対して、ナターシャは過大評価をしているのではないであろうか? 

 「数彦・・・。

 数彦が体を鍛えて、何をなそうとしているはアタシは知るつもりはない・・・。

 しかし、数彦には最大限の協力をすることを約束しよう!!」

 ナターシャは勝手に、右腕に力を入れて熱弁をふるっていたのであった。

 僕はものすごく迷惑そうな顔をしたつもりで、ナターシャを見つめていた。


 「ようし!!」

 ナターシャが意を決したかのような声をあげた。

 非常に僕は、嫌な予感がしてきた。

 そしてナターシャが、何を言い出すのか耳をすませることにした。

 

 「一休み出来たか!?数彦?」

 ナターシャは、僕のジョギングに付き合うつもりなのであろうか。

 「いや、まだしんどいんだけどなあ・・・。」

 実際に、僕はもう疲れているのだから休んでいるのであった。

 「よし!それならいこう!数彦!!」

 ナターシャは両腕を振り、僕にジョギングを促してきた。

 全く人の話を聞いていないのか?この娘は・・・・。

 「いくぜ!!」

 ナターシャは、僕の前を走り出したのであった。

 「ふう・・・・。」

 僕は仕方なく、ナターシャの後をついて走り出した。


 最初はなんとか普通にナターシャの後をついて、走っていけたのであるが・・・。

 しかしどんだけ、タフなのであろうかこの娘は・・・・

 ナターシャは、僕の走るところを次から次へと、先回りしていたのであった。

 ある時は自動販売機の上に乗っていた。

 またあるときは、ブロック塀に腰をかけていた。 

 疲れ果てた僕に対して、

 「頑張れ、数彦!!」

 ナターシャはニコニコしながら、僕に声をかけてくるのである。

 とても苦しい僕は、このナターシャの表情を見て、まさに悪魔のようだと正直に思った。

 僕の体は悲鳴をあげているのに、ナターシャの誘導通りに走り続けた。

 まさか、これがナターシャの魔力によるものなのか・・・・。

 本当に、ナターシャは大魔導士なのであろうか。

 僕は、ナターシャが名乗っているのは真実なのではないかと思うようになってきた。

 そう思いながらも、僕の意識はもうろうとしてきた。


 なんとか、僕はようやく自分のアパートに戻ったのであった。

 正に瀕死の状態の僕は、アパートの自室の玄関で倒れ込んでしまっていたのである。

 「ハアッ、ハアッ・・・・・。」

 辛い・・・、ただ単に辛いだけだった。

 しかし・・・・。

 

 「んん?」

 なんだか、僕の頭の感触が柔らかい事に気がついた。

 とても柔らかくモチモチしたものに、僕の頭は乗っかっていたのであった。

 僕が薄目をあけると、果たして彼女に顔があったのである。

 どうやら、僕はナターシャに膝枕をされていたのであった。

 彼女の膝が、こんなに柔らかいとは・・・・。

 そして、さらに・・・。


 僕の口に、ナターシャが何かを運んできたのである。

 それは、白がかった色の液体であった。

 (ん・・・・。この液体は・・・・。)

 僕は、恐る恐るその液体を飲んでしまった・・・。

 なぜなら、非常にのどが渇いていたからであった。

 (こ、この味は・・・!)

 どうやらナターシャは、スポーツドリンクを僕に飲ませようとしていたのだ。

 僕はスポーツドリンクを遠慮無く飲んだ。

 その味は・・・。


 「う・・・・、美味い!!」

 こんな美味しい液体を飲んだことは、間違いなく生まれて初めてだ。

 疲れ果てた後の、スポーツドリンクがこんなに美味しいなんて思わなかった。

 ハッキリ言ってこないだのカレー(※第1話参照)よりも、美味いかも・・・。

 (こんな事言ったら、ナターシャには怒られるかも知れないけど・・・・・。)

 苦しいだけだった、今日のジョギングが充実したイベントへと変化していったのであった。

 僕は、とても心地よい中、だんだんと意識が遠のいていった・・・。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーしばらくしてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 僕は布団の中で、目が覚めたのであった。

 「ん!?」

 僕は小さな異変に、気がついていた。

 なんと僕は、寝ている間に服を着替えさせられていたようだ。

 きっと僕が風邪を引かないように、ナターシャが着替えさせてくれたのだろう・・・。

 さすがに、パンツはそのままだったが・・・・。

 「ナターシャ・・・。」

 僕はナターシャの、厳しい中にある優しい心遣いに、しんみりとした気分になった。

 「お・・・・・?こいつは・・・。」

 僕の側で、いつの間にか入ってきた黒猫がゴロゴロとしていた。

 僕は思わずに呟いた・・・。

 「ナターシャ・・・。

 君はなんて、世話好きなんだ・・・・。

 君は、お母さんみたいだな・・・・・。」


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